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能面部下の業務日誌
24.俺様彼氏に捕らわれて☆
しおりを挟むスプリングの効いたベッドの上で、シーツの海に漂いながら、私は彼に溺れた。
…溺れさせられた…と言ったほうがいいのか。
深く貪るような口付けと、何かを探るように滑る熱い手のひらが、私の身体の奥深くに火を付けて。
その熱を逃さぬようにと、長く節張った指がゆっくりと中に押し入ってきた。
「…凄ぇ締め付けてる…俺、まだ何にもしてないぞ?」
くすくすと笑いながら指をくにくにと動かし始め、私が一際高く嬌声を上げたところは、重点的に攻められた。
「ここ…良いのか。じゃあここは?」
「やっ!それだめっ!なんか変ですぅ!おかしくなるぅぅっ!!」
「なれよ。何もかも曝け出してしまえばいい…」
抽送する指が増え、身体を震わせながら達すると、彼は満足そうに微笑みながら、脚の付け根へと顔を埋めた。
「ひぁっ!?だめっ!汚い…からぁ…っ!」
「汚くねぇよ。寧ろ甘いくらいだ。」
達して敏感になった花芯を舌で転がされ、ちゅうっと吸われてまた達する。
何度も。何度も。
容赦なく繰り返される行為に、喘ぐことしか出来なくなった。
「んぁっ!あっ!ひぁあぁぁっ!」
「ふふっ…またイったな…これで何度目だ?」
彼は顔を上げぺろりと口を舐めると、不意に身体を引き寄せ、きつく抱き締めてきた。
「…信じてもらえないかもしれねぇけど、俺が欲しいのは、秋良の身体だけじゃねぇから。」
ぼうっとした頭で、どこか彼の声が遠く響く。
「優しくて、暖かくて、全てを包んでくれる。秋良の心ごと、未来ごと全部欲しい。」
先程までの情熱的な行為とは打って変わり、優しく、一言一言を噛みしめるように話す彼。
「…秋良…俺の…俺だけのものになって?」
そうして、眼前に差し出されたモノ。
それは、サイズの違う2つ並んだ輝きを納めたビロードの箱。
「…これ…!」
一瞬、理解出来なかった。
だって…こんなこと、予想すらしていなかったから。
「本当はクリスマスに渡すつもりだったんだが…現在進行形で俺の性欲が暴走してる自覚はあるし、身体目当てと思われたくねぇから…今、渡す。」
自覚あったんですか。
けれど、そんな些細な事、もうどうだっていいのです…!
「…本気だから。」
涼介さんの顔が滲んで、ちゃんと見れない。
くすりと笑って目元を拭った長い指が、小さな輝きを手に取り、私の薬指へと滑っていく。
「…嬉しい…です…!」
「俺も。…緊張した…」
そうなんですか?と問えば、当たり前だろ?と返ってくる。
「本気で惚れてる女にプロポーズしてるんだから。本当は夜景の見えるレストランとか、ベタなこと色々と考えてたんだが…もう好きすぎて限界。秋良が欲しくて仕方がねぇ。」
「…何というか…涼介さんらしいですね。」
「…どういう意味だ?」
「そのままの意味です。そんなところが、大好きなのですよ。」
大きな輝きを手に取り、彼の薬指を撫でるように通していく。
彼の左手が私の左手を取り、その薬指に軽く口付けた。
「…寝かさねぇから。夜通し抱くから覚悟しろ。」
「…私、初めてなんですが…」
「わかってる。優しくするから俺に委ねて。」
にやりと笑って覆いかぶさってきた。
…おや?ほんの少しだけ不安がよぎるのですが?
優しくしてくださる…の…ですよね?
信じていいですよね!?
などと冷静に考えられたのは一瞬だけで、すぐに彼の愛撫に翻弄されてしまい、身体に火を灯されてしまった。
「…深呼吸して…」
私が息を吐くと同時に、中を押し広げながらゆっくりと熱い塊が入ってきた。
「んぁっ!あぅぅ…!」
いた…くはない…っですが…!
圧迫感凄い…ですっ!
「は…きっつ…!ゆっくり息吐いて…力抜けって…」
出来るならとうにやってます…!
異物感に耐え、ふるふると体を震わせていることに気づいたのだろう。
彼の両手が、胸や腰回りをするすると動き始めた。
その指が生み出す刺激に脱力すると、ゆるゆると腰を前後に動かしながら、少しずつだが奥へ奥へと進んでくる。
と、しばらくして、涼介さんの動きが止まった。
…全部…入った…の…ですか…?
浅く息を吐きながら、そう思っていると
「…貰うぞ…!」
低く呻くような声とともに、鋭い痛みと何とも言えない快感が一気に押し寄せた。
「んあぁあぁぁぁぁっ!?」
何!何っ!?なんですかコレ!
痛い…っ!けど…っ…身体…変…っ!
怖い…怖いです…っ!!
未体験の感覚に、恐怖を覚える。
痛みからなのか。
快楽からなのか。
恐れからなのか。
がくがくと震えが止まらない身体を、涼介さんは優しくあやすように抱きしめてくれた。
「…痛かったな…すまない。」
違う。いえ、違わないけれど、そうじゃない。
痛いけど、苦しいけれど。
それ以上に嬉しい。
浅く呼吸を繰り返して、大丈夫だから…と何度も頷いた。
「…怖いか?」
「…大…丈夫…です…」
「嘘つけ。大丈夫じゃねぇだろ。」
この程度の強がりは、すぐに見抜かれてしまう。
労わるようなキスの雨が降ってきて、その心地よさに身を委ねた。
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