たそがれ色の恋心

空居アオ

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東京公演編

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 ケイは朝からすこぶる機嫌がよかった。
 昨日、東京公演の中日なかびを迎えたのである。
 折り返し地点を過ぎたので、一層気が引き締まると同時に、変にテンションも上がっていた。
 最大の理由は中日ではなく、足の怪我が完治したと医者に言われたからだ。
 殺陣が激しくて多い演目なので、足の状態を考慮して、公演前半はやむを得ず多少動きをセーブさせてもらっていた。そのおかげで、幸いにも悪化することなく、そしてやっと、全力で動いていいという許可を医者にもらったのである。
 嬉しくて嬉しくて、朝も早くからつい、トージにメッセージを送ってしまった。


ケイ:いよいよo(^ワ^)o
ケイ:待たせたな。
ケイ:今日からヒラン様の復活だ(o^-')b

トージ:調子に乗るな!
トージ:おめでとう\(^◇^)/
トージ:やったな!おかえりー(^o^)


 トージからの返事を読んで、ケイは顔がにやけていくのを止められない。


ケイ:ただいま~(^▽^)
ケイ:調子になんか乗ってない!
ケイ:だってファンにヒラン様って呼ぶ人いるし。

トージ:おまえ
トージ:それが調子に乗ってるって言うんだよ!

ケイ:そーゆーツッコミはいらないって。

トージ:言わせてんの誰だよ!

ケイ:トージしつこいo(>ε<)o
ケイ:でも今日機嫌いいから許してやる!
ケイ:俺って優しい~(*^ー^*)

トージ:この!
トージ:お調子者!!

ケイ:もーうるさい( ̄^ ̄)
ケイ:でも、愛してる~(^3^)-☆Chu!


 にっこにこ笑顔でそんなメッセージを送信し、ケイはスマホをポケットに突っ込んだ。
 愛してるなんて、それを見たときのトージの顔が目に浮かぶ。
 その表情を想像するだけで、ケイは楽しくてしようがない。

 天気はいいし、足は完治だし、恋人とは朝からスマホ越しにやりとりができるし、今日はなんていい日なんだろう。

「世界は俺のためにある――なんつって」

 と、自分にツッコミを入れた直後、ポケットのスマホが振動した。
 相手はトージしかいない。
 ケイはにやけ顔を通行人に見られないよう俯きつつ、スマホを取り出す。

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