『アルマンドの騎士1』“魂の伴侶、それは魂の片割れツインレイ”

大輝

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第8章 死闘風の竜

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【修練院のマリア像の前】

〈1人祈るローズマリー〉

(胸騒ぎがするの。お願いアッサム無事で居て。マリア様、どうかあの人をお守り下さい)

【古城の奥の大広間】

〈巨大なドラゴンが姿を現わす〉

緑色のドラゴンだ、やはり風の竜か。

やたら近づけば、風に巻き上げられ飛ばされてしまう。

どうやって戦えと言うのだ。

こちらに気づいて、近づいて来る。

羽ばたくと、一層風が強くなる。

「凄い風。飛ばされそうだわ」

「ミューズ!」

ミューズは、コリアンダーを引っ張って安全な所へ移動する。

私はまたローズマリーのエネルギーを強く感じていた。

炎竜を前にした時もそうだった。

無事に戻るから、心配するな。

バジルは、気の玉を練りぶつけるが効かない。

風竜が低く飛び威嚇してくる。

「うわっ」

バジルと私の身体が浮き上がった。

私は風竜に掴まり、なんとか背中に乗る事が出来た。

風の内側に居れば影響を受けないようだ。

しかし、何度も振り落とされそうになる。

私は宙吊りになったまま、風竜は、バジルに突っ込む。

そして、2人とも投げ出された。

【修練院】

〈マリア像の前1人祈るローズマリー〉

(あの人のエネルギーが痛い…きっと何か…とんでもないモンスターと戦っているんだわ)

【古城のモンスターの巣】

「くそう!マスター!大丈夫か!」

「バジル無事か!」

奴を倒すには、やはり背に乗るしかないようだ。

風竜が低空飛行で向かって来た時、もう一度背中に乗った。

振り落とされそうになり、ぶら下がってはよじ登り背中を切った。

「ぐわー」

バジルは、風竜に空中から足で蹴られ壁に叩きつけられた。

「バジルしっかりして」

コリアンダーが、ヒーリングしている。


「俺がこのぐらいでくたばるかよ。風竜め、ぜーったい食ってやるからな」

首の辺りに剣を突き刺すと、風竜は地上に降りた。

私が飛び降りると、バジルが攻撃を開始した。

「とりゃ!」

今度は、口から風のブレスを吐いてくる。

正面に居ては、吹き飛ばされる。

私は、奴の腹の下に潜り込んでランスで突いた。

何度も腹を突くと、風竜は悲鳴をあげた。

素早く足を突くと倒れた。

「てーーい」

私は、ランスで突進した。

「やったぞ」

〈風竜の首に刺さった剣を抜くアッサム〉

「コリアンダー。もう大丈夫だ」

私は、風竜から使えそうな素材を剥ぎ取った。

ふと見ると、バジルは肉を焼いている

本当に食べるつもりだ。

【修練院のマリア像の前】

〈胸に手を当てるローズマリー〉

(大丈夫みたい…あの人は生きてる…死んだら…もし死んだりしたら、直ぐに統合するはずだもの)

【古城のモンスターの巣】

〈風竜の肉を焼くバジル〉

「早く焼いちゃってよ。ここは何だか怖いわ」

「待て待て、持てるだけ持って行くぞ」

〈大量の肉を焼くバジル〉

モンスターの羽音がする。

「また何か来たみたい」

「ああ、さっきより小さいようだが」

「だから早くって、言ったのに」

私達は、物陰に隠れた。

ルナよりは大きいが、まだ子供の風竜だ。

やっと、親離れしたぐらいか。

「どうする?」

「食う」

「もう!バジル!相手はまだ子供よ」

「殺すのは可哀想だが…」

「どうせ大きくなれば人を襲うんだ。いまのうちに退治しておかないとな」

「ただ食べたいだけだったりしてー」

「モンスターとて神から与えられた命。人さえ襲わなければ、殺す必要は無いのだが」

「良い物が有るんだけど、試してみる?」

「良い物だって?」

コリアンダーがバックから何か取り出している。

何やら嫌な予感がするが…


「麻酔玉と捕獲銃。兄が作ったんだけど、使えるようなら売り出すんだって」

コリアンダーの兄のセージは、何やら不可思議な発明をしているのだが、時々使える物も作り出す。

「危険な実験は、俺達がやるのねん」

「子供の竜ぐらいなら捕まるかも、って」

「かもかい」

とにかく道具を使ってみる事にした。

麻酔玉を投げつければ良いようだ。

バジルが麻酔玉を投げると、風竜の子に当たった。

「よっしゃ!」

動きが鈍くなってきたぞ。

「早く!捕獲銃!」

私が捕獲銃を撃つと、網が飛び出して風竜の子を包んだ。

「成功か?」

網の中で動かなくなっているが。

「こいつ、いびきかいてるぞ、ハハア」

「バジルみたい」

「何で俺だよ」

「何で、ですって?良く言えるわね」

「もう、大丈夫そうだぞ。お前もこっちへ来てみろ」

「ケガをしいるわ。ヒーリングするからねー、大丈夫よー」

モンスターが目を覚ました。

バジルが構える。

「もう少しだからじっとしてー、そうよ、良い子ね」

どうやら、治療されているのがわかっているようだ。

風竜の子は、大人しくコリアンダーの治療を受けていた。

【ギルド・レ・シルフィード】

「あー、マスター、皆んなお帰りなさい」

「タイム。タイムは居るか」

「はーいマスター。皆んなお帰りー」

「お前に土産物が有るぞ」

「えー何ですか?楽しみ」

「はい、これよ」

「わーこれは嬉しい。良く捕まりましたね」

「ルナの良い遊び相手になると思ってな」

【魔獣の小屋】

〈風竜の子を連れてタイムがルナの檻に近づくと、ルナが威嚇する〉

「あら、仲良くするのは無理かしら?」

「貸してみろ。タイムはルナを抱け」

ルナを檻から出してタイムが抱き、私が捕まえている風竜の子とご対面だ。

2頭は、鼻を擦り合わせている。

「挨拶してる。大丈夫そうだよ」

「さっきは、焼きもち焼いてたのね」

「この子なら、戦いに連れて行けるよ」


「ちゃんと捕獲出来たみたいだね~」

「お兄ちゃん」

「へー子供のドラゴンか。良く捕まえられたな」

「子供の竜ぐらいなら捕獲出来る、って言ったのはお兄ちゃんよ」

「出来るかも、って言ったんだよ」

「やっぱり、かもだ」

「宜しくね~」

〈風竜の子が風を纏ってセージを威嚇する〉

「ガォー」

「わっ、随分な挨拶だな」

「お兄ちゃんの格好が、怪し過ぎるからよ」

「名前は、決めたのかい?」

「西の古城から来た風の竜だから、ミストラルにしようかな」

「良いんじゃない」

「ガォ」

「本人も、気に入ったみたいよ」

「卵産んだら食ってやるからな」

「この子は、男の子だよ」

「何だ、残念」

【アッサムの屋敷】

屋敷に戻ると、ローズマリーから手紙が届いていた。

あの日、彼女もルールの村に行っていたのか…

もう一度会いたい。

だが、相手はシスターだ。

手紙で会う約束も出来ない。

【修道院】

〈シスター達が刺繍をしている〉

(アッサムは、もう街に戻ったかしら?最近私…魂が身体から離れて出て行くような気がするの)

(生きたまま統合するって、どうなるのかしら?私の中に貴方が入って来て1つになっていく感じがする時が有るの)

(私達の魂は、このまま統合するのかしら?)

「ローズマリー。手が止まってるわよ」

「はい、申し訳ありません」

「何か心配事でも有るの?」

「いいえ、院長様」

「心配事が有るなら、神に祈りなさい」

「はい、院長様」


【武器屋】

「アッサム様。ご注文の剣出来てますよ」

「これは軽くて良いな」

「軽くても丈夫で、切れ味も良いですよ。風竜の素材で作った風の剣ですからね」

【ギルド・レ・シルフィード】

「マスター。ミストラルもだいぶ懐いてきたから、そろそろ訓練に出たいんだけど、ついて行ってもらえるかな?」

「ちょうど新しい剣の切れ味を試したいと思っていたところだ」

「良かった。じゃあ行こう」

【魔獣の小屋】

「おいで、ミストラル」

「ガォガォ」

「ガウー」

「ルナは、お留守番だよ」

「ガウー」

「ルナちゃんは、私が見てますね」

「頼むね、ミント」

「行ってらっしゃい」

「ガォー」

「ガウー」

「ルナ。良い子にしてるんだよ」

【港町ロンド】

ここまでミストラルは、しっかりタイムの言う事を聞いて、魔物と戦ってきた。

「ミストラル。勝手に離れちゃダメだよ」

「ガォ、ガォ」

【桟橋】

「やあ、アッサムさん、タイムさん…そっちは?」

「ミストラルです」

「やあミストラル」

「ガウ」

「魚食べるかい?」

「ガウガウー」

〈喜んで魚を食べるミストラル。丘の上の修道院を見上げるアッサム〉

【修道院】

〈ローズマリーが海を見ている〉

(また魂が身体を離れて、出て行きそうだわ)


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