『アルマンドの騎士1』“魂の伴侶、それは魂の片割れツインレイ”

大輝

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第12章 生死の境

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【道具屋】

〈道具屋は、戦場から負傷して戻った兵士達で溢れていた〉

「傷薬をくれ」

「俺は、解毒剤だ」

「セージ。コリアンダーに薬を調合してもらってきておくれ」

「は~い」

【コリアンダーのサロン】

「コリアンダー。傷薬も、解毒剤も品切れなんだけど」

「薬草が足りないの。重症の人は、ここへ連れて来て」

「良いのか?凄い数だよ」

〈ゾロゾロと負傷者が入って来る〉

「マスターは、僕が見てるよ」

「お願いね、タイム」

(こいいう時は、何か忙しくしている方が良いの…アッサムお願い…死なないで)

〈ベッドに眠っているアッサムの汗を拭くタイム〉

【ギルドの魔獣の小屋】

〈壊れた檻に戻っているミストラル〉

「ガゥガゥ」

〈ルナがミストラルの傷を舐めてやる〉

「ガォガォ」

【コリアンダーのサロン】

「早く俺も診てくれよ」

「次は、私の番だ」

「ちゃんと並べよな」

「順番を守れ」

「コリアンダー!取って来たぞ!」

〈大量の薬草をバサッと置くバジル〉

「これで良いんだろう?」

「ええ、そう、これよ。ありがとう。お兄ちゃん!手伝って!」

「は~い。何をすれば良いんだい?」

「この薬草を、お兄ちゃんの作った装置で乾燥させてほしいの」

「これ、全部?」

「全部よ」

「おいおい、セージの作った装置だって?大丈夫か?」

「大丈夫だよ…たぶん」

「また、たぶんかよ」

「やってみるしかないでしょ?ダメなら急いて改良して」

「かわいい妹の為だからね、頑張るよ」

〈騎士達の治療をするコリアンダー〉


【乾燥装置】

〈大量の薬草を運ぶバジル〉

「ここに入れて~」

「良し」

〈バジルは、装置の中に薬草を入れた〉

「僕は、力仕事は苦手で….」

「こいつで、肉や魚も干せそうだな」

「そんな事したら匂いが移って、コリアンダーに怒られちゃうよ」

「なるほど」

【修道院】

〈部屋で眠るローズマリー〉

【門の外】

「貸してもらえるまで、帰れない」

〈馬の蹄の音〉

「ミント嬢!」

「ルバーブさん」

「やはり、貸してはもらえぬか」

「はい…どうしたら」

「開門!我が名はルバーブ。王命である!開門せよ!」

【修道院の中】

「国王陛下の許可ですって?」

「それなら、お貸しできるわね」

「シスター・フェンネル。聖杯を」

「はい、院長様」

〈聖杯と聖水を運ぶフェンネル〉

「どうぞ、お持ちなさい」

「ありがとうございます。必ずお返ししますので」

「急ごう」

「はい」

【門の外】

〈ミントを馬に乗せて走るルバーブ〉

【ローズマリーの部屋】

〈目を覚まし、ベッドに座るローズマリー〉

(あの人のエネルギーを感じられない…まさか!嫌よアッサム)

(いいえ、あの人は生きているわ。ただエネルギーを感じなくなっただけよ。きっとそうだわ)


【コリアンダーのサロン】

〈ミントが駆け込んで来る〉

「通して下さい。お願いそこを通して」

「道を開けよ!」

〈ルバーブの一声で道が出来る〉

「コリアンダーさん!聖杯と聖水」

「借りれたのね、良かった」

「俺達の治療は、どうなるんだよ」

「薬を塗るだけなら、おばちゃんに任せなさい」

【サロンの奥の薬棚】

「薬草の乾燥出来たよ~」

〈薬草を煎じるコリアンダー〉

【サロン】

〈ベッドの上でうなるアッサムの汗を拭くミント〉

【薬棚】

〈薬を容器で潰し粉にすると、聖杯に入れ聖水と煎じた薬を混ぜる〉

「出来たわ」

【サロン】

「さあ、アッサム、口を開けて….お願いこれを飲んで」

〈アッサムの口を開けて、スプーンで薬を飲ませる〉

【修道院】

〈祭壇の前1人祈るローズマリー〉

(エネルギーが感じられない…でも…生きているはずだわ。だって、死んだら統合するからわかるもの)

【コリアンダーのサロン】

「熱が下がってきたわね。後は意識が戻れば…」

「う…う…」

「何?アッサム」

「う…」

【修道院】

(きっと、まだ苦しんでいるのだわ。何もしてあげられないのね…私)

(貴方のそばに居たい…許されるなら…神がお許しになるなら、今すぐ貴方の所へ…)

「え?」

〈赤い霧のようなエネルギー体が、ローズマリーに近づいて来る〉

(ダメよ、アッサム、来てはダメ…幽体離脱?ダメよ、戻って!お願いだから)

【コリアンダーのサロン】

「次も…一緒に…転生…しよう」

「はっ、中間世?!ダメよ!そっちに行っちゃダメ!戻って!!」

「おい!アッサム!」

「アッサムさん」

「マスター」


【修道院】

(まさか…統合?!)

〈ローズマリーの身体の周りを赤いオーラのような物がまとわりついていく〉

「アッサムダメよ!戻って!」

【道具屋】

「お母さん、新しい薬ここ置くよ~」

「はいよ。アッサムちゃんはどうだい?」

「まだ生死の境をさまよってるよ」

「アッサムちゃんが死ぬわけないんだからね、あの元気坊主のアッサムちゃんが」

【コリアンダーのサロン】

「う…う…」

「アッサム」

「コリアンダー…か…港…は?修道院は?」

「皆んな無事よ」

「アッサム、分かるか?私だ。ルバーブだ」

「ルバーブ…敵は…」

「逃げ帰ったよ。お前の竜に助けられた」

「あ、そうだ私、ミストラルも治療しに行かなきゃ」

「お母さんが傷薬つけて、解毒剤飲ませてたよ~さっき見て来たけど、ピンピンしてた~」

「コリアンダーさんも、少し休んだ方が良いですよ。寝ずに治療してたんですから」

「うんうん。マスターは、僕達が見てるからそうしてよ」

「私は、大丈夫よ」

〈立ち上がり、フラフラするコリアンダーをバジルが抱き止める〉

「大丈夫じゃないだろ」

「バジルったら、離してよ」

「皆んなが心配してる。ちゃんと休めよ」

「わかったわよ。そうさせてもらうわ」

「あ、そうだ。俺、ミストラルの小屋直して来る」

【ギルドの魔獣の小屋】

「ミストラル。ちょっと出ててくれよ。小屋を直してやるからな」

「ガォガォ」

「ミストラルちゃん、どうだい?ちょっとケガを見せてごらん」

「ガォー」

「だいぶ良くなってるね。良い子だね、薬を塗るから大人しくしてるんだよ」

「ガォガォ」

「ガゥー」

「ルナちゃんはケガしてないんだから、良いんだよ。それともミストラルちゃんが心配なのかい?」

「ガゥガゥ」


「おばちゃん、竜が怖くないの?」

「初めは怖かったけどさ、慣れたら可愛いもんだよ。まだ子供だしね」

「アッサムさんがやられて、怒ったこいつが、敵の船全部沈めたらしいよ」

「そうかい。そりゃ、恐ろしい力が有るだろうよ、風の竜だからね。竜の中でも一二を争う強さだ、って言うじゃないか」

「確かに魔獣は人を襲うけど、一番恐ろしい生き物は人間かも知れないな」

「そうだね」

「俺だって、魔獣が人を襲ったりしなかっら殺したくないよ。それを、敵国の連中は、味方のグリフォンまで毒矢で殺しやがったって言うじゃないか」

「かわいそうに…あちらの魔獣使いは、それで平気なのかね?」

「代わりはいくらでも居るってか?」

「この子たちの代わりなんて、どこにも居やしないよ。同じ命なんて無いんだからね」

「うちの魔獣使いは優しいから良かったな」

「本当、この子達の世話をするのが、タイムちゃんで良かったよー」

「ほら、お前の小屋直ったぞ。もう壊すなよ…緊急事態以外はな」

「ガォガォー」

「はい、傷の手当ても終わりだよ」

「ガォガォ」

〈自分で小屋に入るミストラル〉

「こんなに利口なんだから、小屋に入れる必要ないのにな」

「野良竜と間違われて、殺されでもしたら可哀想だからね」

「ハハハ、野良竜か」

【コリアンダーのサロン】

「まだ食べるのは無理ね。聖水だけでも飲んで」

〈アッサムに聖水を飲ませるコリアンダー〉

「この聖なる泉の水は、自然治癒力を高めるのよ」

「無くなったら、ルナ達と取りに行ってくるからね」

「そうね、お願いタイム」

「了解、了解」

〈微笑むタイム〉

(僕だって、ルナ達さえ居れば、皆んなの役に立てるんだから)

【修道院】

(弱いけど、アッサムのエネルギーが感じられる…)

(こんなに心配させて、もう嫌よ…もう、貴方のような危ない仕事をする人を思っているのは嫌)

(私達って、地上で巡り会うと、どうしていつもこうなの?雲の上で2人で居る時が一番幸せだわ)


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