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第15章 猛吹雪 白い竜
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〈塔の最上階、空中で睨み合う2頭の飛竜〉
先に仕掛けたのは、ミストラルの方だった。
「ガォー」
ミストラルの風のブレスで視界が開けた。
見えてきたぞ!
大きな白い竜だ。
いくらミストラルが強いとは言え、まだ子供の竜。
相手は、百戦錬磨の老竜のようだ。
「行くぞ!」
「おう!」
私とバジルは、白竜のブレスのかからない位置に回り込む。
バジルは、気を練ってぶつける。
私は、ランスで下から突く。
白竜のブレス、ブリザード。
ミストラルの風のブレス。
2頭の飛竜のブレスとブレスがぶつかり合う。
「とりゃ!」
地面擦れ擦れに襲いかかる白竜の力を利用してバジルが投げる。
〈白竜の氷のブレスで、凍りつくバジル〉
「バジル!」
「嘘でしょ?!」
「ルナ、バジルを助けるんだよ。出来るね」
「ガゥ」
「大丈夫。加減して炎を吐けば、バジルを焦がしたりしないからね」
「ガゥー!」
ルナの炎のブレスでバジルの氷が解けた。
「ヒーリングするから!」
ルナがバジルの巨体を噛んでコリアンダーの所に引きずって行く。
「バジル、しっかりして!」
コリアンダーがヒーリングを始めた。
ルナが心配そうにバジルを見るている。
「ルナ、良い子だね。バジルは大丈夫だからね」
「ガゥガゥ」
「ガォー!」
ミストラルの風のブレス。
とにかく白竜を地上に降ろさなければ、翼を持たぬ私には武が悪い。
空中に居る白竜の足をランスで突き上げる。
白竜の起こす猛吹雪で、私の体は浮き上がり、飛ばされた。
「うわっ!」
「アッサム、大丈夫?!」
「私は…大丈夫だ」
【修道院】
〈祭壇の前1人祈るローズマリー〉
(体に痛みを感じる…これは…アッサム…貴方の痛みね)
(きっとまた、恐ろしい魔物と戦っているんだわ)
「え?」
(何…?今の…一瞬白い竜が見えた気がしたわ…まさか…でも本当に見えた…)
(まるで、あの人の目を通して見ているように…)
(きっと、東の塔に行っているのね)
【塔の最上階】
「ガォー!」
ミストラルが白竜に向かって行く。
白竜もミストラルに向かって突っ込んで来る。
「ミストラル!無茶するな!」
「ガォー!!」
〈頭から突っ込むミストラルの冠と白竜の頭がぶつかる〉
2頭の竜は、絡み合い地上に落下した。
「ミストラル!」
私は、ランスで白竜に突進した。
「たー!」
少しは、ダメージを与えられたようだが…
白竜は、私を踏みつぶそうと、大きな足を上げて向かって来た。
「ガォー!」
「ガゥー!」
ミストラルが、私を咥え下がる。
「ガゥー!!」
ルナが怒っている。
「ガゥー!!!」
「ガゥー!!!」
〈怒ったルナが、辺り構わず炎のブレスを吐きまくる〉
今迄私達が見た事も無い物凄まじい炎だ。
ルナにこんな力が有ったとは…
「ちょ、ちょと、ルナちゃん!こっちまで燃やさないでよー!」
「ガゥー!!」
そこら中火の海になった。
だが、タイムは冷静だった。
「ルナ。もう良いよ。良い子だから落ち着いて」
「ガゥー…ガゥー…」
ルナは、息を切らしながら、まだ怒っている。
「白竜は、逃げて行ったよ。もう良いから、こっちにおいで」
「ガゥガゥ」
「暖かい…と言うより、暑いぐらいね」
白竜は、この暑さに耐え切れず逃げ出したようだ。
「白竜、逃がしちゃったね。ごめんなさい」
「いや、今の私達には、奴を倒せんよ。ルナとミストラルが居なければ、どうなっていたか」
「本当ね…ルナちゃんの力には驚いたわ」
「怒ると手が付けられないところが有って…ちょと、困るんだけど…」
「姿は可愛いが、怒ると豹変か。人間の女性とかわらんな」
「何ですって?」
「今回は、俺、情けねーな。すまん」
〈ミストラルのヒーリングをするコリアンダー〉
「あら、冠が曲ってるわ」
「ミストラルの頭を守ってくれたのだな」
「ガォガォ」
「冠って?俺には兜みたいに見えるけどな」
「ちっちゃめの兜だね。頭全体を覆うような窮屈なのは嫌がるから、こんな風に作ってくれたんだね」
「ルナちゃんは、ケガは?」
「うん、大丈夫だね。こっちはティアラも壊れてないし」
「俺は、もう良いのか?」
「バジルは、ヒーリングしといたから、後は食べれば復活でしょ?」
「まあ、そうだな。あ、腹減ってきた」
「アッサムの治療が終わったら、下に降りましょう」
【修道院】
〈祭壇の前に座り込むローズマリー〉
(終わった…のね…あの人のエネルギーが、穏やかになってゆく…)
「ローズマリー大丈夫?あなた、少し休んだ方が良いわ」
「大丈夫よ。ありがとう、フェンネル」
【ギルドの魔獣の小屋】
「ほら、ミストラル君。見てくれ!新しい兜だぞ。今度は、もっと丈夫に作ったからな」
「ガォガォ」
「やっぱり、兜じゃねえか」
「ありがとう。オレガノさんの作ってくれた兜のおかげで、ミストラルは生還出来たんだよ」
「そうかい、そりゃ良かった。ルナちゃんのティアラも、手を加えたからな」
「ガゥガゥ」
「タイムちゃん居るかい?」
「はい。カモミールおばさん」
「傷薬持って来たよ。この子達の大きな体に塗るんだからね、いくら有っても足りないだろう?」
「ありがとうおばさん」
「ガゥガゥ」
「ガォガォ」
「ルナ達も、お礼を言ってるよ」
「良い子だね。お礼なんて良いから、とにかく命だけはちゃんと持って帰って来るんだよ。良いね」
「ガゥー」
「ガォー」
「わかったのかい?良い子だね。皆んなもだよ、良いね」
「わかったよ」
「はい、おばさん」
【馬屋】
〈飼い葉を食べるミューズを見ているアッサム。前掻きをするミューズ〉
「どうした、ミューズ?走りたいのか?」
「ヒヒーン」
「良し、出かけるか」
〈ミューズを馬屋から出し、鞍を付け跨るアッサム〉
【南門外】
丘を下り、ロンドの町へ向かう。
〈小雪の舞う中走るミューズ〉
【港町ロンド】
いつもながら賑わっているな。
雪が降ろうと、この町の賑わいは変わらぬ。
他国から船で運ばれて来る、珍しい物も有るからな。
【ロンドの港】
「そこのお魚を下さい」
「これ全部かい?」
「ええ、全部」
「はいよ。持てるかい?シスター」
「ええ、大丈夫」
【ロンドの町】
ソーセージを買った。
今日は、これでコリアンダーと一杯やるか。
「帰るぞ、ミューズ」
ミューズが動こうとしない。
どうしたと言うのだ?
【ロンドの港】
〈魚を持って町へ続く道に出るローズマリー。手には、金貨の入った袋〉
【町へと続く道】
〈2人の男が、ローズマリーの行く手をふさぐ。十字を切るローズマリー〉
「やめようぜ、バチが当たるよ」
「俺は、神なんか信じてねえぜ」
「信じてなくても居るんだよ、ちゃんと」
「うるせえな、おめえは黙ってろ。姉ちゃん。その袋をよこしな」
〈後退りするローズマリーの袋を引っ張る男〉
「やめようって、俺は、バチ当たりたくねえよ」
「ピーピーピーピーうるせえな!おめえは!」
〈袋を引っ張る男。引きずられるローズマリー〉
「痛ててて、何しやがる」
〈男の腕を捻り上げる手〉
「アッサム」
「天使でなくて悪いが、今はそんな事も言っておれんのでな。私で我慢してくれ」
「何だ?騎士だ」
「その手を離すんだ」
「誰が離すもんか。騎士なんざ怖くねえぞ」
「私を怒らせるなよ」
「に、逃げようって。け、剣に手をかけやがった」
「け、剣なんざ」
「兄貴、俺まだ死にたくねえよ」
「く、くそう、覚えてやがれ」
覚えていろ、か…
何故悪い奴のセリフは、いつも同じなのだろう?
「おめえが、もたもたしてるからだろ」
「だってよ、バチが怖くてよ」
〈走って逃げる2人の男〉
「何故ここに?」
「今日私、修道院のお料理当番なの」
「ほう、食べてみたいものだ」
「フフフ」
〈アッサムは、ミューズにローズマリーを乗せる〉
「いつも突然現れるのね」
「こんな会い方しか出来んからな、私達は」
「まだこんなにドキドキしてるの、私」
「そんなに怖かったのか?もう少し早く駆けつけていれば良かったな」
「違うのよ…わからないなら、良いわ」
「…」
【ロンドから修道院への道】
「寒くはないか?」
「貴方こそ」
〈ローズマリーを抱くようにして、ミューズを走らせるアッサム〉
(温かいわ…貴方の腕の中)
(こうして2人で居ると…不思議ね…溶け合う時が有るの…これがツインレイなのね)
愛していると…言えたら…
一度で良い、許されるなら、愛の言葉を…
だが…
君を困らせるだけだ。
君は神に仕える身。
私は、神に忠誠を誓った騎士だ。
何故騎士だ。
何故騎士なのだ、私は。
(本当に…溶けてる…もうこんなに統合してるのよ、私達。何だか…怖いくらい…)
(このまま、どこかへ連れ去ってくれたら良いのに…いいえ、いけない、いけないわ)
(私は…私は、3つの誓願をしてしまったの)
(でも…離れたくない…)
愛しているよ。
君だけを、永遠に。
〈丘を駆け上がるミューズ。修道院が見えてくる〉
先に仕掛けたのは、ミストラルの方だった。
「ガォー」
ミストラルの風のブレスで視界が開けた。
見えてきたぞ!
大きな白い竜だ。
いくらミストラルが強いとは言え、まだ子供の竜。
相手は、百戦錬磨の老竜のようだ。
「行くぞ!」
「おう!」
私とバジルは、白竜のブレスのかからない位置に回り込む。
バジルは、気を練ってぶつける。
私は、ランスで下から突く。
白竜のブレス、ブリザード。
ミストラルの風のブレス。
2頭の飛竜のブレスとブレスがぶつかり合う。
「とりゃ!」
地面擦れ擦れに襲いかかる白竜の力を利用してバジルが投げる。
〈白竜の氷のブレスで、凍りつくバジル〉
「バジル!」
「嘘でしょ?!」
「ルナ、バジルを助けるんだよ。出来るね」
「ガゥ」
「大丈夫。加減して炎を吐けば、バジルを焦がしたりしないからね」
「ガゥー!」
ルナの炎のブレスでバジルの氷が解けた。
「ヒーリングするから!」
ルナがバジルの巨体を噛んでコリアンダーの所に引きずって行く。
「バジル、しっかりして!」
コリアンダーがヒーリングを始めた。
ルナが心配そうにバジルを見るている。
「ルナ、良い子だね。バジルは大丈夫だからね」
「ガゥガゥ」
「ガォー!」
ミストラルの風のブレス。
とにかく白竜を地上に降ろさなければ、翼を持たぬ私には武が悪い。
空中に居る白竜の足をランスで突き上げる。
白竜の起こす猛吹雪で、私の体は浮き上がり、飛ばされた。
「うわっ!」
「アッサム、大丈夫?!」
「私は…大丈夫だ」
【修道院】
〈祭壇の前1人祈るローズマリー〉
(体に痛みを感じる…これは…アッサム…貴方の痛みね)
(きっとまた、恐ろしい魔物と戦っているんだわ)
「え?」
(何…?今の…一瞬白い竜が見えた気がしたわ…まさか…でも本当に見えた…)
(まるで、あの人の目を通して見ているように…)
(きっと、東の塔に行っているのね)
【塔の最上階】
「ガォー!」
ミストラルが白竜に向かって行く。
白竜もミストラルに向かって突っ込んで来る。
「ミストラル!無茶するな!」
「ガォー!!」
〈頭から突っ込むミストラルの冠と白竜の頭がぶつかる〉
2頭の竜は、絡み合い地上に落下した。
「ミストラル!」
私は、ランスで白竜に突進した。
「たー!」
少しは、ダメージを与えられたようだが…
白竜は、私を踏みつぶそうと、大きな足を上げて向かって来た。
「ガォー!」
「ガゥー!」
ミストラルが、私を咥え下がる。
「ガゥー!!」
ルナが怒っている。
「ガゥー!!!」
「ガゥー!!!」
〈怒ったルナが、辺り構わず炎のブレスを吐きまくる〉
今迄私達が見た事も無い物凄まじい炎だ。
ルナにこんな力が有ったとは…
「ちょ、ちょと、ルナちゃん!こっちまで燃やさないでよー!」
「ガゥー!!」
そこら中火の海になった。
だが、タイムは冷静だった。
「ルナ。もう良いよ。良い子だから落ち着いて」
「ガゥー…ガゥー…」
ルナは、息を切らしながら、まだ怒っている。
「白竜は、逃げて行ったよ。もう良いから、こっちにおいで」
「ガゥガゥ」
「暖かい…と言うより、暑いぐらいね」
白竜は、この暑さに耐え切れず逃げ出したようだ。
「白竜、逃がしちゃったね。ごめんなさい」
「いや、今の私達には、奴を倒せんよ。ルナとミストラルが居なければ、どうなっていたか」
「本当ね…ルナちゃんの力には驚いたわ」
「怒ると手が付けられないところが有って…ちょと、困るんだけど…」
「姿は可愛いが、怒ると豹変か。人間の女性とかわらんな」
「何ですって?」
「今回は、俺、情けねーな。すまん」
〈ミストラルのヒーリングをするコリアンダー〉
「あら、冠が曲ってるわ」
「ミストラルの頭を守ってくれたのだな」
「ガォガォ」
「冠って?俺には兜みたいに見えるけどな」
「ちっちゃめの兜だね。頭全体を覆うような窮屈なのは嫌がるから、こんな風に作ってくれたんだね」
「ルナちゃんは、ケガは?」
「うん、大丈夫だね。こっちはティアラも壊れてないし」
「俺は、もう良いのか?」
「バジルは、ヒーリングしといたから、後は食べれば復活でしょ?」
「まあ、そうだな。あ、腹減ってきた」
「アッサムの治療が終わったら、下に降りましょう」
【修道院】
〈祭壇の前に座り込むローズマリー〉
(終わった…のね…あの人のエネルギーが、穏やかになってゆく…)
「ローズマリー大丈夫?あなた、少し休んだ方が良いわ」
「大丈夫よ。ありがとう、フェンネル」
【ギルドの魔獣の小屋】
「ほら、ミストラル君。見てくれ!新しい兜だぞ。今度は、もっと丈夫に作ったからな」
「ガォガォ」
「やっぱり、兜じゃねえか」
「ありがとう。オレガノさんの作ってくれた兜のおかげで、ミストラルは生還出来たんだよ」
「そうかい、そりゃ良かった。ルナちゃんのティアラも、手を加えたからな」
「ガゥガゥ」
「タイムちゃん居るかい?」
「はい。カモミールおばさん」
「傷薬持って来たよ。この子達の大きな体に塗るんだからね、いくら有っても足りないだろう?」
「ありがとうおばさん」
「ガゥガゥ」
「ガォガォ」
「ルナ達も、お礼を言ってるよ」
「良い子だね。お礼なんて良いから、とにかく命だけはちゃんと持って帰って来るんだよ。良いね」
「ガゥー」
「ガォー」
「わかったのかい?良い子だね。皆んなもだよ、良いね」
「わかったよ」
「はい、おばさん」
【馬屋】
〈飼い葉を食べるミューズを見ているアッサム。前掻きをするミューズ〉
「どうした、ミューズ?走りたいのか?」
「ヒヒーン」
「良し、出かけるか」
〈ミューズを馬屋から出し、鞍を付け跨るアッサム〉
【南門外】
丘を下り、ロンドの町へ向かう。
〈小雪の舞う中走るミューズ〉
【港町ロンド】
いつもながら賑わっているな。
雪が降ろうと、この町の賑わいは変わらぬ。
他国から船で運ばれて来る、珍しい物も有るからな。
【ロンドの港】
「そこのお魚を下さい」
「これ全部かい?」
「ええ、全部」
「はいよ。持てるかい?シスター」
「ええ、大丈夫」
【ロンドの町】
ソーセージを買った。
今日は、これでコリアンダーと一杯やるか。
「帰るぞ、ミューズ」
ミューズが動こうとしない。
どうしたと言うのだ?
【ロンドの港】
〈魚を持って町へ続く道に出るローズマリー。手には、金貨の入った袋〉
【町へと続く道】
〈2人の男が、ローズマリーの行く手をふさぐ。十字を切るローズマリー〉
「やめようぜ、バチが当たるよ」
「俺は、神なんか信じてねえぜ」
「信じてなくても居るんだよ、ちゃんと」
「うるせえな、おめえは黙ってろ。姉ちゃん。その袋をよこしな」
〈後退りするローズマリーの袋を引っ張る男〉
「やめようって、俺は、バチ当たりたくねえよ」
「ピーピーピーピーうるせえな!おめえは!」
〈袋を引っ張る男。引きずられるローズマリー〉
「痛ててて、何しやがる」
〈男の腕を捻り上げる手〉
「アッサム」
「天使でなくて悪いが、今はそんな事も言っておれんのでな。私で我慢してくれ」
「何だ?騎士だ」
「その手を離すんだ」
「誰が離すもんか。騎士なんざ怖くねえぞ」
「私を怒らせるなよ」
「に、逃げようって。け、剣に手をかけやがった」
「け、剣なんざ」
「兄貴、俺まだ死にたくねえよ」
「く、くそう、覚えてやがれ」
覚えていろ、か…
何故悪い奴のセリフは、いつも同じなのだろう?
「おめえが、もたもたしてるからだろ」
「だってよ、バチが怖くてよ」
〈走って逃げる2人の男〉
「何故ここに?」
「今日私、修道院のお料理当番なの」
「ほう、食べてみたいものだ」
「フフフ」
〈アッサムは、ミューズにローズマリーを乗せる〉
「いつも突然現れるのね」
「こんな会い方しか出来んからな、私達は」
「まだこんなにドキドキしてるの、私」
「そんなに怖かったのか?もう少し早く駆けつけていれば良かったな」
「違うのよ…わからないなら、良いわ」
「…」
【ロンドから修道院への道】
「寒くはないか?」
「貴方こそ」
〈ローズマリーを抱くようにして、ミューズを走らせるアッサム〉
(温かいわ…貴方の腕の中)
(こうして2人で居ると…不思議ね…溶け合う時が有るの…これがツインレイなのね)
愛していると…言えたら…
一度で良い、許されるなら、愛の言葉を…
だが…
君を困らせるだけだ。
君は神に仕える身。
私は、神に忠誠を誓った騎士だ。
何故騎士だ。
何故騎士なのだ、私は。
(本当に…溶けてる…もうこんなに統合してるのよ、私達。何だか…怖いくらい…)
(このまま、どこかへ連れ去ってくれたら良いのに…いいえ、いけない、いけないわ)
(私は…私は、3つの誓願をしてしまったの)
(でも…離れたくない…)
愛しているよ。
君だけを、永遠に。
〈丘を駆け上がるミューズ。修道院が見えてくる〉
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