『アルマンドの騎士1』“魂の伴侶、それは魂の片割れツインレイ”

大輝

文字の大きさ
25 / 26

最終章 君が為全てをかけて

しおりを挟む
【アルマンドの防護壁】

〈その頃アルマンドは、北からも西からも攻められていた〉

「来るぞ!岩を落とせ!」

「矢を射よ!」

〈黒い雲の間から稲光り!落雷!〉

「また雷だ!」

「避雷針が有るので、大丈夫です」

「本当に、あんな物が信用出来るのか?」

【南の海上】

「北と西の連隊がアルマンドに到達しました!」

「良し!我々はロンドを占領する!」

【ロンドの港】

「何だ?あれは…海を見ろ」

「敵の船が来るぞー!」

「凄い数だ、逃げろ!」

〈漁師達が町の方へ逃げて行く。連合軍の船が入港する。船から兵士達が続々と降りて来る〉

「逆らう者は殺して構わんぞ」

「ロンドの町を占領したのち、我々の隊はアルマンドに向かう」

【港町ロンド】

「敵兵が来たぞ!」

「逃げろ!」

「何だって?」

「アルマンドに逃げるか?」

「アルマンドはダメだ!敵兵に包囲されている!」

〈港からの道を、連合軍が行進して来る〉

「もうダメだ、殺される」

【修道院の礼拝堂】

彼女のエネルギーを強く感じる。

すぐそばに居るのか?

「たかが騎士1人に、何を手こずっている!」

「まとめて面倒みてやる、来い!」

「かかれ!」

「やー」

「わー」

「でぇやー!」

ローズマリー、そこに居るのか?

【奥の部屋】

「俺は、そっちの女にする」

「来ないで!」

〈逃げ惑うフェンネル〉

「この女、ディル様に差し出す前に、どうしても俺が味見してえ」

「触らないで。嫌、離して」

「その汚い手で、彼女に触れるな!!」

「アッサム」

「くそう、邪魔が入りやがった」

「フハハ、知り合いか?」

「こいつを始末したら、ゆっくり可愛がってやるからな」

「お前達は、そこで見てな」

「2人まとめてかかって来い!」


「生意気な!」

「やー!」

「えーい!」

「はー!」

「ほう、中々やるな。今迄の相手とは比べ者にならん」

「当たり前だ。俺は今度の戦争で手柄を立てて、ディル様の側近にしてもらうのさ」

「俺達は、他の傭兵とはわけが違う。いずれサラバンドの、いやクーラントの将軍になるんだ」

「ならば、こちらも本気で戦わねばな」

「何だと?」

「今迄本気じゃなかった、って言うのか?!」

「気にくわねえ野郎だな」

「二度と生意気な口叩けねえようにしてやる!」

「やっちまえ!」

「やー!」

「たー!」

「どうした?未来の将軍の腕とは、その程度か」

「若造が!えーい!」

「やー!」

「でぇーい!」

「このガキ!」

「このランスで、串刺しが良いか?うん?」

「アルマンドを征服する!」

「クーラント統一だ!」

「来い!」

「やー!」

「たー!」

「でぇやー!!」

ランスで突進!

2人を串刺しにした。

「うっぷ」

「くわぁ…」

口程にもない。

「アッサム」

「ローズマリー、大丈夫か?」

「アッサム!」

彼女は、私の腕の中に飛び込んで来た。

「怖かった…」

「すまない。もう少し早く来たかったのだが、敵兵の掃除に手間取ってな」

「いつも私が危ない時は、貴方が助けに来てくれるの」

「以前は確か、天使に助けられていると言っていたが、余計な事をしたかな?」

「もう、意地悪ね」


〈アッサムの腕の中にローズマリー、2人は動く事が出来ない〉

(貴方の優しい手が、そっと包むように私を抱いている。2つの魂が溶け合って1つになってゆく)

もう、離したくない。

愛していると、言わせてほしい。

神が許し賜うなら、君を愛していると…

その時、敵の気配がした。

「まだ居たか」

「女も殺せ、殺してからやるなら、ディル様も文句は言えねえだろう」

〈片手でローズマリーを抱くように、守りながら戦うアッサム〉

「野郎!」

「やー!」

〈カン、カン、カン。アッサムはランスで敵の剣を受ける。ローズマリーが手から離れた〉

「殺す。殺せば俺の物だ」

〈1人の兵士がローズマリーに切りかかる!〉

「させるか!」

〈アッサムが割って入り、ローズマリーを腕に抱くと、剣が振り下ろされ肩を切られる〉

「アッサム」

「私は、大丈夫だ!」

〈言いながら、ランスで突いた〉

「うわー」

〈男は、倒れた。その時背中からもう1人が剣でアッサムを刺す〉

「くっ」

〈アッサムは、ランスを逆手に持って、後ろの兵士を突いた〉

「ぐわ」

〈男は、倒れた〉

「大丈夫…か?」

「ええ、私は大丈夫」

「そう…か」

「アッサム?」

「君が…無事で…良か…っ…た」

〈崩れ落ちるように倒れるアッサムの背中、心臓の裏側に剣が刺さっている〉

「アッサム、アッサム、しっかりして」

〈赤い煙のようなエネルギー体が、アッサムから離れてローズマリーにまとわりつく〉

「はっ!統合!?」

〈エネルギー体は、ローズマリーの中に入って行く〉

「嫌よ、アッサム。嫌!!」

(ツインレイは、どちらかが死ぬと統合するの。死なないで、お願い)

「アッサム!」

「何をそんなに泣いているのだ」

「あっ!」

(さっきの指揮官?!)


「おお、白馬の騎士め、地獄に落ちたか。何だ?その顔は?この男と愛し合っていたか?」

「来ないで」

「あんまり遅いので迎えに来たのだよ」

「嫌、近寄らないで」

〈後ずさりするローズマリー〉

「私の妻にしてやろうと言っているのだ、光栄に思うのだな」

「嫌です、誰が貴方のような人と」

「私は、将軍の地位だぞ。大人しく私の物になった方が幸せと言うもの」

「私は神に仕える身、誰の物にもなりません」

「もうこの国に神などおらんわ」

〈ディルは、壁際までローズマリーを追い詰める〉

「嫌、触らないで!」

「ならば私も、僧侶にでもなるか、フハハハハ」

〈ローズマリーの上に覆い被さるディル〉

「やめ…て、嫌!」

(男の人はみんなあの人のように優しいものだと思っていたの)

〈ディルがローズマリーを腕に抱く〉

「嫌!!」

(あの人の腕は、もっと優しいわ。あの人の胸は温かいの)

すまない。

もう、君を守ってやれぬ。

「え?」

(私の中から、あの人の声が聞こえた気がした)

「この男の前で、お前を我が物とする」

「嫌、助けて、アッサム!」

〈ローズマリーは、アッサムの方へ手を伸ばす。キスをしようとするディルを避けながらアッサムを見るローズマリー〉

(あれは…風の剣…もう少しよ…もう少しで届くわ)

〈ディルは、ローズマリーの修道服を破る。ローズマリーの指先が風の剣に触れる〉

「淫らに足を開け」

〈ディルは両手でローズマリーの足を開こうとする〉

「嫌ああ!!」

〈ローズマリーは、アッサムの風の剣を手にした〉


(身も心も清らかなまま、貴方の所へゆきます)

〈ローズマリーは、風の剣で自ら喉元を切り自害した〉

「何をした?!」

「う…」

(アッサム、待っていてね。すぐに私も行くから)

「バカな…バカな女だ」

【アルマンドの防護壁】

「南からも来たぞ!」

「岩を落とせ!」

「矢を射よ!」

【北門】

〈連合軍が破城槌で門を突く。ドスーン!ドスーン!〉

「もう少しだ!休むな!」

〈破城槌で門を突く。ドスーン!ドスーン!門が破られ、連合軍がなだれ込む〉

「わー!!」

「逆らう者は、女子供も殺せ!」

「城を包囲せよ!」

【アルマンド城】

「北の防護壁が破られたぞ!」

「敵が来ます!」

「国王陛下をお護りするのだ!」

「西からも、南からも来ます!」

「もうダメだ」

「何を言っている!国王陛下をお護りしろ!」

〈そして、30日程の籠城の末、アルマンド国は降伏した。クーラント地方統一。アルマンド国王は処刑され、政治は、サラバンドの貴族達が行っている〉

【ギルド・レ・シルフィード】

「やっと、外に出られるわ」

「大勢殺されましたね」

「市民達まで殺すんだからな」

「町の中は、サラバンドの、いえクーラントの兵士達が、我が物顔で歩いてますね」

「逆らえば、皆んな殺されるよ」

「窓の外を見て!」

〈汚れた白い馬がギルドの窓を覗いている〉

「ミューズだわ!帰って来たのね!」

【ギルドの前】

「ミューズ…1人か?」

「アッサムは?アッサムはどこ?」

「コリアンダー嬢…ギルドの皆さん」

「ルバーブさん」

「アッサムは…彼は…戦死した」

「嘘よ!嘘でじょ?!アッサムが死ぬはずないじゃない!アッサムが」

〈バジルは、泣きじゃくるコリアンダーを抱き寄せる。コリアンダーは、バジルの胸で泣く〉

「俺だって、亡骸を見るまで信じられねえが」

「だから、あの鎧は嫌って言ったのよ!オレガノがあんな鎧作るから」

「オレガノに当たっても、しょうがねえだろ」

「すまん、俺がもっと丈夫な鎧を作っていたら…」

「アッサムとローズマリーは、やっと一緒に居られるのだ」

【丘の上】

「ここに2人一緒に眠っている」

〈2人の墓に花を供えるコリアンダー達。アッサムとローズマリーの魂は、完全に統合して天に昇ったのであった〉

ーLa Finー


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある

柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった 王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。 リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。 「わかりました。あなたには、がっかりです」 微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。

【完結】ジュリアはバツイチ人生を謳歌する

ariya
恋愛
エレン王国の名門貴族・アグリア伯爵家に嫁いだジュリア・アグリア(旧姓ベルティー)。 夫のアベル・アグリア伯爵は、騎士として王妃の護衛任務に没頭し、結婚翌日からほぼ別居状態。 社交界のパーティーでは妻のエスコートを代理人に任せ、父の葬儀にも顔を出さず、事務的な会話と手紙のやり取りだけの日々が続く。 ジュリアは8年間の冷遇に耐え抜いたが、ある朝の食事中、静かに切り出す。 「私たち、離婚しましょう」 アベルは絶句するが、ジュリアは淡々と不満を告げる。 どれも自分のしでかしたことにアベルは頭を抱える。 彼女はすでに離婚届と慰謝料の用意を済ませ、夫の仕事に理解を示さなかった「有責妻」として後腐れなく別れるつもりだった。 アベルは内心で反発しつつも、ジュリアの決意の固さに渋々サイン。 こうしてジュリア・アグリアは、伯爵夫人としての全てを置き去りにし、バツイチ人生を開始する。

【完結】子爵令嬢の秘密

りまり
恋愛
私は記憶があるまま転生しました。 転生先は子爵令嬢です。 魔力もそこそこありますので記憶をもとに頑張りたいです。

さようならの定型文~身勝手なあなたへ

宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」 ――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。 額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。 涙すら出なかった。 なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。 ……よりによって、元・男の人生を。 夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。 「さようなら」 だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。 慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。 別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。 だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい? 「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」 はい、あります。盛りだくさんで。 元・男、今・女。 “白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。 -----『白い結婚の行方』シリーズ ----- 『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

お久しぶりです旦那様。そろそろ離婚ですか?

奏千歌
恋愛
[イヌネコ] 「奥様、旦那様がお見えです」 「はい?」 ベッドの上でゴロゴロしながら猫と戯れていると、侍女が部屋を訪れて告げたことだった。

お姫様は死に、魔女様は目覚めた

悠十
恋愛
 とある大国に、小さいけれど豊かな国の姫君が側妃として嫁いだ。  しかし、離宮に案内されるも、離宮には侍女も衛兵も居ない。ベルを鳴らしても、人を呼んでも誰も来ず、姫君は長旅の疲れから眠り込んでしまう。  そして、深夜、姫君は目覚め、体の不調を感じた。そのまま気を失い、三度目覚め、三度気を失い、そして…… 「あ、あれ? えっ、なんで私、前の体に戻ってるわけ?」  姫君だった少女は、前世の魔女の体に魂が戻ってきていた。 「えっ、まさか、あのまま死んだ⁉」  魔女は慌てて遠見の水晶を覗き込む。自分の――姫君の体は、嫁いだ大国はいったいどうなっているのか知るために……

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

処理中です...