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雪
ティスデード
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「あまり家は大きくないんだけど、一応は元貴族が使っていた場所だからそれなりに部屋数は多いんだ。君を助けたのはティスデード。テドは談話室にいる」
「ティスデード……様?」
「貴族みたいな名前だけど、一応あいつは平民だ。といっても私もあいつのことあまり知らないんだけど。変わったやつだよ」
サキシアさんはそう言うと一階へと続いている階段を降りていく。降りた所の右にある部屋が談話室のようだ。
サキシアさんは談話室の扉をノックしないまま開け、部屋に入っていく。
「テド、目覚めたぞ」
「お、起きてきた?」
サキシアさんを挟んで廊下に私がいるため、扉の中の様子は伺えない。話の内容的に中にいるのはテドさんだろう。友人と言っていたけれども、かなり親しい仲なのが分かる。
「まだ熱はあるっぽいけどな、立てるようになるまでは回復してるさ」
「サキシア、それならベットで話した方が良かったでしょ……仕方ないなぁ。おいで、バハンデーズの子。僕の隣にいて」
「お前……」
「やだなぁ、変なことなんてしないよ」
ティスデードさんに呼ばれるがままティスデードさんの隣に座る。
談話室は八人ずつで向かい合って座れるほど長いテーブルに十六の椅子が置いてあるだけの部屋だった。ティスデードさんはそのテーブルの隅の方に座っているようだ。
ティスデードさんの隣に座った瞬間、先程まで気だるかった身体が一気に軽くなった。
思わずティスデードさんの方へ顔を向けるが藍色の瞳を細めるだけだで何も言わない。運んでもらったときもそうだったけれども、ティスデードさんの近くにいると心地がいい。いや、心地よくしてくれているのかな?
熱も下がったようで、焼きつくように痛かった喉は治っている。言葉も普通に喋れるようになった。
ティスデードさんの向かいにサキシアさんが座って、ティスデードさんに呆れたような目線を投げると私に話しかけてくる。
「さて、改めてお互い自己紹介をしようか。私の名前はサキシア、そっちの胡散臭そうな奴がティスデードだ」
「胡散臭そうって酷いなぁ! 僕は素直に生きているだけだよう」
「え、えと」
「バハンデーズの子、君の名前は?」
「ハリシュアルといいます。あの、助けて下さってありがとうございました、ティスデードさん」
「あぁ、いいよいいよ。気にしないで、バハンデーズの子は生きるべき存在だしね。名前は長いし、テドと呼んで」
そう言ってティスデードさん、テドさんはぽんぽんと私の頭を子供をあやすように撫でる。
どうしてあんな所にいた私を助けてくれたのか不思議だったけれども、ティスデードさんにはティスデードさんの理由があるようね。
「あの、どうして私を」
「ふむ、やっぱり知らなそうだね。おかしいな、普通は親から聞くものだと思ったのだけれども。バハンデーズ一族って聞いたことがないかなぁ? 君の家族にさ、酷い不幸な出来事があった後に幸せになったとか、成功した人いないかな?」
「成功した人」
ぱっと思い付いたのは父様だった。父様は元孤児でありながらも改革を進め、公爵の地までいった人だった。そのことをティスデードさんに話すと「やっぱり!」と嬉しそうに手を叩く。
「どうして君の父が孤児になったかは分からないけども、間違いなくバハンデーズの子だね。君はバハンデーズの匂いが濃いからきっとバハンデーズ自身が産んだ子だ」
「まて、ハリシュアルさんがついていけてない」
匂いが濃いって、お風呂に入っていないから何か臭うのだろうか。それよりも、先程から出てくるバハンデーズさんって誰?
テドさんは困ったように頬をかいた後、少し考えるように顎に手を当ててもう一度真っ直ぐこちらを見た。
「そうだね、昔話を少しだけ始めようか」
「ティスデード……様?」
「貴族みたいな名前だけど、一応あいつは平民だ。といっても私もあいつのことあまり知らないんだけど。変わったやつだよ」
サキシアさんはそう言うと一階へと続いている階段を降りていく。降りた所の右にある部屋が談話室のようだ。
サキシアさんは談話室の扉をノックしないまま開け、部屋に入っていく。
「テド、目覚めたぞ」
「お、起きてきた?」
サキシアさんを挟んで廊下に私がいるため、扉の中の様子は伺えない。話の内容的に中にいるのはテドさんだろう。友人と言っていたけれども、かなり親しい仲なのが分かる。
「まだ熱はあるっぽいけどな、立てるようになるまでは回復してるさ」
「サキシア、それならベットで話した方が良かったでしょ……仕方ないなぁ。おいで、バハンデーズの子。僕の隣にいて」
「お前……」
「やだなぁ、変なことなんてしないよ」
ティスデードさんに呼ばれるがままティスデードさんの隣に座る。
談話室は八人ずつで向かい合って座れるほど長いテーブルに十六の椅子が置いてあるだけの部屋だった。ティスデードさんはそのテーブルの隅の方に座っているようだ。
ティスデードさんの隣に座った瞬間、先程まで気だるかった身体が一気に軽くなった。
思わずティスデードさんの方へ顔を向けるが藍色の瞳を細めるだけだで何も言わない。運んでもらったときもそうだったけれども、ティスデードさんの近くにいると心地がいい。いや、心地よくしてくれているのかな?
熱も下がったようで、焼きつくように痛かった喉は治っている。言葉も普通に喋れるようになった。
ティスデードさんの向かいにサキシアさんが座って、ティスデードさんに呆れたような目線を投げると私に話しかけてくる。
「さて、改めてお互い自己紹介をしようか。私の名前はサキシア、そっちの胡散臭そうな奴がティスデードだ」
「胡散臭そうって酷いなぁ! 僕は素直に生きているだけだよう」
「え、えと」
「バハンデーズの子、君の名前は?」
「ハリシュアルといいます。あの、助けて下さってありがとうございました、ティスデードさん」
「あぁ、いいよいいよ。気にしないで、バハンデーズの子は生きるべき存在だしね。名前は長いし、テドと呼んで」
そう言ってティスデードさん、テドさんはぽんぽんと私の頭を子供をあやすように撫でる。
どうしてあんな所にいた私を助けてくれたのか不思議だったけれども、ティスデードさんにはティスデードさんの理由があるようね。
「あの、どうして私を」
「ふむ、やっぱり知らなそうだね。おかしいな、普通は親から聞くものだと思ったのだけれども。バハンデーズ一族って聞いたことがないかなぁ? 君の家族にさ、酷い不幸な出来事があった後に幸せになったとか、成功した人いないかな?」
「成功した人」
ぱっと思い付いたのは父様だった。父様は元孤児でありながらも改革を進め、公爵の地までいった人だった。そのことをティスデードさんに話すと「やっぱり!」と嬉しそうに手を叩く。
「どうして君の父が孤児になったかは分からないけども、間違いなくバハンデーズの子だね。君はバハンデーズの匂いが濃いからきっとバハンデーズ自身が産んだ子だ」
「まて、ハリシュアルさんがついていけてない」
匂いが濃いって、お風呂に入っていないから何か臭うのだろうか。それよりも、先程から出てくるバハンデーズさんって誰?
テドさんは困ったように頬をかいた後、少し考えるように顎に手を当ててもう一度真っ直ぐこちらを見た。
「そうだね、昔話を少しだけ始めようか」
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