31 / 93
31冒険者試験-魔法編2
しおりを挟む
俺はなんかやらかしたような気がしたが、気持ちを切り替えて、ラッキーラビットをアピールすることにした。
人間、美味しいものを食べると幸せになる。
師匠なんて、どんなに怒っても今日の夕食の献立の話するとたちまち涎を垂らして全部忘れてくれる。
美味しいご飯は万人を幸せにする魔法なのだ。
「あった、ありました。アル君の言う通り、ラッキーラビットです!」
アリーが俺が仕留めたラビットを持ち上げて、試験官の先生の方に見せる。
「剣術試験の時もどうしようもなく、非常識な子だとは思ったけど……」
エフィさんが何故かため息を吐きながら、俺のこと非常識だと言う。
駄目か? 駄目なのか?
何が悪いのかはわからんけど、剣術と同じなら、低評価ということか?
俺はガックリとするが、ここはせめて、ラビットの肉で少しでも気を引こうとした。
「ラビットの肉はギルドに差し上げます。皆さんで召し上がってください!」
「えっ!? いいの? ラッキーラビットなのよ?」
「構いません。また仕留めればいいだけですから、簡単ですし」
「ま、また仕留めるんだ……簡単なんだ、はあ」
何故か、エフィさんが呆れたような声で言う。
「ねえ。アル君、今度、私にも捕ってよ、料理してあげるわよ」
「本当? なら、試験の後で捕ってくるよ」
アリーは極上の笑顔で俺の顔を見た。
アリーのご機嫌大事。その積み重ねが、一発に繋がる。
そんな感じで、俺が3km先のラッキーラビットを狙って魔法を放ったことは証明されたものの、試験官のクルゥさんはブツブツと何かを呟くばかりで何も言わない。
エフィさんは生暖かい目で俺を見ている。
終わった。
どうも、俺は試験に落ちたようだ。
何かを間違えたらしい。
エフィさんの呆れた表情や、不機嫌な試験官のクルゥさんの呟きから、俺は冒険者への扉を閉ざされたと感じた。
その後、筆記試験があったが、俺はどうせ落ちるんだしと気もそぞろで、筆記試験を受けて、この日を終えた。
その後ラッキーラビットを1匹捕らえて、アリーにプレゼントしたのは言うまでも無い。
剣技試験官side
「あの少年は一体、何者なんだ?」
俺は規格外の冒険者の新人、アル君の試験を終わり、驚きを隠せないものの、未だやることがあった。
少年が錬成したという例の剣の鑑定結果を知る必要があった。
もちろん、自身の剣の鑑定もだ。ギルドの最高位の鑑定家に鑑定を依頼した。
「ミスリルの剣を無銘のただの鉄の剣で斬るとかあり得ん」
あの剣には何かある。
あの少年はちょっと剣を強化するとか言っていた。
一体、何をしたんだ?
その時!
「ギ、ギルド長! こ、この二振りの剣を一体何処で手に入れたんですか?」
声がした方に目を向けると、剣の鑑定を依頼したジョブ『万能鑑定家』の鑑定のスキル持ちの職員が慌てたような顔で詰め寄って来た。
「やっぱり、唯の剣ではなかったか?」
「唯の剣どころか、幻の古代の日の国の刀に、アダマンタイトとオリハルコンで作られた聖剣並みの国宝級の剣です! こんなの売ることも出来ない。国王にでも献上するか、博物館に寄贈するしかないです!!」
「な、なんだとぉ!!」
俺はあまりのことに目眩がした。
確かに……あの少年は俺の剣をアダマンタイトとオリハルコンに剣に錬成するとか言っていた。
普通に考えると、明らかに頭おかしい少年だ。
だが、彼の言っていることは本当だった。
そして、俺はもっと信じられない事実に気がついた。
少年が使っていたのはアダマンタイトの剣の方じゃない。
彼が使ったのは倉庫の無銘の鉄の剣を変えた古代の幻の技法で作られた古刀。
だが、古刀はアダマンタイトやオリハルコンの剣のような強度はない。
無銘の剣より丈夫ではあるが、唯の鋼の剣に過ぎない。
そう、あの頭のおかしいとしか思えない少年は信じられない匠の技で、俺が持っていた世界最強強度のアダマンタイトとオリハルコンの合金の剣を剣の技量だけで、斬ったのだ。
俺はハガーレ流剣術を学んだが、師匠に聞いたことがある。
剣技を極めれば、例え聖剣であっても、唯の無銘の鉄の剣で斬ることが出来ると。
そう、あの少年は唯の鋼の刀でアダマンタイトオリハルコン合金の剣を斬ったのだ。
あの少年は剣技が頭おかしいレベルなのは間違いない。
俺は思い至ると、思わずフラフラして自分の椅子にへたり込んでしまった。
自分でも無理も無いと思う。
だが。鑑定家は更に続けてこう言った。
「材質や製法も脅威なんですが、聖剣の方は強化の付与魔法に、身体能力向上の付与魔法に、極めつけは、雷の強力な付与魔法がかけられていました」
「そ、それはまさか……」
「そのまさかです。あの剣は……伝説の雷神剣です」
俺は最後まで鑑定家の言うことを聞き取ることが出来なかった。
あまりのことに腰が抜けて椅子からずり落ちてしまった。
もう、ヤダあの子。怖すぎるでち。
人間、美味しいものを食べると幸せになる。
師匠なんて、どんなに怒っても今日の夕食の献立の話するとたちまち涎を垂らして全部忘れてくれる。
美味しいご飯は万人を幸せにする魔法なのだ。
「あった、ありました。アル君の言う通り、ラッキーラビットです!」
アリーが俺が仕留めたラビットを持ち上げて、試験官の先生の方に見せる。
「剣術試験の時もどうしようもなく、非常識な子だとは思ったけど……」
エフィさんが何故かため息を吐きながら、俺のこと非常識だと言う。
駄目か? 駄目なのか?
何が悪いのかはわからんけど、剣術と同じなら、低評価ということか?
俺はガックリとするが、ここはせめて、ラビットの肉で少しでも気を引こうとした。
「ラビットの肉はギルドに差し上げます。皆さんで召し上がってください!」
「えっ!? いいの? ラッキーラビットなのよ?」
「構いません。また仕留めればいいだけですから、簡単ですし」
「ま、また仕留めるんだ……簡単なんだ、はあ」
何故か、エフィさんが呆れたような声で言う。
「ねえ。アル君、今度、私にも捕ってよ、料理してあげるわよ」
「本当? なら、試験の後で捕ってくるよ」
アリーは極上の笑顔で俺の顔を見た。
アリーのご機嫌大事。その積み重ねが、一発に繋がる。
そんな感じで、俺が3km先のラッキーラビットを狙って魔法を放ったことは証明されたものの、試験官のクルゥさんはブツブツと何かを呟くばかりで何も言わない。
エフィさんは生暖かい目で俺を見ている。
終わった。
どうも、俺は試験に落ちたようだ。
何かを間違えたらしい。
エフィさんの呆れた表情や、不機嫌な試験官のクルゥさんの呟きから、俺は冒険者への扉を閉ざされたと感じた。
その後、筆記試験があったが、俺はどうせ落ちるんだしと気もそぞろで、筆記試験を受けて、この日を終えた。
その後ラッキーラビットを1匹捕らえて、アリーにプレゼントしたのは言うまでも無い。
剣技試験官side
「あの少年は一体、何者なんだ?」
俺は規格外の冒険者の新人、アル君の試験を終わり、驚きを隠せないものの、未だやることがあった。
少年が錬成したという例の剣の鑑定結果を知る必要があった。
もちろん、自身の剣の鑑定もだ。ギルドの最高位の鑑定家に鑑定を依頼した。
「ミスリルの剣を無銘のただの鉄の剣で斬るとかあり得ん」
あの剣には何かある。
あの少年はちょっと剣を強化するとか言っていた。
一体、何をしたんだ?
その時!
「ギ、ギルド長! こ、この二振りの剣を一体何処で手に入れたんですか?」
声がした方に目を向けると、剣の鑑定を依頼したジョブ『万能鑑定家』の鑑定のスキル持ちの職員が慌てたような顔で詰め寄って来た。
「やっぱり、唯の剣ではなかったか?」
「唯の剣どころか、幻の古代の日の国の刀に、アダマンタイトとオリハルコンで作られた聖剣並みの国宝級の剣です! こんなの売ることも出来ない。国王にでも献上するか、博物館に寄贈するしかないです!!」
「な、なんだとぉ!!」
俺はあまりのことに目眩がした。
確かに……あの少年は俺の剣をアダマンタイトとオリハルコンに剣に錬成するとか言っていた。
普通に考えると、明らかに頭おかしい少年だ。
だが、彼の言っていることは本当だった。
そして、俺はもっと信じられない事実に気がついた。
少年が使っていたのはアダマンタイトの剣の方じゃない。
彼が使ったのは倉庫の無銘の鉄の剣を変えた古代の幻の技法で作られた古刀。
だが、古刀はアダマンタイトやオリハルコンの剣のような強度はない。
無銘の剣より丈夫ではあるが、唯の鋼の剣に過ぎない。
そう、あの頭のおかしいとしか思えない少年は信じられない匠の技で、俺が持っていた世界最強強度のアダマンタイトとオリハルコンの合金の剣を剣の技量だけで、斬ったのだ。
俺はハガーレ流剣術を学んだが、師匠に聞いたことがある。
剣技を極めれば、例え聖剣であっても、唯の無銘の鉄の剣で斬ることが出来ると。
そう、あの少年は唯の鋼の刀でアダマンタイトオリハルコン合金の剣を斬ったのだ。
あの少年は剣技が頭おかしいレベルなのは間違いない。
俺は思い至ると、思わずフラフラして自分の椅子にへたり込んでしまった。
自分でも無理も無いと思う。
だが。鑑定家は更に続けてこう言った。
「材質や製法も脅威なんですが、聖剣の方は強化の付与魔法に、身体能力向上の付与魔法に、極めつけは、雷の強力な付与魔法がかけられていました」
「そ、それはまさか……」
「そのまさかです。あの剣は……伝説の雷神剣です」
俺は最後まで鑑定家の言うことを聞き取ることが出来なかった。
あまりのことに腰が抜けて椅子からずり落ちてしまった。
もう、ヤダあの子。怖すぎるでち。
0
あなたにおすすめの小説
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました
御峰。
ファンタジー
十歳の時、貰えるギフトで能力『ゴミ箱』を授かったので、名門ハイリンス家から追放された僕は、ゴミの集まる町、ヴァレンに捨てられる。
でも本当に良かった!毎日勉強ばっかだった家より、このヴァレン町で僕は自由に生きるんだ!
これは、ゴミ扱いされる能力を授かった僕が、ゴミ捨て町から幸せを掴む為、成り上がる物語だ――――。
勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~
名無し
ファンタジー
突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。
自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。
もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。
だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。
グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。
人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。
幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』
電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。
龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。
そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。
盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。
当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。
今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。
ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。
ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ
「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」
全員の目と口が弧を描いたのが見えた。
一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。
作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌()
15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)
みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。
在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる