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48これやった奴、頭おかしい。
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「今だ! ナディヤが喰われてる間に逃げるぞ!」
「ごめんね。ナディヤ。ちゃんと成仏してね」
おおよそ勇者らしからぬ発言を残してさっさと逃げ出す勇者エルヴィンと入れ違いに俺はナディヤの元へ到着していた。
ナディヤには冒険者時代、散々馬鹿にされた。
ついさっきも散々馬鹿にされて……
でも、俺にはナディヤの涙が目に入ってしまった。
自分でも馬鹿だと思う。
こんなヤツ死んでセイセイするのが普通だ。
だけど、気がついたら、俺の体は動いてしまっていた。
そして。
チン。
聖剣を鞘から僅かに刀を抜き放ち、居合の姿勢を取る。
そして、一気にミノタウロスとの間合いを詰めて、刀を抜き放つ。
不知火流抜刀術。
一の型。
霹靂一閃。
『不知火』
流派の名を冠した最強の抜刀術。
これはスキルじゃない。
ただの人の生み出した技。
それが抜き放たれて、刀身が音速を超え、音の壁を突き破る。
ドンッ!
音の壁を破った時の衝撃波の発生と共に、強烈な音が出る。
そして、俺の刀、聖剣はミノタウロスを真っ二つにしていた。
そして。
バリバリバリバリバリバリっ!!
何故か雷撃があたり一面を襲う。
「アル? いや、アル君?」
ナディヤが俺を見て驚愕の視線を投げかける。
俺のことアル君って久しぶりに聞くな。
勇者パーティが結成されたばかりの頃、ナディヤは俺のことをアル君と呼んでくれた。
懐かしい。あの頃はみんなとも一緒に頑張れた。
「気にするな。俺の気まぐれだ。今更俺のこと見直せとかは言わない」
「そ、そんな……アル君にこんな力が……」
「力が無いと、俺に価値はないのか?」
「……」
ナディヤは黙り込んだ。
助けたものの、別にナディヤを許せる訳がない。
俺を追放した奴らなんだ。
だが、俺はナディヤに聞きたいことがあった。
勇者エルヴィンがいるのに、何故クリスはいない?
「なあ、助けた礼として教えてくれないか? クリスは何処に行ったんだ?」
「クリス? クリスなら君を追ってパーティを抜けたよ。未だ合流してないの?」
「何?」
クリスが俺を追ってパーティを抜けた?
何故だ?
……そうか、俺が生きていることを知って。
…………止めを刺すために。
俺を殺そうとしたことは勇者でも許されない罪だ。
勇者だからと言って殺人をしていい道理はない。
つまり……口封じか。
「つまり、クリスは俺の命を狙っている訳か?」
「へ? 何言ってるの? クリスとあんた、あんなに仲良かったのに?」
どうもナディヤはエルヴィンの俺の殺害には加担していないようだな。
「俺はエルヴィンに殺されそうになった。クリスが俺を殺して欲しいと頼んだんだ」
「ま、まさか……クリスは僕と違って、そんなことは……」
クリスはそうは思わないけど、ナディヤは思うことがあったという訳か……
まあ、別にいいさ。
流石にナディヤも勇者パーティに戻ろうとか思わないだろう。
命がいくつあっても足らんからな。
俺とももう無関係だ。
「何処でも好きな所へ行け。顛末を国王陛下に伝えれば許してくれるだろう」
「う、うん」
俺とナディヤが話していると一人の冒険者が近づいて来た。
目を向けると以前子分にしたダニエルだった。
俺はダニエルや冒険者に大声で怒鳴った。
「ダニエル! みんな! 今しかない! 早くみんなの力を合わせて魔物達を押し返すんだ!」
「…………」
だが、ダニエルは何故かポカンとした顔で、呆けていた。
そばに来た他の冒険者達も同様だ。
「どうしたんだ? 早く、この好機に勝ち馬に乗らないと! さあ今のうちに早く!」
「いや……あの、親分……」
ダニエルは、何やら戸惑ったような表情で言う。
「攻撃するって……なににですかい?」
「は?」
なにを言ってるんだダニエルは?
「決まってるだろ? 魔物達の大群に決まっているじゃないか!」
俺の必死の叫びも虚しく、ダニエルも冒険者達もスルーで、なぜか俺を見る目が生暖かい。
「……魔物って、あそこで死んでいるヤツらのことですかい? 俺達の出番ねえですが?」
「へっ?」
改めて周りを見る。
立ち込める黒煙と降り注ぐ粉塵のなかで横たわる魔物達。
気のせいかな? 第一陣の魔物全部死んでいるような気がする。
こんなの一人で殺せるものなのか?
そう言えば、さっき雷撃の魔法が俺の剣戟と同時に放たれたような気がする。
……いやいやいやいや、無理だから、こんなにいっぱい一撃で倒すとか。
「い、一体誰なんだ? これ、創世級魔法の雷撃魔法とかでも無理だろ? これやったヤツ、頭おかしいだろ?」
「「「「「「「「「「ガタガタガタガタガタガタガターーーーーー!!」」」」」」」」」」
総勢数十人が一斉にずっコケた。
「ごめんね。ナディヤ。ちゃんと成仏してね」
おおよそ勇者らしからぬ発言を残してさっさと逃げ出す勇者エルヴィンと入れ違いに俺はナディヤの元へ到着していた。
ナディヤには冒険者時代、散々馬鹿にされた。
ついさっきも散々馬鹿にされて……
でも、俺にはナディヤの涙が目に入ってしまった。
自分でも馬鹿だと思う。
こんなヤツ死んでセイセイするのが普通だ。
だけど、気がついたら、俺の体は動いてしまっていた。
そして。
チン。
聖剣を鞘から僅かに刀を抜き放ち、居合の姿勢を取る。
そして、一気にミノタウロスとの間合いを詰めて、刀を抜き放つ。
不知火流抜刀術。
一の型。
霹靂一閃。
『不知火』
流派の名を冠した最強の抜刀術。
これはスキルじゃない。
ただの人の生み出した技。
それが抜き放たれて、刀身が音速を超え、音の壁を突き破る。
ドンッ!
音の壁を破った時の衝撃波の発生と共に、強烈な音が出る。
そして、俺の刀、聖剣はミノタウロスを真っ二つにしていた。
そして。
バリバリバリバリバリバリっ!!
何故か雷撃があたり一面を襲う。
「アル? いや、アル君?」
ナディヤが俺を見て驚愕の視線を投げかける。
俺のことアル君って久しぶりに聞くな。
勇者パーティが結成されたばかりの頃、ナディヤは俺のことをアル君と呼んでくれた。
懐かしい。あの頃はみんなとも一緒に頑張れた。
「気にするな。俺の気まぐれだ。今更俺のこと見直せとかは言わない」
「そ、そんな……アル君にこんな力が……」
「力が無いと、俺に価値はないのか?」
「……」
ナディヤは黙り込んだ。
助けたものの、別にナディヤを許せる訳がない。
俺を追放した奴らなんだ。
だが、俺はナディヤに聞きたいことがあった。
勇者エルヴィンがいるのに、何故クリスはいない?
「なあ、助けた礼として教えてくれないか? クリスは何処に行ったんだ?」
「クリス? クリスなら君を追ってパーティを抜けたよ。未だ合流してないの?」
「何?」
クリスが俺を追ってパーティを抜けた?
何故だ?
……そうか、俺が生きていることを知って。
…………止めを刺すために。
俺を殺そうとしたことは勇者でも許されない罪だ。
勇者だからと言って殺人をしていい道理はない。
つまり……口封じか。
「つまり、クリスは俺の命を狙っている訳か?」
「へ? 何言ってるの? クリスとあんた、あんなに仲良かったのに?」
どうもナディヤはエルヴィンの俺の殺害には加担していないようだな。
「俺はエルヴィンに殺されそうになった。クリスが俺を殺して欲しいと頼んだんだ」
「ま、まさか……クリスは僕と違って、そんなことは……」
クリスはそうは思わないけど、ナディヤは思うことがあったという訳か……
まあ、別にいいさ。
流石にナディヤも勇者パーティに戻ろうとか思わないだろう。
命がいくつあっても足らんからな。
俺とももう無関係だ。
「何処でも好きな所へ行け。顛末を国王陛下に伝えれば許してくれるだろう」
「う、うん」
俺とナディヤが話していると一人の冒険者が近づいて来た。
目を向けると以前子分にしたダニエルだった。
俺はダニエルや冒険者に大声で怒鳴った。
「ダニエル! みんな! 今しかない! 早くみんなの力を合わせて魔物達を押し返すんだ!」
「…………」
だが、ダニエルは何故かポカンとした顔で、呆けていた。
そばに来た他の冒険者達も同様だ。
「どうしたんだ? 早く、この好機に勝ち馬に乗らないと! さあ今のうちに早く!」
「いや……あの、親分……」
ダニエルは、何やら戸惑ったような表情で言う。
「攻撃するって……なににですかい?」
「は?」
なにを言ってるんだダニエルは?
「決まってるだろ? 魔物達の大群に決まっているじゃないか!」
俺の必死の叫びも虚しく、ダニエルも冒険者達もスルーで、なぜか俺を見る目が生暖かい。
「……魔物って、あそこで死んでいるヤツらのことですかい? 俺達の出番ねえですが?」
「へっ?」
改めて周りを見る。
立ち込める黒煙と降り注ぐ粉塵のなかで横たわる魔物達。
気のせいかな? 第一陣の魔物全部死んでいるような気がする。
こんなの一人で殺せるものなのか?
そう言えば、さっき雷撃の魔法が俺の剣戟と同時に放たれたような気がする。
……いやいやいやいや、無理だから、こんなにいっぱい一撃で倒すとか。
「い、一体誰なんだ? これ、創世級魔法の雷撃魔法とかでも無理だろ? これやったヤツ、頭おかしいだろ?」
「「「「「「「「「「ガタガタガタガタガタガタガターーーーーー!!」」」」」」」」」」
総勢数十人が一斉にずっコケた。
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