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一章
嫌な空気というのはこうぞわぞわと来るものがある
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母や父に自分には前世があると暴露しました! 普通に受け入れられました! すごく複雑。
いや、まぁ、なんとなく成長する過程でわかったんだって。もし、これが三歳や六歳の頃に言われてたら、少しばかり遠ざけてたかもしれないなんて、言われてしまった。うん、確かにそうかも。
「遠ざけるって言ってもあれよ、お義父さんに判断してもらおうってことよ」
呪いとかも扱ってるから、報復の可能性も捨てきれないし、様々な要因が考えられる。そうなるとメディシナ家の長老に尋ねる方が早いということだった。ただ、今の私はそういうのではないとわかっているらしい。だって、自分の力がおかしいと把握している。それでいてそれを気づかれないように迷惑にならないように隠している。そういうことから、呪いとかそういうのが原因ではない魂魄的な問題だろうと両親二人で語りあったそうだ。
「まぁ、こっちから聞く勇気がありゃよかったんだがな」
そうすれば、神父様やナチョに先起こされる心配はなかったと父はボヤいていた。先起こされるって、ただ単に私の不注意でバレただけだよ。
「ありがと」
受け入れてくれてありがとう。不思議に思ったとしても避けずにいてくれてありがとう。そういう気持ちも込めてお礼を入れば、母には抱きしめられ、父には頭をぐしゃぐしゃにされた。私は、この両親の間に生まれて幸せだよ。
ちなみに暴露したところで生活は変わらなかった。いつも通り、畑に水をやり、ウリセスさんから勉学を教わり、薬師のお手伝いもしてと変わるものはなかった。ただ、ちょっとだけ父から薬師としての仕事を教わる割合が増えた程度かな。すごく楽しくて面白くて予習とかしておくと過去の自分を見たのか苦笑いを浮かべられたけど。母曰く「メディシナらしいメディシナ」らしい。どういうこって。
「……?」
「リタ、どうしたの?」
「いや、なんか、寒気というかぞわっと感が」
腕をさすれば、すぐさまナチョは私のおでこに自分のおでこを合わせる。おのれ、顔面凶器め。顔が良すぎる!! 一瞬、意識が飛ぶかと思ったじゃないか。
「熱はないみたいだね」
「今すぐ、熱が出そうだよ」
「たっぷり、お世話してあげようか」
「結構ですぅ」
くすりと笑ったナチョの凶器すぎる顔。綺麗すぎてやばい。男にしては長いまつ毛にその下に隠れている紅い目は昔から変わらないけれど、丸みはなくなり、すらっと引き締まった輪郭に声変わりして低くなった声。剣術をやっていることもあってか、手も厚くなっている気がするし、筋張っている。ナチョは十四になるし、どんどんと男らしくなっている。可愛らしさが抜けて、かっこよさが表に出てきた感じ。その上で、私へのスキンシップのし方が変わった気がする。なんていうの、たまにエスコートっぽいことをされるんだよ。待って、私は田舎娘よと叫びたいレベルに。ウリセスさんに相談したこともあったけど。
「練習だと思って付き合ってあげてください」
と言われたっきり我関せず。むしろ、巻き込まないでくださいとばかり。え、それは神職者としてどうなのです?? いや、まぁ、めんどくさいことに巻き込まれるのは私も嫌だけどね。
『ふむ、少人数だが武装した人間らがこちらに向かってきているようだな』
恐らく、アデリタがゾワっとした理由は自然にできた第一結界をそれらが抜けたせいだろうとコウガ。待って、第一結界って何よ。後でコウガに尋ねておかないければいけないことできた。
「リタ?」
「いや、コウガが武装した人間がこっちに向かってきてるって」
「そう。多分、僕の迎えかもね」
「……むかえ」
「うん、ウリセスの友人から部隊の編成、出立したって連絡があったからね」
ようやく王が動いたのだろうけどあまりにも遅い行動に溜息が出そうになる。けれど、ナチョが王子様に戻れるのだとよかったと思う。ただ、寂しいと思う気持ちがもある。まぁ、四年という期間、当たり前のように一緒にいたのだから、寂しく思うのもしょうがないのかもね。
「もしかして、リタ、なんか感じた?」
「かも?」
『その人間どもの中に状態異常者がおるのだろう』
「あー、そういうことね」
「コウガが何か言ってたの?」
「うん、まぁ、状態異常者がいるんじゃないかって」
今までも状態異常者がここに訪れることがあった。勿論、噂を聞いて治療するためにだ。でも、こちらに向かってくる人はそうではない。だから、反応したのか。それとも、別の理由で反応したのかわからないけど。
「なるほどね。それだとしたら到着したら、一度聖水飲ませてみた方がいいか」
「そうだね。状態異常の種別によるだろうけど、まずいと言われたらあまり信頼はしない方がいいかも」
「確かにね。それにしても、研究しててよかったよ」
「まぁ、うん、副産物だったけど」
たまたま、訪れていた冒険者が聖水を飲んでしまってまずいと吐き捨てたことで発覚したのだ。その人の鑑定をしてみると少量だったけれど、毒状態になっていた。それを治療した後にまた聖水を飲んでもらうとあれと首を傾げたのだ。そういう経由で聖水の研究を三人で始めた。研究といっても簡単なもので薬を求めて訪れる冒険者たちにお試しで聖水を飲んでもらった。そして、不味いといった冒険者には鑑定を行い、状態異常であると伝えつつ、ついでにうちの薬も売る。まぁ、そういう詐欺もありそうで怖いんだけどさ。そうしていく中で、わかったのはわずかでも状態異常になっていると聖水を不味く感じるということ。この不味くというのもある意味指標で、軽い人は美味しくない程度。重い人になると泥水や汚水を飲まされているように感じるらしい。重かった人には口直しにお酒やドリンクをあげたよ。冒険者の中には状態異常になっていることに驚いたり、そんなことはないと怒ったりする人もいたけど、大半は心当たりがあったりして、その場で治療をお願いしてくることが多かった。もちろん、怒った人も一度信頼できる鑑定人か医者に聞きに行ったのだろう飛んで戻って、治療を願っていた。いや、そちらでやった方がいいんじゃないかとも思ったけどね。
「やっぱり、種別がわからないのがネックだなー」
そう、状態異常であることはわかっても、それがどういう状態異常かは鑑定してみないとわからないのだ。まぁ、その状態異常が移るってことはあまりと思うけれど、一応鑑定する際には自分の周りに薄い結界を張っている。ようは防護服みたいな感じだよ。ちなみに状態異常といえども疲労困憊の場合は聖水は普通に美味しいらしい。毒、麻痺は当然ながら、不味い。魅了を食らっている場合も不味い。ちなみにこの魅了たるものは破ることができる人もいるけれど、実際は抑えられているというだけで、解除されているわけではないらしいのだ。一度、ここに逃げてきた人がその魅了を受けた人だった。けれど、彼は自分の好きな人は我が物顔で傍にいる人ではない別の人であるとわかっていた。けれど、その女性の傍にいてはいつしかその人に惚れてしまうのではないかと不安になって逃げてきたらしい。それができるのはすごいよね。まぁ、魅了という状態異常に陥っているとは思わなかったらしいけど。まぁ、そんなこんなで色々と判明することも多かったけど、状態異常の判別だけはいまだにできない。
「リタとしたら、どの状態異常が危険だと思う?」
「いや、それは決まって、魅了でしょうよ」
「なんで?」
「もし、かけた人間に指示されてた場合、普通に実行すると思うから」
盲信的に心酔してたら、もうやばいと思うよ。確実に言われたことを実行するだろうから。それがナチョを害するものだとしたら、恐ろしい。もういっそのこと私がナチョに防御魔法かけて置こうか。念入りに。
いや、やめておこう、呪いだと思われたら嫌だし。ナチョに迷惑かかるだろうし。
「リタのいうことは間違いないね。場合によっては毒持ちも危ないかもしれないけど、手っ取り早いのは魅了持ちか」
「毒持ちがなんで? いや、まって、え、そういうことある??」
「あるらしいよ」
「まじかー」
なんでと首を傾げたけど、ふと毒を食べ続けて毒の血を持つようになったとかそういう物語とか設定とかがちらりと過ぎった。いやいや、と首を振ったけど、ナチョから帰ってきたのは肯定。あるんだ、そういうのこの世界にもあるんだ。
「偶然の産物の人もいれば、作り出された人もいるだろうね。どうにもウリセスの話だとそういう話がいくつか点在しているらしいから」
「なんてこった」
状態異常毒である人で治療を断る人は怪しく思った方がいいのか、詳しく聞いてみた方がいいのか悩ましいな。まぁ、そういう人にあったら、決めるのでいいかもしれないけど。
「恐らく今回は騎士で編成してるから毒持ちはいないと思うから、怪しいのは魅了持ちだね」
確かに、騎士であれば毒持ちはいなさそうだな。まぁ、工作兵として入れられてたら分からんけど。魅了持ちは毒持ちとは違って普遍だし、気付けないだろうね。特に普通に生活をしているのならば尚更。使い時に使われる程度だったら、わからないだろうな。
どうか、怪しい人がいないことを願うしかないか。
あれ? もしかして、私、フラグ立てた??
いや、まぁ、なんとなく成長する過程でわかったんだって。もし、これが三歳や六歳の頃に言われてたら、少しばかり遠ざけてたかもしれないなんて、言われてしまった。うん、確かにそうかも。
「遠ざけるって言ってもあれよ、お義父さんに判断してもらおうってことよ」
呪いとかも扱ってるから、報復の可能性も捨てきれないし、様々な要因が考えられる。そうなるとメディシナ家の長老に尋ねる方が早いということだった。ただ、今の私はそういうのではないとわかっているらしい。だって、自分の力がおかしいと把握している。それでいてそれを気づかれないように迷惑にならないように隠している。そういうことから、呪いとかそういうのが原因ではない魂魄的な問題だろうと両親二人で語りあったそうだ。
「まぁ、こっちから聞く勇気がありゃよかったんだがな」
そうすれば、神父様やナチョに先起こされる心配はなかったと父はボヤいていた。先起こされるって、ただ単に私の不注意でバレただけだよ。
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受け入れてくれてありがとう。不思議に思ったとしても避けずにいてくれてありがとう。そういう気持ちも込めてお礼を入れば、母には抱きしめられ、父には頭をぐしゃぐしゃにされた。私は、この両親の間に生まれて幸せだよ。
ちなみに暴露したところで生活は変わらなかった。いつも通り、畑に水をやり、ウリセスさんから勉学を教わり、薬師のお手伝いもしてと変わるものはなかった。ただ、ちょっとだけ父から薬師としての仕事を教わる割合が増えた程度かな。すごく楽しくて面白くて予習とかしておくと過去の自分を見たのか苦笑いを浮かべられたけど。母曰く「メディシナらしいメディシナ」らしい。どういうこって。
「……?」
「リタ、どうしたの?」
「いや、なんか、寒気というかぞわっと感が」
腕をさすれば、すぐさまナチョは私のおでこに自分のおでこを合わせる。おのれ、顔面凶器め。顔が良すぎる!! 一瞬、意識が飛ぶかと思ったじゃないか。
「熱はないみたいだね」
「今すぐ、熱が出そうだよ」
「たっぷり、お世話してあげようか」
「結構ですぅ」
くすりと笑ったナチョの凶器すぎる顔。綺麗すぎてやばい。男にしては長いまつ毛にその下に隠れている紅い目は昔から変わらないけれど、丸みはなくなり、すらっと引き締まった輪郭に声変わりして低くなった声。剣術をやっていることもあってか、手も厚くなっている気がするし、筋張っている。ナチョは十四になるし、どんどんと男らしくなっている。可愛らしさが抜けて、かっこよさが表に出てきた感じ。その上で、私へのスキンシップのし方が変わった気がする。なんていうの、たまにエスコートっぽいことをされるんだよ。待って、私は田舎娘よと叫びたいレベルに。ウリセスさんに相談したこともあったけど。
「練習だと思って付き合ってあげてください」
と言われたっきり我関せず。むしろ、巻き込まないでくださいとばかり。え、それは神職者としてどうなのです?? いや、まぁ、めんどくさいことに巻き込まれるのは私も嫌だけどね。
『ふむ、少人数だが武装した人間らがこちらに向かってきているようだな』
恐らく、アデリタがゾワっとした理由は自然にできた第一結界をそれらが抜けたせいだろうとコウガ。待って、第一結界って何よ。後でコウガに尋ねておかないければいけないことできた。
「リタ?」
「いや、コウガが武装した人間がこっちに向かってきてるって」
「そう。多分、僕の迎えかもね」
「……むかえ」
「うん、ウリセスの友人から部隊の編成、出立したって連絡があったからね」
ようやく王が動いたのだろうけどあまりにも遅い行動に溜息が出そうになる。けれど、ナチョが王子様に戻れるのだとよかったと思う。ただ、寂しいと思う気持ちがもある。まぁ、四年という期間、当たり前のように一緒にいたのだから、寂しく思うのもしょうがないのかもね。
「もしかして、リタ、なんか感じた?」
「かも?」
『その人間どもの中に状態異常者がおるのだろう』
「あー、そういうことね」
「コウガが何か言ってたの?」
「うん、まぁ、状態異常者がいるんじゃないかって」
今までも状態異常者がここに訪れることがあった。勿論、噂を聞いて治療するためにだ。でも、こちらに向かってくる人はそうではない。だから、反応したのか。それとも、別の理由で反応したのかわからないけど。
「なるほどね。それだとしたら到着したら、一度聖水飲ませてみた方がいいか」
「そうだね。状態異常の種別によるだろうけど、まずいと言われたらあまり信頼はしない方がいいかも」
「確かにね。それにしても、研究しててよかったよ」
「まぁ、うん、副産物だったけど」
たまたま、訪れていた冒険者が聖水を飲んでしまってまずいと吐き捨てたことで発覚したのだ。その人の鑑定をしてみると少量だったけれど、毒状態になっていた。それを治療した後にまた聖水を飲んでもらうとあれと首を傾げたのだ。そういう経由で聖水の研究を三人で始めた。研究といっても簡単なもので薬を求めて訪れる冒険者たちにお試しで聖水を飲んでもらった。そして、不味いといった冒険者には鑑定を行い、状態異常であると伝えつつ、ついでにうちの薬も売る。まぁ、そういう詐欺もありそうで怖いんだけどさ。そうしていく中で、わかったのはわずかでも状態異常になっていると聖水を不味く感じるということ。この不味くというのもある意味指標で、軽い人は美味しくない程度。重い人になると泥水や汚水を飲まされているように感じるらしい。重かった人には口直しにお酒やドリンクをあげたよ。冒険者の中には状態異常になっていることに驚いたり、そんなことはないと怒ったりする人もいたけど、大半は心当たりがあったりして、その場で治療をお願いしてくることが多かった。もちろん、怒った人も一度信頼できる鑑定人か医者に聞きに行ったのだろう飛んで戻って、治療を願っていた。いや、そちらでやった方がいいんじゃないかとも思ったけどね。
「やっぱり、種別がわからないのがネックだなー」
そう、状態異常であることはわかっても、それがどういう状態異常かは鑑定してみないとわからないのだ。まぁ、その状態異常が移るってことはあまりと思うけれど、一応鑑定する際には自分の周りに薄い結界を張っている。ようは防護服みたいな感じだよ。ちなみに状態異常といえども疲労困憊の場合は聖水は普通に美味しいらしい。毒、麻痺は当然ながら、不味い。魅了を食らっている場合も不味い。ちなみにこの魅了たるものは破ることができる人もいるけれど、実際は抑えられているというだけで、解除されているわけではないらしいのだ。一度、ここに逃げてきた人がその魅了を受けた人だった。けれど、彼は自分の好きな人は我が物顔で傍にいる人ではない別の人であるとわかっていた。けれど、その女性の傍にいてはいつしかその人に惚れてしまうのではないかと不安になって逃げてきたらしい。それができるのはすごいよね。まぁ、魅了という状態異常に陥っているとは思わなかったらしいけど。まぁ、そんなこんなで色々と判明することも多かったけど、状態異常の判別だけはいまだにできない。
「リタとしたら、どの状態異常が危険だと思う?」
「いや、それは決まって、魅了でしょうよ」
「なんで?」
「もし、かけた人間に指示されてた場合、普通に実行すると思うから」
盲信的に心酔してたら、もうやばいと思うよ。確実に言われたことを実行するだろうから。それがナチョを害するものだとしたら、恐ろしい。もういっそのこと私がナチョに防御魔法かけて置こうか。念入りに。
いや、やめておこう、呪いだと思われたら嫌だし。ナチョに迷惑かかるだろうし。
「リタのいうことは間違いないね。場合によっては毒持ちも危ないかもしれないけど、手っ取り早いのは魅了持ちか」
「毒持ちがなんで? いや、まって、え、そういうことある??」
「あるらしいよ」
「まじかー」
なんでと首を傾げたけど、ふと毒を食べ続けて毒の血を持つようになったとかそういう物語とか設定とかがちらりと過ぎった。いやいや、と首を振ったけど、ナチョから帰ってきたのは肯定。あるんだ、そういうのこの世界にもあるんだ。
「偶然の産物の人もいれば、作り出された人もいるだろうね。どうにもウリセスの話だとそういう話がいくつか点在しているらしいから」
「なんてこった」
状態異常毒である人で治療を断る人は怪しく思った方がいいのか、詳しく聞いてみた方がいいのか悩ましいな。まぁ、そういう人にあったら、決めるのでいいかもしれないけど。
「恐らく今回は騎士で編成してるから毒持ちはいないと思うから、怪しいのは魅了持ちだね」
確かに、騎士であれば毒持ちはいなさそうだな。まぁ、工作兵として入れられてたら分からんけど。魅了持ちは毒持ちとは違って普遍だし、気付けないだろうね。特に普通に生活をしているのならば尚更。使い時に使われる程度だったら、わからないだろうな。
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