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摩矢episode3
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◇◇◇◇◇◇
それから、桜木と口を利かなくなるどころか目も合わせなくなって1週間が経った。
桜木を失った喪失感は想像していた以上に辛く、俺は毎日ひたすら刺繍に集中しようと勤めた。 生活は大して変わらないはずなのに、側でギターを弾いている桜木の姿がないだけで、毎日が酷く味気なくなった。桜木の言った通り、あいつが居なければ、俺は全くの孤独なんだと骨身に染みた。
余りにも空虚な毎日が続くもんだから、例のサイトに糞詩を投稿したくて堪らなくなったが、それをやってしまうと結局は、赤虫=桜木に甘えていることになるので、それも止めた。
徹底して桜木を排除する生活は、俺にとって地獄のような苦しみだった。
そして、10日目が過ぎた頃。俺はすっかり弱りきって、学校に行くことすら出来なくなった。それから3日くらい経つと、今度は俺だけじゃなく妹達まで発狂し始めた。
──ダン!!
朝子がテーブルに拳を打ち付け叫び始めた。
「どういう事よ!……なんで?なんで10日以上もユウちゃんが来ないの?!」
すると泰子と雅子も続いて「ユウちゃんに会いたい!ユウちゃんに会いたい!」と、リビングの床を転がり始めた。
「お兄ちゃん、なんか知ってる?ユウちゃん、どうして家に来ないの?!今までこんな事、無かったじゃない!」
泰子が俺の膝に泣き付いてきた。すると、雅子が鋭い視線をこちらに寄越して
「お兄ちゃん、絶対ユウちゃんになんかしたでしょ?!一体、ユウちゃんに何をしたのよ!!」
と、涙目で威嚇してきた。
そして、地獄の番犬姉妹は揃って長い髪を振り乱し、「ユウちゃんが来ない原因は、きっとお兄ちゃんのせいだ!」と、俺を責め立てた。
両耳を塞いで完全に無視してやろうかと思ったが、妹達の執念はちょっとやそっとの抵抗で収まるようなもんじゃないので、俺は仕方なく重い口を開けた。
「──奴と喧嘩した。もう二度と家には来ないってさ。だから、もう諦めろ」
すると、三姉妹は揃ってムンクの叫びと化した。
「お兄ちゃんの馬鹿━━!!あんな温厚なユウちゃんと喧嘩になんてなるわけないでしょ!!」
「どーせ、お兄ちゃんが一方的に酷い事を言ったに決まってるわ!ユウちゃんが可哀想!!」
「あたし達、これからユウちゃん無しでどうやって生きればいいのよ!!」
正に阿鼻叫喚。妹らはユウちゃん、ユウちゃん、と馬鹿の一つ覚えみたいに桜木の名を繰り返し呼んでは泣きじゃくった。
(全く……どいつもこいつも、泣きたいのはこっちの方だ!)
そして、遂に俺も辛抱ならなくなって、妹達に向かって怒鳴った。
「てめぇら、いい加減にしろっ!!」
妹達の泣き声が一斉に止んだ。が、それは一瞬だけだった。気の強い妹らは直ぐに攻撃に転じてきた。
「いい加減にって、それ、お兄ちゃんがあたしらに言える事?」
「そーよ!お兄ちゃんの口の悪さは時として人の心臓を抉りとって再起不能にするのよ!まさか、ユウちゃんにもそんな事をしたんじゃないでしょうね?」
「あのユウちゃんが家に来なくなるなんて、よっぽど酷い事を言ったんだわ!許せない!!」
「「「お兄ちゃんって、本当っ最っ低っ!!!!」」」
妹達は揃って居丈高に叫んだ。
(全く……。揃いも揃って自分の事を棚に上げやがって……)
俺の堪忍袋は限界に達していた。
「は!笑わせるな!お前ら自分がさぞかしお綺麗な心を持っていると勘違いしているようだが、所詮は俺と兄妹だってのを忘れんなよ!──いいか!お前らの方が幾度となく桜木を傷付けてんだぞ!!今さら身に覚えがねぇとは言わせねぇぞ!!」
「はあ?!何であたしらがユウちゃんを傷付けたって言うのよ!」
「そうよ! 出鱈目言ってんじゃないわよ!」
「あたしら程ユウちゃんを愛している女達は居ないんだからねっ!」
「「「そうよ!!」」」
「ユウちゃんをいつだって汚してるのはお兄ちゃんでしょ!」
「──っんだと?!こらっ!!」
それから、桜木と口を利かなくなるどころか目も合わせなくなって1週間が経った。
桜木を失った喪失感は想像していた以上に辛く、俺は毎日ひたすら刺繍に集中しようと勤めた。 生活は大して変わらないはずなのに、側でギターを弾いている桜木の姿がないだけで、毎日が酷く味気なくなった。桜木の言った通り、あいつが居なければ、俺は全くの孤独なんだと骨身に染みた。
余りにも空虚な毎日が続くもんだから、例のサイトに糞詩を投稿したくて堪らなくなったが、それをやってしまうと結局は、赤虫=桜木に甘えていることになるので、それも止めた。
徹底して桜木を排除する生活は、俺にとって地獄のような苦しみだった。
そして、10日目が過ぎた頃。俺はすっかり弱りきって、学校に行くことすら出来なくなった。それから3日くらい経つと、今度は俺だけじゃなく妹達まで発狂し始めた。
──ダン!!
朝子がテーブルに拳を打ち付け叫び始めた。
「どういう事よ!……なんで?なんで10日以上もユウちゃんが来ないの?!」
すると泰子と雅子も続いて「ユウちゃんに会いたい!ユウちゃんに会いたい!」と、リビングの床を転がり始めた。
「お兄ちゃん、なんか知ってる?ユウちゃん、どうして家に来ないの?!今までこんな事、無かったじゃない!」
泰子が俺の膝に泣き付いてきた。すると、雅子が鋭い視線をこちらに寄越して
「お兄ちゃん、絶対ユウちゃんになんかしたでしょ?!一体、ユウちゃんに何をしたのよ!!」
と、涙目で威嚇してきた。
そして、地獄の番犬姉妹は揃って長い髪を振り乱し、「ユウちゃんが来ない原因は、きっとお兄ちゃんのせいだ!」と、俺を責め立てた。
両耳を塞いで完全に無視してやろうかと思ったが、妹達の執念はちょっとやそっとの抵抗で収まるようなもんじゃないので、俺は仕方なく重い口を開けた。
「──奴と喧嘩した。もう二度と家には来ないってさ。だから、もう諦めろ」
すると、三姉妹は揃ってムンクの叫びと化した。
「お兄ちゃんの馬鹿━━!!あんな温厚なユウちゃんと喧嘩になんてなるわけないでしょ!!」
「どーせ、お兄ちゃんが一方的に酷い事を言ったに決まってるわ!ユウちゃんが可哀想!!」
「あたし達、これからユウちゃん無しでどうやって生きればいいのよ!!」
正に阿鼻叫喚。妹らはユウちゃん、ユウちゃん、と馬鹿の一つ覚えみたいに桜木の名を繰り返し呼んでは泣きじゃくった。
(全く……どいつもこいつも、泣きたいのはこっちの方だ!)
そして、遂に俺も辛抱ならなくなって、妹達に向かって怒鳴った。
「てめぇら、いい加減にしろっ!!」
妹達の泣き声が一斉に止んだ。が、それは一瞬だけだった。気の強い妹らは直ぐに攻撃に転じてきた。
「いい加減にって、それ、お兄ちゃんがあたしらに言える事?」
「そーよ!お兄ちゃんの口の悪さは時として人の心臓を抉りとって再起不能にするのよ!まさか、ユウちゃんにもそんな事をしたんじゃないでしょうね?」
「あのユウちゃんが家に来なくなるなんて、よっぽど酷い事を言ったんだわ!許せない!!」
「「「お兄ちゃんって、本当っ最っ低っ!!!!」」」
妹達は揃って居丈高に叫んだ。
(全く……。揃いも揃って自分の事を棚に上げやがって……)
俺の堪忍袋は限界に達していた。
「は!笑わせるな!お前ら自分がさぞかしお綺麗な心を持っていると勘違いしているようだが、所詮は俺と兄妹だってのを忘れんなよ!──いいか!お前らの方が幾度となく桜木を傷付けてんだぞ!!今さら身に覚えがねぇとは言わせねぇぞ!!」
「はあ?!何であたしらがユウちゃんを傷付けたって言うのよ!」
「そうよ! 出鱈目言ってんじゃないわよ!」
「あたしら程ユウちゃんを愛している女達は居ないんだからねっ!」
「「「そうよ!!」」」
「ユウちゃんをいつだって汚してるのはお兄ちゃんでしょ!」
「──っんだと?!こらっ!!」
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