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摩矢episode4
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流石、桜木だ。俺の本心が別にあるってことがちゃんと分かるんだ。だが、俺の本当の気持ちをお前に話す訳にはいかない。
もしもそれを言ってしまったら、桜木はきっと困惑する。桜木に嫌な思いや迷惑をかけたくない。
でも……。
『もうそれでいいんじゃないのか?』
そんな言葉が俺の脳裏を掠めた。
いっそのこと、さっさと気持ちを伝えて、綺麗さっぱり振られてしまった方が、桜木にとっても俺が親友だ、などという酷い幻想から目が覚めて良いのかもしれない……。
俺は決心を固め、奴の胸ぐらを掴むと、自分の背丈まで勢いよく引き寄せた。が、直ぐ様、桜木も俺の手を掴んで抵抗する。
「──ちょっと!今度は何?ひょっとして暴力で片をつけるつもり?」
普段、見ることのない、桜木の咎めるような鋭い眼差しが俺を射抜く。
知らなかった──。桜木のこんな表情もすごく綺麗だ。
「ああ。お前からしたら、きっとこれも暴力だな……」
間近で見る、色素の薄いトパーズのような瞳の煌めきが、俺の胸を高鳴らせた。
一度だけでいい。
こいつにもっと触れてみたい──!!
俺は腕を思いっきり引き寄せ、迷うことなく桜木の唇に自分の唇を重ねた。
──瞬間、桜木の身が僅かに震える。
真綿のような柔らかい唇の感触は、それだけで蕩けてしまいそうなほど全身が甘い感情で満たされた。
(──今、この瞬間に世界が崩壊すればいいのに……)
もう俺の残りの人生なんて、このまま腐りきって朽ち果ててもいいような気がした。
俺はそっと目を開けて唇を離した。
桜木は硬直したまま動かない。
完全に思考停止。ひょっとしたら余りの出来事に記憶すら飛んでるんじゃないかと思われた。
「こういう事だから……。実はお前の事をずっと俺はそういう目で見ていた。だからもう……俺はお前と、会わない方がいいだろ?」
余りの出来事に桜木はなんの反応も返せない。
数秒後、やっとのこと眉間に皺を寄せ、自分の唇に手の甲を押し当てた。そして、俺の顔を疑わしげに見つめている。何を考えているのか……非常に複雑そうな顔……。
その表情に、俺の胸はキリキリと傷んだ。
思った通りの反応。だけど、実際目にするとやっぱり辛い。
俺はふっと笑顔を溢し、桜木の頬に触れた。
「悪りぃな……。彼女が居るのにこんな真似して……でも、これが最初で最後だから勘弁してくれ。じゃあな、桜木。──もう寒いからお前もさっさと帰れ!」
俺は桜木の胸を突き飛ばし、摩矢家の門から押し出した。そして、俺はとっとと家の塀を登り、屋根に乗り移ると、振り返って桜木にシッシッ!と猫や犬を追い払うかのように手で払った。
その間も桜木はずっと手で口許を覆ったまま、無言でこちらをじっと見詰めている。心なしかその表情が恨みがましく見え、流石の俺も自分のしでかしたことを後悔した。
(そりゃそうだよな……。親友だと思っていた奴に、あんなことされたら、裏切られたような気持ちでいっぱいだよな……)
桜木の心は今、混乱と憎悪でいっぱいなのかもしれない……。
もしもそれを言ってしまったら、桜木はきっと困惑する。桜木に嫌な思いや迷惑をかけたくない。
でも……。
『もうそれでいいんじゃないのか?』
そんな言葉が俺の脳裏を掠めた。
いっそのこと、さっさと気持ちを伝えて、綺麗さっぱり振られてしまった方が、桜木にとっても俺が親友だ、などという酷い幻想から目が覚めて良いのかもしれない……。
俺は決心を固め、奴の胸ぐらを掴むと、自分の背丈まで勢いよく引き寄せた。が、直ぐ様、桜木も俺の手を掴んで抵抗する。
「──ちょっと!今度は何?ひょっとして暴力で片をつけるつもり?」
普段、見ることのない、桜木の咎めるような鋭い眼差しが俺を射抜く。
知らなかった──。桜木のこんな表情もすごく綺麗だ。
「ああ。お前からしたら、きっとこれも暴力だな……」
間近で見る、色素の薄いトパーズのような瞳の煌めきが、俺の胸を高鳴らせた。
一度だけでいい。
こいつにもっと触れてみたい──!!
俺は腕を思いっきり引き寄せ、迷うことなく桜木の唇に自分の唇を重ねた。
──瞬間、桜木の身が僅かに震える。
真綿のような柔らかい唇の感触は、それだけで蕩けてしまいそうなほど全身が甘い感情で満たされた。
(──今、この瞬間に世界が崩壊すればいいのに……)
もう俺の残りの人生なんて、このまま腐りきって朽ち果ててもいいような気がした。
俺はそっと目を開けて唇を離した。
桜木は硬直したまま動かない。
完全に思考停止。ひょっとしたら余りの出来事に記憶すら飛んでるんじゃないかと思われた。
「こういう事だから……。実はお前の事をずっと俺はそういう目で見ていた。だからもう……俺はお前と、会わない方がいいだろ?」
余りの出来事に桜木はなんの反応も返せない。
数秒後、やっとのこと眉間に皺を寄せ、自分の唇に手の甲を押し当てた。そして、俺の顔を疑わしげに見つめている。何を考えているのか……非常に複雑そうな顔……。
その表情に、俺の胸はキリキリと傷んだ。
思った通りの反応。だけど、実際目にするとやっぱり辛い。
俺はふっと笑顔を溢し、桜木の頬に触れた。
「悪りぃな……。彼女が居るのにこんな真似して……でも、これが最初で最後だから勘弁してくれ。じゃあな、桜木。──もう寒いからお前もさっさと帰れ!」
俺は桜木の胸を突き飛ばし、摩矢家の門から押し出した。そして、俺はとっとと家の塀を登り、屋根に乗り移ると、振り返って桜木にシッシッ!と猫や犬を追い払うかのように手で払った。
その間も桜木はずっと手で口許を覆ったまま、無言でこちらをじっと見詰めている。心なしかその表情が恨みがましく見え、流石の俺も自分のしでかしたことを後悔した。
(そりゃそうだよな……。親友だと思っていた奴に、あんなことされたら、裏切られたような気持ちでいっぱいだよな……)
桜木の心は今、混乱と憎悪でいっぱいなのかもしれない……。
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