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摩矢episode 5
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「分かった分かった。雪合戦も枕投げもするから。──勿論、摩矢もその時は一緒にやろうな!」
桜木が笑顔で振り返る。
こいつは正にど阿呆だ。何故突然、俺にそんな話を振るんだ?案の定、塚原の顔面が青さを通り過ぎて、どす黒くなった。もはやこれは死相と言ってもいいレベルだ。よっぽど塚原は俺のことが怖いらしい。やはりここは、俺達が相容れぬ関係だということを、桜木にもきっちり分かってもらわなくちゃならない。
「いいぜぇ……。枕投げ……、雪合戦……。お望み通りやってやるよ……。ただし!……お前らが俺に殺られる覚悟があるっていうならなっ!」
これでもかってくらい瞳孔を広げ、猟奇的な顔で塚原を睨み付けてやる。俺の殺気を真正面から受けた奴は腰が抜けるほど怯え、悲鳴を上げた。
(──よし!!いい怯え方だ!!)
俺は一人、ガッツポーズを決めた。これだけ怯えさせておけば、こいつらと俺が四六時中一緒にいるのは流石に無理だと、桜木も判断するはずだ。
ところが桜木は『こら!』と俺の耳元に唇を寄せて叱り付けてきた。
俺は視線だけを桜木にスライドする。
『何だよ?!』
『何だよじゃないよ!そういう態度はよくないでしょ!普通に頷いてやんなよ!塚原が可哀想だろ!』
『お前はアホか!塚原は俺の事が大嫌いなんだぞ。そんな奴とずっと過ごさなきゃいけないなんて、そっちの方が悲惨だろ?お前こそ俺を誘うなんて何を考えてるんだ?!』
『だからそれは秋ちゃんが態度を改めれば変わってくるでしょ!もういい加減、少しは人と仲良くする努力をしなよ!』
『冗談じゃねぇ!何で俺が努力してまで塚原と仲良くなんなきゃいけねぇんだ!向こうだって絶対に嫌がってるって!』
桜木が呆れ顔で俺を見ている。
(軽蔑するならいくらでもしやがれってんだ!!)
俺は桜木を追い払うようにシッシッと手を振った。
桜木はムッとしている。
これで諦めてくれりゃいいのに、桜木は俺の手を取り、奴らに向き直った。
「ごめん、塚ちん……。俺は修学旅行中、摩矢の監視をしてるから、あんまり一緒に遊べないかも?……ごめんね」
と謝った。
塚原と、いつの間にかその隣に立っていた三隅までもが、捨てられた子犬のような切ない瞳でこちらを見た。
流石の桜木も二人の寂しそうな視線を受け、眉間に皺を寄せ、苦悶の表情をしていた。
「ご……ごめん。二人とも……でも、俺は摩矢を連れてきた責任が……あるから……」
『このど阿呆!!俺なんかに合わせてたら、いつかお前も友達を失くすぞ!!』
『別にそれでもいい!この修学旅行で秋ちゃんを繋ぎ止められるのなら!!』
いつになく真剣な瞳に射抜かれて、俺は硬直した。
(ちょっと待て……!それって……どういう意味だ……?)
桜木が笑顔で振り返る。
こいつは正にど阿呆だ。何故突然、俺にそんな話を振るんだ?案の定、塚原の顔面が青さを通り過ぎて、どす黒くなった。もはやこれは死相と言ってもいいレベルだ。よっぽど塚原は俺のことが怖いらしい。やはりここは、俺達が相容れぬ関係だということを、桜木にもきっちり分かってもらわなくちゃならない。
「いいぜぇ……。枕投げ……、雪合戦……。お望み通りやってやるよ……。ただし!……お前らが俺に殺られる覚悟があるっていうならなっ!」
これでもかってくらい瞳孔を広げ、猟奇的な顔で塚原を睨み付けてやる。俺の殺気を真正面から受けた奴は腰が抜けるほど怯え、悲鳴を上げた。
(──よし!!いい怯え方だ!!)
俺は一人、ガッツポーズを決めた。これだけ怯えさせておけば、こいつらと俺が四六時中一緒にいるのは流石に無理だと、桜木も判断するはずだ。
ところが桜木は『こら!』と俺の耳元に唇を寄せて叱り付けてきた。
俺は視線だけを桜木にスライドする。
『何だよ?!』
『何だよじゃないよ!そういう態度はよくないでしょ!普通に頷いてやんなよ!塚原が可哀想だろ!』
『お前はアホか!塚原は俺の事が大嫌いなんだぞ。そんな奴とずっと過ごさなきゃいけないなんて、そっちの方が悲惨だろ?お前こそ俺を誘うなんて何を考えてるんだ?!』
『だからそれは秋ちゃんが態度を改めれば変わってくるでしょ!もういい加減、少しは人と仲良くする努力をしなよ!』
『冗談じゃねぇ!何で俺が努力してまで塚原と仲良くなんなきゃいけねぇんだ!向こうだって絶対に嫌がってるって!』
桜木が呆れ顔で俺を見ている。
(軽蔑するならいくらでもしやがれってんだ!!)
俺は桜木を追い払うようにシッシッと手を振った。
桜木はムッとしている。
これで諦めてくれりゃいいのに、桜木は俺の手を取り、奴らに向き直った。
「ごめん、塚ちん……。俺は修学旅行中、摩矢の監視をしてるから、あんまり一緒に遊べないかも?……ごめんね」
と謝った。
塚原と、いつの間にかその隣に立っていた三隅までもが、捨てられた子犬のような切ない瞳でこちらを見た。
流石の桜木も二人の寂しそうな視線を受け、眉間に皺を寄せ、苦悶の表情をしていた。
「ご……ごめん。二人とも……でも、俺は摩矢を連れてきた責任が……あるから……」
『このど阿呆!!俺なんかに合わせてたら、いつかお前も友達を失くすぞ!!』
『別にそれでもいい!この修学旅行で秋ちゃんを繋ぎ止められるのなら!!』
いつになく真剣な瞳に射抜かれて、俺は硬直した。
(ちょっと待て……!それって……どういう意味だ……?)
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