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陶也side1
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陶也は助手席側の窓からずっと外を眺めながら、イザヤの記憶を辿った。
母親の行方は指名手配されたにもかかわらず、未だに捕まっていない。イザヤが遺産を宛にしたのは、きっと母親を探すためにお金が必要だからなのだ。
携帯の契約を済ませ、イザヤの使っている軽トラックとSUV、両方にGPSを取り付けると、既に日が暮れていた。小川さんにも一応、イザヤがアメリカに帰りそうな素振りを見せたら陶也に直ぐ連絡してもらうよう約束してもらった。
もうすぐイザヤが帰ってくる時間だった。昼間の告白とキスの事を思うと、すごく頭が痛かったが、兎も角、携帯を渡して、アメリカに帰る事は止めてもらうよう説得しなくては……。
陶也はキッチンに戻り、夕食の支度をしながら、初めてイザヤとここで食事をした時の日を思い出した。
一徹さんの話で一緒に笑ってくれた。出来ればお爺ちゃんがアルバムの中で陶也にしてくれたような事を、陶也はイザヤと一緒に過ごしたかった。しかし、あの日、陶也のアルバムを見ながら、イザヤの顔が次第に苦し気な表情になって、首から下げた兄弟達を手でぎゅっと握っていた。陶也はあの瞬間、イザヤにアルバムを見せた事を後悔した。陶也がお爺ちゃんと幸せな時を過ごしている間、海を渡ったお爺ちゃんの本当の孫達は辛い運命を辿っていたのだ。
あんなアルバムを見せて、自分達と比べないわけがないのに……、見せてはいけなかった。
すごく謝りたい気持ちで一杯だったが、出来なかった。逆にイザヤの方が、お爺ちゃんの事で陶也が落ち込んでいると思ったらしく、労りを込めた声で「爺さんは大丈夫だ」なんて言われてしまった。本当に優しい人だ。そう思うと一気に涙が溢れてしまった。それを見たイザヤは陶也を慰めるために、ご飯を食べさせてくれた。自分が辛い時ですらとことん、いいお兄ちゃんなイザヤを思うと、愛しさで胸が一杯になった。
陶也はあの日と同じパエリヤを用意した。それとビーフシチュー。今日のサラダは控えめだったが、しっかり栄養が取れるように10品目は入れてある。
玄関の扉が開いて、イザヤが帰って来た。
陶也は新しく契約したスマホを渡そうと、スマホを持ってキッチンから出たら、廊下を歩くイザヤと目が合った。だが、目が合った瞬間、イザヤは脱兎の如く浴室へと消えた。そんな態度を取られると、陶也は昼間の出来事を今すぐにでも消したい気分になって、落ち込んだ。絶対にイザヤは困ってる。陶也は頭の中で必死に謝り続けた。何であんな事を言ってしまったんだろう。陶也の胸中には後悔しかなかった。
母親の行方は指名手配されたにもかかわらず、未だに捕まっていない。イザヤが遺産を宛にしたのは、きっと母親を探すためにお金が必要だからなのだ。
携帯の契約を済ませ、イザヤの使っている軽トラックとSUV、両方にGPSを取り付けると、既に日が暮れていた。小川さんにも一応、イザヤがアメリカに帰りそうな素振りを見せたら陶也に直ぐ連絡してもらうよう約束してもらった。
もうすぐイザヤが帰ってくる時間だった。昼間の告白とキスの事を思うと、すごく頭が痛かったが、兎も角、携帯を渡して、アメリカに帰る事は止めてもらうよう説得しなくては……。
陶也はキッチンに戻り、夕食の支度をしながら、初めてイザヤとここで食事をした時の日を思い出した。
一徹さんの話で一緒に笑ってくれた。出来ればお爺ちゃんがアルバムの中で陶也にしてくれたような事を、陶也はイザヤと一緒に過ごしたかった。しかし、あの日、陶也のアルバムを見ながら、イザヤの顔が次第に苦し気な表情になって、首から下げた兄弟達を手でぎゅっと握っていた。陶也はあの瞬間、イザヤにアルバムを見せた事を後悔した。陶也がお爺ちゃんと幸せな時を過ごしている間、海を渡ったお爺ちゃんの本当の孫達は辛い運命を辿っていたのだ。
あんなアルバムを見せて、自分達と比べないわけがないのに……、見せてはいけなかった。
すごく謝りたい気持ちで一杯だったが、出来なかった。逆にイザヤの方が、お爺ちゃんの事で陶也が落ち込んでいると思ったらしく、労りを込めた声で「爺さんは大丈夫だ」なんて言われてしまった。本当に優しい人だ。そう思うと一気に涙が溢れてしまった。それを見たイザヤは陶也を慰めるために、ご飯を食べさせてくれた。自分が辛い時ですらとことん、いいお兄ちゃんなイザヤを思うと、愛しさで胸が一杯になった。
陶也はあの日と同じパエリヤを用意した。それとビーフシチュー。今日のサラダは控えめだったが、しっかり栄養が取れるように10品目は入れてある。
玄関の扉が開いて、イザヤが帰って来た。
陶也は新しく契約したスマホを渡そうと、スマホを持ってキッチンから出たら、廊下を歩くイザヤと目が合った。だが、目が合った瞬間、イザヤは脱兎の如く浴室へと消えた。そんな態度を取られると、陶也は昼間の出来事を今すぐにでも消したい気分になって、落ち込んだ。絶対にイザヤは困ってる。陶也は頭の中で必死に謝り続けた。何であんな事を言ってしまったんだろう。陶也の胸中には後悔しかなかった。
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