暗い記憶が導く場所へ

蓮華空

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陶也side1

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「何があったんだ?」

 と、イザヤが外を眺めながら呟いた。

「それは……」

 と、陶也が口を開きかけた時、廊下でバタバタと騒がしい足音がして、居やがったぞ!と言う神田達の声がした。

 蒔田さんが去って、開きっぱなしだったドアから三人が一気に押し寄せた。

「ふざけやがって、ぶっ殺してやる!!」

 神田が陶也に襲い掛かる。手にはいつの間にかナイフが握られていた。

 銀色に輝く金属片が陶也に向かって振りかざされると、陶也は恐ろしくて身動きが取れなくなった。だが、その時、イザヤが陶也の前に立ち塞がり、左手でナイフを持った神田の手を押さえ、右足のハイキックを神田の後頭部に決めた。

 神田はそのまま足元に倒れ失神していた。
 イザヤが二人に向き直り、威喝した。

「てめえら、これは一体どういうことだ!」

 イザヤは倒れた神田を跨ぎながら、後ろの二人を圧倒した。

 二人は怯えきった様子で、力なく、あ、あ、と声を発したかと思うと、一目散に逃げ出した。

「待ちやがれ!」

 イザヤが後を追い、廊下から、二人の悲鳴と、打撃音が聞こえたかと思うと、直ぐに静かになった。

 陶也が様子を見に、廊下に出た頃には、彼らは10mといかない場所で倒れ伏していた。と、同時に階段から数人の足音が聞こえてきて、動くな!とイザヤを制止させた。

「警察だ!」

 イザヤはホールドアップの姿勢で大人しく待機した。

「ま、待ってください!通報したのは僕です!」

 陶也は慌てて飛び出し、警察に事情を説明した。






「どうなってんだ?こりゃ?」

 警察に連行される神田達を眺めながらイザヤが呟いた。

「彼らは女の子をレイプしたり、変な写真を撮ったりしてたんで、僕が通報したんです。そういう話をたまたま聞いて……、警察に電話しようとしたところ、彼らに追いかけられてしまって……」

 そう言うと、イザヤはぎょっとして、直ぐに蒼白となった。

「それで、あんな所に隠れていたのか。だったら、直ぐに俺を呼べよ」

「追いかけられて、あそこに隠れ、警察に通報した後、直ぐにイザヤがあの部屋に来たんです。そんな暇なかったですよ」

「そうだったのか」

 二人の警察官がこちらにやって来て、事情を聞くため、陶也とイザヤも警察まで同行するように言われた。

「なんにしても、お前が無事で本当に良かった」

 そう言ってイザヤはほっと一息ついた。

 
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