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キックオフ
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敵も必死に行く手を阻もうとしたが、味方がしっかりシャノンを援護し、彼はそのままエンドゾーンまで走り抜け、得点と攻撃権の搾取に成功した。
「おいおい、なんなんだよ!今、ベンチに戻って来た所なのに、またオフェンスターンかよ!座る間もねぇじゃねぇか!」
ルーカスは慌ててまたヘルメットを被った。
「うっひゃひゃひゃ、シャノンがディフェンスに入ってるんだ。敵に攻撃する機会は与えねえってことさ!」
どうやらアメフトは攻守交代しながら進めていくスポーツらしい。さっきはうちの学校がディフェンスターンだったのに、シャノンがパスカットを成功させた為、また暫くうちの学校が攻撃できるようになったらしい。
雷亜は中央で睨み合う選手達を見つめた。
ルーカスが『 Set hut! hut! 』という掛け声を上げると、センターに居るリアムからルーカスへとボールが移り、その後ろから走り込んできたシャノンにまたボールが託された。
前方でリアム達5人が敵と押し合っている隙間をシャノンが走り抜けた。そして、前方から新たな敵がやって来ると、他の味方がそれを阻止する。シャノンはまた悠々とタッチダウンを決めた。
点差はどんどん開く一方だった。
「おいおい、実力差ありすぎじゃねえの?これじゃあ面白くねぇだろ!」
「黙れ!この糞猿!!いいからお前らはそこでドリンクの準備してろ」
雷亜は言われた通り、せっせとルーカスから受け取ったボトルにドリンクを注いだ。
敵のエンドゾーン付近では、熱い攻防戦が繰り広げられていた。
リアム率いるオフェンスライン達が敵と押し合っている頭上を、シャノンがふわりと飛び越え、またタッチダウンを決めた。
そのプレイの優雅さに会場は地響きを上げるような大歓声に包まれた。
「あちゃ~、また決めやがった……。それにしても、シャノンのプレイは高校生とは思えねぇなあ。ここまで完璧だと恐ろしいわ!」
雷亜も同感した。
あの身長で、あのスピード、あの身のこなし。
どう見ても超一流の選手だ。
前半戦の第1クォーターが終わると、シャノンがベンチに戻ってきた。
シャノンとの交代にはなんと、達也の姿があった。
雷亜は吃驚した。
(――達也も試合に出るんだ!)
シャノンがヘルメットを外し、交代する達也とヘルメット同士をかち合わせた。ぱっと微笑む達也にシャノンが身を屈めて耳元で何かを言うと、達也の笑顔は更に艶やかになった。
雷亜の胸がキシリと歪んだ。
(今、シャノンは達也に何を言ったのだろう)
達也の笑顔からすると、きっと励ます言葉なのだろうが、雷亜の位置からはその時のシャノンの顔は見えなかった。ひょっとしたら、笑顔を達也に向けていたのかもしれない。
そう思うと、何故だが雷亜の胸はキシキシと音を立てた。
(何……?なんなの、この嫌な感じは……?苦しい……なんでこんなに苦しいんだろう?)
目の前が急に暗くなるような錯覚に陥り、息が苦しくなる。
雷亜には『見苦しい』という言葉と、不快感を露にした顔しかシャノンは向けなかった。
(……なのに、何で達也には……)
雷亜は自分の醜い感情を感じた。
6年前、彼の命を救ったのは自分だ!
それも、一度だけではない。二度もだ。
二度目に救った時には、この顔に傷を負った。雷亜は彼のために命を賭けたのだ。
――それなのに、
――それなのに……
雷亜はぐっと唇を噛み締めた。
急に歓声が遠くに感じ、地面がグニャリと回るような感覚がした。
(6年前……、俺のした事は一体なんだったんだ?)
「おいおい、なんなんだよ!今、ベンチに戻って来た所なのに、またオフェンスターンかよ!座る間もねぇじゃねぇか!」
ルーカスは慌ててまたヘルメットを被った。
「うっひゃひゃひゃ、シャノンがディフェンスに入ってるんだ。敵に攻撃する機会は与えねえってことさ!」
どうやらアメフトは攻守交代しながら進めていくスポーツらしい。さっきはうちの学校がディフェンスターンだったのに、シャノンがパスカットを成功させた為、また暫くうちの学校が攻撃できるようになったらしい。
雷亜は中央で睨み合う選手達を見つめた。
ルーカスが『 Set hut! hut! 』という掛け声を上げると、センターに居るリアムからルーカスへとボールが移り、その後ろから走り込んできたシャノンにまたボールが託された。
前方でリアム達5人が敵と押し合っている隙間をシャノンが走り抜けた。そして、前方から新たな敵がやって来ると、他の味方がそれを阻止する。シャノンはまた悠々とタッチダウンを決めた。
点差はどんどん開く一方だった。
「おいおい、実力差ありすぎじゃねえの?これじゃあ面白くねぇだろ!」
「黙れ!この糞猿!!いいからお前らはそこでドリンクの準備してろ」
雷亜は言われた通り、せっせとルーカスから受け取ったボトルにドリンクを注いだ。
敵のエンドゾーン付近では、熱い攻防戦が繰り広げられていた。
リアム率いるオフェンスライン達が敵と押し合っている頭上を、シャノンがふわりと飛び越え、またタッチダウンを決めた。
そのプレイの優雅さに会場は地響きを上げるような大歓声に包まれた。
「あちゃ~、また決めやがった……。それにしても、シャノンのプレイは高校生とは思えねぇなあ。ここまで完璧だと恐ろしいわ!」
雷亜も同感した。
あの身長で、あのスピード、あの身のこなし。
どう見ても超一流の選手だ。
前半戦の第1クォーターが終わると、シャノンがベンチに戻ってきた。
シャノンとの交代にはなんと、達也の姿があった。
雷亜は吃驚した。
(――達也も試合に出るんだ!)
シャノンがヘルメットを外し、交代する達也とヘルメット同士をかち合わせた。ぱっと微笑む達也にシャノンが身を屈めて耳元で何かを言うと、達也の笑顔は更に艶やかになった。
雷亜の胸がキシリと歪んだ。
(今、シャノンは達也に何を言ったのだろう)
達也の笑顔からすると、きっと励ます言葉なのだろうが、雷亜の位置からはその時のシャノンの顔は見えなかった。ひょっとしたら、笑顔を達也に向けていたのかもしれない。
そう思うと、何故だが雷亜の胸はキシキシと音を立てた。
(何……?なんなの、この嫌な感じは……?苦しい……なんでこんなに苦しいんだろう?)
目の前が急に暗くなるような錯覚に陥り、息が苦しくなる。
雷亜には『見苦しい』という言葉と、不快感を露にした顔しかシャノンは向けなかった。
(……なのに、何で達也には……)
雷亜は自分の醜い感情を感じた。
6年前、彼の命を救ったのは自分だ!
それも、一度だけではない。二度もだ。
二度目に救った時には、この顔に傷を負った。雷亜は彼のために命を賭けたのだ。
――それなのに、
――それなのに……
雷亜はぐっと唇を噛み締めた。
急に歓声が遠くに感じ、地面がグニャリと回るような感覚がした。
(6年前……、俺のした事は一体なんだったんだ?)
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