Broken Arrows

蓮華空

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消せ!

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「ならば力ずくで奪う!」

 そう言ってシャノンがこちらに飛び付いてきた。雷亜はそのまま後ろに転がるようにして身をかわした。──なんて早さだ。
 シャノンも回転して起き上がると、掴めなかった右手を悔しそうに見つめて、──くっ!と歯を食い縛った。

(やっぱり動きが普通の奴らと全然違う!!)

 雷亜は緊張した。

(居着いたら捕まる!!)

 シャノンがもう一度こちらに向かってきた。今度は雷亜も真っ向からシャノンに体をぶつける勢いで走った。そして、ぶつかる寸前ノーモーションで身体を瞬時に移動し、神業のように避けた。

(──何とか抜けた!)

 雷亜はそのまま突っ切って、丘の傾斜を駆け降りた。駆け降りるというより落下するつもりで重心の位置を変える。その方がスピードは増すのだ。
 日本にいた頃から雷亜はどんな苛めにあっても暴力からは逃がれられた。それは、幼い頃から無理矢理父に修練された古武術の身体操作があったからだ。だから、逃げるのには自信があった。だが、シャノンの身体能力は今までの連中とは大きくかけ離れていた。

「てめぇ!俺から逃げ切れると思うなよ!」

 背後から襲いくる大型肉食獣の殺気がひしひしと伝わり、その距離を縮めてくる。

(駄目だ!このままでは絶対に追い付かれる!)

 雷亜は逆にスピードを落とした。そして、シャノンが掴みかかってくる瞬間に意識を集中。シャノンが微妙に軌道をずらしてこちらに跳んできた。

 雷亜はその一瞬に賭けた。
 ──この坂道だ。真っ向から雷亜に飛び付いたのでは雷亜のGが掛かる分、軌道をずらした方が止まりやすのだ。だが、軌道をずらす為に体を捻るため、直線より雷亜に触れる速度が遅くなる。

 自分が捕まる前にシャノンの腕を取り、軌道がずれた分のシャノンに掛かったGを利用して、遠心力で彼をふっと飛ばした。

「──な!」

 驚きの声が聞こえたと同時に、雷亜の居る場所からほぼ真横に飛ばされたシャノンは、地面から生えた低木に引っ掛かった。

(よし!今がチャンスだ!これなら、逃げられる!)

 雷亜は確信した。どんなにシャノンの足が速くとも、引っ掛かった木から逃れる時間と、横に飛ばされた分の距離がある。

 雷亜は真っ直ぐ重力に従って坂道を下った。
 街の灯りが次第に近付いてきた。
 街に出て人混みに紛れればもう容易く見付かる事はないだろう。
 風を斬ってこのまま走り抜けようとしたその時、又もや背後から強い殺気が降り注いできた。

 雷亜は振り向いた。

(──嘘だろ?!ターミネーターか?!!)

    
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