38 / 107
消せ!
37
しおりを挟む
「ならば力ずくで奪う!」
そう言ってシャノンがこちらに飛び付いてきた。雷亜はそのまま後ろに転がるようにして身をかわした。──なんて早さだ。
シャノンも回転して起き上がると、掴めなかった右手を悔しそうに見つめて、──くっ!と歯を食い縛った。
(やっぱり動きが普通の奴らと全然違う!!)
雷亜は緊張した。
(居着いたら捕まる!!)
シャノンがもう一度こちらに向かってきた。今度は雷亜も真っ向からシャノンに体をぶつける勢いで走った。そして、ぶつかる寸前ノーモーションで身体を瞬時に移動し、神業のように避けた。
(──何とか抜けた!)
雷亜はそのまま突っ切って、丘の傾斜を駆け降りた。駆け降りるというより落下するつもりで重心の位置を変える。その方がスピードは増すのだ。
日本にいた頃から雷亜はどんな苛めにあっても暴力からは逃がれられた。それは、幼い頃から無理矢理父に修練された古武術の身体操作があったからだ。だから、逃げるのには自信があった。だが、シャノンの身体能力は今までの連中とは大きくかけ離れていた。
「てめぇ!俺から逃げ切れると思うなよ!」
背後から襲いくる大型肉食獣の殺気がひしひしと伝わり、その距離を縮めてくる。
(駄目だ!このままでは絶対に追い付かれる!)
雷亜は逆にスピードを落とした。そして、シャノンが掴みかかってくる瞬間に意識を集中。シャノンが微妙に軌道をずらしてこちらに跳んできた。
雷亜はその一瞬に賭けた。
──この坂道だ。真っ向から雷亜に飛び付いたのでは雷亜のGが掛かる分、軌道をずらした方が止まりやすのだ。だが、軌道をずらす為に体を捻るため、直線より雷亜に触れる速度が遅くなる。
自分が捕まる前にシャノンの腕を取り、軌道がずれた分のシャノンに掛かったGを利用して、遠心力で彼をふっと飛ばした。
「──な!」
驚きの声が聞こえたと同時に、雷亜の居る場所からほぼ真横に飛ばされたシャノンは、地面から生えた低木に引っ掛かった。
(よし!今がチャンスだ!これなら、逃げられる!)
雷亜は確信した。どんなにシャノンの足が速くとも、引っ掛かった木から逃れる時間と、横に飛ばされた分の距離がある。
雷亜は真っ直ぐ重力に従って坂道を下った。
街の灯りが次第に近付いてきた。
街に出て人混みに紛れればもう容易く見付かる事はないだろう。
風を斬ってこのまま走り抜けようとしたその時、又もや背後から強い殺気が降り注いできた。
雷亜は振り向いた。
(──嘘だろ?!ターミネーターか?!!)
そう言ってシャノンがこちらに飛び付いてきた。雷亜はそのまま後ろに転がるようにして身をかわした。──なんて早さだ。
シャノンも回転して起き上がると、掴めなかった右手を悔しそうに見つめて、──くっ!と歯を食い縛った。
(やっぱり動きが普通の奴らと全然違う!!)
雷亜は緊張した。
(居着いたら捕まる!!)
シャノンがもう一度こちらに向かってきた。今度は雷亜も真っ向からシャノンに体をぶつける勢いで走った。そして、ぶつかる寸前ノーモーションで身体を瞬時に移動し、神業のように避けた。
(──何とか抜けた!)
雷亜はそのまま突っ切って、丘の傾斜を駆け降りた。駆け降りるというより落下するつもりで重心の位置を変える。その方がスピードは増すのだ。
日本にいた頃から雷亜はどんな苛めにあっても暴力からは逃がれられた。それは、幼い頃から無理矢理父に修練された古武術の身体操作があったからだ。だから、逃げるのには自信があった。だが、シャノンの身体能力は今までの連中とは大きくかけ離れていた。
「てめぇ!俺から逃げ切れると思うなよ!」
背後から襲いくる大型肉食獣の殺気がひしひしと伝わり、その距離を縮めてくる。
(駄目だ!このままでは絶対に追い付かれる!)
雷亜は逆にスピードを落とした。そして、シャノンが掴みかかってくる瞬間に意識を集中。シャノンが微妙に軌道をずらしてこちらに跳んできた。
雷亜はその一瞬に賭けた。
──この坂道だ。真っ向から雷亜に飛び付いたのでは雷亜のGが掛かる分、軌道をずらした方が止まりやすのだ。だが、軌道をずらす為に体を捻るため、直線より雷亜に触れる速度が遅くなる。
自分が捕まる前にシャノンの腕を取り、軌道がずれた分のシャノンに掛かったGを利用して、遠心力で彼をふっと飛ばした。
「──な!」
驚きの声が聞こえたと同時に、雷亜の居る場所からほぼ真横に飛ばされたシャノンは、地面から生えた低木に引っ掛かった。
(よし!今がチャンスだ!これなら、逃げられる!)
雷亜は確信した。どんなにシャノンの足が速くとも、引っ掛かった木から逃れる時間と、横に飛ばされた分の距離がある。
雷亜は真っ直ぐ重力に従って坂道を下った。
街の灯りが次第に近付いてきた。
街に出て人混みに紛れればもう容易く見付かる事はないだろう。
風を斬ってこのまま走り抜けようとしたその時、又もや背後から強い殺気が降り注いできた。
雷亜は振り向いた。
(──嘘だろ?!ターミネーターか?!!)
0
あなたにおすすめの小説
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中
桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。
やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。
「助けなんていらないわよ?」
は?
しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。
「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。
彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。
あなたの隣で初めての恋を知る
彩矢
BL
5歳のときバス事故で両親を失った四季。足に大怪我を負い車椅子での生活を余儀なくされる。しらさぎが丘養護施設で育ち、高校卒業後、施設を出て一人暮らしをはじめる。
その日暮らしの苦しい生活でも決して明るさを失わない四季。
そんなある日、突然の雷雨に身の危険を感じ、雨宿りするためにあるマンションの駐車場に避難する四季。そこで、運命の出会いをすることに。
一回りも年上の彼に一目惚れされ溺愛される四季。
初めての恋に戸惑いつつも四季は、やがて彼を愛するようになる。
表紙絵は絵師のkaworineさんに描いていただきました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる