Broken Arrows

蓮華空

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達也の執着

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◇◇◇


 雷亜が留学したこのサウス・マウントユニオン高校では、ハロウィンの日に、大学生となったアメフト部のOB達が母校を訪れて、レギュラー選手達と試合をする。

 レギュラーシーズンが終わり、州チャンピオンが決まるプレイオフを控えて、改めて選手達の動きを調整するためだ。

 プレイオフはレギュラーシーズンと違ってトーナメント戦で行われる。つまり、負けたらそこで終わりということだ。だから、プレイオフを目前に、アメフト部の面々は気合いを入れて練習に励んでいた。

 雷亜はそれを横目で眺めながら、みんなの役に立てるようマネージャーの仕事にも精を出していた。

 元々アメフトが目的で留学した訳ではない雷亜は、州チャンピオンになっているこの高校のアメフト部に入部なんて、本来なら許されない。だが、ルーカスが謎のルートを辿ってコーチや学校を説得させたようだった。日頃からチームをまとめ上げる能力には感心していたが、こんな短期間で学校長まで丸め込んでしまうなんて、やはりルーカスの能力は計り知れないものがある。

 そう本人に話してみたら、「いやいや、お前の能力が高いから通った話だよ。俺のやった事といえば、最初にお前を入部させようと言ってみただけだぜ」と言った。

 けれども、ジョージの話しでは、サマーシーズンにも参加していない奴がプレイオフ目前で入部なんてあり得ないと言っていた。

 ルーカスにその話をしてみたら、意外な答えが返ってきた。

「そもそもコーチや校長に取り合ったのは俺だけじゃないんだ。シャノンもさ」

「──え?!何でシャノンまで?」

「あれだよ、あれ! あいつの希望ポジションは元々クォーター・バッグなんだよ。だから、自分より上のランニング・バックが居るから、そいつを入れてクォーター・バックをやらせてくれって、言い出したんだ。さもなくばアメフト部を辞めるとまで言った。だから、コーチも校長も一気に青ざめたのさ。これからプレイオフだっていうのに、シャノンが辞めちまったら、流石にまずいんで、直ぐに話が通ったんだよ。お陰で俺は二軍落ち。だから、今日やるOB戦からクォーター・バッグはシャノンがやる事に決まった。そして、お前が新しいランニング・バッグな」

「ちょっ、ちょっ、ちょっと待って?! 今日からって、今日の試合、俺が出るの?!!」

 驚いて目を白黒させてたら、ルーカスの方もぎょっとした顔をした。

「何を言っているんだ?! お前は今日まで一体なんのために練習してたんだ?」

「あ、あ、あ……」

 雷亜は答えに窮してしまった。何のためって……、何も考えず、ただみんなと一緒に居れて嬉しい、としか考えていなかった。

「お前は日本に帰りたくないから、試合でいい功績を残して大学推薦を狙うってシャノンが言っていたけど、違うのか?」

「だ、だ、大学推薦??」

(──何それ? 考えたこともないんだけど??)
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