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達也の執着
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その後、OB達との対戦は優秀なランニング・バックである雷亜が入った事で圧勝。
監督やコーチは勿論、あれだけ雷亜に対して冷たく当たっていたジョージまで、最後のタッチダウンを決めた後、雷亜に飛び付き勝利を喜んだ。
そして、シャノンまで、これまで試合では決して見せてこなかった笑顔が溢れている。
「変われば変わるもんだよなー。お前の笑顔が見れるなんて」
ニックがシャノンの顔を覗き込みながら言った。
「今日はたまたま機嫌が良かっただけだ。あんたにそう言われてまた変わったけどな」
シャノンが仏頂面で返す。
ニックはそれでも花のような微笑を返し、雷亜の頭を撫でて帰って行った。
高揚した気分のままニック達OBと別れ、雷亜はそのままハロウィンパティへと雪崩れ込んだ。
だが、ここで何やら不穏な動きをする者達がいた。
「達也!今夜、決行するのか?」
宇辰と共にパーティーのステージ準備を進める雷亜を眺めながら、達也の横に居るすきっ歯が卑下た笑いを浮かべて言った。
「ああ、あいつは邪魔だ。絶対、騒ぎにして日本へ送り返してやる!」
そのための武器は既に達也のスマホに入っていた。
「それより、お前の幼馴染みだというホモは雷亜に興味持ったのかよ?」
「ああ、半顔が汚れているのが益々いいって喜んでたよ。早く会わせろって逆にうるさい」
それを聞くと達也はニヤニヤと嬉そうに笑い、すきっ歯に金を渡した。
「おっ!いいのかよ?」
「期待してるからな。うまくあいつを傷付けて追い出せたら、お前の幼馴染みと一緒にもっとやるよ」
「やった!達也は羽振りがいいから好きだぜ。汚ねぇ真似なら俺らに任せろ!奴がもう立てないくらいにボロボロにしてやるよ」
「ああ、頼んだぜ」
達也が何か企んでるとも知らず、雷亜は宇辰と笑いながら、ステージから離れ、教室へと戻っていった。
「ああ……緊張するなあ……」
これまで学園祭などで、目立った事をしてこなかった雷亜は、これからステージに立つなんて行為に気が引けていた。
「大丈夫さ!俺の言った通りにやればOKだから、心配するな!それより、お前は結構メイク映えするんだなあ。やっぱり俺の目は節穴じゃねぇぜ!顔の傷も綺麗な半顔とマッチして独特の魅力が出てるぞ!」
ステージ衣装は宇辰プロデュースで普段の雷亜とはガラリと変えられてしまった。
普段の雷亜の服装といったら地味なグレー系と大人しめのアースカラーを基調としたシャツにジーンズくらいしかない。
ところが今はクモの巣の刺繍が入った派手なフード付きの真っ赤なジャケットに、ゴールドの大きくて重たいチェーンネックレスを付け、黒のキャップを被っている。髪の毛もストレートにされ、耳にも沢山アクセサリーを付けられた。
宇辰は白いファー付きのレザージャケットにパールがたっぷり使われたシルバーのネックレスと、ごつい指輪をいっぱい付けて、黒の丸眼鏡サングラスを付けている。正直、知らない人だったら余りお近付きになりたくないくらいに見た目が怖い。
雷亜のパートは中盤くらいに宇辰とちょっと絡むくらいで後は音楽に合わせてアクションをしてくれればいいと言うのだが、初めての事だからどうなるか分からない。
「と、兎も角、自分が歌うとこだけはしっかり間違えないように頑張るよ!」
「おう!後はなんとかなるって!思う存分、楽しんで行こうぜ!!」
ガッツポーズの宇辰と拳を合わせて、ステージの最終調整を二人で確認し、本日の会場となるスタジアムの特設ステージへと向かった。
監督やコーチは勿論、あれだけ雷亜に対して冷たく当たっていたジョージまで、最後のタッチダウンを決めた後、雷亜に飛び付き勝利を喜んだ。
そして、シャノンまで、これまで試合では決して見せてこなかった笑顔が溢れている。
「変われば変わるもんだよなー。お前の笑顔が見れるなんて」
ニックがシャノンの顔を覗き込みながら言った。
「今日はたまたま機嫌が良かっただけだ。あんたにそう言われてまた変わったけどな」
シャノンが仏頂面で返す。
ニックはそれでも花のような微笑を返し、雷亜の頭を撫でて帰って行った。
高揚した気分のままニック達OBと別れ、雷亜はそのままハロウィンパティへと雪崩れ込んだ。
だが、ここで何やら不穏な動きをする者達がいた。
「達也!今夜、決行するのか?」
宇辰と共にパーティーのステージ準備を進める雷亜を眺めながら、達也の横に居るすきっ歯が卑下た笑いを浮かべて言った。
「ああ、あいつは邪魔だ。絶対、騒ぎにして日本へ送り返してやる!」
そのための武器は既に達也のスマホに入っていた。
「それより、お前の幼馴染みだというホモは雷亜に興味持ったのかよ?」
「ああ、半顔が汚れているのが益々いいって喜んでたよ。早く会わせろって逆にうるさい」
それを聞くと達也はニヤニヤと嬉そうに笑い、すきっ歯に金を渡した。
「おっ!いいのかよ?」
「期待してるからな。うまくあいつを傷付けて追い出せたら、お前の幼馴染みと一緒にもっとやるよ」
「やった!達也は羽振りがいいから好きだぜ。汚ねぇ真似なら俺らに任せろ!奴がもう立てないくらいにボロボロにしてやるよ」
「ああ、頼んだぜ」
達也が何か企んでるとも知らず、雷亜は宇辰と笑いながら、ステージから離れ、教室へと戻っていった。
「ああ……緊張するなあ……」
これまで学園祭などで、目立った事をしてこなかった雷亜は、これからステージに立つなんて行為に気が引けていた。
「大丈夫さ!俺の言った通りにやればOKだから、心配するな!それより、お前は結構メイク映えするんだなあ。やっぱり俺の目は節穴じゃねぇぜ!顔の傷も綺麗な半顔とマッチして独特の魅力が出てるぞ!」
ステージ衣装は宇辰プロデュースで普段の雷亜とはガラリと変えられてしまった。
普段の雷亜の服装といったら地味なグレー系と大人しめのアースカラーを基調としたシャツにジーンズくらいしかない。
ところが今はクモの巣の刺繍が入った派手なフード付きの真っ赤なジャケットに、ゴールドの大きくて重たいチェーンネックレスを付け、黒のキャップを被っている。髪の毛もストレートにされ、耳にも沢山アクセサリーを付けられた。
宇辰は白いファー付きのレザージャケットにパールがたっぷり使われたシルバーのネックレスと、ごつい指輪をいっぱい付けて、黒の丸眼鏡サングラスを付けている。正直、知らない人だったら余りお近付きになりたくないくらいに見た目が怖い。
雷亜のパートは中盤くらいに宇辰とちょっと絡むくらいで後は音楽に合わせてアクションをしてくれればいいと言うのだが、初めての事だからどうなるか分からない。
「と、兎も角、自分が歌うとこだけはしっかり間違えないように頑張るよ!」
「おう!後はなんとかなるって!思う存分、楽しんで行こうぜ!!」
ガッツポーズの宇辰と拳を合わせて、ステージの最終調整を二人で確認し、本日の会場となるスタジアムの特設ステージへと向かった。
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