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1章 〜我ら初心者冒険者〜
8話
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羽美は視線の先にある、とぐろを巻くなにかを見つめる。体調はおよそ6m。それは動いていないことから、眠っていることが分かる。
「あれは蛇だね。それも……ジャイアント・バインド・スネーク」
「名前長いね」
水無月が小声で言う。
「あれはどれくらい危険なんだ?」
宮野も小声になって尋ねる。
「まともに戦ったら全滅必至。遭遇したら戦わないといけないルールは無い。ここは避けて進むべき」
「そのようだな」
宮野は足音を鳴らさないよう、慎重に歩き始める。4人の中で1番厚い鎧を着ているが、持ち前の高い集中力を活かしてなんとか抜け切る。
続いて羽美が行く。落ち葉や枯れ木に注意して歩けたので、ジャイアントスネークにバレることは無く通り抜ける。
続く浦星も存在感を消して通り抜けた。
そして水無月の出番がやってくる。水無月もバレェをやっていた足捌きで音も立てずに進んでいく。だが、その時だった。水無月の頭の上になにかが落ちた。
「あっ……」
羽美は焦り顔で、水無月に「落ち着け」というジェスチャーをする。だが水無月は落ち着きもせずに頭に落ちた何かを触る。
手に残っていたのは、なんと15センチにもなるムカデだった。
「あ……うわぁぁぁぁ!!」
ついに水無月は叫んでしまう。その瞬間、巨大なヘビは目を覚ます。
「水無月逃げて!!」
羽美が叫ぶのと同時に水無月は走り出す。しかし、ジャイアント・バインド・スネークはその巨体に見合わぬ速度で水無月に追いつく。
ジャイアント・スネークの噛みつき攻撃が水無月を襲う。しかし、水無月は野生的な反射速度で攻撃を避ける。
「あっぶな! ごめん皆んな!」
水無月はそう言いながら、浦星をお姫様抱っこして走り出す。
「早く逃げよう!!」
羽美、そして宮野も逃げ出す。ジャイアント・スネークは木々や岩を破壊しながらその巨体を滑らせる。
「くっそ、追いつかれる!」
羽美は叫ぶ。
その時、羽美たちの前方から1本の矢が飛んでくる。その矢は羽美たちには直撃せず、背後にいるジャイアント・スネークに直撃した。直撃した瞬間、その矢は爆発する。
「シャァァ!」
蛇は身悶えながら、そこらでのたうち回る。
「こっちへ来い!」
そう言うのは、木の上でロングボウを持っている男だ。耳は尖っていて、身長は180ほどある。危機的な状況なので、4人は見ず知らずの男に従う。
「い、いいの? 信用して」
珍しく水無月がまともなことを言う。
「するしかない。その時はその時」
羽美は男についていく。男は風を切るように走る。足音は立てず、また疲れている様子もない。
しばらく走り続けて、4人は大木の穴に招かれる。ジャイアント・スネークは自分の巣から一定距離以上離れない性質があるので、羽美たちを追いかけるのを止めた。
羽美たちは肩を上下させながら、噴き出る汗を拭う。しばらくして息が整った4人は、やっと男の話を聞ける状態になる。
「君たち、なぜこんな場所に来ている」
男は涼やかな声で尋ねる。
「えっと、狩人の集落って場所から依頼を受けまして」
羽美はクエスト用紙を男に見せる。
「おお。それを依頼したのは僕だ。そうか、君たちが依頼を受けてくれたんだな」
「はい。あの、あなたは森で起きている異変を知ってますか?」
羽美の問いにエルフの男は頷く。
「ああ。生き物たちが凶暴化している。そしてその原因はきっとこの石だ」
男はポケットから赤い石を取り出す。
「そうです。それです」
「君たちも、凶暴化した生き物たちと出会ったのか?」
「はい。私たちはヒヒに襲われました。倒した後、ヒヒの体内からその石が出ているのを見たんです」
「やはりな……とりあえず、村まで行こう。疲れているだろう」
水無月は「めっちゃ疲れた~」と伸びをする。
「そういえば、私の名前はモーグ・ロレスタスだ。よろしく」
「「はい。よろしくお願いします」」
その後、4人はモーグの案内の元、木々に囲まれている狭い道を進む。森の奥へと進めば進むほど、獣の叫ぶ声が多くなるが、狭くて外からは見えにくい道を使っているおかげで、4人は無事に集落へと辿り着く。
「ここが、狩人の集落……」
暗い森の中、ぽつりと開けた場所にある村はなんとも幻想的な雰囲気を醸し出している。モーグはスピアを持っている門番の元に行って、倒すように説明した。
「皆んな、入ってくれ。この集落の人は外客を歓迎する」
モーグと共に4人は村の中へと入っていく。
門を抜けるとすぐ両隣にやぐらがある。そして右の奥には大きな円形の家がある。
「あそこは村長の家だ」
モーグは円形の家を指差しながら説明する。それから道を進んでいくと、左には狩人たちの質素な家々があり、右側には畑、武器屋、防具屋などの施設がある。
「こういう所も悪くないよな」
宮野は落ち着いた表情で辺りを見渡す。
「えー。つまらなさそう」、と水無月は言う。
「ははは。あなたは豊かな所で育ったのでしょうね。我ら狩人には、欲が必要ない。
ただ心を静かにして、自然に感謝をしながら毎日を生きるのだ。それが狩人の生き方なんだ。
だから、クエストの間は我慢してくれ」
モーグは微笑みながら説明する。羽美たちはモーグに付いていき、ついにモーグの自宅へと到着する。
「僕の家だ。2人以上で生活できるような設計ではないが、眠るくらいのスペースはある。入ってくれ」
「2人?」
疑問を口にしながら羽美は家の中へと入っていく。清潔感はあるが、必要最低限の家具しか置かれていない。
玄関から奥へ行き、羽美は2階に向かう。2階に到着したすぐ右には扉があり、羽美はそれを開く。
「ひゃあっ!」
羽美の視界の先には、赤髪のナイスバディな体付きの女がいた。たわわに実った胸、ボリューミーな太ももとお尻。そのくせ腕や腹筋は引き締まっている。
「こ、これが異世界ボディ……」
「あれは蛇だね。それも……ジャイアント・バインド・スネーク」
「名前長いね」
水無月が小声で言う。
「あれはどれくらい危険なんだ?」
宮野も小声になって尋ねる。
「まともに戦ったら全滅必至。遭遇したら戦わないといけないルールは無い。ここは避けて進むべき」
「そのようだな」
宮野は足音を鳴らさないよう、慎重に歩き始める。4人の中で1番厚い鎧を着ているが、持ち前の高い集中力を活かしてなんとか抜け切る。
続いて羽美が行く。落ち葉や枯れ木に注意して歩けたので、ジャイアントスネークにバレることは無く通り抜ける。
続く浦星も存在感を消して通り抜けた。
そして水無月の出番がやってくる。水無月もバレェをやっていた足捌きで音も立てずに進んでいく。だが、その時だった。水無月の頭の上になにかが落ちた。
「あっ……」
羽美は焦り顔で、水無月に「落ち着け」というジェスチャーをする。だが水無月は落ち着きもせずに頭に落ちた何かを触る。
手に残っていたのは、なんと15センチにもなるムカデだった。
「あ……うわぁぁぁぁ!!」
ついに水無月は叫んでしまう。その瞬間、巨大なヘビは目を覚ます。
「水無月逃げて!!」
羽美が叫ぶのと同時に水無月は走り出す。しかし、ジャイアント・バインド・スネークはその巨体に見合わぬ速度で水無月に追いつく。
ジャイアント・スネークの噛みつき攻撃が水無月を襲う。しかし、水無月は野生的な反射速度で攻撃を避ける。
「あっぶな! ごめん皆んな!」
水無月はそう言いながら、浦星をお姫様抱っこして走り出す。
「早く逃げよう!!」
羽美、そして宮野も逃げ出す。ジャイアント・スネークは木々や岩を破壊しながらその巨体を滑らせる。
「くっそ、追いつかれる!」
羽美は叫ぶ。
その時、羽美たちの前方から1本の矢が飛んでくる。その矢は羽美たちには直撃せず、背後にいるジャイアント・スネークに直撃した。直撃した瞬間、その矢は爆発する。
「シャァァ!」
蛇は身悶えながら、そこらでのたうち回る。
「こっちへ来い!」
そう言うのは、木の上でロングボウを持っている男だ。耳は尖っていて、身長は180ほどある。危機的な状況なので、4人は見ず知らずの男に従う。
「い、いいの? 信用して」
珍しく水無月がまともなことを言う。
「するしかない。その時はその時」
羽美は男についていく。男は風を切るように走る。足音は立てず、また疲れている様子もない。
しばらく走り続けて、4人は大木の穴に招かれる。ジャイアント・スネークは自分の巣から一定距離以上離れない性質があるので、羽美たちを追いかけるのを止めた。
羽美たちは肩を上下させながら、噴き出る汗を拭う。しばらくして息が整った4人は、やっと男の話を聞ける状態になる。
「君たち、なぜこんな場所に来ている」
男は涼やかな声で尋ねる。
「えっと、狩人の集落って場所から依頼を受けまして」
羽美はクエスト用紙を男に見せる。
「おお。それを依頼したのは僕だ。そうか、君たちが依頼を受けてくれたんだな」
「はい。あの、あなたは森で起きている異変を知ってますか?」
羽美の問いにエルフの男は頷く。
「ああ。生き物たちが凶暴化している。そしてその原因はきっとこの石だ」
男はポケットから赤い石を取り出す。
「そうです。それです」
「君たちも、凶暴化した生き物たちと出会ったのか?」
「はい。私たちはヒヒに襲われました。倒した後、ヒヒの体内からその石が出ているのを見たんです」
「やはりな……とりあえず、村まで行こう。疲れているだろう」
水無月は「めっちゃ疲れた~」と伸びをする。
「そういえば、私の名前はモーグ・ロレスタスだ。よろしく」
「「はい。よろしくお願いします」」
その後、4人はモーグの案内の元、木々に囲まれている狭い道を進む。森の奥へと進めば進むほど、獣の叫ぶ声が多くなるが、狭くて外からは見えにくい道を使っているおかげで、4人は無事に集落へと辿り着く。
「ここが、狩人の集落……」
暗い森の中、ぽつりと開けた場所にある村はなんとも幻想的な雰囲気を醸し出している。モーグはスピアを持っている門番の元に行って、倒すように説明した。
「皆んな、入ってくれ。この集落の人は外客を歓迎する」
モーグと共に4人は村の中へと入っていく。
門を抜けるとすぐ両隣にやぐらがある。そして右の奥には大きな円形の家がある。
「あそこは村長の家だ」
モーグは円形の家を指差しながら説明する。それから道を進んでいくと、左には狩人たちの質素な家々があり、右側には畑、武器屋、防具屋などの施設がある。
「こういう所も悪くないよな」
宮野は落ち着いた表情で辺りを見渡す。
「えー。つまらなさそう」、と水無月は言う。
「ははは。あなたは豊かな所で育ったのでしょうね。我ら狩人には、欲が必要ない。
ただ心を静かにして、自然に感謝をしながら毎日を生きるのだ。それが狩人の生き方なんだ。
だから、クエストの間は我慢してくれ」
モーグは微笑みながら説明する。羽美たちはモーグに付いていき、ついにモーグの自宅へと到着する。
「僕の家だ。2人以上で生活できるような設計ではないが、眠るくらいのスペースはある。入ってくれ」
「2人?」
疑問を口にしながら羽美は家の中へと入っていく。清潔感はあるが、必要最低限の家具しか置かれていない。
玄関から奥へ行き、羽美は2階に向かう。2階に到着したすぐ右には扉があり、羽美はそれを開く。
「ひゃあっ!」
羽美の視界の先には、赤髪のナイスバディな体付きの女がいた。たわわに実った胸、ボリューミーな太ももとお尻。そのくせ腕や腹筋は引き締まっている。
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