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あの日、恋に落ちました
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「義姉さま!!」
「クラリス!!」
「あ、ミカエル! ジェスター様!」
クラリスが立ち上がる。膝枕直前で立たれた俺。
おい、俺の頭どうしてくれるんだよ!
「何してたの!?」
ミカエルがクラリスの腕を掴み、自分の方に引き寄せる。それを横目で見たジェスターはニコニコしながら、ミカエルの手の甲をひねり、ミカエルはジェスターを睨みながら、クラリスの腕を離す。
そんな攻防戦が隣で行われていても、何も気づかないクラリス。たぶん、じゃれあってるのね、仲良しさん! とでも思っているに違いない……
この鈍感……国宝級。
「アルベルト様がね、最近、眠れてないっておっしゃてたから、少しでも眠ってもらおうと思って……」
「ふーん、1人で寝かしときゃ、いいじゃん。なんで義姉さまが、その……ひ、膝枕なんてしてるの!」
ミカエルの睨みの対象が俺に移り、俺はそっぽをむく。
いや、お前らが邪魔したから、してもらってないからなっ!
「だって、枕がないと眠れないっておっしゃって……」
言ってないよ? 俺、一言も言ってないから!
「ふーん……長年の付き合いだけど、そんな話、初耳だなぁ。いつから、お前、そんな繊細になったんだ?」
ジェスターが俺の肩に手をのせ、にっこり笑う。もちろん眼鏡の奥の目は笑ってない……どころか大激怒だ。
「いや、その……未遂だぞ! お前らのせいで、未遂だ!」
ミカエルとジェスターの視線にたまりかねた俺は、思いっきり叫ぶ。お前らタイミング悪すぎなんだよ!
腕組したジェスターが冷ややかな視線を俺に浴びせ、怒りを潜ませた声音で口を開く。
「ほう。なるほど。触れ合いたいと……明日から3倍のリストを送るから、婚約者を早く決めろ」
げっ! 今の3倍も婚約者候補リストあるのかよ!
シトリン家はどんだけ調べ上げたんだ!?
「アルベルトはこれを枕にして寝かしときゃいいよ!」
ミカエルはキッと俺を見ると、どこからかレンガを持ってきた。
「ミカエル、ちょっとそれじゃ固すぎじゃ……」
クラリスは、少し困惑したようにミカエルに意見する。
そーだ、そーだ。クラリス優しい!
ミカエル、それ、固すぎだぞっ。
「アルベルトは固い枕がいいって、前、言ってたよ」
言ってねーよ!!
「それに、人がいると眠れないんだって」
言ってねーよ!!
「だから、アルベルトの睡眠を邪魔したら、かわいそうだから、あっちでお茶しよっ」
おい!!
俺、ここで1人でレンガを枕にして寝るのかよ。
寝れるかっ。
「俺も行……」
「はい! アルベルト、おやすみ。ゆっくり、寝てね」
ミカエルは俺のセリフを遮るように言葉を発し、俺の言葉は跡形もなく消えてしまい、ミカエルがニコッとレンガを渡す。もちろん、目は怒り爆発だ……
去りぎわ、ジェスターが俺の耳元で「明日のリストは僕が届けるから。楽しみしてろ」と言った。
はぁぁぁ、明日、ネチネチ言われるのかぁぁ。
「クラリス!!」
「あ、ミカエル! ジェスター様!」
クラリスが立ち上がる。膝枕直前で立たれた俺。
おい、俺の頭どうしてくれるんだよ!
「何してたの!?」
ミカエルがクラリスの腕を掴み、自分の方に引き寄せる。それを横目で見たジェスターはニコニコしながら、ミカエルの手の甲をひねり、ミカエルはジェスターを睨みながら、クラリスの腕を離す。
そんな攻防戦が隣で行われていても、何も気づかないクラリス。たぶん、じゃれあってるのね、仲良しさん! とでも思っているに違いない……
この鈍感……国宝級。
「アルベルト様がね、最近、眠れてないっておっしゃてたから、少しでも眠ってもらおうと思って……」
「ふーん、1人で寝かしときゃ、いいじゃん。なんで義姉さまが、その……ひ、膝枕なんてしてるの!」
ミカエルの睨みの対象が俺に移り、俺はそっぽをむく。
いや、お前らが邪魔したから、してもらってないからなっ!
「だって、枕がないと眠れないっておっしゃって……」
言ってないよ? 俺、一言も言ってないから!
「ふーん……長年の付き合いだけど、そんな話、初耳だなぁ。いつから、お前、そんな繊細になったんだ?」
ジェスターが俺の肩に手をのせ、にっこり笑う。もちろん眼鏡の奥の目は笑ってない……どころか大激怒だ。
「いや、その……未遂だぞ! お前らのせいで、未遂だ!」
ミカエルとジェスターの視線にたまりかねた俺は、思いっきり叫ぶ。お前らタイミング悪すぎなんだよ!
腕組したジェスターが冷ややかな視線を俺に浴びせ、怒りを潜ませた声音で口を開く。
「ほう。なるほど。触れ合いたいと……明日から3倍のリストを送るから、婚約者を早く決めろ」
げっ! 今の3倍も婚約者候補リストあるのかよ!
シトリン家はどんだけ調べ上げたんだ!?
「アルベルトはこれを枕にして寝かしときゃいいよ!」
ミカエルはキッと俺を見ると、どこからかレンガを持ってきた。
「ミカエル、ちょっとそれじゃ固すぎじゃ……」
クラリスは、少し困惑したようにミカエルに意見する。
そーだ、そーだ。クラリス優しい!
ミカエル、それ、固すぎだぞっ。
「アルベルトは固い枕がいいって、前、言ってたよ」
言ってねーよ!!
「それに、人がいると眠れないんだって」
言ってねーよ!!
「だから、アルベルトの睡眠を邪魔したら、かわいそうだから、あっちでお茶しよっ」
おい!!
俺、ここで1人でレンガを枕にして寝るのかよ。
寝れるかっ。
「俺も行……」
「はい! アルベルト、おやすみ。ゆっくり、寝てね」
ミカエルは俺のセリフを遮るように言葉を発し、俺の言葉は跡形もなく消えてしまい、ミカエルがニコッとレンガを渡す。もちろん、目は怒り爆発だ……
去りぎわ、ジェスターが俺の耳元で「明日のリストは僕が届けるから。楽しみしてろ」と言った。
はぁぁぁ、明日、ネチネチ言われるのかぁぁ。
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