鈍感令嬢に恋した時から俺の苦労は始まった

桜乃

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学園生活、始まりました

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 入学式が終わり、教室はエドワードとザラの事でもちきりだ。

 衝撃的な出来事に放心状態の俺は王子スマイルをする余裕もなかったので、話題の中心があの2人の事になっていることに助かっていた。まぁ、あの2人のせいで俺は余裕がないのだが……同じく放心状態のミカエルと顔を合わせ、無言で会話をする。

 …………帰るか。
 …………そうだね。

 2人で帰り支度をし、朝と同じくトボトボと歩き始めると、ミカエルがボソリとつぶやく。

「あの2人って……義姉さま絡みだよね」
「…………たぶんな」

 ミカエルと目を合わせ、同時にため息をついた。
 
 なんか、恋敵ライバルなんだけど、戦友でもあるな……俺達。

 門まできたが、クラリス達の姿は見えず、俺はクラリスを待つことにする。門柱に寄りかかっていたミカエルの隣に俺も寄りかかり、目をつむると、ミカエルが肘で俺を突いた。

「アルベルト、早く帰ればぁ? 疲れたんでしょ?」

 ミカエルもあの2人の出現に相当疲れたんだな。文句にキレがないぞ。

「ああ、まぁ……」

 疲れたからこそ、俺はクラリスに会いたいわけで。ジェスターとの事も気になるし。
 
 口の中でモゾモゾ言っていると、クラリスとジェスターが歩いてくるのが見え、俺は両手で頬をパシンと叩き、気合を入れ直す。

 疲れている場合じゃない。親友ジェスターはあのシトリン家を継ぐ男。侮れない相手だ。
 ミカエルも疲労感漂っていた顔は消え去り、力がこもった目でジェスターを見る。

「クラリス、大丈夫だったか?」
「義姉さま、大丈夫だった?」
「えっ? なにがですか?」
「ジェスターに変なこと言われたり、されたりしてない?」
「失礼だな。お前ら」

 俺とミカエルはクラリスとジェスターの間にさり気なく入り、ジェスターは腕を組み、俺達を軽く睨んだ。

「義姉さま、もう疲れたし、帰ろう」

 ミカエルがクラリスの腕を引っ張って、アルフォント家の馬車に乗り込もうとするが、クラリスは少し困った顔をする。

「ミカエル、先に帰ってくれる?」
「えっ? なんで? まさかジェスターとどっか行くの?」
「うーん……ザラ様に呼ばれていて……」

 俺達は互いの目を合わせた。たぶん同じ言葉が頭に浮かんだだろう。

『あいつら本当になんなの?』
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