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王宮で……
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しおりを挟む暫し、無音の時が流れ、さぞお怒りになっているだろうと思っていた僕の耳に、沈黙を破る豪快な笑い声が聞こえてきた。
「ミカエル、なかなかいい男に育ったのぉ。お前の気持ちは、まぁ、頭の片隅でも入れておこう。余も親じゃて、アルベルトをちっとは贔屓するがの」
国の王様が贔屓する……それはもう贔屓という言葉では片付けられないと思いますけど……
「……罪はアルフォント家には及ばぬよう、ご配慮いただきたく……」
「罪? これは余のプライベート。お前の言葉なんて、まだかわいい方じゃぞ。ジェスターなぞ『クラリスを手に入れるのは私です。今のうちに王命を取り下げてはいかがですか?』と正々堂々、自信たっぷりに言いおったわ」
「なっ……!」
あいつっ! そんな事を……
「さすがシトリン家の次期当主じゃな」
国王様は本当におかしくてたまらないという様子で笑い続けた。
「ところで、余は嘆願書の事はクローディスには言っておらぬが、お前の気持ちをクローディスは知っておるのか?」
「義父……は、たぶん……知らないかと」
「そうかのぉ」
笑うのを一旦やめた国王様は少し意地の悪い顔つきをし、ニタニタと含みのある目つきで僕を見る。
その視線から逃げるように下をむき、今までの義父さまとのやり取りを思い返していた。
あ、あれ? そういえば……義父さまは知っているのかな……今まで考えた事なかったけど。
男として見られていないような……僕を男だと思っていたら、大事な娘と泊まりで別宅に行かせないと思うし。
でも、僕が嘆願書を200通以上出していたのは、さすがに知っている気がする。
この国トップクラスの公爵である義父さまは、シトリン家ほどではないとはいえ、情報網を張り巡らせている。なのに、今まで、何も言われなかった……今日だって、国王様との密談のセッティングしたのは、義父さまだ。
あれ? あれ? あれ?
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