1番近くて、1番遠い……僕は義姉に恋をする

桜乃

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閑話 兄妹水入らず…… ~ザラ視点~

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 あの髪飾りをどうにかして外させたいのだが、クラリスがいたく気に入っている様子を目の当たりにし、僕ともあろうものが少し躊躇ちゅうちょしてしまっている。

 ……あの、くそじじぃめ。

 シースアクト様の忌々いまいましいドヤ顔を思い浮かべ、心の中でチッと舌打ちをした。

 いや、やっぱり問答無用。外させよう。

「クラリス、この髪飾りなんだけど」
「これね! 素敵でしょ? ミカエルったらセンスがいいよね!」

 はしゃぐクラリスに口をつぐんでしまった僕。

 こんなに喜んでいるのに、外せ。と言うのは、ちょっと可哀想だな。なんといっても、今日は誕生日なんだし。

 繊細な細工が施されていて、上品で素晴らしい銀細工だとは思う。認めたくはないが。
 ただの綺麗な髪飾りなら問題ないのだが、それに込められている魔法が大問題だ。

 もう髪飾りあれは立派な魔法道具である。

 贈り主と贈られた相手の欲望を引き出す魔法と男への守護魔法……どうせだったら、すべての男が口説けない魔法を込めればいいものを、よりによってミカエルだけ除外されているのが、なんとも許しがたい。

 まったく……あのくそじじぃは、あいかわらず余計な事をする。

「綺麗よねー」と嬉しそうに話すクラリスにどうしたもんかと僕は頭を悩ませた。

 髪飾りそのものを気に入っているのはもちろん、ミカエルからのプレゼントという事が1番嬉しいのだろう。

 ミカエルの話をする時、ほんの少しだけ頬を紅潮させているのに本人は気づいているのだろうか?

「美咲、誕生日のプレゼントだ」

 ミカエルったらね、ミカエルはね……とかわいい妹が男の名前を連呼する事に嫌気が差してきたのか、兄さんは古びた本をクラリスに渡し、強引に話題を変える。
 クラリスは本を受け取ると、ぱぁぁと顔を輝かせた。

「これ、私が読みたいって言ってた本! 絶版になっていたから諦めてたのに……天兄、ありがとう。わざわざ探してくれたの?」
「ん? まぁな」
「嬉しい! 天兄、大好きー」

 クラリスに抱きつかれ、さっきまで辟易としていた兄さんの顔が崩れる。本当に兄さんも妹に甘い。

 だが、クラリスがほくほく顔で兄さんに抱きついているのは、僕の兄としてのプライドが許さない。

「美咲、おめでとう」

 僕はこの日の為にコツコツ作り上げた物を取り出す。

「オルゴール?」
「前に僕が作ったオルゴール、気に入ってただろう?」
「雪兄、忙しいのに……ありがとう」

 僕達が再会した日の事を思い出したのか、クラリスは泣きそうな声でキュッと僕に腕を絡ませた。
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