1番近くて、1番遠い……僕は義姉に恋をする

桜乃

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閑話 兄妹水入らず…… ~ザラ視点~

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 僕はキラキラ輝くガラスのペーパーウェイトを眺めては、ふっと頬を緩ませた。

「お揃いなの!」と誕生日パーティーの日にクラリスが僕達にくれたものである。

 僕はアクアマリン、兄さんはターコイズブルー、クラリスはオレンジにしたという。


「私、17歳の誕生日に死んじゃったから……お兄ちゃん達を悲しませてごめんなさい。ずっとね、気になってたの。それでね、この世界で無事17歳になったのをお兄ちゃん達にも喜んでもらいたくて……」

 誕生日のパーティーの最中、僕らは少し喧騒から離れ、兄妹3人で話していた。クラリスは、ペーパーウェイトを僕達に渡すと、しんみりとした口調で少し辛そうに目を伏せたが、すぐにパッと顔を上げ、笑顔を見せる。

「ちゃんと私が稼いだお金で買ったんだからね」

 両手を腰に当て、すごいでしょと言わんばかりの得意満面な姿に、目頭が熱くなりつつも、つい笑ってしまった。隣にいた兄さんもククッと笑い声を漏らし、クラリスの頭にポンと手を置く。

「ありがとう。お前、商品開発してるんだもんな。えらい、えらい」
「もう! 天兄、すぐ子供扱いして!」

 ぷぅと頬を膨らませるクラリスの姿を微笑ましく思いながら、僕は妹からの贈り物を感慨深く見つめた。

「ありがとう。とても綺麗なペーパーウェイトだね」
「でしょう? 今日ね、ミカエルとジェスター様と行った雑貨屋さんで一目惚れしたの」

 ウキウキと話すご機嫌な様子に、僕と兄さんはあの2人を頭に浮かべ、顔をしかめる。

「3人で出掛けたの?」
「うん、楽しかったわ」
「そんな簡単に男と出掛けたら、ダメだろ」
「3人だったし、いいでしょ? お兄ちゃん達、過保護すぎ!」

 クラリスは不服そうにむぅと口を尖らせた。

「男と出かける時は俺かザラに言え」
「ミカエルが一緒の時はいいでしょ?」
「ダメだ」
「ええー」

 納得いかないという顔を僕にむけたが、僕が無言で首を横に振ると不満げにイーと口を広げる。

 そんな顔しても、ダメ。
 ミカエルが1番ダメなんだから。
 それに、どこの世界にイーってする公爵令嬢がいるのか…………兄である僕らの前でだけは本当に子供だな。

「お兄ちゃん達のシスコン!」
「俺達がシスコンならお前はブラコンだろ」
「……ゔっ、そりゃあ、お兄ちゃん達の事は大好きだし……」

 不貞腐ふてくされた顔で前世と変わらぬ捨て台詞を言うが、素直なクラリスは結局丸め込まれている。

 前世のやり取りと一緒だ、まったく……

 2人の兄妹喧嘩を呆れながらも懐かしく見ていたが、今はそれどころじゃないなと思い出し、クラリスの銀細工の髪飾りに目をむけた。
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