魔物好きゲイテイマーの異世界転生記

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第2章 成長

腐女神再び

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「(そうだよ。みんなバラムだもん。)」
「(どういうことだ?)」
「(みんなバラムってことだよ?)」

色々と幼い感じがするバラムの説明ではいまいち理解できず首を傾げるしかなかった。

「(良くわからないな。一匹?一人?出してくれるか。)」
「(いいよ。)」

バラムが触手を1本俺の前に伸ばすので、手を差し出すと触手の先が切り離され、先ほどと同じ小さな白いスライムが掌に乗せられた。

俺はそのスライムに鑑定をかける。

名前 :無し
種族 :サキュバススライム(Lv1)
状態 :眷属
HP :1000
MP :300
STR :55
VIT :130
DEX :80
INT :50
MEN :45
AGL :30
スキル :
吸精(Lv1) 消化(Lv1) 媚薬生成(Lv1) 
眷属スキル :
酸弾(Lv2) 潜り込み(Lv1)  媚薬生成(Lv2)  形状変化(Lv1)  性感帯検知(Lv1)  硬化(Lv1)  物理攻撃耐性(Lv1)  吸引(Lv1)
備考 :バラムの眷属
産まれたばかりの為自我が存在しない。
また、眷属化の影響で意識及びあらゆる感覚をバラムと共有しているため自我が育たない。
その為バラムのからだの一部のように動く。
眷属化の影響でバラムが持つスキルの一部を劣化した状態で使用可能

「(なるほど。自我がなくて意識を含めてで色々と共有してるからみんなバラムってことか。それなら盗賊も倒したしバラムのステータスも変化があるはずだが……。)」

俺は掌のスライムをバラムに戻して鑑定を発動する。

名前 :バラム
種族 :サキュバススライム(Lv15)
状態 :合体(+30)
HP :2400(+1000)
MP :1100(+300)
STR :150(+80)
VIT:240(+100)
DEX :160(+100)
INT :110(+50)
MEN :80(+30)
AGL :70(+20)
スキル :
酸弾(Lv4)  吸精(Lv4)  産卵(Lv2)  消化(Lv4)  潜り込み(Lv3)  媚薬生成(Lv4)  形状変化(Lv4)  性感帯検知(Lv3)  硬化(Lv3)  物理攻撃耐性(Lv3)  吸引(Lv2) 眷属化(Lv1) 合体(Lv1) 分離(Lv1)
備考 :タカシの従魔 

眷属化
自身と関係深い者を眷属にして使役できる。
対象の耐性が高かったり、拒否されると失敗する。
眷属化した個体とは経験値と一部スキルが劣化した状態で共有される。

合体
互いに合意があった場合に同種のスライムを取り込むことができる。
取り込んだ個体のステータスにより自身のステータスに補正がかかる
補正率はスキルレベル依存

分離
合体により取り込んだ個体を切り離すことができる。

「ずいぶん上がったな。……いや、さすがにこの成長速度は異常じゃないか?スキルレベルも一部は最大になりそうだし。」

アロディーテに確認したいがどうしたもんか。流行りの転生ものなんかは教会で祈れば神様に会えたりするけど。

「……明日にでも試してみるか。」

明日は教会に行ってみる事に決めて、俺はそのまま毛布だけ被って眠りについた。




翌朝、俺は街の教会に来ていた。バラム達はディメンジョンルームで待機させてある。
入って直ぐにシスターが出てきたのでお布施を渡して、お祈りをするところに案内してもらった。

案内された所は円形のホールにで長椅子がいくつも設置され、壁一面に色々な神像が飾られていた。

こちらのお祈りの作法を知らなかったのでついでに教えてもらう。

「決まった作法はありません。大切なのは心から感謝の念を込めて祈ることです。」
「わかりました。ありがとうございます。」
「ごゆっくり。」

シスターはそう言うと元の道を戻って行った。

俺は近くの椅子に座って目を閉じると胸の前で手を組んで祈りを捧げた。

「(アロディーテ、覗いてるだろうから知ってると思うけどこちらは楽しくやっていけてるぞ。聞きたいことがあるんだが教えてくれるか?)」
「やっと来てくれたわね。」
「ん?」

突然掛けられた声に顔を上げると目の前にはアロディーテが立っていた。辺りを見渡すとそこは転生前にアロディーテと会った空間と同じような場所だった。

「まさか、本当に会えるとは。」

俺は立ち上がってアロディーテに一歩近付く。

「会えるかどうかは別にして、お祈りとか到着の報告とかもっと早く来てくれてもいいと思うのだけれど。」
「うっ!それはすまん。一応確認だけど俺は死んだとかじゃなくて意識だけここに来てるって感じでいいんだよな?」
「そうよ。ここにいる間は現実の時間は流れないからそっちも安心して。」
「わかった。ありがとう。」
「それじゃあお茶でも飲みながら話しましょうか。」

アロディーテはそう言うと以前と同じようにテーブルと椅子にティーセットを取り出して紅茶を淹れてくれた 。

俺は席に着くと紅茶に一口味わう。

「それにしても、タカシくん本当に良いわよ。期待通り。」
「やっぱり毎回覗いてるのか?」
「当たり前じゃない。そういう契約なんだから。録画もしてるわよ。これ見て、自信作。」

アロディーテがテーブルに手をかざすと市販のDVDのようにパッケージングされたケースが並べられた。中には従魔とのだけでなく、以前ゴブリンに輪姦された時のも混ざっている。

「どのシーンを切り取るか悩んだのよ。どう?いいできでしょ!昨日のスライム産卵も編集中よ。」
「録画はいいけど、なんでこんなパッケージングまでしてんだよ。」
「えっ?あっ……。」

アロディーテからサーっと血の気が引いて顔を青くさせる。

「まさかとは思うけど、これを売ったり配ったりしてないよな?」
「……………………。」

アロディーテはなにも言わず視線だけがあちこちさまよっている。

「おい。」
「あ、あはははぁ……。」
「……………。」
「……ごめんなさい。」

ジト目で見てやるとすぐに折れた。

「覗くだけじゃなかったのか?」
「それが、その~、ね。あなたを転生させてすぐ完了報告を地球側にしたあと地球側と打ち上げをしたんだけど。」
「俺の生活が安定してないのにすぐ打ち上げかよ。」
「酔って女神仲間にあなたとの契約の事をポロっと溢しちゃて。」

今の状況が相当まずいのがアロディーテはダラダラと滝のように汗を流しながら言葉を繋いでいく。

「そしたら『なにそれ、ズルい!』ってなって。」
「それで、そこまでなら覗くことしか契約にないからって言えばいいだろう。」
「同志は裏切れないというか、いい顔したかったというか。……『撮影してまわしてあげる』って言っちゃった。」
「契約に撮影とか公開のことなんか含まれてなかったと思うけど?」
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