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強風
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「そんなもんですか……」
とにかくここが限りなく地球っぽいところで、緯度は日本と同じくらいで、年代はまったく不明。理科さんの話をまとめるとそんなところだろう。
「データの解析を進めればまた何かわかるかも知れない。その時はみんなにまた伝えるわ。これで私の話は終わり」
理科さんは話し終えて一息ついた。みんな分かったような分からないような顔で、あまりスッキリした感じは受けなかった。
「ええと、理科さんの件が片付いたので、今晩の寝る場所の話なんですが……」
生果さんが急に話題を変えてきた。夕食の時も少し話合ったのだが、今夜の寝場所の件だ。
「人数も増えてきたので、三軒目も使い始めたいと思います。今はネズミの家、ウシの家で寝てるけど、新たにトラの家も使い始めます。掃除とか終えて、寝れるようにはなっていますので。男の人が二手に分かれて欲しいですが、いかがですか?」
いまだに家の呼び名には慣れない。いつも心の中で苦笑してしまう。
「適当に分けていいか?」
スカウトさんが僕らを見ながら尋ねる。
「ネズミの家が、俺とドクター、大工さん、釣りキチさん、路木さんの五人。トラの家が健太、自転車君、農家さん、それに電気さんの四人でどうだろう?」
電気さんというのは今日来た杉浦さんのことだ。いつのまにかみんな「電気さん」と呼ぶようになっていた。
「いいと思います」
僕は他のみんなの顔を確認したあと、代表して答えた。
翌日は僕は農作業のために残って、大工さん、電気さんもそれぞれの仕事で残ることになった。釣りキチさんと保育士さんは湖だし、自転車君とスカウトさんは森の探索。ドクターは路木さんと一緒に湖周辺の道づくりを進めることになった。
天気は曇り空だったが、風がいつもより強い。
「そういえば強風が吹くのって珍しいですね」
出かける前のスカウトさんに僕が声をかける。
「そうだな。あまり意識してなかったが、風に関しては穏やかな日がほとんどだったような気がするな」
「森の中ってことが原因なんでしょうか」
「それもあるが、森の中だからといって風が吹かないわけじゃない。現にこうして風の強い日もあるわけだし。単純に気候が穏やかなんだろうなあ……」
「元の世界では地球温暖化で異常気象が多くなって、天候は大荒れが多かったんで、それに比べれば今の状況は静かすぎて不気味なぐらいです」
「昔は平均気温ももっと低かったらしいから、ここでもやや低めなのかもしれん」
二人ともあくまで推測を述べているだけだが、それは実感に基づくものでもある。
とにかくここが限りなく地球っぽいところで、緯度は日本と同じくらいで、年代はまったく不明。理科さんの話をまとめるとそんなところだろう。
「データの解析を進めればまた何かわかるかも知れない。その時はみんなにまた伝えるわ。これで私の話は終わり」
理科さんは話し終えて一息ついた。みんな分かったような分からないような顔で、あまりスッキリした感じは受けなかった。
「ええと、理科さんの件が片付いたので、今晩の寝る場所の話なんですが……」
生果さんが急に話題を変えてきた。夕食の時も少し話合ったのだが、今夜の寝場所の件だ。
「人数も増えてきたので、三軒目も使い始めたいと思います。今はネズミの家、ウシの家で寝てるけど、新たにトラの家も使い始めます。掃除とか終えて、寝れるようにはなっていますので。男の人が二手に分かれて欲しいですが、いかがですか?」
いまだに家の呼び名には慣れない。いつも心の中で苦笑してしまう。
「適当に分けていいか?」
スカウトさんが僕らを見ながら尋ねる。
「ネズミの家が、俺とドクター、大工さん、釣りキチさん、路木さんの五人。トラの家が健太、自転車君、農家さん、それに電気さんの四人でどうだろう?」
電気さんというのは今日来た杉浦さんのことだ。いつのまにかみんな「電気さん」と呼ぶようになっていた。
「いいと思います」
僕は他のみんなの顔を確認したあと、代表して答えた。
翌日は僕は農作業のために残って、大工さん、電気さんもそれぞれの仕事で残ることになった。釣りキチさんと保育士さんは湖だし、自転車君とスカウトさんは森の探索。ドクターは路木さんと一緒に湖周辺の道づくりを進めることになった。
天気は曇り空だったが、風がいつもより強い。
「そういえば強風が吹くのって珍しいですね」
出かける前のスカウトさんに僕が声をかける。
「そうだな。あまり意識してなかったが、風に関しては穏やかな日がほとんどだったような気がするな」
「森の中ってことが原因なんでしょうか」
「それもあるが、森の中だからといって風が吹かないわけじゃない。現にこうして風の強い日もあるわけだし。単純に気候が穏やかなんだろうなあ……」
「元の世界では地球温暖化で異常気象が多くなって、天候は大荒れが多かったんで、それに比べれば今の状況は静かすぎて不気味なぐらいです」
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