めーぷる詰め合わせ<SS&短編集>

楓乃めーぷる

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飯テロツイノベ<たこ焼き>

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 のんびり一人旅のついでに旅先で友達と合流。
 有名な観光スポットで待ち合わせして、名物のたこ焼きを食べに行く約束をした。
 
「せっかくコッチに来たんやし、ウェルカムたこ焼き。遠慮なく食べな」
「ありがとう、頂きます」
 
 出来たてのたこ焼きは激熱げきあつで、猫舌の僕には辛い。
 彼は快活に笑い飛ばして、水の入った紙コップをずいっと僕の目の前へ押し出してくれる。
 涙目で、はふはふしながら必死に口の中でたこ焼きを転がす。
 
「猫舌なん?可愛いな」
 
 言い返したいのに、熱すぎて声が出ない。
 可愛いと言われても反応しづらいし、水を飲んでたこ焼きをやり過ごす。
 彼は僕を見てるだけでたこ焼きをなかなか食べようとしない。
 
「食べないの?」
「せやな。一緒に食うか」
 
 ニッと笑いかけられた。僕が瞬きしてる間に彼もパクリとたこ焼きを頬張ほおばる。
 僕と違って口の中でうまく転がして食べてるみたいだ。
 
 「そんなに見つめられてもなぁ」
「別にそんなつもりじゃ。ただ、食べるのがうまいなぁって」
 
 普通だと言って笑う彼の明るさに押されて、文句は引っ込んでしまう。
 早く食べろと急かしてくるから、仕方なく二個目を頬張る。
 
「うぅ~」
「アハハ! ホンマ苦手なんやな。また泣いてる」
 
 熱さにもだえる僕を見て何が楽しいんだか。
 やっぱり腹が立つので睨んでやると、彼の指先が僕の目尻に触れた。
 
「~~っ!?」
「やっぱ可愛いな」
 
 揶揄からかわれているのは分かっているのに、彼の声が耳に残って離れなくなる。
 元々嫌いじゃないし、会いたいとは思っていたけど。これじゃまるで……。
 僕の思考は目の前に迫った彼の顔に搔き消される。
 
「わっ! なんだよ!」
「急に黙るからなんやと思ってな。しっかし、お前が食べるの見てんのは飽きないなぁ」
 
 ニマニマされるのも腹が立つけど、来てよかったと思ってる時点で自分の気持ちを認めるしかないのかもしれない。
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