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第二章 様子見の魔塔主と距離を置く弟子
45.戦闘開始<レイヴン視点>
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「グォォォォッッ!!!」
断末魔を上げるブラックウルフが咆哮を上げて一旦飛び退り、地を蹴って上へと飛び上がるとそのまま騎士に爪を振り下ろそうとする。
俺は魔法使いたちに後方からの攻撃の指示を出す。
「次、攻撃!」
「炎!」
攻撃魔法が魔獣へと向かうが、炎に包まれても動きが鈍る様子がない。
振り下ろされた爪は炎で気を逸したので無事に騎士も避けることができたが、続けざまの斬りつけのダメージは入っているものの決定打になかなかならない。
「レイヴン!」
ウルガーに呼ばれて詠唱していた魔法をそちらへと放つ。
「氷の弾丸!」
手のひらをかざすと、幾つもの鋭い氷の塊が騎士たちの合間を抜けて、ブラックウルフめがけて飛んでいく。
貫通力に特化した魔法で漸く皮膚を貫くことができ、魔獣の血しぶきが上がる。
「ガァァァッッ!!」
「何度も斬りかかれ! こうなれば、回数勝負だ!!」
「皆、もう一度、強化を」
ウルガーの声で騎士たちが四方八方から魔獣へと斬りかかる。
魔法使いたちも再度魔法を掛け直し、その間に俺も別の魔法の詠唱に入る。
他の魔法使いたちも何とか魔法で援護を入れようとするが、魔獣の動きが早いためなかなか標準が定まらない。
俺はまた別の魔法を放ってから、魔法使いたちに指示を飛ばす。
部位を狙うようにと自分がまずは魔法を打ち込んで目印をつけていく。
その後に、他の魔法使いたちも続いて打ち込んでいく。
騎士たちの攻撃も止むことなく魔獣に無数の傷を作り、その傷跡からドクドクと血が溢れ出す。
苦しみもがく魔獣が爪や顔を振り回し攻撃をしようと暴れ、辺りの木をなぎ倒していく。
それでもまだ魔獣の動きが止むことはなく、噛みちぎろうと必要に騎士たちを狙う。
時折、爪が騎士の剣と交差して。
キィンという金属音を響かせる。
中には肩で息をする騎士も出てきており、持久戦に持ち込まれると不利だ。
こうなれば威力の高い魔法で一気にいくしかない。
あまり使いたくなかったが、地形に影響が出そうな魔法を使用することを決意した。
使いたくない理由は、師匠が好む方法だからだ。
「魔獣の動きを止める! その間に首を!」
「分かった!」
ウルガーに叫び、すぐさま詠唱に入る。
ブォンという空気を振動させるような音と共に、空間にゆらぎが発生して手のひらへと収束していく。
集中し、ゆらぎを円状の形へと圧縮する。
そうしてできた手のひらの上に留めたゆらぎを魔獣へと投げつけると一直線に魔獣へと向かい、黒色を帯びた魔力が上から網のように広がって魔獣に襲いかかる。
「重力縛り!」
手のひらを返して、魔獣を押しつぶすように力を込める。
その動き通りに飛んでいったゆらぎの塊は魔術の身体を逃さぬような檻となってミシミシと魔獣の身体を蝕み、地に亀裂を作りながら魔獣を押し潰して動きを完全に止める。
ビクビクと抵抗はしているが、魔法を更に叩きつけて力づくで抑え込む。
その度に地面に亀裂が広がっていき暴れれば暴れる度に、徐々に身体が耐えられなくなった地面へとめり込んで、大きな穴を作り出す。
「これで……!」
ウルガーは両腕を振り上げて跳躍し、渾身の力で剣をブラックウルフの首元へと振り下ろした。
その一刀は傷を与え続けた魔物にトドメとなって、断末魔の咆哮と血飛沫を撒き散らす。
断末魔を上げるブラックウルフが咆哮を上げて一旦飛び退り、地を蹴って上へと飛び上がるとそのまま騎士に爪を振り下ろそうとする。
俺は魔法使いたちに後方からの攻撃の指示を出す。
「次、攻撃!」
「炎!」
攻撃魔法が魔獣へと向かうが、炎に包まれても動きが鈍る様子がない。
振り下ろされた爪は炎で気を逸したので無事に騎士も避けることができたが、続けざまの斬りつけのダメージは入っているものの決定打になかなかならない。
「レイヴン!」
ウルガーに呼ばれて詠唱していた魔法をそちらへと放つ。
「氷の弾丸!」
手のひらをかざすと、幾つもの鋭い氷の塊が騎士たちの合間を抜けて、ブラックウルフめがけて飛んでいく。
貫通力に特化した魔法で漸く皮膚を貫くことができ、魔獣の血しぶきが上がる。
「ガァァァッッ!!」
「何度も斬りかかれ! こうなれば、回数勝負だ!!」
「皆、もう一度、強化を」
ウルガーの声で騎士たちが四方八方から魔獣へと斬りかかる。
魔法使いたちも再度魔法を掛け直し、その間に俺も別の魔法の詠唱に入る。
他の魔法使いたちも何とか魔法で援護を入れようとするが、魔獣の動きが早いためなかなか標準が定まらない。
俺はまた別の魔法を放ってから、魔法使いたちに指示を飛ばす。
部位を狙うようにと自分がまずは魔法を打ち込んで目印をつけていく。
その後に、他の魔法使いたちも続いて打ち込んでいく。
騎士たちの攻撃も止むことなく魔獣に無数の傷を作り、その傷跡からドクドクと血が溢れ出す。
苦しみもがく魔獣が爪や顔を振り回し攻撃をしようと暴れ、辺りの木をなぎ倒していく。
それでもまだ魔獣の動きが止むことはなく、噛みちぎろうと必要に騎士たちを狙う。
時折、爪が騎士の剣と交差して。
キィンという金属音を響かせる。
中には肩で息をする騎士も出てきており、持久戦に持ち込まれると不利だ。
こうなれば威力の高い魔法で一気にいくしかない。
あまり使いたくなかったが、地形に影響が出そうな魔法を使用することを決意した。
使いたくない理由は、師匠が好む方法だからだ。
「魔獣の動きを止める! その間に首を!」
「分かった!」
ウルガーに叫び、すぐさま詠唱に入る。
ブォンという空気を振動させるような音と共に、空間にゆらぎが発生して手のひらへと収束していく。
集中し、ゆらぎを円状の形へと圧縮する。
そうしてできた手のひらの上に留めたゆらぎを魔獣へと投げつけると一直線に魔獣へと向かい、黒色を帯びた魔力が上から網のように広がって魔獣に襲いかかる。
「重力縛り!」
手のひらを返して、魔獣を押しつぶすように力を込める。
その動き通りに飛んでいったゆらぎの塊は魔術の身体を逃さぬような檻となってミシミシと魔獣の身体を蝕み、地に亀裂を作りながら魔獣を押し潰して動きを完全に止める。
ビクビクと抵抗はしているが、魔法を更に叩きつけて力づくで抑え込む。
その度に地面に亀裂が広がっていき暴れれば暴れる度に、徐々に身体が耐えられなくなった地面へとめり込んで、大きな穴を作り出す。
「これで……!」
ウルガーは両腕を振り上げて跳躍し、渾身の力で剣をブラックウルフの首元へと振り下ろした。
その一刀は傷を与え続けた魔物にトドメとなって、断末魔の咆哮と血飛沫を撒き散らす。
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