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エクラーザの故郷――ミゲルクルス大陸
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しばらく飛んでいると、眼下の雷雲が、徐々に無くなってきた。
代わりに、青々とした海がひらけてきた。
上空の風が強くなってきたので、エクラーザは、高度を下げた。
前方を見ると、地平線に大きな大陸が見えた。
「バル見て!
あれ『ミゲルクルス大陸』よ!」
喜びに満ちた表情で、エクラーザが叫んだ。
「5年ぶりなんだろ!?」
「ええ!」
バルは、これまでエクラーザの笑顔を、ほとんど見たことが無かった。エクラーザへの尋問や説得の過程で、彼女の協力を得るには、打ち解けた雰囲気をつくる事が必要だと考えたバルは、世間話や笑い話などもしてみたが、エクラーザは、あまり笑わなかった。5年間も、幽閉生活を余儀なくされれば、笑顔を失うのも当然なのだが。そんなエクラーザの笑顔を見た時、なぜだかバルも内心、嬉しくなった。
バルは眼下に広がる海に、目をやった。すると、そこに人間軍の船団が航行しているのが見えた。
目を輝かせたバルが叫んだ。
「人間軍だ!」
「さっき私たちが乗ってた船じゃないよね?」
「ああ、オレたちが乗ってた船じゃない。
あれは俺たちの船よりも、先に出発した船団だろう。スターマイル号は出港準備が遅れて、ずいぶん後から出発したから・・・」
バルは人間軍の戦艦を見て、正直ホッとした。
人間軍は、嵐で全滅したわけじゃない。まだ生きている仲間たちが、沢山いるんだ――
それが分かっただけでも、バルは大いに勇気づけられたのだった。
人間軍の船団を見たことでバルは、元気を取り戻したが、それとは対照的に今度は、エクラーザの表情が、急に苦しげになってきた。
けげんに思ったバルは、エクラーザに尋ねた。
「どうしたんだ?」
「ちょっとマズいかも・・・・・・そろそろ魔力が切れそう・・・・・・」
「『魔力が切れそう』って・・・・・・
魔力が切れたら、どうなるんだ?」
「私たちが今乗ってる、この召喚獣が消えちゃって、私たち2人とも、そのまま地面へ落下しちゃう」
「!オイオイ、冗談じゃないぜ!!!
じゃあ早く、着陸しないと!!!」
「ええ、でも、どこに・・・・・・
できれば、レオンランザ派の近くへ行きたいの」
「レオンランザ派なら、聖地の南に拠点があるって、オレは聞いたぜ!」
「聖地の南・・・・・・」
さらに東へ飛ぶと、聖地らしき人工物が見えた。眼下に広がるミゲルクルス大陸は、うっそうとした森林に覆われていたが、1ヶ所だけ森林が全く無く、不自然に大地がむき出しになっている場所があった。
人工的に造られたと思われるその場所は、丸い形をしており、その円状の周囲には、巨大な石柱が何本も、立っていた。そして円形の中央部分からは、7色の光が放射されているのが、わずかに見えた。
「あれ聖地だよね!?」とエクラーザが聞くと、バルが答えた。
「たぶん、そうだな!
形が『人間の聖地』に似てるから!
この近くに、レオンランザ派の拠点があるはずだぜ!」
エクラーザは南へ飛び続けて、必死にレオンランザ派の拠点を、上空から探していたが、それらしき物は見つからなかった。
だが探し続ける時間は、もう残されてなかった。
苦悶の表情でエクラーザが、何度もつぶやいた。
「マズいマズいマズい・・・・・・!」
急に、召喚獣の高度が下がってきた。
バルの体に、緊張が走った。
「オイまさか、魔力が切れるんじゃないだろうな!?」
エクラーザは苦しげに地上を見ながら、黙って、うなずいた。
バルは「ヤバイぜ」と思いながら、下を見下ろした。まだまだ相当な高さがある。このまま落下したら、間違いなく即死だろう。
急速に失われつつある魔力を振り絞ってエクラーザは、召喚獣を急降下させた。
猛スピードで、どんどん地上が迫ってくる。
「このまま、墜落死するんじゃないか?」という考えが一瞬、
バルの頭をよぎった。
急降下している途中で、召喚獣の体中に、放電したような7色の光が走った。そして召喚獣の姿のところどころが、薄くなったと思うと、突如、2人が乗っている召喚獣が、あとかたもなく消えてしまった!
地上まで、20メートルほどの高さから、悲鳴を上げながら、2人は落下した。
「わああああああああああああ!!!!」
エクラーザは地面に叩きつけられる直前に、最後の魔力を振り絞って、エクラーザとバルの2人の体を、少しだけ浮かせた。
そのおかげでバルは、うまく受身をとって着地できたが、エクラーザは着地した時、足を、ひねってしまった。エクラーザの右足に、激痛が走った。地面に倒れこんだエクラーザは、右足を押さえた。
バルはエクラーザに駆け寄った。
「オイ、大丈夫か!?」
右足を押さえながらエクラーザは、バルを見上げて言った。
「バルは?」
「オレは平気だ。
でも君は・・・・・・痛むのは右足か?」
「ええ、ちょっと・・・・・・ひねっちゃったみたい」
エクラーザは体を起こそうとしたが、うまく立てなかった。
その様子を見たバルは「ちょっと待って」と言って、しゃがんで、エクラーザの右手を取ると、自分の肩に回した。そしてエクラーザと一緒に、ゆっくりと立ち上がった。
エクラーザは、なんとか立てたが、歩こうとすると苦悶の表情を浮かべた。右足が、ひどく痛むのである。
心配したバルが「歩くのはムリか?」と聞くと、
エクラーザは「ひきずって歩けば、何とか、なりそう」と応じた。
「でも、それじゃあ・・・・・・歩くのが、やっとだな。
それに魔法は、もう使えないんだろ?」
「・・・・・・そうね。今日は、もうムリ。
でも一晩、休むと、魔力は回復するから・・・・・・
魔法を使えるとしたら、明日からだね」
「となると、1人じゃキケンだな・・・・・・」と言ったあと、バルは腕組みして、少し考え込んでから言った。
「・・・・・・分かった。
じゃあオレが君を『レオンランザ派の魔族がいるところ』まで送り届けるよ」
エクラーザは驚いた。
「私を送り届けてくれるの?」
「ああ。君は、俺の命の恩人なわけだし・・・・・・
だから恩返しってわけじゃないけど、俺のできる限りの事はしようと思ってさ」
エクラーザは、やさしく微笑んで
「ありがとう」と言った。
腫れ上がっていたエクラーザの右足を見たバルが、気遣って言った。
「じゃあ、どうする?
君の右足の事もあるし、しばらく休んでから行こうか?」
エクラーザは、首を横に振った。
「私なら大丈夫。早く行きましょう」
「そうか・・・・・・じゃあ、出発しよう。
レオンランザ派の拠点は、南へ向かえば、いいはずなんだけど・・・・・・
これだけ、うっそうと茂ってる森だと、途中で迷いかねないな。
たしか落下する前、あっちの方に、聖地を見たから・・・・・・
南は、こっちの方向で、いいのかな?」と言ってバルは、南と思われる方向を指さした。
するとエクラーザが、うなずいた。
「そうね。その方向で大丈夫。
私たち魔族は、方向は感じ取ることで分かるから。
この方角に歩いていけば、『レオンランザ派の拠点』に着くはずよ」
「『方向は、感じ取ることで分かる』って?
便利な能力だな。そりゃ魔法なのかい?」とバルが尋ねると、エクラーザは首をかしげた。
「うーん、どうなんだろう。
魔法とも、ちょっと違う気がするけど。渡り鳥だって、魔法を使えなくても、方向は分かるでしょ。それと同じようなものかもね」
「・・・・・・まあ何にせよ、方角が分かるんだったら、道に迷うことは無さそうだな。
よし、じゃあ行くか」とバルは言った。
バルとエクラーザは、「レオンランザ派の拠点」を目指して歩き出した。
代わりに、青々とした海がひらけてきた。
上空の風が強くなってきたので、エクラーザは、高度を下げた。
前方を見ると、地平線に大きな大陸が見えた。
「バル見て!
あれ『ミゲルクルス大陸』よ!」
喜びに満ちた表情で、エクラーザが叫んだ。
「5年ぶりなんだろ!?」
「ええ!」
バルは、これまでエクラーザの笑顔を、ほとんど見たことが無かった。エクラーザへの尋問や説得の過程で、彼女の協力を得るには、打ち解けた雰囲気をつくる事が必要だと考えたバルは、世間話や笑い話などもしてみたが、エクラーザは、あまり笑わなかった。5年間も、幽閉生活を余儀なくされれば、笑顔を失うのも当然なのだが。そんなエクラーザの笑顔を見た時、なぜだかバルも内心、嬉しくなった。
バルは眼下に広がる海に、目をやった。すると、そこに人間軍の船団が航行しているのが見えた。
目を輝かせたバルが叫んだ。
「人間軍だ!」
「さっき私たちが乗ってた船じゃないよね?」
「ああ、オレたちが乗ってた船じゃない。
あれは俺たちの船よりも、先に出発した船団だろう。スターマイル号は出港準備が遅れて、ずいぶん後から出発したから・・・」
バルは人間軍の戦艦を見て、正直ホッとした。
人間軍は、嵐で全滅したわけじゃない。まだ生きている仲間たちが、沢山いるんだ――
それが分かっただけでも、バルは大いに勇気づけられたのだった。
人間軍の船団を見たことでバルは、元気を取り戻したが、それとは対照的に今度は、エクラーザの表情が、急に苦しげになってきた。
けげんに思ったバルは、エクラーザに尋ねた。
「どうしたんだ?」
「ちょっとマズいかも・・・・・・そろそろ魔力が切れそう・・・・・・」
「『魔力が切れそう』って・・・・・・
魔力が切れたら、どうなるんだ?」
「私たちが今乗ってる、この召喚獣が消えちゃって、私たち2人とも、そのまま地面へ落下しちゃう」
「!オイオイ、冗談じゃないぜ!!!
じゃあ早く、着陸しないと!!!」
「ええ、でも、どこに・・・・・・
できれば、レオンランザ派の近くへ行きたいの」
「レオンランザ派なら、聖地の南に拠点があるって、オレは聞いたぜ!」
「聖地の南・・・・・・」
さらに東へ飛ぶと、聖地らしき人工物が見えた。眼下に広がるミゲルクルス大陸は、うっそうとした森林に覆われていたが、1ヶ所だけ森林が全く無く、不自然に大地がむき出しになっている場所があった。
人工的に造られたと思われるその場所は、丸い形をしており、その円状の周囲には、巨大な石柱が何本も、立っていた。そして円形の中央部分からは、7色の光が放射されているのが、わずかに見えた。
「あれ聖地だよね!?」とエクラーザが聞くと、バルが答えた。
「たぶん、そうだな!
形が『人間の聖地』に似てるから!
この近くに、レオンランザ派の拠点があるはずだぜ!」
エクラーザは南へ飛び続けて、必死にレオンランザ派の拠点を、上空から探していたが、それらしき物は見つからなかった。
だが探し続ける時間は、もう残されてなかった。
苦悶の表情でエクラーザが、何度もつぶやいた。
「マズいマズいマズい・・・・・・!」
急に、召喚獣の高度が下がってきた。
バルの体に、緊張が走った。
「オイまさか、魔力が切れるんじゃないだろうな!?」
エクラーザは苦しげに地上を見ながら、黙って、うなずいた。
バルは「ヤバイぜ」と思いながら、下を見下ろした。まだまだ相当な高さがある。このまま落下したら、間違いなく即死だろう。
急速に失われつつある魔力を振り絞ってエクラーザは、召喚獣を急降下させた。
猛スピードで、どんどん地上が迫ってくる。
「このまま、墜落死するんじゃないか?」という考えが一瞬、
バルの頭をよぎった。
急降下している途中で、召喚獣の体中に、放電したような7色の光が走った。そして召喚獣の姿のところどころが、薄くなったと思うと、突如、2人が乗っている召喚獣が、あとかたもなく消えてしまった!
地上まで、20メートルほどの高さから、悲鳴を上げながら、2人は落下した。
「わああああああああああああ!!!!」
エクラーザは地面に叩きつけられる直前に、最後の魔力を振り絞って、エクラーザとバルの2人の体を、少しだけ浮かせた。
そのおかげでバルは、うまく受身をとって着地できたが、エクラーザは着地した時、足を、ひねってしまった。エクラーザの右足に、激痛が走った。地面に倒れこんだエクラーザは、右足を押さえた。
バルはエクラーザに駆け寄った。
「オイ、大丈夫か!?」
右足を押さえながらエクラーザは、バルを見上げて言った。
「バルは?」
「オレは平気だ。
でも君は・・・・・・痛むのは右足か?」
「ええ、ちょっと・・・・・・ひねっちゃったみたい」
エクラーザは体を起こそうとしたが、うまく立てなかった。
その様子を見たバルは「ちょっと待って」と言って、しゃがんで、エクラーザの右手を取ると、自分の肩に回した。そしてエクラーザと一緒に、ゆっくりと立ち上がった。
エクラーザは、なんとか立てたが、歩こうとすると苦悶の表情を浮かべた。右足が、ひどく痛むのである。
心配したバルが「歩くのはムリか?」と聞くと、
エクラーザは「ひきずって歩けば、何とか、なりそう」と応じた。
「でも、それじゃあ・・・・・・歩くのが、やっとだな。
それに魔法は、もう使えないんだろ?」
「・・・・・・そうね。今日は、もうムリ。
でも一晩、休むと、魔力は回復するから・・・・・・
魔法を使えるとしたら、明日からだね」
「となると、1人じゃキケンだな・・・・・・」と言ったあと、バルは腕組みして、少し考え込んでから言った。
「・・・・・・分かった。
じゃあオレが君を『レオンランザ派の魔族がいるところ』まで送り届けるよ」
エクラーザは驚いた。
「私を送り届けてくれるの?」
「ああ。君は、俺の命の恩人なわけだし・・・・・・
だから恩返しってわけじゃないけど、俺のできる限りの事はしようと思ってさ」
エクラーザは、やさしく微笑んで
「ありがとう」と言った。
腫れ上がっていたエクラーザの右足を見たバルが、気遣って言った。
「じゃあ、どうする?
君の右足の事もあるし、しばらく休んでから行こうか?」
エクラーザは、首を横に振った。
「私なら大丈夫。早く行きましょう」
「そうか・・・・・・じゃあ、出発しよう。
レオンランザ派の拠点は、南へ向かえば、いいはずなんだけど・・・・・・
これだけ、うっそうと茂ってる森だと、途中で迷いかねないな。
たしか落下する前、あっちの方に、聖地を見たから・・・・・・
南は、こっちの方向で、いいのかな?」と言ってバルは、南と思われる方向を指さした。
するとエクラーザが、うなずいた。
「そうね。その方向で大丈夫。
私たち魔族は、方向は感じ取ることで分かるから。
この方角に歩いていけば、『レオンランザ派の拠点』に着くはずよ」
「『方向は、感じ取ることで分かる』って?
便利な能力だな。そりゃ魔法なのかい?」とバルが尋ねると、エクラーザは首をかしげた。
「うーん、どうなんだろう。
魔法とも、ちょっと違う気がするけど。渡り鳥だって、魔法を使えなくても、方向は分かるでしょ。それと同じようなものかもね」
「・・・・・・まあ何にせよ、方角が分かるんだったら、道に迷うことは無さそうだな。
よし、じゃあ行くか」とバルは言った。
バルとエクラーザは、「レオンランザ派の拠点」を目指して歩き出した。
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---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
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