6 / 42
6.怯んでいてはバイトの教育はできない(倉田聡一/メートル・ドテル)
こうして12月24日、クリスマス・イヴの営業が始まった。
シャリオドールはスタッフに恵まれている。腕のいいシェフ、シェフと馬の合う几帳面なスー・シェフ(シェフは腕はいいがあれこれ丼勘定なので、スー・シェフがその辺をきちっと締めてくれるのは助かる)、ベテランのソムリエ(性格に難はあるが仕事は素晴らしい)、行き届いた受付とバルマンを兼任するのが波多野さん。そして、パティシエの颯太君(彼をシャリオドールに呼んだのは他ならぬ私なのだが、見込んだ以上の才能を発揮してくれている)。見習いの斉藤君はまだ日が浅いが、シェフもスー・シェフも「真面目でいい子」だと口を揃えている。
ただ一人問題児と言えるのは、ギャルソンの鏑木君だ。まだ学生でしかもアルバイトだから、私も幾らか大目に見ている面はある。皿が平行に持てずソースを偏らせてしまうとか、お客様の態度が気に入らないとそれが露骨に顔に出るとか、色々と物申したいことはあるのだが、詰めすぎるとバイトの子はすぐ辞めるから、と、波多野さんに釘を刺されている。
私はこれまで、(鏑木君を除けば)彼らの仕事に不安を感じたことは一度もなかった。その夜も、鏑木君と二人で主にホールの準備をしていた私には、いつもと違う様子は何もないように思えた。
ところが、オープン早々でオードブルの提供がもたついた。
鏑木君がカウンター前に突っ立って皿待ち状態になり、厨房では広瀬君と森川シェフが黙々と手を動かしている(そして斉藤君が居たたまれない様子でそれを見守っている)。お客様のテーブルの上では、アペリティフのグラスもアミューズの皿もからっぽになっていた。
シェフの段取りが狂うのは珍しいが、レストランにハプニングは付き物だ。
「北澤君、オードブル遅れる。グラスシャンパンの無料サービスお願いします」
お客様にゆっくりくつろいで待っていただければ、我々ホールスタッフも慌てずに済む。
ところが、そうやってようやくオードブルを出し終えたと思ったら、今度はソムリエに異変が起きた。北澤君がサービスワゴンの傍で棒立ちになっている。バイトの鏑木君じゃあるまいし、手が空いたからと言ってぼうっと立っていられては困る。
声を掛けてみて私は仰天した。他のお客様がボトルで頼んだシャンパンを、無料サービスの時に間違えて注いで回ったという。
何年ソムリエやってるんですか、と叫びそうになったがどうにか堪えた。「ボトルでオーダーされたのに、お客様のテーブルじゃなくワゴンに置いたんですか? いやそれにしても、ラベルとかボトルを持った感じとかで、ふつう気がつくでしょう?」
「いやそれが、ロデレールの今の在庫って定番ラベルじゃなくて、限定版のポップなデザインに変わってて」
これは駄目だ、駄目すぎて私にはフォローできない。「さすがに自腹案件ですよ。とりあえず同じシャンパーニュ開けて、オーダーされたお客様のテーブルに置いてきて」
厨房へ行って北澤君の駄目さ加減をシェフに報告すると、シェフは手を止めずに少し考えてからこう言った。「とりあえずワインのサービスは最後まで北澤に任せるしかない。デセールの提供は、相原くんに行ってもらう」
「は? え、いや無理っしょ、無理っすよ」
厨房の奥からは怯えた齧歯類を思わせるリアクションが返ってきた。
「無理っすよって言われてもさ。今の北澤よりは君のほうがマシにやれそうなの。運んで行って、切るだけだよ。普段もっと細かい仕事、難なくこなしてるじゃん」
シェフとパティシエの会話を聞きながらホールの様子を確認すると、鏑木君が如才なく水を注いで回っていた。
私は、故あって颯太君のことは、彼が生まれた時から知っている。実を言うと、彼は私の大親友の一人息子なのだ。そして何より(これはなかなか誇らしいことなのだが)、色々あって颯太君が学校に行けなくなった時、我が家に呼んでお菓子作りの手ほどきをしたのが私の妻、瑞希だった。
昔から極度の人見知りで、吃音にも悩んでいた(今の金髪と軽そうな喋り方は、実はその吃音対策でもあるらしい)。人前でのパフォーマンスは、颯太君の最も苦手とするものだ。
なので私はシェフに、良ければ私がやりましょうか、と言った。
シェフは一瞬、微妙な顔をしたが、私が笑顔で頷くと納得してくれたようだった。
「倉田さん、マジ助かるっす」
颯太君は珍しく奥から顔を出して私のほうへ頭を下げた。
よしよし、任せてくれ。私は再び笑顔で頷き、颯太君は引っ込んだ。
厨房は斉藤君を戦力外にしてフル回転し、何とか料理の提供に遅れはなくなっていた。斉藤君は気の毒だが、厨房の二人が後でフォローしてくれるだろう。メイン料理の最初の一皿、鰆のコンフィを運び終えると、私は鏑木君をバーカウンターの隅に呼んだ。
「そういうわけで、鴨の片付けと食後のドリンクのオーダーは鏑木くんに任せるから」
鏑木君は二、三度大きく頷き、「わかりました」とはっきり返事した。
「倉田さん、あれほんまに大丈夫ですか?」
鏑木君を先にホールに戻らせたタイミングで、黙って聞いていたらしい波多野さんが疑わしそうに言った。
「大丈夫でしょう。鏑木君も成長してますから」
思わず、事実ではなく願望を口にしてしまった。この店で一番ちゃんとした常識人は間違いなく波多野さんだ。彼女が危ぶんでいるという事実だけは、しっかりと心に留めなければ。
メイン二皿目、鴨の燻製の提供が始まる。
赤ワインをサーブしている北澤君の動線に鏑木君が被ってぶつかりかける場面にひやりとするが、鏑木君の反射神経が良かったおかげで惨事は回避される。この「何々のおかげで回避された」というのは往々にして「何々のせいで回避しきれなかった」になりがちだ。私は初めて不安を覚えた。
今はやむを得ない。私はデセールの準備のために厨房へ行くことにし、駄目ソムリエと問題児のギャルソンをホールに残した。
「これがブッシュ・ド・ノエルす。いちばん出ると思うんで多めにつくってて」
颯太君の説明を聞きながらデザートワゴンを準備する。上段にカット前の五種類を一皿ずつ見本として並べ、空いたところにカット用のナイフをセットする。その下にそれぞれのデセールを並べておき、お客様の選んだものをテーブルの上でカットする。デコレーションパーツが既に載った状態なので、先にパーツを除けて、切った後に戻す方が良さそうだった。余計な時間はかかるが仕方がない。
「あと今日リキュールが二種類あるんす。紅茶のがブッシュ・ド・ノエルで、コーヒーのがカフェ・ショコラ。紅茶のほうがちょい色薄いんで、それで見分けて下さい。お酒を飲まれてないお客様にはアルコール大丈夫か確認してから、切る前でも切った後でもどっちでも、アトマイザーでシュッてしてもらえればいいんで」
ここで再び不安を覚えた。ホールの連中ではなく自分自身に。私は今年で五十二歳になるのだが、油断すると最近いろいろ忘れる。紅茶がブッシュ・ド・ノエル、コーヒーがカフェ・ショコラ。どちらもデザインのまったく同じアトマイザーに入れられていて紛らわしいが、まさかどっちがどっちか紙に書いて貼り付けるわけにも行くまい。
そのうちにメインの皿が空いて戻ってくる。ホールの方は順調らしい、と思ったその時、鏑木君がドリンクのオーダーを取るのはこれが初めてだと気づいた。
鏑木君ちょっと、と呼び止めてまたバーカウンターの隅へ行く。
「ドリンクのオーダーだけど、失礼いたします、食後のお飲み物は、紅茶かコーヒーがお選びいただけます。どちらになさいますか?って、ゆっくり訊いてね」
ほんの一瞬、面倒くせえな、という影が鏑木君の目を過ぎる。だが、そういう影に怯んでいてはバイトの教育はできない。「いっかい言ってみて」
「失礼いたします食後のお飲み物は」
「棒読みじゃなくて。ちゃんと丁寧に」
「失礼いたします食後の」
「もっとゆっくり」
ここでこらえ切れずに波多野さんが笑い出した。
「鏑木くん、今までお客さんに話しかけたことないやろ。食後酒のオーダーもあるかもしれんし、北澤くんに行ってもらった方がいいんちゃう?」
波多野さんの言うことはまともだ。ただ、それは今日の北澤君がまともであることを前提としての話だ。
「今日の北澤君は、残念ながら使いものにならないので」私はそう言ってから鏑木君を振り返った。「だから君に頼む。ゆっくり丁寧に、お客様に伝わるように話して」
鏑木君は瞬時に笑顔に戻り、わかりました、と返事をした。
捩じれてきている、と私は思った。だが、元に戻す余裕はなかった。
「…じゃ、倉田さん、お願いしゃす」
厨房に戻った私は、颯太君の信頼しきった目顔に見送られて、デザートワゴンをホールへ運んで行った。
シャリオドールはスタッフに恵まれている。腕のいいシェフ、シェフと馬の合う几帳面なスー・シェフ(シェフは腕はいいがあれこれ丼勘定なので、スー・シェフがその辺をきちっと締めてくれるのは助かる)、ベテランのソムリエ(性格に難はあるが仕事は素晴らしい)、行き届いた受付とバルマンを兼任するのが波多野さん。そして、パティシエの颯太君(彼をシャリオドールに呼んだのは他ならぬ私なのだが、見込んだ以上の才能を発揮してくれている)。見習いの斉藤君はまだ日が浅いが、シェフもスー・シェフも「真面目でいい子」だと口を揃えている。
ただ一人問題児と言えるのは、ギャルソンの鏑木君だ。まだ学生でしかもアルバイトだから、私も幾らか大目に見ている面はある。皿が平行に持てずソースを偏らせてしまうとか、お客様の態度が気に入らないとそれが露骨に顔に出るとか、色々と物申したいことはあるのだが、詰めすぎるとバイトの子はすぐ辞めるから、と、波多野さんに釘を刺されている。
私はこれまで、(鏑木君を除けば)彼らの仕事に不安を感じたことは一度もなかった。その夜も、鏑木君と二人で主にホールの準備をしていた私には、いつもと違う様子は何もないように思えた。
ところが、オープン早々でオードブルの提供がもたついた。
鏑木君がカウンター前に突っ立って皿待ち状態になり、厨房では広瀬君と森川シェフが黙々と手を動かしている(そして斉藤君が居たたまれない様子でそれを見守っている)。お客様のテーブルの上では、アペリティフのグラスもアミューズの皿もからっぽになっていた。
シェフの段取りが狂うのは珍しいが、レストランにハプニングは付き物だ。
「北澤君、オードブル遅れる。グラスシャンパンの無料サービスお願いします」
お客様にゆっくりくつろいで待っていただければ、我々ホールスタッフも慌てずに済む。
ところが、そうやってようやくオードブルを出し終えたと思ったら、今度はソムリエに異変が起きた。北澤君がサービスワゴンの傍で棒立ちになっている。バイトの鏑木君じゃあるまいし、手が空いたからと言ってぼうっと立っていられては困る。
声を掛けてみて私は仰天した。他のお客様がボトルで頼んだシャンパンを、無料サービスの時に間違えて注いで回ったという。
何年ソムリエやってるんですか、と叫びそうになったがどうにか堪えた。「ボトルでオーダーされたのに、お客様のテーブルじゃなくワゴンに置いたんですか? いやそれにしても、ラベルとかボトルを持った感じとかで、ふつう気がつくでしょう?」
「いやそれが、ロデレールの今の在庫って定番ラベルじゃなくて、限定版のポップなデザインに変わってて」
これは駄目だ、駄目すぎて私にはフォローできない。「さすがに自腹案件ですよ。とりあえず同じシャンパーニュ開けて、オーダーされたお客様のテーブルに置いてきて」
厨房へ行って北澤君の駄目さ加減をシェフに報告すると、シェフは手を止めずに少し考えてからこう言った。「とりあえずワインのサービスは最後まで北澤に任せるしかない。デセールの提供は、相原くんに行ってもらう」
「は? え、いや無理っしょ、無理っすよ」
厨房の奥からは怯えた齧歯類を思わせるリアクションが返ってきた。
「無理っすよって言われてもさ。今の北澤よりは君のほうがマシにやれそうなの。運んで行って、切るだけだよ。普段もっと細かい仕事、難なくこなしてるじゃん」
シェフとパティシエの会話を聞きながらホールの様子を確認すると、鏑木君が如才なく水を注いで回っていた。
私は、故あって颯太君のことは、彼が生まれた時から知っている。実を言うと、彼は私の大親友の一人息子なのだ。そして何より(これはなかなか誇らしいことなのだが)、色々あって颯太君が学校に行けなくなった時、我が家に呼んでお菓子作りの手ほどきをしたのが私の妻、瑞希だった。
昔から極度の人見知りで、吃音にも悩んでいた(今の金髪と軽そうな喋り方は、実はその吃音対策でもあるらしい)。人前でのパフォーマンスは、颯太君の最も苦手とするものだ。
なので私はシェフに、良ければ私がやりましょうか、と言った。
シェフは一瞬、微妙な顔をしたが、私が笑顔で頷くと納得してくれたようだった。
「倉田さん、マジ助かるっす」
颯太君は珍しく奥から顔を出して私のほうへ頭を下げた。
よしよし、任せてくれ。私は再び笑顔で頷き、颯太君は引っ込んだ。
厨房は斉藤君を戦力外にしてフル回転し、何とか料理の提供に遅れはなくなっていた。斉藤君は気の毒だが、厨房の二人が後でフォローしてくれるだろう。メイン料理の最初の一皿、鰆のコンフィを運び終えると、私は鏑木君をバーカウンターの隅に呼んだ。
「そういうわけで、鴨の片付けと食後のドリンクのオーダーは鏑木くんに任せるから」
鏑木君は二、三度大きく頷き、「わかりました」とはっきり返事した。
「倉田さん、あれほんまに大丈夫ですか?」
鏑木君を先にホールに戻らせたタイミングで、黙って聞いていたらしい波多野さんが疑わしそうに言った。
「大丈夫でしょう。鏑木君も成長してますから」
思わず、事実ではなく願望を口にしてしまった。この店で一番ちゃんとした常識人は間違いなく波多野さんだ。彼女が危ぶんでいるという事実だけは、しっかりと心に留めなければ。
メイン二皿目、鴨の燻製の提供が始まる。
赤ワインをサーブしている北澤君の動線に鏑木君が被ってぶつかりかける場面にひやりとするが、鏑木君の反射神経が良かったおかげで惨事は回避される。この「何々のおかげで回避された」というのは往々にして「何々のせいで回避しきれなかった」になりがちだ。私は初めて不安を覚えた。
今はやむを得ない。私はデセールの準備のために厨房へ行くことにし、駄目ソムリエと問題児のギャルソンをホールに残した。
「これがブッシュ・ド・ノエルす。いちばん出ると思うんで多めにつくってて」
颯太君の説明を聞きながらデザートワゴンを準備する。上段にカット前の五種類を一皿ずつ見本として並べ、空いたところにカット用のナイフをセットする。その下にそれぞれのデセールを並べておき、お客様の選んだものをテーブルの上でカットする。デコレーションパーツが既に載った状態なので、先にパーツを除けて、切った後に戻す方が良さそうだった。余計な時間はかかるが仕方がない。
「あと今日リキュールが二種類あるんす。紅茶のがブッシュ・ド・ノエルで、コーヒーのがカフェ・ショコラ。紅茶のほうがちょい色薄いんで、それで見分けて下さい。お酒を飲まれてないお客様にはアルコール大丈夫か確認してから、切る前でも切った後でもどっちでも、アトマイザーでシュッてしてもらえればいいんで」
ここで再び不安を覚えた。ホールの連中ではなく自分自身に。私は今年で五十二歳になるのだが、油断すると最近いろいろ忘れる。紅茶がブッシュ・ド・ノエル、コーヒーがカフェ・ショコラ。どちらもデザインのまったく同じアトマイザーに入れられていて紛らわしいが、まさかどっちがどっちか紙に書いて貼り付けるわけにも行くまい。
そのうちにメインの皿が空いて戻ってくる。ホールの方は順調らしい、と思ったその時、鏑木君がドリンクのオーダーを取るのはこれが初めてだと気づいた。
鏑木君ちょっと、と呼び止めてまたバーカウンターの隅へ行く。
「ドリンクのオーダーだけど、失礼いたします、食後のお飲み物は、紅茶かコーヒーがお選びいただけます。どちらになさいますか?って、ゆっくり訊いてね」
ほんの一瞬、面倒くせえな、という影が鏑木君の目を過ぎる。だが、そういう影に怯んでいてはバイトの教育はできない。「いっかい言ってみて」
「失礼いたします食後のお飲み物は」
「棒読みじゃなくて。ちゃんと丁寧に」
「失礼いたします食後の」
「もっとゆっくり」
ここでこらえ切れずに波多野さんが笑い出した。
「鏑木くん、今までお客さんに話しかけたことないやろ。食後酒のオーダーもあるかもしれんし、北澤くんに行ってもらった方がいいんちゃう?」
波多野さんの言うことはまともだ。ただ、それは今日の北澤君がまともであることを前提としての話だ。
「今日の北澤君は、残念ながら使いものにならないので」私はそう言ってから鏑木君を振り返った。「だから君に頼む。ゆっくり丁寧に、お客様に伝わるように話して」
鏑木君は瞬時に笑顔に戻り、わかりました、と返事をした。
捩じれてきている、と私は思った。だが、元に戻す余裕はなかった。
「…じゃ、倉田さん、お願いしゃす」
厨房に戻った私は、颯太君の信頼しきった目顔に見送られて、デザートワゴンをホールへ運んで行った。
あなたにおすすめの小説
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
僕の恋人は、超イケメン!!
八乙女 忍
BL
僕は、普通の高校2年生。そんな僕にある日恋人ができた!それは超イケメンのモテモテ男子、あまりにもモテるため女の子に嫌気をさして、偽者の恋人同士になってほしいとお願いされる。最初は、嘘から始まった恋人ごっこがだんだん本気になっていく。お互いに本気になっていくが・・・二人とも、どうすれば良いのかわからない。この後、僕たちはどうなって行くのかな?
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
君に望むは僕の弔辞
爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。
全9話
匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意
表紙はあいえだ様!!
小説家になろうにも投稿
Take On Me
マン太
BL
親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。
初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。
岳とも次第に打ち解ける様になり…。
軽いノリのお話しを目指しています。
※BLに分類していますが軽めです。
※他サイトへも掲載しています。
キスの仕方がわかりません
慶野るちる
BL
全寮制男子校に入学した市原はクラス委員長になったため書類を提出しに生徒会室に行くと、そこに一人いた、初対面の副会長の近藤に襲われてしまう。
混乱するも相部屋の同級生・松川に助けられて元気を取り戻したある日、生徒会長の桜野から仕事を手伝って欲しいと依頼される。
最初は近藤に無視されていたが手伝う中で近藤から告白され、近藤への印象が少しずつ変わっていく市原だが。
表紙:Photo by Markus Spiske on Unsplash / powered by かんたん表紙メーカー様
その首輪は、弟の牙でしか外せない。
ゆずまめ鯉
BL
養子ゆえに、王位継承権を持たないオメガで長男のレイン(24)は、国家騎士団として秘密裏に働き、ただ義弟たちを守るためだけに生きてきた。
第一継承権を持つアルファで次男のリオール(19)は、そんな兄に「ごく潰し」と陰口を叩く連中を許せなかった。自分を犠牲にしてまで守る価値はないと思っていた。なにかと怪我の多い国家騎士団を辞めさせたかった。
初めて訪れた発情期のとき。約束をすっぽかされたリオールが不審に思い、兄の部屋へ行くと、国家騎士団の同僚──グウェンソード(28)に押し倒されるところを目撃して激高する。
「今すぐ部屋から出ろ!」
独占欲をあらわにしたリオールは、グウェンソードを部屋から追い出し、兄であるレインを欲望のままに抱いた。
翌朝、差し出されたのは特注の首輪──外せるのはリオールのみ。
「俺以外に触らせるな」
そう囁かれたレインは、何年も首輪と弟の執着に縛られ続けてきた。
弟には婚約者がいるのに、こんな関係を続けてもいいのか。
本当にこのままでもいいのか。
ひたすら執着して独占したがる弟と、罪悪感に苛まれる兄。
その首輪は、いつか弟の牙で血に染まるのか──。
どうにかしてレインを落としたいリオールと、弟との関係に悩むレインのオメガバースです。
リオール・グランケット(19)×レイン・グランケット(24)
※この作品は2015年頃に本文を書き、2017年頃にオメガバースに改稿、さらに2026年に手直しした作品になります。読みにくいかもしれません。ご了承ください。
三人称ですが攻めだったり受けだったり視点がよくかわります。攻め視点多めです。