最強転生者が神になるまで

甲斐源氏

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ナギトールのダンジョン(1)

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 翌朝、朝食を食べた後、オレ達はダンジョンに向かった。この街のダンジョンはまだ踏破されていない。最高到達が37階層だ。何階層まであるかすらわかっていない。それに、不定期で中の地形や魔物が変化するらしい。そのため、難易度が高いダンジョンに指定されている。


「ダンジョンに行くのに買い出しはしなくていいのかにゃ?」

「ああ、それは心配ないさ。」


 前日、ギルドの帰りにローザの武器も買った。ローザは弓の経験があるらしく弓矢を選んだ。


「ケン。ローザ。いよいよにゃ。お宝、お宝。」

「ミレイ姉の目がお金になってる~!」


 同じ部屋に寝たのが良かったのか、ローザが少し打ち解けてきた。


「結構人が多いんだな。」

「みんなお宝目当てにゃ!」


 ダンジョンの入り口にはすでに大勢の冒険者達がいた。順番待ちだ。そして、いよいよオレ達の番が来た。中に入ると階段があり、それを下っていく。


「ケン兄。ダンジョンの中って意外と明るいね。」

「そうだな。ただ、罠なんかがあるから注意しないとな。」

「うん。」


 確かに意外と明るい。1階層を探したが、冒険者達がたくさんいて宝箱もないし、魔物もいなかった。2階層、3階層と進むが同様だ。そして、6階層までくるとさすがに冒険者の数が減ってきた。当然、魔物とも遭遇する。


「ミレイ。前からゴブリンが5体来るぞ! ローザも弓矢を準備しろ!」

「うん。」

「わかったにゃ。」


 さすがに5体のゴブリンでは相手にならない。あっという間に倒してしまった。ゴブリンが光の粒子になって消えた後、光る石が落ちていた。


「ケン。これ、魔石にゃ。ダンジョンでは外と違って、魔物を討伐すると魔石を落とすにゃ。」

「なるほどね。なら、討伐した魔物の魔石はオレが預かっておくよ。」

 
 オレは魔石を預かって空間収納に仕舞った。そして順調に9階層まで進んだところで、その日は終了することにした。


「ケン。ダンジョンの中では交代で休むにゃ。なら、最初にローザが休め、オレが次、最後がミレイだ。3時間交代な。」

「分かったにゃ。でもその前にお腹が空いたにゃ。」

「私もお腹空きま、空いたで、空いた。」


 なんか敬語を必死でやめようとしているローザが可愛い。思わずローザの頭をなでてしまった。すると、ミレイが反発する。


「ケン! ずるいにゃ! 僕の頭もなでなでするにゃ!」


 オレは頭をなでるというより耳をモフモフした。すると、ミレイの様子がおかしい。


「ダメにゃ。ケン。そこはダメにゃ。」


 オレは慌てて耳から手を離した。


「ケン。獣人族の耳は夫婦が触るところにゃ。」


 ミレイが何を言いたいのかすぐにわかった。オレは、誤魔化すように空間収納から干し肉を取り出した。


「当分これで我慢してくれ。」


 すると、ローザが驚いていった。


「ケン兄! 今どこから出したの? もしかして空間収納の魔法も使えるの?」

「まあね。」

「なんか、ケン兄。すごすぎ。冒険者ランクはSなの?」

「いいや、Fだよ。」

「え————! 信じられない!」

「ケンは目立たないようにしてるから仕方ないにゃ。」

「そうなの?」


 干し肉を食べた後、順番通り休憩に入ることにした。


“リン。ゆっくり休む方法ないかな~?”

“結界を張ることをお勧めします。マスターの結界は強いですので、魔物は中には入れません。”


 一応、オレは頭に浮かんだ結界の魔法を自分達の周辺に発動しておいた。翌朝、ミレイに起こされ、干し肉を食べた後10階層に向かった。10階層はボス部屋のようで大きな扉があった。中に入るとゴブリンキングがいた。


「ローザは後ろから弓矢で目を狙って攻撃。ミレイは剣で足を狙って攻撃だ。行くぞ!」

「うん。」


 ローザが一生懸命に矢を放つがなかなか命中しない。すべて、ゴブリンキングに叩き落されてしまう。ミレイも足を狙って攻撃するが、逆に大きく蹴り飛ばされた。


“2人に魔法を付与できればな~。”

“付与魔法は普通手持ちの武器にするものですが、試してみますか?”

“やってみるよ。”


 オレは頭に浮かんだ魔法を2人に付与した。『身体強化』の魔法だ。付与の仕方は簡単だった。付与したい相手の額に手を当て、付与したい力を想像しながら魔力を流すだけだ。


「ケン。何をしたにゃ。急に額に手なんか当てて。」

「2人とももう一度攻撃してごらん。そうすればわかるさ。」


 2人がもう一度同じ攻撃をする。先ほどとは桁違いの速さで矢が放たれた。矢がゴブリンキングの目に突き刺さる。


「ギャー」


 ゴブリンキングがよろめいた。その隙に、目にも止まらぬ速さでミレイがゴブリンキングの足に切りつけた。ゴブリンキングの足からは血が噴き出し、ゴブリンキングはその場に倒れた。


「ドサッ」

「ミレイ! 止めを!」

「分かったにゃ。」


 ミレイが高くジャンプして、ゴブリンキングの頭を切り落とした。


「ふ~!」


 2人が戻ってきた。


「よく頑張ったね。2人とも。」

「うん。ケン兄が額に手を当ててから、矢がすごく速く飛んだの。しかも正確に。」

「僕も全然速く動けたにゃ。でも、何をしたにゃ?」

「身体強化の魔法を付与しただけさ。」

「凄いにゃ~!」

「ありがとう。ケン兄。」


 その後、11階層に降りるとコボルトがいた。コボルトはゴブリンに比べて体が大きく、動きが速い。


「ミレイもローザも魔法は使わないのか?」

「使わないんじゃなくて、使えないにゃ。」

「私は水魔法なら少し使える。」

「ミレイは魔力がないのか? それとも適性がないのか?」

「魔力はあるにゃ。適性は火にゃ。でも、使い方が分からないにゃ。」

「なら、せっかくダンジョンにいるんだから、オレが教えるよ。」

「本当にゃ? ケン大好きにゃー!」


 ミレイが抱き着いてきた。柔らかいものがオレの右手に当たっている。左手には固いものが当たっている。見ると、ローザが同じように抱きついていた。どちらもかわいい。
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