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勇者と冥王のママは暁を魔王様と
第一章・次代の王2
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その日の夜。
ゼロスを寝かしつけた後、私は本殿の寝所に入りました。
もちろんハウストと二人きりの時間を過ごす為です。
「お待たせしました」
「ブレイラ、待っていたぞ」
ハウストは読んでいた書類をテーブルに置いて迎えてくれる。
私の腰に手を回して抱き寄せ、唇に口付けを一つ。
私もお返しの口付けをして、呼吸が交わる近い距離で見つめあう。
「明日の書類ですか?」
「ああ、会議の最終確認だ。お前も準備は終わっているのか?」
「もちろんですよ。何度経験しても緊張する会議ですから」
明日のハウストの予定は四大公爵会議。私は四大公爵夫人会議。会議の議題は魔界にとって重要案件ばかりです。
「お仕事の邪魔をしてしまいましたか?」
「いいや、もう終わっている。お前を待っていたところだ」
「では丁度良かったんですね。紅茶でも淹れましょうか」
「頼む」
「はい」
私は紅茶を淹れてハウストの側に戻りました。
テーブルには二人分の紅茶です。就寝前にハウストと二人きりのお茶の時間を過ごせることは嬉しいことでした。
「どうぞ」
「ありがとう」
ソファに座っているハウストの隣に座ります。
互いの温もりを感じる近い距離。互いに多忙な日々を過ごす中、一日のうちで一番ほっとできる時間です。
紅茶を一口飲んで、隣のハウストをちらりと見上げる。
すると目が合って、優しい鳶色の眼差しに顔が綻ぶ。
今日のあなた、とても嬉しそうでした。
「明日からの会議は緊張しますが、今日はクロードに会えて嬉しかったですね」
「そうだな」
「とても可愛い赤ちゃんでした。きっと立派な魔王になります」
「ああ、潜在能力も申し分ない。ゆくゆくは四界の王の名に恥じない力を持つだろう」
「はい」
魔界の姫であるメルディナの魔力の強さは私もよく知っています。二年前の冥界創世時、その力に助けられたことは忘れていません。
私はハウストに世継ぎを残すことは出来ないけれど、クロードが誕生して魔界に正当な後継者ができたことに安心しました。身勝手なことだと分かっているけれど今は心からの感謝と喜びしかありません。
「メルディナには重責だったことでしょう。大変な役目を課していました」
「まあな。だが、それも終わった。メルディナは重責を果たしたんだ。クロードの養育には俺も力を惜しまない」
「はい。私も出来る限りのことをします」
「是非頼む。メルディナも喜ぶだろう」
そう言ってハウストが私の額に口付けを一つ。
なんだか照れ臭いですね。
私もお返しに彼の鼻にちょんと口付けて笑いかけました。
「それにしても、あのメルディナが母親になったなんて。少女のような印象が抜けないので不思議な感じです」
メルディナと初めて会った時のことを覚えています。私が初めて魔界に来た時にハウストから紹介されました。第一印象は互いに最悪で、とても嫌味で生意気な少女でした。顔を合わせれば必ずといっていいほど喧嘩をしていましたから。
今でもメルディナの生意気なところは変わっていませんが、それでも以前と違っているのは二年前の冥界創世の時から彼女が私に甘えるような素振りを見せるようになったこと。信頼されたと受け取っていいのでしょうね、私も彼女を可愛いと思えることが増えてきました。もちろん相変わらず生意気ですが。
「ゼロスも喜んでいましたね。あの子、赤ちゃんに触る時、とても緊張していておかしかったんですよ」
今日のことを思い出して口元が綻んでいく。
初めての赤ん坊に緊張するゼロスはとても可愛かったです。つい二年前までゼロスも、ちゅちゅちゅ、と指吸いばかりしている赤ちゃんだったのですが、きっと本人は覚えていないのでしょうね。
「イスラも初めてゼロスを見た時はとても緊張していました。今ではゼロスに剣術や体術の指導もしてくれていますが、少し厳しくすると『おてて、いたい~』とゼロスが駄々をこねると困っていましたよ」
「…………あれは甘ったれだからな」
「はい、困ったものです」
甘える顔はとても可愛いんですけどね、冥王が甘えん坊というのも困りものです。
でもクロードが誕生したことでゼロスも年上の自覚が芽生えてくれるかもしれません。イスラもゼロスが誕生してからやたらと兄上だということを意識していましたから。
「今日、クロードが来てくれたのは丁度良かったです。イスラにもクロードに会わせてあげられますから」
「イスラが帰ってくるのか?」
「はい、お手紙が届きました。明日の夕方までには魔界に帰って来てくれます」
イスラは一週間前から人間界に行っていました。相変わらず人間界のどこへ行っているのか分かりませんが、魔界と人間界を行ったり来たりしています。私はどうしても寂しさを覚えてしまいますが、これはイスラにとって必要なことと思って我慢です。
ああ、でも明日が待ち遠しくて口元が緩んでしまう。
しかし隣からハウストの視線。
振り向くと唇に口付けられる。
「……なんです、いきなり」
「ニヤニヤしていたから口を塞いだ」
「ニヤニヤとは失礼ですね。ニコニコです」
「……そういう事にしておこう」
ハウストは小さく苦笑すると、また私に口付けてくれる。
唇、頬、鼻、耳へと口付けられて、そのまま首へと降りていく。
首元の柔らかな肌に甘く歯を立てられながら、寝衣の裾がゆっくりと捲りあげられていきました。
素足に外気を感じてなんだかくすぐったい。
「ハウスト……、くすぐったいですよ」
本当はそれだけではないのですが素直に認めるのは恥ずかしい。
乱されてしまえばそんなことを思う余裕なんてなくなるのも分かっていますが、まだ素面の状態だというのに、そんな……。
顔が熱くなって、そっと目を逸らす。
そんな私の目元にハウストは唇を寄せる。
ちらりとハウストを見ると、彼は苦笑していました。
「これはお前の様式美か? 照れ隠しだということは分かっているが、たまには最初から乱れるところも見てみたい気がするぞ」
「…………私に、そんな破廉恥な真似をしろと?」
「興味がある。潔癖なお前が抱かれることしか考えられなくなるくらい乱れる姿が見てみたい」
「馬鹿なことを」
むっとして答えるとハウストが喉奥で笑う。
でも不意に笑いを引っ込めて、私を真剣な面差しで見つめます。
「ブレイラ、知っているか?」
「……なんですか?」
「最近、王都の一部の若者の間に媚薬が出回っているらしい」
「媚薬?!」
驚いて目を丸めました。
び、びび媚薬とは、あの媚薬のことですよね?!
あの体を興奮させて、相手をその気にさせるような、この上なくいかがわしくて破廉恥な薬……。私も薬師をしていたので知っています。作ったことはありませんが、色事で使う興奮剤のことですよね!
「そんな物が出回っていて大丈夫なんですか?! なにか危険なことになっているとか……」
「出回っている物なら大丈夫だ。そこそこ効くらしいが調べさせたら依存性も認められない遊びのような薬だった。合法内だと思っていいだろう」
「そうですか、それなら、まあ……」
理解できたわけではありませんが、遊びでも刺激を必要とする方々もいるのでしょう。調査済みで合法内なら特に問題視することはありません。
「そこでだ。どうしてこんな話しをしたと思う」
「どうしてって……、どうしてですか?」
意味が分からず問い返すと、ハウストはニヤリと口端を吊り上げました。
そして彼の目線が先ほどまで飲んでいた紅茶に向けられる。
意味ありげなそれに首を傾げるも……。
「っ、まさかっ……!」
「さっきの紅茶に混ぜたと言ったらどうする?」
「なんてことをっ!」
思わず彼を押しのけようとする。
でもその前に両手を掴まれ、ソファの背に縫い付けられてしまう。
抵抗したくてもハウストの力は強くて振り払うことはできません。
ハウストは喉奥で笑うと、呼吸が届くほど近くに顔を寄せてくる。
「どうだ、なにか変わったところは?」
「そ、そそ、そんなの知りませんっ」
「そうか、もう少し待ってみるか」
ハウストはそう言うと私の首元に顔を埋めました。
唇を寄せられる感触。舌が這い、強く吸われてぴくりと反応してしまう。
たったそれだけの愛撫なのに、いつもより感覚が鋭敏になっているような……。
ゼロスを寝かしつけた後、私は本殿の寝所に入りました。
もちろんハウストと二人きりの時間を過ごす為です。
「お待たせしました」
「ブレイラ、待っていたぞ」
ハウストは読んでいた書類をテーブルに置いて迎えてくれる。
私の腰に手を回して抱き寄せ、唇に口付けを一つ。
私もお返しの口付けをして、呼吸が交わる近い距離で見つめあう。
「明日の書類ですか?」
「ああ、会議の最終確認だ。お前も準備は終わっているのか?」
「もちろんですよ。何度経験しても緊張する会議ですから」
明日のハウストの予定は四大公爵会議。私は四大公爵夫人会議。会議の議題は魔界にとって重要案件ばかりです。
「お仕事の邪魔をしてしまいましたか?」
「いいや、もう終わっている。お前を待っていたところだ」
「では丁度良かったんですね。紅茶でも淹れましょうか」
「頼む」
「はい」
私は紅茶を淹れてハウストの側に戻りました。
テーブルには二人分の紅茶です。就寝前にハウストと二人きりのお茶の時間を過ごせることは嬉しいことでした。
「どうぞ」
「ありがとう」
ソファに座っているハウストの隣に座ります。
互いの温もりを感じる近い距離。互いに多忙な日々を過ごす中、一日のうちで一番ほっとできる時間です。
紅茶を一口飲んで、隣のハウストをちらりと見上げる。
すると目が合って、優しい鳶色の眼差しに顔が綻ぶ。
今日のあなた、とても嬉しそうでした。
「明日からの会議は緊張しますが、今日はクロードに会えて嬉しかったですね」
「そうだな」
「とても可愛い赤ちゃんでした。きっと立派な魔王になります」
「ああ、潜在能力も申し分ない。ゆくゆくは四界の王の名に恥じない力を持つだろう」
「はい」
魔界の姫であるメルディナの魔力の強さは私もよく知っています。二年前の冥界創世時、その力に助けられたことは忘れていません。
私はハウストに世継ぎを残すことは出来ないけれど、クロードが誕生して魔界に正当な後継者ができたことに安心しました。身勝手なことだと分かっているけれど今は心からの感謝と喜びしかありません。
「メルディナには重責だったことでしょう。大変な役目を課していました」
「まあな。だが、それも終わった。メルディナは重責を果たしたんだ。クロードの養育には俺も力を惜しまない」
「はい。私も出来る限りのことをします」
「是非頼む。メルディナも喜ぶだろう」
そう言ってハウストが私の額に口付けを一つ。
なんだか照れ臭いですね。
私もお返しに彼の鼻にちょんと口付けて笑いかけました。
「それにしても、あのメルディナが母親になったなんて。少女のような印象が抜けないので不思議な感じです」
メルディナと初めて会った時のことを覚えています。私が初めて魔界に来た時にハウストから紹介されました。第一印象は互いに最悪で、とても嫌味で生意気な少女でした。顔を合わせれば必ずといっていいほど喧嘩をしていましたから。
今でもメルディナの生意気なところは変わっていませんが、それでも以前と違っているのは二年前の冥界創世の時から彼女が私に甘えるような素振りを見せるようになったこと。信頼されたと受け取っていいのでしょうね、私も彼女を可愛いと思えることが増えてきました。もちろん相変わらず生意気ですが。
「ゼロスも喜んでいましたね。あの子、赤ちゃんに触る時、とても緊張していておかしかったんですよ」
今日のことを思い出して口元が綻んでいく。
初めての赤ん坊に緊張するゼロスはとても可愛かったです。つい二年前までゼロスも、ちゅちゅちゅ、と指吸いばかりしている赤ちゃんだったのですが、きっと本人は覚えていないのでしょうね。
「イスラも初めてゼロスを見た時はとても緊張していました。今ではゼロスに剣術や体術の指導もしてくれていますが、少し厳しくすると『おてて、いたい~』とゼロスが駄々をこねると困っていましたよ」
「…………あれは甘ったれだからな」
「はい、困ったものです」
甘える顔はとても可愛いんですけどね、冥王が甘えん坊というのも困りものです。
でもクロードが誕生したことでゼロスも年上の自覚が芽生えてくれるかもしれません。イスラもゼロスが誕生してからやたらと兄上だということを意識していましたから。
「今日、クロードが来てくれたのは丁度良かったです。イスラにもクロードに会わせてあげられますから」
「イスラが帰ってくるのか?」
「はい、お手紙が届きました。明日の夕方までには魔界に帰って来てくれます」
イスラは一週間前から人間界に行っていました。相変わらず人間界のどこへ行っているのか分かりませんが、魔界と人間界を行ったり来たりしています。私はどうしても寂しさを覚えてしまいますが、これはイスラにとって必要なことと思って我慢です。
ああ、でも明日が待ち遠しくて口元が緩んでしまう。
しかし隣からハウストの視線。
振り向くと唇に口付けられる。
「……なんです、いきなり」
「ニヤニヤしていたから口を塞いだ」
「ニヤニヤとは失礼ですね。ニコニコです」
「……そういう事にしておこう」
ハウストは小さく苦笑すると、また私に口付けてくれる。
唇、頬、鼻、耳へと口付けられて、そのまま首へと降りていく。
首元の柔らかな肌に甘く歯を立てられながら、寝衣の裾がゆっくりと捲りあげられていきました。
素足に外気を感じてなんだかくすぐったい。
「ハウスト……、くすぐったいですよ」
本当はそれだけではないのですが素直に認めるのは恥ずかしい。
乱されてしまえばそんなことを思う余裕なんてなくなるのも分かっていますが、まだ素面の状態だというのに、そんな……。
顔が熱くなって、そっと目を逸らす。
そんな私の目元にハウストは唇を寄せる。
ちらりとハウストを見ると、彼は苦笑していました。
「これはお前の様式美か? 照れ隠しだということは分かっているが、たまには最初から乱れるところも見てみたい気がするぞ」
「…………私に、そんな破廉恥な真似をしろと?」
「興味がある。潔癖なお前が抱かれることしか考えられなくなるくらい乱れる姿が見てみたい」
「馬鹿なことを」
むっとして答えるとハウストが喉奥で笑う。
でも不意に笑いを引っ込めて、私を真剣な面差しで見つめます。
「ブレイラ、知っているか?」
「……なんですか?」
「最近、王都の一部の若者の間に媚薬が出回っているらしい」
「媚薬?!」
驚いて目を丸めました。
び、びび媚薬とは、あの媚薬のことですよね?!
あの体を興奮させて、相手をその気にさせるような、この上なくいかがわしくて破廉恥な薬……。私も薬師をしていたので知っています。作ったことはありませんが、色事で使う興奮剤のことですよね!
「そんな物が出回っていて大丈夫なんですか?! なにか危険なことになっているとか……」
「出回っている物なら大丈夫だ。そこそこ効くらしいが調べさせたら依存性も認められない遊びのような薬だった。合法内だと思っていいだろう」
「そうですか、それなら、まあ……」
理解できたわけではありませんが、遊びでも刺激を必要とする方々もいるのでしょう。調査済みで合法内なら特に問題視することはありません。
「そこでだ。どうしてこんな話しをしたと思う」
「どうしてって……、どうしてですか?」
意味が分からず問い返すと、ハウストはニヤリと口端を吊り上げました。
そして彼の目線が先ほどまで飲んでいた紅茶に向けられる。
意味ありげなそれに首を傾げるも……。
「っ、まさかっ……!」
「さっきの紅茶に混ぜたと言ったらどうする?」
「なんてことをっ!」
思わず彼を押しのけようとする。
でもその前に両手を掴まれ、ソファの背に縫い付けられてしまう。
抵抗したくてもハウストの力は強くて振り払うことはできません。
ハウストは喉奥で笑うと、呼吸が届くほど近くに顔を寄せてくる。
「どうだ、なにか変わったところは?」
「そ、そそ、そんなの知りませんっ」
「そうか、もう少し待ってみるか」
ハウストはそう言うと私の首元に顔を埋めました。
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