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勇者と冥王のママは暁を魔王様と
第七章・勇者の左腕奪還大作戦15
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「ハウスト……?」
「……お前が俺の為に努めようとするのは嬉しい。だがお前が無理を重ねて、それが積もって、俺を面倒に思う心になる可能性があるなら、そんな努力はしなくていい。俺がお前に嫌われたらどうするんだ」
「……。えっと、それは……」
言葉が出てきませんでした。
だってそれは私の不安と似たものだったのです。
私も怖い。あなたの私への小さな不満足が降り積もって、それがいっぱいになってしまうのが怖いのです。
私は向かい合うハウストを見つめました。
少し迷いましたが、ずっと気になっていた事を聞いてみます。
「……そうは言いますが、あなた、一人で……してたじゃないですか」
忘れもしません。ハウストは私を抱いた後も昂ぶったままで一人で処理していましたよね。冷水を浴びて体は冷えていたのに彼のものは熱をもったままでした。
「気付いてたのか……」
「当たり前ですっ」
勢いよく答えながらも視線が落ちてしまう。
沈黙が落ちましたが、ハウストがため息をつきました。
そのため息に唇を噛みしめます。やはり、思っていた通りハウストは満足していなかったのです。
でも次の瞬間、ハウストに正面から抱きしめられました。そして。
「ブレイラ、話し合うぞ」
「えっ……」
思いがけない提案にハウストを見上げました。
すると目が合って、目元に口付けを一つ。
ハウストは私を見つめたまま言葉を続けます。
「これは俺とお前の問題だ。お前一人が我慢するものではないだろう。俺だって出来れば我慢したくない」
ハウストはそう言うと、私を抱きしめたまま「そうだな……」となにやら考えだしました。
少しして私を見つめて提案します。
「俺はひと晩に五回希望だ。五回はしたい」
「ご、五回っ……。それって、今晩みたいな、ですか?!」
今夜は休む間も与えられずに抜かずに五発……。口でもしましたから、その分を入れると……、ああ考えたくないです。思い出すと疲労が押し寄せて眩暈がしました。
「ま、待ってくださいっ。あんなの毎晩されたら私の体が壊れてしまいます!」
「そうか、それは困るな……」
「そう、困りますよねっ。だからひと晩二回くらいでお願いします」
「二回だと?!」
「わあっ!」
ビクッとする。いきなり大きな声を上げないでください。
でもハウストは驚愕に目を見開いて呆然としていて、……そんなに驚くことですか。
「…………二回は少なすぎないか?」
「そうでしょうか。あと連日というのも、ちょっと……。三日以上続けてすると、さすがに体が……」
「…………。なあ、ブレイラ」
いつになく真剣な顔でハウストが私を見ました。
息が詰まりそうなほどの緊張感と真剣さで、まるで困難な政務に取り掛かっている時のような顔です。
私も緊張してハウストと真剣に向き合います。
「なんでしょうか」
「歩み寄りの大切さについて考えたことがあるか?」
「歩み寄り……」
「そうだ。和解や和平とは、互いの歩み寄りによって実現するものだ。歩み寄りこそ平和の基礎であり始まり。歩み寄りの心は、多くの諍いを調停し、未来永劫に続く平和の導き手となるだろう」
ハウストは真摯な面差しで、熱く真剣に重々しく語りました。
…………なんでそんなに必死なんですか。
とても壮大でかっこいいことを語っていますが、議題は『夜の回数』ですよ。
これって要するに私も少しは妥協しろと言いたいのですよね。まさか魔王に和解と歩み寄りの大切さについて語られてしまうなんて。
私も、うーん、と考えて歩み寄りを見せることにします。たしかにひと晩二回までというのは締め付け過ぎかもしれません。
「では、三回でいかがでしょうか」
「三回……」
「……ぅ、それじゃあ、三回に、口でするのも追加でっ……!」
「口も追加か……」
ハウストの顔に迷いが生じました。
あとひと押しのようです。何か特別な提案をして一気に押し切りたい。
「ハウスト、ならば例外も作りましょう」
「例外だと?」
「はい。いい雰囲気で盛り上がっている時は、この決め事のことは忘れても良いという事にしましょう」
「なるほど、雰囲気に流されたい時もあると、そういう事だな」
「そう、それです。そういうのも時には大事ですよね」
そう、私だって特別に乱れたくなる夜があるのです。そういう雰囲気というか、気分というか、とにかく盛り上がって流されたくなる時もあるのです。
「わかった、いいだろう。その例外も認められるなら三回と口の条件を飲もう」
「ありがとうございます。理解していただいて感謝します」
「いや、俺こそ判断に感謝する」
私たちは真面目な顔で見つめ合って頷き合いました。
決まりましたね、私たちのこれからの夜の決まり事。私たちの歩み寄りは完璧です。
「ハウスト、大好きですからね」
見つめ合ったままハウストの頬に口付けました。
ハウストもお返しの口付けをしてくれて、なんだかくすぐったい心地です。
恥ずかしくて目を伏せると、それを追うように目元に口付けられました。彼を見つめると、また目元、鼻先、頬、額、順に口付けられます。
いけません、口元がむずむずして緩んでしまいます。照れくさくて、嬉しくて、気持ち良くて、どうしても口元が緩んでしまうのです。
互いに口付けを交わしながらハウストを見つめました。
「ハウスト、今回も助けていただいてありがとうございます。あなたには、たくさん心配をかけて、迷惑をかけて、困らせていますね……」
「自覚しているのか」
「……当たり前です。常に恐ろしく思っています。……今度こそ、あなたに嫌われてしまうんじゃないかと」
私はまっすぐにハウストを見つめて言葉を続けます。
「私はあなたに嫌われたら、きっと心が潰れるほどの悲しみに暮れるでしょう。きっと生きていけないほどの悲しみです。……ですが、イスラとゼロスの為に私は生きねばなりません。どうか嫌わないでください」
「お前……」
ハウストが私を凝視しました。
ハウストは呆れたような、驚いたような、複雑な顔をしています。
「……知っているか? 魔族や人間の中には、お前のことを慈愛の王妃だと称える者がいる。心は空より広く、慈しみは海より深いと」
「えっ、そうなんですか? 照れるじゃないですか。それは褒めすぎというものですよ……」
目元が熱くなりました。
ハウストの統べる魔族やイスラの統べる人間に褒めていただけるのは嬉しいこと。「私には勿体ないことです」と謙遜しつつも頬がにまりと緩んでしまいますよ。
ああ恥ずかしい、両手で頬を押さえました、が。
「そうだな、お前は結構ワガママだからな」
ハウストが頷きながら言いました。
………………。
…………ん?
「……あの、ハウスト」
声が低くなってしまいました。
ワガママとはどういう事です。
じろりと睨むと、ハウストは「本当のことだろ」と続けます。
「お前はワガママだろ。面倒なところもあるし、俺に対して結構酷い奴だ」
「っ……、そんな事は……」
悔しくて唇を噛みました。
あなたがそう言うならそうかもしれませんが、だからといってそんなにはっきり言わなくてもっ……。
「怒るなよ。俺は悪い気がしていないんだ」
「ハウスト?……」
思わぬ返答に目をぱちくりさせました。
ハウストは少し意地悪な顔をします。
「お前が実はワガママで酷い奴だと知っているのは俺だけだ。そう思うと気分がいい」
ハウストはそう言ってニヤリと口角をあげました。
私の顔に手を伸ばして親指で頬を撫で、私の横髪を指で流して耳に掛けてくれます。
「お前は嫉妬深いし独占欲も強い。可愛いぞ」
「ッ、……うぅ~~、あなたという人はっ……、ああもうっ……」
すごいです、顔が熱いです。
人を貶しておいて、可愛いとか、いったいなんのつもりなのかっ。
私は熱くなった顔を隠したくてハウストに擦り寄りました。
そのままハウストに身を寄せて顔を伏せます。
「あなたは、ズルいです……」
ぼそりと文句を口にしてみるものの、それもハウストの唇に塞がれてしまう。
ダメだと分かっているのに、そんな場合じゃないというのに、…………この後も少し盛り上がってしまいました。
仕方ないですよね、私とハウストは仲良しなのです。愛しあっているのですから。
「……お前が俺の為に努めようとするのは嬉しい。だがお前が無理を重ねて、それが積もって、俺を面倒に思う心になる可能性があるなら、そんな努力はしなくていい。俺がお前に嫌われたらどうするんだ」
「……。えっと、それは……」
言葉が出てきませんでした。
だってそれは私の不安と似たものだったのです。
私も怖い。あなたの私への小さな不満足が降り積もって、それがいっぱいになってしまうのが怖いのです。
私は向かい合うハウストを見つめました。
少し迷いましたが、ずっと気になっていた事を聞いてみます。
「……そうは言いますが、あなた、一人で……してたじゃないですか」
忘れもしません。ハウストは私を抱いた後も昂ぶったままで一人で処理していましたよね。冷水を浴びて体は冷えていたのに彼のものは熱をもったままでした。
「気付いてたのか……」
「当たり前ですっ」
勢いよく答えながらも視線が落ちてしまう。
沈黙が落ちましたが、ハウストがため息をつきました。
そのため息に唇を噛みしめます。やはり、思っていた通りハウストは満足していなかったのです。
でも次の瞬間、ハウストに正面から抱きしめられました。そして。
「ブレイラ、話し合うぞ」
「えっ……」
思いがけない提案にハウストを見上げました。
すると目が合って、目元に口付けを一つ。
ハウストは私を見つめたまま言葉を続けます。
「これは俺とお前の問題だ。お前一人が我慢するものではないだろう。俺だって出来れば我慢したくない」
ハウストはそう言うと、私を抱きしめたまま「そうだな……」となにやら考えだしました。
少しして私を見つめて提案します。
「俺はひと晩に五回希望だ。五回はしたい」
「ご、五回っ……。それって、今晩みたいな、ですか?!」
今夜は休む間も与えられずに抜かずに五発……。口でもしましたから、その分を入れると……、ああ考えたくないです。思い出すと疲労が押し寄せて眩暈がしました。
「ま、待ってくださいっ。あんなの毎晩されたら私の体が壊れてしまいます!」
「そうか、それは困るな……」
「そう、困りますよねっ。だからひと晩二回くらいでお願いします」
「二回だと?!」
「わあっ!」
ビクッとする。いきなり大きな声を上げないでください。
でもハウストは驚愕に目を見開いて呆然としていて、……そんなに驚くことですか。
「…………二回は少なすぎないか?」
「そうでしょうか。あと連日というのも、ちょっと……。三日以上続けてすると、さすがに体が……」
「…………。なあ、ブレイラ」
いつになく真剣な顔でハウストが私を見ました。
息が詰まりそうなほどの緊張感と真剣さで、まるで困難な政務に取り掛かっている時のような顔です。
私も緊張してハウストと真剣に向き合います。
「なんでしょうか」
「歩み寄りの大切さについて考えたことがあるか?」
「歩み寄り……」
「そうだ。和解や和平とは、互いの歩み寄りによって実現するものだ。歩み寄りこそ平和の基礎であり始まり。歩み寄りの心は、多くの諍いを調停し、未来永劫に続く平和の導き手となるだろう」
ハウストは真摯な面差しで、熱く真剣に重々しく語りました。
…………なんでそんなに必死なんですか。
とても壮大でかっこいいことを語っていますが、議題は『夜の回数』ですよ。
これって要するに私も少しは妥協しろと言いたいのですよね。まさか魔王に和解と歩み寄りの大切さについて語られてしまうなんて。
私も、うーん、と考えて歩み寄りを見せることにします。たしかにひと晩二回までというのは締め付け過ぎかもしれません。
「では、三回でいかがでしょうか」
「三回……」
「……ぅ、それじゃあ、三回に、口でするのも追加でっ……!」
「口も追加か……」
ハウストの顔に迷いが生じました。
あとひと押しのようです。何か特別な提案をして一気に押し切りたい。
「ハウスト、ならば例外も作りましょう」
「例外だと?」
「はい。いい雰囲気で盛り上がっている時は、この決め事のことは忘れても良いという事にしましょう」
「なるほど、雰囲気に流されたい時もあると、そういう事だな」
「そう、それです。そういうのも時には大事ですよね」
そう、私だって特別に乱れたくなる夜があるのです。そういう雰囲気というか、気分というか、とにかく盛り上がって流されたくなる時もあるのです。
「わかった、いいだろう。その例外も認められるなら三回と口の条件を飲もう」
「ありがとうございます。理解していただいて感謝します」
「いや、俺こそ判断に感謝する」
私たちは真面目な顔で見つめ合って頷き合いました。
決まりましたね、私たちのこれからの夜の決まり事。私たちの歩み寄りは完璧です。
「ハウスト、大好きですからね」
見つめ合ったままハウストの頬に口付けました。
ハウストもお返しの口付けをしてくれて、なんだかくすぐったい心地です。
恥ずかしくて目を伏せると、それを追うように目元に口付けられました。彼を見つめると、また目元、鼻先、頬、額、順に口付けられます。
いけません、口元がむずむずして緩んでしまいます。照れくさくて、嬉しくて、気持ち良くて、どうしても口元が緩んでしまうのです。
互いに口付けを交わしながらハウストを見つめました。
「ハウスト、今回も助けていただいてありがとうございます。あなたには、たくさん心配をかけて、迷惑をかけて、困らせていますね……」
「自覚しているのか」
「……当たり前です。常に恐ろしく思っています。……今度こそ、あなたに嫌われてしまうんじゃないかと」
私はまっすぐにハウストを見つめて言葉を続けます。
「私はあなたに嫌われたら、きっと心が潰れるほどの悲しみに暮れるでしょう。きっと生きていけないほどの悲しみです。……ですが、イスラとゼロスの為に私は生きねばなりません。どうか嫌わないでください」
「お前……」
ハウストが私を凝視しました。
ハウストは呆れたような、驚いたような、複雑な顔をしています。
「……知っているか? 魔族や人間の中には、お前のことを慈愛の王妃だと称える者がいる。心は空より広く、慈しみは海より深いと」
「えっ、そうなんですか? 照れるじゃないですか。それは褒めすぎというものですよ……」
目元が熱くなりました。
ハウストの統べる魔族やイスラの統べる人間に褒めていただけるのは嬉しいこと。「私には勿体ないことです」と謙遜しつつも頬がにまりと緩んでしまいますよ。
ああ恥ずかしい、両手で頬を押さえました、が。
「そうだな、お前は結構ワガママだからな」
ハウストが頷きながら言いました。
………………。
…………ん?
「……あの、ハウスト」
声が低くなってしまいました。
ワガママとはどういう事です。
じろりと睨むと、ハウストは「本当のことだろ」と続けます。
「お前はワガママだろ。面倒なところもあるし、俺に対して結構酷い奴だ」
「っ……、そんな事は……」
悔しくて唇を噛みました。
あなたがそう言うならそうかもしれませんが、だからといってそんなにはっきり言わなくてもっ……。
「怒るなよ。俺は悪い気がしていないんだ」
「ハウスト?……」
思わぬ返答に目をぱちくりさせました。
ハウストは少し意地悪な顔をします。
「お前が実はワガママで酷い奴だと知っているのは俺だけだ。そう思うと気分がいい」
ハウストはそう言ってニヤリと口角をあげました。
私の顔に手を伸ばして親指で頬を撫で、私の横髪を指で流して耳に掛けてくれます。
「お前は嫉妬深いし独占欲も強い。可愛いぞ」
「ッ、……うぅ~~、あなたという人はっ……、ああもうっ……」
すごいです、顔が熱いです。
人を貶しておいて、可愛いとか、いったいなんのつもりなのかっ。
私は熱くなった顔を隠したくてハウストに擦り寄りました。
そのままハウストに身を寄せて顔を伏せます。
「あなたは、ズルいです……」
ぼそりと文句を口にしてみるものの、それもハウストの唇に塞がれてしまう。
ダメだと分かっているのに、そんな場合じゃないというのに、…………この後も少し盛り上がってしまいました。
仕方ないですよね、私とハウストは仲良しなのです。愛しあっているのですから。
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