36 / 40
36 ●
しおりを挟む
さて。
まだ詰めなきゃいけないところもあるけど話し合いも何とか纏まり。
久々にFOLにログインだ。
「も~!なんの連絡もないしリアルで何かあったんじゃないかって心配したんだよ~?!」
「あー、うん。ごめんなー」
早速クルに詰め寄られた。他のメンバーにも。
日曜の夜だから来るかもって待っていたらしい。
とりあえずリアルで急な引っ越しをすることになってその対応と片付けに追われていた、と説明。
間違ってはいないよ。前後はしてるけど。
そこに至るまでのぐだぐだしてた時間の方が長いけど。
そういうことなら仕方ないね、って、次は長期ログインできないようだったら一言でも連絡する、と約束して解散。
それぞれ遊びに行ったりログアウトして、ギルドホームには私一人が残った。
心配とか迷惑とかかけちゃったなぁ。今度何か埋め合わせ考えるかな?
今日いないメンバーへの説明用に連絡板にクル達にした説明と同じことを書き込んで、それにプラスやりたいことないか書いておこう。
ん、で。設定の見直しと変更と、例の件を公式に報告しないとね。
色々ぼかして重要そうなとこだけ伝えられるように文章考えないと。
ただ明日は月曜、平日だ。早めに終わらせて休まないと。…………色々と疲れてるのは間違いないし。
ちなみに大輝さんはまだやることがあるから今日はログインしない、って言ってた。
「ぁぅっ」
そうやってギルドホームの玄関ホールで作業をしていたら、クルがデスポーンしてきた。
そしてそのままぺしょっと床に倒れ込む。
「…………何やってんのクル」
「んぇ、マスタぁ~……」
なんか産まれたての小鹿みたいにぷるぷるした感じで起き上がり、へろへろとした足取りで寄ってきて膝に縋り付くみたいに抱き着いてきた。
この状態は……稀にあるメンタルが死んでる時のクル。
さっきの今で一体何が???
「何事?」
「うぅ……っ!遊んでくれる約束だったひとがドタキャン……っ!」
「ほぉ」
「しかたないから北の森に行ったら~!物凄い広範囲で召喚テロされてたの~!Sランク居たぁ!」
「あそこたまによくある頻度でテロられてるもんな」
人の出入りが激しい場所だし。
…………スキモノプレイヤーはそれなりに数居るらしい。
「リアルの憂さ晴らしだったのに……っ!散々だよ~!」
わっ!と泣きついてくる。
憂さ晴らしにしてはハードでは??と思いつつ好きにさせておく。作業がまだ終わっていないのだ。
…………よし。とりあえず送信完了。
「良ければ話聞いてやろうか?そんな時間取れないけど」
「うぅっ……マスター大好き~!」
「はいはいリアル透けないようにな」
抱き着いてきたクルの背中をぽんぽんと軽く叩く。
いつも飄々としていて笑顔で毒づくクルがここまで落ち込んでるのは珍しいし。
今回心配させちゃったしね。
「わたし、好きな人がいて」
ぽつり、ぽつりとクルが話し出す。
「ずっとずっと好きで、学生の頃から。同じ会社に頑張って入って、アピも頑張って~……他の人よりはね、仲良くなれたの。でも……その人のね、身内の子が入社してきてからその子ばっかりお世話してて~……」
まさかの恋愛話。
いやだって憂さ晴らしの方法アレなのに?え??
あ、いや、うん、そこは触れないでおこう。うん。やばい藪蛇しそう。
で、えっと。
つまり好きな人の放っておかれて淋しいって話かな?
「一応しばらくは我慢しだんだよ~?でも、全然構ってくれなくなって、わたし、それで、そのぉ……」
「ん?どしたよ」
「…………ちょっとストーカーまがいのことというかぁ、その子にちょっと、イヤガラセを……えへ」
「おぉい!?それはアウトだろ!?」
まさかのカミングアウトが出てきた。
恋愛関係の淋しいとか可愛いものじゃなくて普通にやばそうな話だった?!
軽く話してるし流石に犯罪になりそうなことはしてないだろうけど……
「わたしのイヤガラセなんてかわいいものだよ?未遂に終わったし~……でも、それがバレちゃってぇ……」
「いや、お前ね。未遂だからいいってもんじゃないぞ」
「ゔぅ……っ分かってるよぉ……。でね、それ以外にも色々やってたの調べられちゃって……今、その、ちょっと……構ってもらえるのは嬉しいけど手酷過ぎて~……」
ん??
「レイプみたいなプレイも嫌いじゃないけど、ずっとそうだと苦しいし~、気持ち良くセックスしたいけどそんなこと言える立場でもないし~……」
話の方向性変わってきたな???
「つまり?」
「前みたいに普通のセフレに戻るにはどうしたらいいと思う~?」
「突っ込みどころが多すぎるけど身内に手ぇ出した時点で不味いわな」
「やっぱり~……?」
はふぅ、と溜め息を零すクル。
予想以上にヤバイ話だった……。やらかしてるしやらかされてる……。
相手の人とどういう関係になってるのか分からないけど、レイプみたいなプレイって。
クル本人は飄々としてるけど不味いやつなのでは。なのに本人はセフレに戻りたいとか宣っている。
戻りたい、だから元々そういう関係、なんだよね。
で、今も……まあ、そういう関係に近い状態(ただし状況は悪い)、と。
いやちょっと反応がしづらいにもほどがあるね???
これは私が何か言ったところでどうにもならないやつでは?
もし何か改善点があるとして……うぅん。
「とりあえず……クルさ、その嫌がらせした人に謝ったのか?」
「…………謝ってない」
やっぱりか。
そして悪かったって今の時点で思ってないよねその間の長さ。或いは開き直ってる。
「ならとりあえず謝っとけよ。詫びる気持ちがあるかないかでまた変わるだろ」
「そうかなぁ……」
「お前一応でも詫びてくる奴とだんまりして知らんぷりしてる奴、どっちなら多少なりと許せる?」
「……………………分かったぁ。明日、謝ってくる~……」
「そーしろ。ほら、仕事ならもう寝とけ?俺もそろそろ寝るし」
「うん~……。マスター、話、聞いてくれてありがとう~」
「おう」
のろのろと身体を離し、へにょりと笑う。
それに返事を返したところで、ばいばい、と手を振ってクルはログアウトしていった。
…………なんか凄い濃い話を聞いたなぁ。
全然違うけど似たような状況だったしちょっと他人事と思えない……。
まだ詰めなきゃいけないところもあるけど話し合いも何とか纏まり。
久々にFOLにログインだ。
「も~!なんの連絡もないしリアルで何かあったんじゃないかって心配したんだよ~?!」
「あー、うん。ごめんなー」
早速クルに詰め寄られた。他のメンバーにも。
日曜の夜だから来るかもって待っていたらしい。
とりあえずリアルで急な引っ越しをすることになってその対応と片付けに追われていた、と説明。
間違ってはいないよ。前後はしてるけど。
そこに至るまでのぐだぐだしてた時間の方が長いけど。
そういうことなら仕方ないね、って、次は長期ログインできないようだったら一言でも連絡する、と約束して解散。
それぞれ遊びに行ったりログアウトして、ギルドホームには私一人が残った。
心配とか迷惑とかかけちゃったなぁ。今度何か埋め合わせ考えるかな?
今日いないメンバーへの説明用に連絡板にクル達にした説明と同じことを書き込んで、それにプラスやりたいことないか書いておこう。
ん、で。設定の見直しと変更と、例の件を公式に報告しないとね。
色々ぼかして重要そうなとこだけ伝えられるように文章考えないと。
ただ明日は月曜、平日だ。早めに終わらせて休まないと。…………色々と疲れてるのは間違いないし。
ちなみに大輝さんはまだやることがあるから今日はログインしない、って言ってた。
「ぁぅっ」
そうやってギルドホームの玄関ホールで作業をしていたら、クルがデスポーンしてきた。
そしてそのままぺしょっと床に倒れ込む。
「…………何やってんのクル」
「んぇ、マスタぁ~……」
なんか産まれたての小鹿みたいにぷるぷるした感じで起き上がり、へろへろとした足取りで寄ってきて膝に縋り付くみたいに抱き着いてきた。
この状態は……稀にあるメンタルが死んでる時のクル。
さっきの今で一体何が???
「何事?」
「うぅ……っ!遊んでくれる約束だったひとがドタキャン……っ!」
「ほぉ」
「しかたないから北の森に行ったら~!物凄い広範囲で召喚テロされてたの~!Sランク居たぁ!」
「あそこたまによくある頻度でテロられてるもんな」
人の出入りが激しい場所だし。
…………スキモノプレイヤーはそれなりに数居るらしい。
「リアルの憂さ晴らしだったのに……っ!散々だよ~!」
わっ!と泣きついてくる。
憂さ晴らしにしてはハードでは??と思いつつ好きにさせておく。作業がまだ終わっていないのだ。
…………よし。とりあえず送信完了。
「良ければ話聞いてやろうか?そんな時間取れないけど」
「うぅっ……マスター大好き~!」
「はいはいリアル透けないようにな」
抱き着いてきたクルの背中をぽんぽんと軽く叩く。
いつも飄々としていて笑顔で毒づくクルがここまで落ち込んでるのは珍しいし。
今回心配させちゃったしね。
「わたし、好きな人がいて」
ぽつり、ぽつりとクルが話し出す。
「ずっとずっと好きで、学生の頃から。同じ会社に頑張って入って、アピも頑張って~……他の人よりはね、仲良くなれたの。でも……その人のね、身内の子が入社してきてからその子ばっかりお世話してて~……」
まさかの恋愛話。
いやだって憂さ晴らしの方法アレなのに?え??
あ、いや、うん、そこは触れないでおこう。うん。やばい藪蛇しそう。
で、えっと。
つまり好きな人の放っておかれて淋しいって話かな?
「一応しばらくは我慢しだんだよ~?でも、全然構ってくれなくなって、わたし、それで、そのぉ……」
「ん?どしたよ」
「…………ちょっとストーカーまがいのことというかぁ、その子にちょっと、イヤガラセを……えへ」
「おぉい!?それはアウトだろ!?」
まさかのカミングアウトが出てきた。
恋愛関係の淋しいとか可愛いものじゃなくて普通にやばそうな話だった?!
軽く話してるし流石に犯罪になりそうなことはしてないだろうけど……
「わたしのイヤガラセなんてかわいいものだよ?未遂に終わったし~……でも、それがバレちゃってぇ……」
「いや、お前ね。未遂だからいいってもんじゃないぞ」
「ゔぅ……っ分かってるよぉ……。でね、それ以外にも色々やってたの調べられちゃって……今、その、ちょっと……構ってもらえるのは嬉しいけど手酷過ぎて~……」
ん??
「レイプみたいなプレイも嫌いじゃないけど、ずっとそうだと苦しいし~、気持ち良くセックスしたいけどそんなこと言える立場でもないし~……」
話の方向性変わってきたな???
「つまり?」
「前みたいに普通のセフレに戻るにはどうしたらいいと思う~?」
「突っ込みどころが多すぎるけど身内に手ぇ出した時点で不味いわな」
「やっぱり~……?」
はふぅ、と溜め息を零すクル。
予想以上にヤバイ話だった……。やらかしてるしやらかされてる……。
相手の人とどういう関係になってるのか分からないけど、レイプみたいなプレイって。
クル本人は飄々としてるけど不味いやつなのでは。なのに本人はセフレに戻りたいとか宣っている。
戻りたい、だから元々そういう関係、なんだよね。
で、今も……まあ、そういう関係に近い状態(ただし状況は悪い)、と。
いやちょっと反応がしづらいにもほどがあるね???
これは私が何か言ったところでどうにもならないやつでは?
もし何か改善点があるとして……うぅん。
「とりあえず……クルさ、その嫌がらせした人に謝ったのか?」
「…………謝ってない」
やっぱりか。
そして悪かったって今の時点で思ってないよねその間の長さ。或いは開き直ってる。
「ならとりあえず謝っとけよ。詫びる気持ちがあるかないかでまた変わるだろ」
「そうかなぁ……」
「お前一応でも詫びてくる奴とだんまりして知らんぷりしてる奴、どっちなら多少なりと許せる?」
「……………………分かったぁ。明日、謝ってくる~……」
「そーしろ。ほら、仕事ならもう寝とけ?俺もそろそろ寝るし」
「うん~……。マスター、話、聞いてくれてありがとう~」
「おう」
のろのろと身体を離し、へにょりと笑う。
それに返事を返したところで、ばいばい、と手を振ってクルはログアウトしていった。
…………なんか凄い濃い話を聞いたなぁ。
全然違うけど似たような状況だったしちょっと他人事と思えない……。
1
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
愛されないと吹っ切れたら騎士の旦那様が豹変しました
蜂蜜あやね
恋愛
隣国オデッセアから嫁いできたマリーは次期公爵レオンの妻となる。初夜は真っ暗闇の中で。
そしてその初夜以降レオンはマリーを1年半もの長い間抱くこともしなかった。
どんなに求めても無視され続ける日々についにマリーの糸はプツリと切れる。
離縁するならレオンの方から、私の方からは離縁は絶対にしない。負けたくない!
夫を諦めて吹っ切れた妻と妻のもう一つの姿に惹かれていく夫の遠回り恋愛(結婚)ストーリー
※本作には、性的行為やそれに準ずる描写、ならびに一部に性加害的・非合意的と受け取れる表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。
※ムーンライトノベルズでも投稿している同一作品です。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる