99 / 233
第三話 失われた真実
第八章:3 こみ上げる想い
しおりを挟む
「だから主上が彼女を護った事実を隠されると言うのですか」
「私は正義ではない。だが、何も知らない朱里には自分を護る者がそんなふうに映ってしまう。これ以上朱里を迷わせるような態度を取ることはできない」
「ですが、朱里の気持ちを知っているのなら」
「朱里は、――朱桜は私を愛していない。彼女の想いは黄帝に捧げられた。誰よりも黄帝を愛している。今は全てを失っているから、傍に在る私に対してそんな錯覚をしてしまうだけだ。だから、朱里がお前達に語った想いは真実ではない」
淡々と打ち明けられる遥の想いは深い。けれど、導き出されたのは、耳を疑いたくなるような完璧な否定だった。朱里は愕然としてしまう。
(私が、先生を好きじゃない?)
朱里の胸の内に、強く反駁する何かがあった。
(違う、私は――、誰よりも)
夢の中で繰り返していた心の叫びが蘇る。
(誰よりも闇呪の君を愛していた。――今も、こんなに先生のことを想ってる)
こんなにも。ごまかしようがなく。
とめどなく込み上げてくる想いが錯覚である筈がない。刻み込まれた気持ちは、朱里の中で鮮やかに蘇っているのだ。間違えるはずがない。
昔も今も、これが自分の真実の想いなのだ。
(私は黄帝なんて知らない。だって、夢の中でも全然好きじゃなかった)
「とにかく、朱里の想いは錯覚だ。これ以上有り得ない幻想を膨らませるわけには行かない。それでいずれ余計な呵責を背負うことになるのは、彼女自身だ。私は彼女にそんな負担をかけたくない」
「ですが、朱里が……、姫君が黄帝を愛していると言った訳ではありません。朱桜の君が誰を愛していたのか。我々が彼女の真実を知らないだけかもしれません」
「彼女の想いは、言葉よりもずっとはっきりと示されていた。あの輝きが真実だ。彼女は相称の翼となった。天落の法に身を任せる間際、おまえの目にも映っていた筈だ」
「それでも」
「麟華」
まるで麟華を宥めようとしているかのように、遥の声は穏やかだった。朱里はいつのまにか掌を固く握り締めていた。飛び出していって叫びたい衝動を堪えることで精一杯になっていた。
相称の翼。
朱里は体が震えるのを自覚する。突然明かされた事実に戦慄を覚えるのは、それが遥を滅ぼす唯一の力であると知っていたからなのか。
それとも、この胸に蘇る想いを完全に否定された衝撃なのか。
(違う、違う、違う――、私はずっと先生のことしか考えていなかった)
強く刻まれた想い。渦巻いて心を責めたてるのは、痛いほど激しい気持ち。この想いが遥以外の誰かに向かっていくなんて考えられない。けれど、違うという想いが募るばかりで、どう違うのかを説明する術がない。遥が朱桜の――自分の想いを否定する理由が判らない。経緯を知らない。中途半端な自分の立ち位置が、込み上げる気持ちの道筋を遮ってしまう。
朱里は爪が食い込むほど、握り締める掌に力を込めた。知らずに唇を噛み締めてしまう。
(私の気持ちは錯覚なんかじゃない、絶対に)
もどかしくてたまらないのに、伝えることを躊躇ってしまう。遥を想う気持ちは真実なのに、断片的な光景が自分の中で繋がらないのだ。
朱桜。闇呪。姫宮。華艶。黄帝。守護。相称の翼。
散らばる断片。因果関係を辿ることが出来ない。
全てが心許ない。何も知らない自分の無知さを呪いたくなった。はっきりとした輪郭を持たない障害が、朱里の行く手を阻む。想いを伝えられない悔しさに占められて、じわりと目頭が熱くなった。
(相称の翼なんて、関係ない。私は先生が好きで、……それだけが本当のこと)
難しいことは何も判らない。成り行きなど知らない。
ただ遥に信じてもらえないことが哀しいのだ。どんなに想っても、彼にとっては錯覚にしかならない。
届かない。
「それでも、姫君が、……朱里が主上を好きになったのは事実です」
まるで自分の想いを代弁してくれるかのように、麟華は怯まず言い募ってくれる。朱里は閉じられた扉に背を添わせて、響いてくる姉の声を聞いていた。
「私には、どうしても錯覚だとは思えません。何か、何か理由があったのではないかと……」
姉の声が力なく掻き消えた。きっと麟華にも根拠がある発言ではないのだろう。朱里はもどかしさを振り払うように顔をあげる。
(私にとって、本当のことは一つしかない。判っていることも、一つだけ)
どうしてそんなふうに感じたのだろう。けれど、朱里はここで伝えなければ後悔する気がしたのだ。
遥と出会ってから、胸に芽生えた――あるいは蘇った想い。
伝えなければいけない。
反面、そんなふうに突き進む気持ちを阻むように、警告のように赤く点滅している危機感がある。
伝えたい、伝えなければならない。
訴える心を封じるように、明滅する警告。想いに突き動かされそうになる自分を止める声。
伝えられない、伝えてはいけない。
相容れない心が、朱里の中で渦巻いている。形にならないまま、確かに何かが在った。
(だけど、今は……)
事情など知らない。今の自分には関係がない。まるで言い訳するように、朱里は自分にそう言いきかせた。動悸のする胸に手を当てて、深呼吸を一つ。
今はただ、素直に蘇った気持ちに従いたかった。
点滅する警告から目を背けて、朱里は覚悟を決めた。決意が挫けないうちに室内へ踏み込もうとすると、ふっと視界の端に人影がよぎる。
足音もなく麒一が廊下を歩いて、こちらへやって来る処だった。思わず「麒一ちゃん」と呼びかけそうになると、現れた麒一はすぐに人差し指を唇に当てた。
麒一は静かに歩み寄ってくると、まるで励ますように大きな手で朱里の頭を撫でる。戸惑う朱里を置き去りにしたまま、迷わず目の前の扉を開けた。
朱里は突然の成り行きに慌てる。覚悟を決めてみたものの、まさか麒一が乱入するとは考えていなかったのだ。出直そうとしても、今更身を隠すこともできない。麒一の背後に立ち尽くしたまま、朱里は室内の遥と対面を果たしていた。
「私は正義ではない。だが、何も知らない朱里には自分を護る者がそんなふうに映ってしまう。これ以上朱里を迷わせるような態度を取ることはできない」
「ですが、朱里の気持ちを知っているのなら」
「朱里は、――朱桜は私を愛していない。彼女の想いは黄帝に捧げられた。誰よりも黄帝を愛している。今は全てを失っているから、傍に在る私に対してそんな錯覚をしてしまうだけだ。だから、朱里がお前達に語った想いは真実ではない」
淡々と打ち明けられる遥の想いは深い。けれど、導き出されたのは、耳を疑いたくなるような完璧な否定だった。朱里は愕然としてしまう。
(私が、先生を好きじゃない?)
朱里の胸の内に、強く反駁する何かがあった。
(違う、私は――、誰よりも)
夢の中で繰り返していた心の叫びが蘇る。
(誰よりも闇呪の君を愛していた。――今も、こんなに先生のことを想ってる)
こんなにも。ごまかしようがなく。
とめどなく込み上げてくる想いが錯覚である筈がない。刻み込まれた気持ちは、朱里の中で鮮やかに蘇っているのだ。間違えるはずがない。
昔も今も、これが自分の真実の想いなのだ。
(私は黄帝なんて知らない。だって、夢の中でも全然好きじゃなかった)
「とにかく、朱里の想いは錯覚だ。これ以上有り得ない幻想を膨らませるわけには行かない。それでいずれ余計な呵責を背負うことになるのは、彼女自身だ。私は彼女にそんな負担をかけたくない」
「ですが、朱里が……、姫君が黄帝を愛していると言った訳ではありません。朱桜の君が誰を愛していたのか。我々が彼女の真実を知らないだけかもしれません」
「彼女の想いは、言葉よりもずっとはっきりと示されていた。あの輝きが真実だ。彼女は相称の翼となった。天落の法に身を任せる間際、おまえの目にも映っていた筈だ」
「それでも」
「麟華」
まるで麟華を宥めようとしているかのように、遥の声は穏やかだった。朱里はいつのまにか掌を固く握り締めていた。飛び出していって叫びたい衝動を堪えることで精一杯になっていた。
相称の翼。
朱里は体が震えるのを自覚する。突然明かされた事実に戦慄を覚えるのは、それが遥を滅ぼす唯一の力であると知っていたからなのか。
それとも、この胸に蘇る想いを完全に否定された衝撃なのか。
(違う、違う、違う――、私はずっと先生のことしか考えていなかった)
強く刻まれた想い。渦巻いて心を責めたてるのは、痛いほど激しい気持ち。この想いが遥以外の誰かに向かっていくなんて考えられない。けれど、違うという想いが募るばかりで、どう違うのかを説明する術がない。遥が朱桜の――自分の想いを否定する理由が判らない。経緯を知らない。中途半端な自分の立ち位置が、込み上げる気持ちの道筋を遮ってしまう。
朱里は爪が食い込むほど、握り締める掌に力を込めた。知らずに唇を噛み締めてしまう。
(私の気持ちは錯覚なんかじゃない、絶対に)
もどかしくてたまらないのに、伝えることを躊躇ってしまう。遥を想う気持ちは真実なのに、断片的な光景が自分の中で繋がらないのだ。
朱桜。闇呪。姫宮。華艶。黄帝。守護。相称の翼。
散らばる断片。因果関係を辿ることが出来ない。
全てが心許ない。何も知らない自分の無知さを呪いたくなった。はっきりとした輪郭を持たない障害が、朱里の行く手を阻む。想いを伝えられない悔しさに占められて、じわりと目頭が熱くなった。
(相称の翼なんて、関係ない。私は先生が好きで、……それだけが本当のこと)
難しいことは何も判らない。成り行きなど知らない。
ただ遥に信じてもらえないことが哀しいのだ。どんなに想っても、彼にとっては錯覚にしかならない。
届かない。
「それでも、姫君が、……朱里が主上を好きになったのは事実です」
まるで自分の想いを代弁してくれるかのように、麟華は怯まず言い募ってくれる。朱里は閉じられた扉に背を添わせて、響いてくる姉の声を聞いていた。
「私には、どうしても錯覚だとは思えません。何か、何か理由があったのではないかと……」
姉の声が力なく掻き消えた。きっと麟華にも根拠がある発言ではないのだろう。朱里はもどかしさを振り払うように顔をあげる。
(私にとって、本当のことは一つしかない。判っていることも、一つだけ)
どうしてそんなふうに感じたのだろう。けれど、朱里はここで伝えなければ後悔する気がしたのだ。
遥と出会ってから、胸に芽生えた――あるいは蘇った想い。
伝えなければいけない。
反面、そんなふうに突き進む気持ちを阻むように、警告のように赤く点滅している危機感がある。
伝えたい、伝えなければならない。
訴える心を封じるように、明滅する警告。想いに突き動かされそうになる自分を止める声。
伝えられない、伝えてはいけない。
相容れない心が、朱里の中で渦巻いている。形にならないまま、確かに何かが在った。
(だけど、今は……)
事情など知らない。今の自分には関係がない。まるで言い訳するように、朱里は自分にそう言いきかせた。動悸のする胸に手を当てて、深呼吸を一つ。
今はただ、素直に蘇った気持ちに従いたかった。
点滅する警告から目を背けて、朱里は覚悟を決めた。決意が挫けないうちに室内へ踏み込もうとすると、ふっと視界の端に人影がよぎる。
足音もなく麒一が廊下を歩いて、こちらへやって来る処だった。思わず「麒一ちゃん」と呼びかけそうになると、現れた麒一はすぐに人差し指を唇に当てた。
麒一は静かに歩み寄ってくると、まるで励ますように大きな手で朱里の頭を撫でる。戸惑う朱里を置き去りにしたまま、迷わず目の前の扉を開けた。
朱里は突然の成り行きに慌てる。覚悟を決めてみたものの、まさか麒一が乱入するとは考えていなかったのだ。出直そうとしても、今更身を隠すこともできない。麒一の背後に立ち尽くしたまま、朱里は室内の遥と対面を果たしていた。
0
あなたにおすすめの小説
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
届かぬ温もり
HARUKA
恋愛
夫には忘れられない人がいた。それを知りながら、私は彼のそばにいたかった。愛することで自分を捨て、夫の隣にいることを選んだ私。だけど、その恋に答えはなかった。すべてを失いかけた私が選んだのは、彼から離れ、自分自身の人生を取り戻す道だった·····
◆◇◆◇◆◇◆
読んでくださり感謝いたします。
すべてフィクションです。不快に思われた方は読むのを止めて下さい。
ゆっくり更新していきます。
誤字脱字も見つけ次第直していきます。
よろしくお願いします。
15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~
深冬 芽以
恋愛
交際2年、結婚15年の柚葉《ゆずは》と和輝《かずき》。
2人の子供に恵まれて、どこにでもある普通の家族の普通の毎日を過ごしていた。
愚痴は言い切れないほどあるけれど、それなりに幸せ……のはずだった。
「その時計、気に入ってるのね」
「ああ、初ボーナスで買ったから思い出深くて」
『お揃いで』ね?
夫は知らない。
私が知っていることを。
結婚指輪はしないのに、その時計はつけるのね?
私の名前は呼ばないのに、あの女の名前は呼ぶのね?
今も私を好きですか?
後悔していませんか?
私は今もあなたが好きです。
だから、ずっと、後悔しているの……。
妻になり、強くなった。
母になり、逞しくなった。
だけど、傷つかないわけじゃない。
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
完結【強引な略奪婚】冷徹な次期帝は、婚姻間近の姫を夜ごと甘く溶かす
小木楓
恋愛
完結しました✨
タグ&あらすじ変更しました。
略奪された大納言家の香子を待っていたのは、冷徹な次期帝による「狂愛」という名の支配でした。
「泣け、香子。お前をこれほど乱せるのは、世界で私だけだ」
「お前はまだ誰のものでもないな? ならば、私のものだ」
大納言家の姫・香子には、心通わせる穏やかな婚約者がいた。
しかし、そのささやかな幸福は、冷徹と噂される次期帝・彰仁(あきひと)に見初められたことで一変する。
強引な勅命により略奪され、後宮という名の檻に閉じ込められた香子。
夜ごとの契りで身体を繋がれ、元婚約者への想いすら「不義」として塗り潰されていく。
恐怖に震える香子だったが、閉ざされた寝所で待っていたのは、想像を絶するほど重く、激しい寵愛で……?
「痛くはしない。……お前が私のことしか考えられなくなるまで、何度でも教え込もう」
逃げ場のない愛に心が絡め取られていく中、彰仁は香子を守るため、「ある残酷な嘘」を用いて彼女を試す。
それは、愛するがゆえに彼女を嫉妬と絶望で壊し、「帝なしでは息もできない」状態へ作り変えるための、狂気じみた遊戯だった。
「一生、私の腕の中で溺れていろ」
守るために壊し、愛するために縛る。
冷酷な仮面の下に隠された、
一途で異常な執着を知った時、香子の心もまた甘い猛毒に溶かされていく――。
★最後は極上のハッピーエンドです。
※AI画像を使用しています。
君に何度でも恋をする
明日葉
恋愛
いろいろ訳ありの花音は、大好きな彼から別れを告げられる。別れを告げられた後でわかった現実に、花音は非常識とは思いつつ、かつて一度だけあったことのある翔に依頼をした。
「仕事の依頼です。個人的な依頼を受けるのかは分かりませんが、婚約者を演じてくれませんか」
「ふりなんて言わず、本当に婚約してもいいけど?」
そう答えた翔の真意が分からないまま、婚約者の演技が始まる。騙す相手は、花音の家族。期間は、残り少ない時間を生きている花音の祖父が生きている間。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる