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結婚までの7日間 Lucian & Rosalie
6日目⑤ 前日の夜…ジャスミン
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「レースのカーテン…か。」
ジャスミンはレースのカーテンを触りながら、にっこり笑うとべールのように頭に被り
「ロザリー様は明日、こんなふうにベールを被り、好きな人の奥さんになるんだ。いいなぁ…。」
キャロルは微笑みながら
「ジャスミンさんも好きな人がいらっしゃるのですか?」
「いたら…その人は…ナダルとロイに殺されるかもしれません。口うるさい兄みたいなんです、あのふたりは…。」
苦笑気味に言いながら、ジャスミンはゆっくりと歩き出すと、頭に被っていたベールはまた、ただのレースのカーテンへと変わった。
「…妹を奪って行く男は許さん!って感じですね。」
ジャスミンは何度も頷きながら
「です!その通りです!」
そう言って、ため息をつくと
「俺を倒せるような奴じゃないと許さないとか言って…。なのに、私の周りに男性は近寄らせない!なんなの~って感じなんです。はぁ~結構、ナダルもロイも強いんですよ、あの二人より強いとなると…はぁ~頭に浮かぶのは…ルチアーノ…じゃない、ロザリー様しか…あぁ、カッコ良かったのになぁ…どうして女性なんだろう。」
キャロルはジャスミンの年相応のに姿に、ほんの少しホッとしていた。
詳しくはしらないが、ロザリーからこの少女はローラン王家の血筋の方で、その為に母親を含む大勢の人達が、目の前で殺されたのを目撃した少女だと聞いていたから、傷ついた心にどう接していいのかわからなかったが、今の様子を見て、ナダルとロイが、危ない男や少女の心も守ってきたんだと思った。
クスクスと笑いながらキャロルは
「残念でしたね。」
「ほんとに…半分、恋に落ちてましたから、かなり胸が痛いです。」
「確かに、ロザリー様ってカッコイイですものね。でもロザリー様は女性ですから、どうにもなりませんよ。」
「わかっているんですけど…ね。あまりにもロザリー様、カッコ良かったから…。」
「本当に半分、恋に落ちていたんですね。でも不思議です。大概の女性は…」
「大概の女性?」
「えぇ、大概の女性はルシアン殿下にひとめぼれなので…」
「確かに、ルシアン殿下もカッコイイけれど…。う~ん、そういうふうには見れなかったな。寧ろ…」
「寧ろ?」
「大好きなルチアーノを奪った恋敵。」
ジャスミンの思いがけない言葉にキャロルが大きな声で笑うと、ジャスミンは口を尖らせ
「はぁ~ロザリー様の男装をもう少し見たかったな。ロザリー様というより、ルチアーノに似ている男性って、どこかにいないかしら?」
「…ぁ!」
「どうしたんです、キャロルさん?」
「いえ、そう言えば…ロザリー様が(自分は父の若い頃に似ていると、よく母に言われている。)と仰っていたのを思い出して…」
思わず出た言葉に、ハッとしたキャロルは慌てて口を押さえたが、だが、時はすでに遅く、ジャスミンはキラキラと目を輝かせ
「えっ、そうなんですか?!ロザリー様のお父様って、男装されたロザリー様みたいなんですか?!」
「…いやぁ~、どうかなぁ。私は…それほど…」
「親子なら似てますよね!」
「ま、待ってください。ロザリー様のお父上は、ご結婚されておりますよ!」
キャロルの慌てように、ジャスミンはクスリと笑うと
「さすがに、親子ほど離れているから…そんな気持ちにはならないです。本やお芝居のヒーローみたいな感じで…どちらかというと憧れみたいなものです。でも…」
そう言って、一旦口を閉じたジャスミンだったが、その頬はだんだんと赤くなり
「ロザリー様のような綺麗な顔立ち、一流の剣の腕、女心がわかるあの繊細な物言い…そんな男性が存在するんだと思うと、ドキドキしますね。あぁ一度お会いしたいなぁ。」
キャロルは…後悔していた。
つい…言ってしまった。私の悪いところがまた…出てしまった。はぁ~どうしよう。
だいたいロザリー様は、お母さまのマーガレット様似だから綺麗な顔立ちなんだけどなぁ。
確かにウィンスレット侯爵様の剣の腕は一流だけど…女心は…わかっておいでだとは思えない。
真面目で優しい方ではあるけど…どちらかと言うと、ウィンスレット侯爵様は…剣で遊ぶのが大好きな…子供。
こ、困ったわ。とりあえずお茶を入れて、空気を変えないと…。
空気を変えるならこれだわ。
「ジャ、ジャスミンさん、スコーンはいかがですか?それにブラチフォード国から、バラのお茶を持ってきているんです。どうですか?」
「えっ?!素敵!!」
(よし!女の子は美味しいもの、可愛いもの、綺麗なものに弱い。これ定番。がんばれ私!)
「用意しますので、ここでお待ちください。」
キャロルは立ち上がると、少し間違った方向に行きそうな空気を変えるべく、お茶を入れるために慌てて部屋を出て行った。
そんなキャロルの背中を見ながら、ジャスミンは呟くように
「結婚か…憧れるなぁ。」
そう言って、ピンク色に頬を染め、またウェディングベールのようなレースのカーテンに目をやったが、一瞬にしてその顔はピンク色から色を無くしたように白くなり、そしてだんだんと青くなっていった。
なぜなら、そこには男がいたからだ。
盗賊のような姿の男が…。
男はにっこり笑い、ジャスミンに声を出さないように、右手の人差し指を口に当てると
「ジャスミン嬢、一緒に来ていただきたい。」
そう言って、ジャスミンへと手を差し出した。
ジャスミンはレースのカーテンを触りながら、にっこり笑うとべールのように頭に被り
「ロザリー様は明日、こんなふうにベールを被り、好きな人の奥さんになるんだ。いいなぁ…。」
キャロルは微笑みながら
「ジャスミンさんも好きな人がいらっしゃるのですか?」
「いたら…その人は…ナダルとロイに殺されるかもしれません。口うるさい兄みたいなんです、あのふたりは…。」
苦笑気味に言いながら、ジャスミンはゆっくりと歩き出すと、頭に被っていたベールはまた、ただのレースのカーテンへと変わった。
「…妹を奪って行く男は許さん!って感じですね。」
ジャスミンは何度も頷きながら
「です!その通りです!」
そう言って、ため息をつくと
「俺を倒せるような奴じゃないと許さないとか言って…。なのに、私の周りに男性は近寄らせない!なんなの~って感じなんです。はぁ~結構、ナダルもロイも強いんですよ、あの二人より強いとなると…はぁ~頭に浮かぶのは…ルチアーノ…じゃない、ロザリー様しか…あぁ、カッコ良かったのになぁ…どうして女性なんだろう。」
キャロルはジャスミンの年相応のに姿に、ほんの少しホッとしていた。
詳しくはしらないが、ロザリーからこの少女はローラン王家の血筋の方で、その為に母親を含む大勢の人達が、目の前で殺されたのを目撃した少女だと聞いていたから、傷ついた心にどう接していいのかわからなかったが、今の様子を見て、ナダルとロイが、危ない男や少女の心も守ってきたんだと思った。
クスクスと笑いながらキャロルは
「残念でしたね。」
「ほんとに…半分、恋に落ちてましたから、かなり胸が痛いです。」
「確かに、ロザリー様ってカッコイイですものね。でもロザリー様は女性ですから、どうにもなりませんよ。」
「わかっているんですけど…ね。あまりにもロザリー様、カッコ良かったから…。」
「本当に半分、恋に落ちていたんですね。でも不思議です。大概の女性は…」
「大概の女性?」
「えぇ、大概の女性はルシアン殿下にひとめぼれなので…」
「確かに、ルシアン殿下もカッコイイけれど…。う~ん、そういうふうには見れなかったな。寧ろ…」
「寧ろ?」
「大好きなルチアーノを奪った恋敵。」
ジャスミンの思いがけない言葉にキャロルが大きな声で笑うと、ジャスミンは口を尖らせ
「はぁ~ロザリー様の男装をもう少し見たかったな。ロザリー様というより、ルチアーノに似ている男性って、どこかにいないかしら?」
「…ぁ!」
「どうしたんです、キャロルさん?」
「いえ、そう言えば…ロザリー様が(自分は父の若い頃に似ていると、よく母に言われている。)と仰っていたのを思い出して…」
思わず出た言葉に、ハッとしたキャロルは慌てて口を押さえたが、だが、時はすでに遅く、ジャスミンはキラキラと目を輝かせ
「えっ、そうなんですか?!ロザリー様のお父様って、男装されたロザリー様みたいなんですか?!」
「…いやぁ~、どうかなぁ。私は…それほど…」
「親子なら似てますよね!」
「ま、待ってください。ロザリー様のお父上は、ご結婚されておりますよ!」
キャロルの慌てように、ジャスミンはクスリと笑うと
「さすがに、親子ほど離れているから…そんな気持ちにはならないです。本やお芝居のヒーローみたいな感じで…どちらかというと憧れみたいなものです。でも…」
そう言って、一旦口を閉じたジャスミンだったが、その頬はだんだんと赤くなり
「ロザリー様のような綺麗な顔立ち、一流の剣の腕、女心がわかるあの繊細な物言い…そんな男性が存在するんだと思うと、ドキドキしますね。あぁ一度お会いしたいなぁ。」
キャロルは…後悔していた。
つい…言ってしまった。私の悪いところがまた…出てしまった。はぁ~どうしよう。
だいたいロザリー様は、お母さまのマーガレット様似だから綺麗な顔立ちなんだけどなぁ。
確かにウィンスレット侯爵様の剣の腕は一流だけど…女心は…わかっておいでだとは思えない。
真面目で優しい方ではあるけど…どちらかと言うと、ウィンスレット侯爵様は…剣で遊ぶのが大好きな…子供。
こ、困ったわ。とりあえずお茶を入れて、空気を変えないと…。
空気を変えるならこれだわ。
「ジャ、ジャスミンさん、スコーンはいかがですか?それにブラチフォード国から、バラのお茶を持ってきているんです。どうですか?」
「えっ?!素敵!!」
(よし!女の子は美味しいもの、可愛いもの、綺麗なものに弱い。これ定番。がんばれ私!)
「用意しますので、ここでお待ちください。」
キャロルは立ち上がると、少し間違った方向に行きそうな空気を変えるべく、お茶を入れるために慌てて部屋を出て行った。
そんなキャロルの背中を見ながら、ジャスミンは呟くように
「結婚か…憧れるなぁ。」
そう言って、ピンク色に頬を染め、またウェディングベールのようなレースのカーテンに目をやったが、一瞬にしてその顔はピンク色から色を無くしたように白くなり、そしてだんだんと青くなっていった。
なぜなら、そこには男がいたからだ。
盗賊のような姿の男が…。
男はにっこり笑い、ジャスミンに声を出さないように、右手の人差し指を口に当てると
「ジャスミン嬢、一緒に来ていただきたい。」
そう言って、ジャスミンへと手を差し出した。
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