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結婚までの7日間 Lucian & Rosalie
7日目⑩
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アストンは俺に掴みかかろうとした手を下に下げ、先ほどまでの声とは違い震える声で俺に言った。
「ここで俺達が作戦を中止しても、バウマン達が剣を引いてくるわけがない。必ずあんたを!次期国王となるあんたを殺さないとバウマンは王になれないのだから!そんなことわかっているはずのあんたが…作戦を中止なんてありえない。おい…まさか…あんたはウィンスレット侯爵と二人で戦うつもりなのか?!…ふざけんなよ!」
「…」
「なんか言えよ!」
「……近衛師団はおおよそ500。おそらくすべての団員らがヒューゴに暗示をかけられているだろう。そして…ジャスミン、ロイ、ナダルも暗示をかけれていると思っていいいだろう。それだけじゃない、味方だと思っている者の中にどれだけ暗示にかかっている者がいるかわからない。陣営はかなり崩されているはずだ。…もう詰んでる状態と言ってもいい。」
「だからだろうが!だから俺の力がいるはずだ!ここまで来て、俺を外すのか!」
「いや…おまえには大事な事を頼みたい。」
俺の言葉に、アストンは眉をあげた。
「ミランダだ。バウマン公爵にとって、不思議な力を持ったミランダも邪魔な存在だ。幼い今のうちに始末しようと動くはずだ。アストン、頼む。ブラチフォード国の次期女王を、無事ブラチフォード国に連れて帰ってやってくれ。…頼む」
俺はアストンに頭を下げた。
「…なんだよ…頭なんか下げんなよ!」
アストンは大きく息を吐き、(馬鹿野郎…)と呟くように言うと
「…頼まれてやる。どうせ俺はあのチビ姫の臣下だ。だが…」
アストンはウィンスレット侯爵を、そしてルシアンを見て言った。
「もし…ロザリーが暗示にかかっていたら、あんたらは斬れるのか?」
ウィンスレット侯爵が俯く姿を横目で見ながら、俺はアストンへと視線を向けると、アストンは俺からの視線を避けるように、ほんの少し下を向き
「暗示とやらで、師団長が躊躇なく娼婦らを殺したように、ロザリーも躊躇なく人が斬れるとなれば侯爵も、あんたも、ロザリーを殺すつもりで剣を抜かないと…殺られるぞ。」
迷いのない剣ほど恐ろしいものはない。ましてやロザリーは強い。
暗示にかかって、剣を向けてきたら、アストンの言う通り、本気でやらないと殺されるだろう。
人を殺める事を悩み、苦しむロザリーが、暗示にかかっていたとはいえ、人を殺してしまったら…それが父であるウィンスレット侯爵や俺だったら…我に返った時、ロザリーはどうなってしまうだろうか。
「どうすんだ。」
アストンは俺に覚悟を決めろと言っている。
「正直…俺を殺そうと剣を向けてきたら…剣を抜くことができるかわからない。」
「…おい…。」
「だが、俺以外の人間を殺そうとしたら、ロザリーを……斬る。人を殺める事を悩み苦しんでいたロザリーを…ただの人殺しにさせないために」
アストンはしばらく俺を見ていたが、
「そうか…。杞憂に…終わればいいな。」
そう言うと顔を歪め、
「…死ぬなよ。あんたは絶対死ぬなよ、どんなことをあってもあんたは…死ぬなよ!あんたがローラン国の王にならないと、国民にも多くの死人が出る。…だから…死ぬな。」
アストンの言葉に、ウィンスレット侯爵は黙って頷くと、両手を握りしめるのが見えた。
扉の向こうのお父様の、アストンの、そしてルシアン殿下の気配が変わった。
おかしい。なにか…あったのだろうか…。
不安な気持ちで扉へと視線を移した時だった。
ミランダ姫が大きな声で
「キャロルどうしたの?!背中に血が…」
その声に、キャロルさんが驚いたように
「えっ?背中にですか?」
ミランダ姫はキャロルさんの背中に手をやり
「…ケガをしているわ。」と言って眉を顰めると
「深くはないようだけど…この傷は…刺し傷だわ。」
刺し傷?
私は慌てて、キャロルさんの背中の傷を見ようと立ち上がった時。
目の前に、キャロルさんの首に片手をかけ、もう片方の手には短剣を持った影が見えた。
これは…な、なに…?
(ロザリー様、それ以上近寄られませんように)
黒い影はそう言うと笑いながら
(あなたには私が作った話のヒロインをやって頂きたいのです。悲劇のヒロインを…。)
黒い影は私へと手を伸ばした途端
意識が暗転した。
「ロザリー!」
「ロザリー様!」
「ここで俺達が作戦を中止しても、バウマン達が剣を引いてくるわけがない。必ずあんたを!次期国王となるあんたを殺さないとバウマンは王になれないのだから!そんなことわかっているはずのあんたが…作戦を中止なんてありえない。おい…まさか…あんたはウィンスレット侯爵と二人で戦うつもりなのか?!…ふざけんなよ!」
「…」
「なんか言えよ!」
「……近衛師団はおおよそ500。おそらくすべての団員らがヒューゴに暗示をかけられているだろう。そして…ジャスミン、ロイ、ナダルも暗示をかけれていると思っていいいだろう。それだけじゃない、味方だと思っている者の中にどれだけ暗示にかかっている者がいるかわからない。陣営はかなり崩されているはずだ。…もう詰んでる状態と言ってもいい。」
「だからだろうが!だから俺の力がいるはずだ!ここまで来て、俺を外すのか!」
「いや…おまえには大事な事を頼みたい。」
俺の言葉に、アストンは眉をあげた。
「ミランダだ。バウマン公爵にとって、不思議な力を持ったミランダも邪魔な存在だ。幼い今のうちに始末しようと動くはずだ。アストン、頼む。ブラチフォード国の次期女王を、無事ブラチフォード国に連れて帰ってやってくれ。…頼む」
俺はアストンに頭を下げた。
「…なんだよ…頭なんか下げんなよ!」
アストンは大きく息を吐き、(馬鹿野郎…)と呟くように言うと
「…頼まれてやる。どうせ俺はあのチビ姫の臣下だ。だが…」
アストンはウィンスレット侯爵を、そしてルシアンを見て言った。
「もし…ロザリーが暗示にかかっていたら、あんたらは斬れるのか?」
ウィンスレット侯爵が俯く姿を横目で見ながら、俺はアストンへと視線を向けると、アストンは俺からの視線を避けるように、ほんの少し下を向き
「暗示とやらで、師団長が躊躇なく娼婦らを殺したように、ロザリーも躊躇なく人が斬れるとなれば侯爵も、あんたも、ロザリーを殺すつもりで剣を抜かないと…殺られるぞ。」
迷いのない剣ほど恐ろしいものはない。ましてやロザリーは強い。
暗示にかかって、剣を向けてきたら、アストンの言う通り、本気でやらないと殺されるだろう。
人を殺める事を悩み、苦しむロザリーが、暗示にかかっていたとはいえ、人を殺してしまったら…それが父であるウィンスレット侯爵や俺だったら…我に返った時、ロザリーはどうなってしまうだろうか。
「どうすんだ。」
アストンは俺に覚悟を決めろと言っている。
「正直…俺を殺そうと剣を向けてきたら…剣を抜くことができるかわからない。」
「…おい…。」
「だが、俺以外の人間を殺そうとしたら、ロザリーを……斬る。人を殺める事を悩み苦しんでいたロザリーを…ただの人殺しにさせないために」
アストンはしばらく俺を見ていたが、
「そうか…。杞憂に…終わればいいな。」
そう言うと顔を歪め、
「…死ぬなよ。あんたは絶対死ぬなよ、どんなことをあってもあんたは…死ぬなよ!あんたがローラン国の王にならないと、国民にも多くの死人が出る。…だから…死ぬな。」
アストンの言葉に、ウィンスレット侯爵は黙って頷くと、両手を握りしめるのが見えた。
扉の向こうのお父様の、アストンの、そしてルシアン殿下の気配が変わった。
おかしい。なにか…あったのだろうか…。
不安な気持ちで扉へと視線を移した時だった。
ミランダ姫が大きな声で
「キャロルどうしたの?!背中に血が…」
その声に、キャロルさんが驚いたように
「えっ?背中にですか?」
ミランダ姫はキャロルさんの背中に手をやり
「…ケガをしているわ。」と言って眉を顰めると
「深くはないようだけど…この傷は…刺し傷だわ。」
刺し傷?
私は慌てて、キャロルさんの背中の傷を見ようと立ち上がった時。
目の前に、キャロルさんの首に片手をかけ、もう片方の手には短剣を持った影が見えた。
これは…な、なに…?
(ロザリー様、それ以上近寄られませんように)
黒い影はそう言うと笑いながら
(あなたには私が作った話のヒロインをやって頂きたいのです。悲劇のヒロインを…。)
黒い影は私へと手を伸ばした途端
意識が暗転した。
「ロザリー!」
「ロザリー様!」
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