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4、雨上がり、虹、これから
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雨上がりの青空に、虹がかかっている。
世間を騒がせた事件のあと、私は北方にある獣人の国へとやってきた。
異国の風はすこし乾いていて、お花の匂いがする。優しくて爽やかな、いい匂いだ。
上空では、画家が気ままに筆を遊ばせたような白い雲がゆっくりと風に流されていく。
「わが国へようこそ、聖女様~~っ!」
大きくて立派な建物が並ぶ王都に、花吹雪が舞う。
建物の窓から民が降らせているのだ。
街道には、たくさんの旗を持った民が集まっていた。みんな動物の耳と尻尾が生えていて、可愛い。
「イシャード殿下の婚約者様だーーっ!!」
わあわあと歓迎の声がする。
馬車の中の私はプレッシャーのようなものを感じてどきどきした。
だって、私は。
『美人じゃない方』だったから。
『魔法が得意じゃない方』だったから。
『優秀じゃない方』とずっと言われていたから。
過去と現在のギャップが激しくて、緊張したり不安になったりしてしまう。自分が美人でも優秀でもないという意識があるから、がっかりさせてしまうのではと思ってしまって、怖くなる。
――でも。
到着を知らせるファンファーレが鳴り響く。
華やかで、晴れやかな音だ。
私はそっと呟いた。
「卑屈になっちゃだめ。弱気になったらだめ」
私はエミリオお兄様の妹で、誇り高き王族なのだ。
私は聖女で、この国の王太子殿下の婚約者なのだ。
(堂々としていなければ、私を大切にしてくださる方々の名誉も傷つけてしまうじゃない)
気付いたら、ここはもうお城の前だ。
門をくぐり、馬車がとまって、イシャード殿下が出迎えてくれる。
「アミーラ姫」
待っていた、会いたかった、と嬉しそうに殿下が笑ってくれる。
尻尾がパタパタと揺れていて喜びが伝わってくる。だから、私はすべての緊張から解き放たれて、自然にありのままの笑顔を返すことができた。
「……イシャード殿下!」
重ねた手の温もりが、愛しくて、幸せ。
「お会いしたかった」
「私も」
視線があたたかに絡み合って、甘く声が重なる。
「これから、よろしくお願いしますね」
ここは、美しい北の国。
私を見てくれるのは、特別なあなた。
うつむいて何も言えないでいた私は、もういない。
「姫、愛している。必ず幸せにするので、どうかオレの愛を受け止めてほしい」
煌めく指輪を差し出されて、微笑んで頷いた。
神聖な儀式のように指にはめてくれる。婚約指輪だ。
呪われたお姫様は、もういない。
私はありったけの想いをこめて、真実の言葉を彼に捧げた。
「あなたが好きです。大好きです」
今日から私は、あなたの隣で堂々と胸を張って生きていく。
――HAPPY END!
世間を騒がせた事件のあと、私は北方にある獣人の国へとやってきた。
異国の風はすこし乾いていて、お花の匂いがする。優しくて爽やかな、いい匂いだ。
上空では、画家が気ままに筆を遊ばせたような白い雲がゆっくりと風に流されていく。
「わが国へようこそ、聖女様~~っ!」
大きくて立派な建物が並ぶ王都に、花吹雪が舞う。
建物の窓から民が降らせているのだ。
街道には、たくさんの旗を持った民が集まっていた。みんな動物の耳と尻尾が生えていて、可愛い。
「イシャード殿下の婚約者様だーーっ!!」
わあわあと歓迎の声がする。
馬車の中の私はプレッシャーのようなものを感じてどきどきした。
だって、私は。
『美人じゃない方』だったから。
『魔法が得意じゃない方』だったから。
『優秀じゃない方』とずっと言われていたから。
過去と現在のギャップが激しくて、緊張したり不安になったりしてしまう。自分が美人でも優秀でもないという意識があるから、がっかりさせてしまうのではと思ってしまって、怖くなる。
――でも。
到着を知らせるファンファーレが鳴り響く。
華やかで、晴れやかな音だ。
私はそっと呟いた。
「卑屈になっちゃだめ。弱気になったらだめ」
私はエミリオお兄様の妹で、誇り高き王族なのだ。
私は聖女で、この国の王太子殿下の婚約者なのだ。
(堂々としていなければ、私を大切にしてくださる方々の名誉も傷つけてしまうじゃない)
気付いたら、ここはもうお城の前だ。
門をくぐり、馬車がとまって、イシャード殿下が出迎えてくれる。
「アミーラ姫」
待っていた、会いたかった、と嬉しそうに殿下が笑ってくれる。
尻尾がパタパタと揺れていて喜びが伝わってくる。だから、私はすべての緊張から解き放たれて、自然にありのままの笑顔を返すことができた。
「……イシャード殿下!」
重ねた手の温もりが、愛しくて、幸せ。
「お会いしたかった」
「私も」
視線があたたかに絡み合って、甘く声が重なる。
「これから、よろしくお願いしますね」
ここは、美しい北の国。
私を見てくれるのは、特別なあなた。
うつむいて何も言えないでいた私は、もういない。
「姫、愛している。必ず幸せにするので、どうかオレの愛を受け止めてほしい」
煌めく指輪を差し出されて、微笑んで頷いた。
神聖な儀式のように指にはめてくれる。婚約指輪だ。
呪われたお姫様は、もういない。
私はありったけの想いをこめて、真実の言葉を彼に捧げた。
「あなたが好きです。大好きです」
今日から私は、あなたの隣で堂々と胸を張って生きていく。
――HAPPY END!
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