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3、変革のシトリン
168、貴婦人たちの不倫事変2~わたくしはあなたを邪魔してさしあげる。これから、ずっと
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空国の預言者ネネイによりギスギス禁止を受けたサロンに、新たな話題を投入したのはカサンドラだった。
「殿方っていやですねぇ」
視線が順番に貴婦人たちを巡り、カサンドラは優雅に扇をひろげて演説する。
「紅国の女王陛下は、これからは女性の地位を高く! 自由恋愛を推進! と仰せなのですっ! それなのに、時代遅れの価値観のままの殿方のなんと多いことでしょう」
彼女が唱えるのは、夫シモンの不満だった。
「シモン様は私を人間だと思っていません。妻という名の駒か何かだと思っているのです――先日なんて、私の誕生日を無視して遊戯室でディオラマを直していて、お祝いを言ってくれなかったのですよ。あれは誕生日自体を忘れているのですね」
すると、続々と紅国の貴婦人たちが夫の不満を唱え始めた。
「旦那様はわたくしが姑と喧嘩したときに姑の味方をするのです」
「あら、私の夫は私が嫁と喧嘩したときに嫁の味方をするのよ」
正反対の立場の二人が「ん?」と一瞬考え込んでから「まあ、どっちにしても夫が悪い」と結論を出して。
「子供が生まれたら用済みだと仰り、その日からずっと何年も目も合わせなくなりました。寝室? 別ですわ~!」
「夫はチェスが得意で、初心者の私に相手をさせては得意げにチェス講座をするのですよ」
数人が「チェスの方は実は惚気だったりしませんか?」と首をひねる。
「違いますわ、マウントというのです。夫は私にチェスの腕でマウントを取っているのです!」
当人から反論が唱えられると、「そういえば我が家も」「貴国ではマウントというのですか、我が国ではハラスメントと呼びますの」「あら、我が国ではハラハラ面倒と呼ばれていますわ」と貴婦人たちの声が続く。
「私の家は夫の親族がマウントを交代でしてきますの。山脈ですのよ」
「実は我が家にも山脈がありますの……高いですわ」
「あら、我が家のマウント山脈だって高いですわよ」
マウント山脈とはなにかしら。
そして、なぜマウント山脈の高さを競い始めているのかしら?
いや、フィロシュネーにもわかる。
マウントとはマウンティング。
動物が自己の優位性を示すために相手にまたがることをいう。
人間の場合、物理的に上に乗っかるのではなく、「自分はあなたより優れていますよ」と言葉で上下関係を作ろうとするのだ。
(どちらかというとわたくしが高くそびえる山なのでは?)
フィロシュネーは自分の言動を振り返った。
(わたくしは一番特別です。当たり前じゃなくって……? あら? それってマウント? 貴族社会における階級制度や名誉文化は、先祖代々受け継がれた大いなるマウント山脈では? 世の中はマウントでできているのでは?)
ネネイが、「そうですね」と首をかしげている。
「き……貴族社会での婚姻は……、政治のためにすることが多いのですし、空国や青国はもちろんとして、紅国でも男尊女卑の風潮はまだ根強く……よくあること、ですね」
ホスト国であり照明落とし役のネネイが会話に参加したので、貴婦人たちは「この話は同調してもいいのだ」と認識した様子でますます話に花を咲かせた。
「しょせん、わたくしたちは後継を作るための道具でしかありませんのよ」
「恋愛は伴侶以外とするものですわね~」
貴婦人たちが楽しげに笑う中、ウィスカ・モンテローザ公爵夫人が重い口を開いた。
「あの方は……ソラベル様は、私に興味がありませんの……」
(あっ、ウィスカ様がモンテローザ公爵のお話を……)
フィロシュネーはどきりとした。
様々な噂のあるウィスカ・モンテローザ公爵夫人が夫であるソラベル・モンテローザ公爵の愚痴をこぼしたので、サロンの全員が身を乗り出している。
「ソラベル様のお心にはずっと別の方がいて、……見向きもされません……し、仕方のないことです。初婚ではないのですし、二百歳近く生きていらっしゃるのですもの、年齢差が大きすぎます……」
「ウィ、ウィスカ様……!」
儚げな公爵夫人のいまにも泣き出しそうな声は、サロン中の同情を引いた。それを受けて、カサンドラが「私は味方です、ウィスカ様」と付け入るような気配を見せている。フィロシュネーは、「カサンドラの思い通りにしてはいけない」という勘のような感覚をおぼえた。
「そこで、私に提案が……」
「失礼しますわ、カサンドラ様」
ここは青国の王族として黙ってはいられない――フィロシュネーはカサンドラの声を遮ってウィスカの隣に移動し、その手を取った。
ほっそりとした手は、手首が折れてしまいそうなほど弱々しい。
「フィロシュネー姫殿下……」
泣きだしそうなウィスカの目を覗き込み、フィロシュネーは優しい笑みを浮かべた。
「ふふ、ウィスカ様。ご安心ください」
頼るべきはカサンドラではなくフィロシュネーなのだ、とここにいる全員に知らしめるのだ。
「わたくしが力になります。青空と神鳥の加護のもと、聖女にしてエリュタニアの王妹にしてノルディーニュの友、フィロシュネーが、本日この場にお集りの皆さまに申しましょう、……わたくしは女性の味方ですの。当たり前じゃなくて?」
サロン中の視線が集まるのを感じる。
カサンドラは扇で口元を隠している。目が合うと「素敵」と微笑みの追従を返してきたが、フィロシュネーは彼女の苛立ちを感じ取った。
(カサンドラ・アルメイダ侯爵夫人……また悪さをしようとしましたのね? だったら、わたくしはあなたを邪魔してさしあげる。これから、ずっと)
ダーウッドの話によれば、カサンドラたちは理由もあるが愉快犯的な部分もあるらしい。
それならば、更生を期待するのも難しいだろう。
(捕まえちゃいましょう。前科もあるのだもの。証拠を集めて……)
フィロシュネーは考えた。
悪事を防ぐ。防ぎつつ、悪巧みの証拠を集める。そうして、裁くのだ。
カサンドラは紅国の貴族夫人の身分を持っている。
青国の在り方も以前とは少し違っていて、王族が絶対権力を振りかざして終わり、とはならない。
(いいじゃない。遊戯のよう)
あなた、わたくしがダーウッドから《輝きのネクロシス》の企み事を聞いていると知らないのよね?
わたくし、聞きましたのよ。
――フェリシエンとカサンドラがシューエンを篭絡した手口を、聞きましたのよ。
(うふふ……)
フィロシュネーは美しい瞳をサロン中に巡らせて、晴れ空を渡る涼風のように声を響かせた。
(わたくしは、許しません)
「待遇改善を公爵に命じても良いですし、離婚して良い縁を探すのでも良いですわ。わたくしは、ウィスカ様や皆さまの幸せのために支援を惜しみません」
具体的に何をするのかは一切口にしていないが、貴婦人たちは目を輝かせた。
「姫殿下、我が家のマウント山脈もなんとかしてくださいませ」
(あなたのおうちのマウント山脈をどうしろと言うの)
内心でたじろぎつつ、フィロシュネーは覚悟を決めた。
「ここにいる皆さまは、わたくしの庇護と支援の対象です。なんとかしましょう」
――どうやって?
(シュネー、言ってしまったわね? 王族の言葉は重いわよ。責任を取るのよ……?)
内心冷や汗もののフィロシュネーだったが、サロンはおおいに盛り上がった。
「殿方っていやですねぇ」
視線が順番に貴婦人たちを巡り、カサンドラは優雅に扇をひろげて演説する。
「紅国の女王陛下は、これからは女性の地位を高く! 自由恋愛を推進! と仰せなのですっ! それなのに、時代遅れの価値観のままの殿方のなんと多いことでしょう」
彼女が唱えるのは、夫シモンの不満だった。
「シモン様は私を人間だと思っていません。妻という名の駒か何かだと思っているのです――先日なんて、私の誕生日を無視して遊戯室でディオラマを直していて、お祝いを言ってくれなかったのですよ。あれは誕生日自体を忘れているのですね」
すると、続々と紅国の貴婦人たちが夫の不満を唱え始めた。
「旦那様はわたくしが姑と喧嘩したときに姑の味方をするのです」
「あら、私の夫は私が嫁と喧嘩したときに嫁の味方をするのよ」
正反対の立場の二人が「ん?」と一瞬考え込んでから「まあ、どっちにしても夫が悪い」と結論を出して。
「子供が生まれたら用済みだと仰り、その日からずっと何年も目も合わせなくなりました。寝室? 別ですわ~!」
「夫はチェスが得意で、初心者の私に相手をさせては得意げにチェス講座をするのですよ」
数人が「チェスの方は実は惚気だったりしませんか?」と首をひねる。
「違いますわ、マウントというのです。夫は私にチェスの腕でマウントを取っているのです!」
当人から反論が唱えられると、「そういえば我が家も」「貴国ではマウントというのですか、我が国ではハラスメントと呼びますの」「あら、我が国ではハラハラ面倒と呼ばれていますわ」と貴婦人たちの声が続く。
「私の家は夫の親族がマウントを交代でしてきますの。山脈ですのよ」
「実は我が家にも山脈がありますの……高いですわ」
「あら、我が家のマウント山脈だって高いですわよ」
マウント山脈とはなにかしら。
そして、なぜマウント山脈の高さを競い始めているのかしら?
いや、フィロシュネーにもわかる。
マウントとはマウンティング。
動物が自己の優位性を示すために相手にまたがることをいう。
人間の場合、物理的に上に乗っかるのではなく、「自分はあなたより優れていますよ」と言葉で上下関係を作ろうとするのだ。
(どちらかというとわたくしが高くそびえる山なのでは?)
フィロシュネーは自分の言動を振り返った。
(わたくしは一番特別です。当たり前じゃなくって……? あら? それってマウント? 貴族社会における階級制度や名誉文化は、先祖代々受け継がれた大いなるマウント山脈では? 世の中はマウントでできているのでは?)
ネネイが、「そうですね」と首をかしげている。
「き……貴族社会での婚姻は……、政治のためにすることが多いのですし、空国や青国はもちろんとして、紅国でも男尊女卑の風潮はまだ根強く……よくあること、ですね」
ホスト国であり照明落とし役のネネイが会話に参加したので、貴婦人たちは「この話は同調してもいいのだ」と認識した様子でますます話に花を咲かせた。
「しょせん、わたくしたちは後継を作るための道具でしかありませんのよ」
「恋愛は伴侶以外とするものですわね~」
貴婦人たちが楽しげに笑う中、ウィスカ・モンテローザ公爵夫人が重い口を開いた。
「あの方は……ソラベル様は、私に興味がありませんの……」
(あっ、ウィスカ様がモンテローザ公爵のお話を……)
フィロシュネーはどきりとした。
様々な噂のあるウィスカ・モンテローザ公爵夫人が夫であるソラベル・モンテローザ公爵の愚痴をこぼしたので、サロンの全員が身を乗り出している。
「ソラベル様のお心にはずっと別の方がいて、……見向きもされません……し、仕方のないことです。初婚ではないのですし、二百歳近く生きていらっしゃるのですもの、年齢差が大きすぎます……」
「ウィ、ウィスカ様……!」
儚げな公爵夫人のいまにも泣き出しそうな声は、サロン中の同情を引いた。それを受けて、カサンドラが「私は味方です、ウィスカ様」と付け入るような気配を見せている。フィロシュネーは、「カサンドラの思い通りにしてはいけない」という勘のような感覚をおぼえた。
「そこで、私に提案が……」
「失礼しますわ、カサンドラ様」
ここは青国の王族として黙ってはいられない――フィロシュネーはカサンドラの声を遮ってウィスカの隣に移動し、その手を取った。
ほっそりとした手は、手首が折れてしまいそうなほど弱々しい。
「フィロシュネー姫殿下……」
泣きだしそうなウィスカの目を覗き込み、フィロシュネーは優しい笑みを浮かべた。
「ふふ、ウィスカ様。ご安心ください」
頼るべきはカサンドラではなくフィロシュネーなのだ、とここにいる全員に知らしめるのだ。
「わたくしが力になります。青空と神鳥の加護のもと、聖女にしてエリュタニアの王妹にしてノルディーニュの友、フィロシュネーが、本日この場にお集りの皆さまに申しましょう、……わたくしは女性の味方ですの。当たり前じゃなくて?」
サロン中の視線が集まるのを感じる。
カサンドラは扇で口元を隠している。目が合うと「素敵」と微笑みの追従を返してきたが、フィロシュネーは彼女の苛立ちを感じ取った。
(カサンドラ・アルメイダ侯爵夫人……また悪さをしようとしましたのね? だったら、わたくしはあなたを邪魔してさしあげる。これから、ずっと)
ダーウッドの話によれば、カサンドラたちは理由もあるが愉快犯的な部分もあるらしい。
それならば、更生を期待するのも難しいだろう。
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フィロシュネーは考えた。
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カサンドラは紅国の貴族夫人の身分を持っている。
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わたくし、聞きましたのよ。
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(うふふ……)
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(わたくしは、許しません)
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具体的に何をするのかは一切口にしていないが、貴婦人たちは目を輝かせた。
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内心でたじろぎつつ、フィロシュネーは覚悟を決めた。
「ここにいる皆さまは、わたくしの庇護と支援の対象です。なんとかしましょう」
――どうやって?
(シュネー、言ってしまったわね? 王族の言葉は重いわよ。責任を取るのよ……?)
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