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3、変革のシトリン
183、姫殿下は、まだ十五歳であらせられるのですもの
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話し合いの結果。
競売場の会場は変えることになり、ミランダは青王の婚約者候補から外れることになった。
(ミランダ本人がどう思うかしら……)
フィロシュネーが気にしていると、ハルシオンはずんずんとミランダに近寄って行った。
こほん、こほんと何回か咳払いして喉の調子を整えるようにしてから大きな動作で両手を広げる様子は、フィロシュネーには芝居がかって見えた。
「ミランダ~! 突然ですが、ミランダには婚約者候補から外れてもらいまぁす!」
その明るい声に、フィロシュネーは出会ったばかりのハルシオンを思い出した。
以前よりも演技臭い。これはきっと、意識的に以前のように振る舞おうとしているのだ――フィロシュネーはそう思った。
「ハルシオン殿下……!?」
「これは私の決定なので、拒否権はありませんッ、今からミランダはまた私の騎士です。はい、今から!」
――強引!
周囲が呆気にとられる中、ハルシオンはぐいぐいとミランダを引っ張って客船に引き上げていく。
(ちょっと照れていらっしゃるのでは?)
ほんのりと耳が赤くなっているのを見て、フィロシュネーは微笑ましい気持ちになった。
「びっくりしましたわね。何事ですの?」
「空国の王兄殿下はいつもあんなだよ」
招待客たちがざわざわしている。
空王アルブレヒトは「兄が驚かせてすみません」と声をかけて、事情を説明した。
「我が国の預言者ネネイが本日、預言をしたのです」
朗々とした説明の声が注目を集めている。宴は人が多い――浜辺の宴会場の様子を見ていたフィロシュネーは、ふとサイラスが令嬢に囲まれていることに気付いた。
(もてている……)
令嬢たちは頬を染めていて、フィロシュネーは複雑な気持ちになった。
(わたくしの婚約者は格好良いでしょう?)
という、自慢に思うような気持ちと。
(でも、あんまり気を惹こうとしちゃだめよ……)
という、もやもや、はらはらとした気持ちだ。
「フィロシュネー姫殿下」
「あ、……はいっ……?」
ぼんやりと見ていると声をかけられたので、フィロシュネーはビクッとした。
視線を向けると、サロンメンバーの貴婦人が数人集まっている。
「先ほどの件についてなのですけど……」
(先ほどの件?)
フィロシュネーがきょとんとしていると、彼女たちはお互いに視線をあわせてもじもじしながら次々と言った。
「私は感謝しているのです。だって、夫は変わりましたもの」
「わたしもです」
「私の新しいパートナーは、すごく良い方なんです。倫理観もしっかりしています」
「意識改革は素晴らしいとおもいます! 今度もぜひ進めてまいりましょう!」
「先ほど言えればよかったのですが、保身に走ってしまって……次からは声をあげますわ」
「え……」
フィロシュネーは目を丸くした。
「申し訳ありませんでしたわ」
「申し訳ございません」
なにを言われているのかは、わかった。
カサンドラ・アルメイダ侯爵夫人に悪意のある言葉を言われたときのことを謝っていて、フィロシュネーに「フィロシュネーの対応に自分たちは満足している」と教えてくれているのだ。
「あ……ありがとう、ございますわ」
自分自身、完璧な対応ではなかったと思っている。
冷静になって「よくなかったかしら」と思っていた部分があっただけに、突然の好意に囲まれたフィロシュネーの胸には不思議な感動があった。
自分のこころのじくじく痛んで弱くなっていたところを、不意打ちのように撫でてもらったみたいで。
くすぐったくて。
じぃん、と震えて、熱くなって、嬉しくなる。
(だって、わたくし……)
こっそり、落ち込んでいたところがあったのだ。気にしていたのだ。
「……わたくし、本当は、自信をなくしていましたの。強引すぎたり、過激すぎる方策だったかしら、って……。至らないところもあると思いますけど、みなさまと一緒に今後のことを考えていきたいですわ」
まつげが震えて、油断するとぽろりと涙をこぼしてしまいそう。
フィロシュネーは鼻の頭をすこし赤くして、はにかむように微笑んだ。
周りにいるのは、二十代や三十代、四十代の夫人たちだ。
十五歳のフィロシュネーよりも、みんな大人で、年上だ。
彼女たちは敬意と親しさのまざる笑顔で、代わる代わる、あたたかに言うのだ。
「姫殿下は、まだ十五歳であらせられるのですもの。ご年齢をかんがえると、至らないどころかとっても民や臣下を想っていらして、頑張っていらっしゃいますわ」
――励ましてくれるのだ。
優しく、お姉さまみたいな温度感で。
「ええ、ええ。姫殿下は不遇な身分にある女性を救いたいというお気持ちを示してくださっただけでも、素晴らしいことなのですわ。そのお気持ちを示されたという事実だけでも、女性たちにとっては頼もしく、希望を感じさせてくれることなのです」
「最適な方策を練ったり、姫殿下のお考えを補佐して穴を埋めたり軌道修正するのは臣下の務めでもあるのですわ」
「結果的にあたくしたちは幸せですし、男性の意識を変えることは、世の女性のためにも間違いなく良いことだとおもいます」
はっきりと味方の温度感で笑って、元気づけてくれるのだ。
「強引というのは、あの空国の王兄殿下みたいな方をいうのですわ!」
「まあ、うふふ! さきほども、すごかったですわねぇ」
「おほほほ……あの殿下はいつもああですの」
ハルシオンと比較するようにして笑い、フィロシュネーの気持ちを軽くしようとしてくれている。
「あ……ありがとぅ……」
このままでは、ほんとうに泣いてしまうのではないかしら、わたくし? フィロシュネーが顔を赤くしていると、貴婦人たちは別の方向をみてにこにこした。
「姫殿下の婚約者様がいらっしゃいましたわ」
サイラスが令嬢たちの輪に背を向けてこちらへとやってくる。
「見ました? 私は見ていました。愛しの姫君のところに行くのでついてこないでほしい、と、後ろをついてくる令嬢にきっぱりお断りを入れていましたのを」
「きゃ、素敵じゃないですの~」
フィロシュネーの周囲で貴婦人たちがはしゃいでいる。
「いつもサロンで姫が親しくしていただいている方々ですね。ご挨拶するご縁を嬉しく存じます」
サイラスが挨拶すると貴婦人たちは競うように挨拶をして、「今、あたくしたちはこんな話をしていました」と直前までのフィロシュネーにしてくれていた「夫が変わった話」や「新しいパートナーが良い人物である話」「意識改革が世の中の女性にとって望ましいと思われるという意見」を浴びせかける。
「アルメイダ侯爵夫人が噂していましたけれど、ノイエスタル神師伯様が婚約者である姫殿下に『まるで悪人』とおっしゃったというのは真実ですの?」
「まあっ、ひどい! どうして婚約者にそのようなことをおっしゃるの」
「姫様がおかわいそうですわ」
その話す内容がだんだんと不穏になっていったところで、周囲がパッと暗闇に閉ざされる。
空国の預言者ネネイの呪術だ。いつの間にか、近くにいる。
「キャーーーッ!」
驚いて声をあげる貴婦人たちに「浜辺でも暗闇は提供できますので、争い事はなさらないようにおねがいします」と告げたネネイはささっと明かりを戻した。
「それでは、船旅を引き続きおたのしみください」
締めくくる声は、いつもの弱気な雰囲気ではなくて、いたずらな少女な気配をまとっていて、表情は明るかった。
「……♪」
空王アルブレヒトのそばに戻って行くネネイは、機嫌がいい。
(あれはきっと、ダーウッドの言葉よりも自分の言葉を重く扱ってもらえたのが嬉しかったのね)
フィロシュネーは、そう思った。
「油断しましたわ~! もう、預言者様ったら」
「くすくす、お外でも油断できませんわね」
貴婦人たちは、もうすっかりネネイの暗闇にも慣れたようで機嫌を損ねることなく笑っている。
――旅って、不思議。
潮風にさらさらと白銀の髪を遊ばれながら、フィロシュネーはその心地よさに目を細めた。
競売場の会場は変えることになり、ミランダは青王の婚約者候補から外れることになった。
(ミランダ本人がどう思うかしら……)
フィロシュネーが気にしていると、ハルシオンはずんずんとミランダに近寄って行った。
こほん、こほんと何回か咳払いして喉の調子を整えるようにしてから大きな動作で両手を広げる様子は、フィロシュネーには芝居がかって見えた。
「ミランダ~! 突然ですが、ミランダには婚約者候補から外れてもらいまぁす!」
その明るい声に、フィロシュネーは出会ったばかりのハルシオンを思い出した。
以前よりも演技臭い。これはきっと、意識的に以前のように振る舞おうとしているのだ――フィロシュネーはそう思った。
「ハルシオン殿下……!?」
「これは私の決定なので、拒否権はありませんッ、今からミランダはまた私の騎士です。はい、今から!」
――強引!
周囲が呆気にとられる中、ハルシオンはぐいぐいとミランダを引っ張って客船に引き上げていく。
(ちょっと照れていらっしゃるのでは?)
ほんのりと耳が赤くなっているのを見て、フィロシュネーは微笑ましい気持ちになった。
「びっくりしましたわね。何事ですの?」
「空国の王兄殿下はいつもあんなだよ」
招待客たちがざわざわしている。
空王アルブレヒトは「兄が驚かせてすみません」と声をかけて、事情を説明した。
「我が国の預言者ネネイが本日、預言をしたのです」
朗々とした説明の声が注目を集めている。宴は人が多い――浜辺の宴会場の様子を見ていたフィロシュネーは、ふとサイラスが令嬢に囲まれていることに気付いた。
(もてている……)
令嬢たちは頬を染めていて、フィロシュネーは複雑な気持ちになった。
(わたくしの婚約者は格好良いでしょう?)
という、自慢に思うような気持ちと。
(でも、あんまり気を惹こうとしちゃだめよ……)
という、もやもや、はらはらとした気持ちだ。
「フィロシュネー姫殿下」
「あ、……はいっ……?」
ぼんやりと見ていると声をかけられたので、フィロシュネーはビクッとした。
視線を向けると、サロンメンバーの貴婦人が数人集まっている。
「先ほどの件についてなのですけど……」
(先ほどの件?)
フィロシュネーがきょとんとしていると、彼女たちはお互いに視線をあわせてもじもじしながら次々と言った。
「私は感謝しているのです。だって、夫は変わりましたもの」
「わたしもです」
「私の新しいパートナーは、すごく良い方なんです。倫理観もしっかりしています」
「意識改革は素晴らしいとおもいます! 今度もぜひ進めてまいりましょう!」
「先ほど言えればよかったのですが、保身に走ってしまって……次からは声をあげますわ」
「え……」
フィロシュネーは目を丸くした。
「申し訳ありませんでしたわ」
「申し訳ございません」
なにを言われているのかは、わかった。
カサンドラ・アルメイダ侯爵夫人に悪意のある言葉を言われたときのことを謝っていて、フィロシュネーに「フィロシュネーの対応に自分たちは満足している」と教えてくれているのだ。
「あ……ありがとう、ございますわ」
自分自身、完璧な対応ではなかったと思っている。
冷静になって「よくなかったかしら」と思っていた部分があっただけに、突然の好意に囲まれたフィロシュネーの胸には不思議な感動があった。
自分のこころのじくじく痛んで弱くなっていたところを、不意打ちのように撫でてもらったみたいで。
くすぐったくて。
じぃん、と震えて、熱くなって、嬉しくなる。
(だって、わたくし……)
こっそり、落ち込んでいたところがあったのだ。気にしていたのだ。
「……わたくし、本当は、自信をなくしていましたの。強引すぎたり、過激すぎる方策だったかしら、って……。至らないところもあると思いますけど、みなさまと一緒に今後のことを考えていきたいですわ」
まつげが震えて、油断するとぽろりと涙をこぼしてしまいそう。
フィロシュネーは鼻の頭をすこし赤くして、はにかむように微笑んだ。
周りにいるのは、二十代や三十代、四十代の夫人たちだ。
十五歳のフィロシュネーよりも、みんな大人で、年上だ。
彼女たちは敬意と親しさのまざる笑顔で、代わる代わる、あたたかに言うのだ。
「姫殿下は、まだ十五歳であらせられるのですもの。ご年齢をかんがえると、至らないどころかとっても民や臣下を想っていらして、頑張っていらっしゃいますわ」
――励ましてくれるのだ。
優しく、お姉さまみたいな温度感で。
「ええ、ええ。姫殿下は不遇な身分にある女性を救いたいというお気持ちを示してくださっただけでも、素晴らしいことなのですわ。そのお気持ちを示されたという事実だけでも、女性たちにとっては頼もしく、希望を感じさせてくれることなのです」
「最適な方策を練ったり、姫殿下のお考えを補佐して穴を埋めたり軌道修正するのは臣下の務めでもあるのですわ」
「結果的にあたくしたちは幸せですし、男性の意識を変えることは、世の女性のためにも間違いなく良いことだとおもいます」
はっきりと味方の温度感で笑って、元気づけてくれるのだ。
「強引というのは、あの空国の王兄殿下みたいな方をいうのですわ!」
「まあ、うふふ! さきほども、すごかったですわねぇ」
「おほほほ……あの殿下はいつもああですの」
ハルシオンと比較するようにして笑い、フィロシュネーの気持ちを軽くしようとしてくれている。
「あ……ありがとぅ……」
このままでは、ほんとうに泣いてしまうのではないかしら、わたくし? フィロシュネーが顔を赤くしていると、貴婦人たちは別の方向をみてにこにこした。
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「見ました? 私は見ていました。愛しの姫君のところに行くのでついてこないでほしい、と、後ろをついてくる令嬢にきっぱりお断りを入れていましたのを」
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「まあっ、ひどい! どうして婚約者にそのようなことをおっしゃるの」
「姫様がおかわいそうですわ」
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「キャーーーッ!」
驚いて声をあげる貴婦人たちに「浜辺でも暗闇は提供できますので、争い事はなさらないようにおねがいします」と告げたネネイはささっと明かりを戻した。
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締めくくる声は、いつもの弱気な雰囲気ではなくて、いたずらな少女な気配をまとっていて、表情は明るかった。
「……♪」
空王アルブレヒトのそばに戻って行くネネイは、機嫌がいい。
(あれはきっと、ダーウッドの言葉よりも自分の言葉を重く扱ってもらえたのが嬉しかったのね)
フィロシュネーは、そう思った。
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