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17、推しが最強で最高
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先代様に連れられた場所は意外なところだった。
「え?これって……」
「そう!琥珀の部屋が洋風?だからこっちもお試しで作ってみようって建てた部屋!ソファとかいいね!ベッドも俺好き~」
和様式だった屋敷に扉があり、開くとソファと机があった。父さんの執務室のような家具の配置の部屋である。その部屋の机の上にはクロスがかけられた何かが乗っている。
先代様に座るように言われソファに座ると、沈んだ。柔らかい。気持ちいい。
「実は、お菓子も洋風のものにしてみたんだ」
「え、凄い!!」
そう言って先代様がクロスを取ると、ケーキやスコーン、クッキーなどなど洋菓子がそこに並んでいた。まだうちの家に洋菓子は普及していない。作らせると手間がかかると思って中々言えなかったのだ。人の都にはそれなりにあるが、行くのに時間かかるし、少し高いので買えずにいた。それが今所狭しと机の上に乗っている!
「食べていいの!?」
「うん勿論」
先代様の言葉にテンション上がって、いただきますっと挨拶をした後に手前にあったクリームたっぷりのケーキを口にした。ふんわりと柔らかく甘―い生クリームに甘酸っぱい苺とスポンジケーキが混ざりあって美味しい。
「お茶もどうぞ」
「紅茶だ!いただきまーす!」
すっと、紅茶が出されて口にする。すっきりとしたストレートティーで甘いお菓子によく合う。すぐにショートケーキは無くなった。それから今度は、苺たっぷりのタルトを口にする。これも文句なしに美味しい。んーっとお菓子に舌鼓を打っていると、足音がしてノックもなしに扉が開いた。
「ちょっと、勝手に入らないでくださいと何回言えば……」
「お、御館様!?」
え!?なんでいるの!?
そう思うのも無理はない。歴代の御館様は中央に住んでいるのだ。御館様の伴侶と家族も一緒に中央に住めるが今の先代様のように住居を建てることも可能である。まあ、先代様は御館様ではないのでここに住めるが、御館様は警備的な問題もあって必ず中央住まいのはずだ。
だから、ここに御館様が来るのに驚いた。
「琥珀?なぜここに……」
「少し用事があったようでね?今は時間つぶししてるところ」
「成程そうですか」
先代様の言葉に御館様をそう納得した。俺は慌てて立ち上がって彼に頭を下げる。
「あ、あの、御館様ごめんなさい!勝手に上がってしまって!」
「いいえ。それよりも琥珀、顔をあげてください」
「はい!」
そう言って顔をあげた俺に、御館様は手拭いで頬を拭った。
「ついてましたよ」
「あ、す、すみません!!」
食べかすがついていたことに恥ずかしくなって顔を赤くする。
うう、推しの前で醜態晒してる俺!
「あ、俺やることあったんだ!じゃあね、琥珀」
「え!?」
「貴方、客人を放って……ああもう」
先代様は御館様が何かを言う前にさっさと出て行ってしまった。俺はちらちらと御館様を見て、何の用でここに入ったのだろうと考える。普通に仕事の何かを取りに来たのだろうか。ならば手伝いを……!
「琥珀」
「はい!」
「私の休憩に付き合ってくれますか?」
「勿論です御館様!」
せっせと俺はソファに腰かけた御館様にも紅茶を淹れる。いつか御館様に淹れる機会があるかもと練習した甲斐があった!
それから俺は向かいに座ろうとしたがぽんぽんっと御館様が隣のソファを叩くのを見てそこに素早く腰掛ける。なんか良い匂いする。推し凄い。
「琥珀は先ほどまで何を食べていたんですか?」
「ショートケーキと苺タルトを食べました!美味しかったです!」
「そうですか。ん、これ美味しいですね」
「クッキーですね!俺もそれぐらいは作れます!」
クッキーは作れるぞ!前世でも何回か作ったし!
そう思ってどや顔で言うと御館様はくすくすと綺麗に笑う。
「そうですか。なら時間があった時にでも私に作ってくれますか?」
「御館様の為ならばいくらでも!」
「ありがとう、琥珀。楽しみにしています」
「はい!」
御館様が美人でかっこよすぎる~!いつもは口元にマスクしてるんだけど食い物食べてるから外しててご尊顔が拝めるよー!!
推しが最強で最高。
鼻血出てないかさりげなく確認しながら、俺も同じように洋菓子を食べる。まじでうまい。どこの店で買ったか今度聞いてみよ。
「え?これって……」
「そう!琥珀の部屋が洋風?だからこっちもお試しで作ってみようって建てた部屋!ソファとかいいね!ベッドも俺好き~」
和様式だった屋敷に扉があり、開くとソファと机があった。父さんの執務室のような家具の配置の部屋である。その部屋の机の上にはクロスがかけられた何かが乗っている。
先代様に座るように言われソファに座ると、沈んだ。柔らかい。気持ちいい。
「実は、お菓子も洋風のものにしてみたんだ」
「え、凄い!!」
そう言って先代様がクロスを取ると、ケーキやスコーン、クッキーなどなど洋菓子がそこに並んでいた。まだうちの家に洋菓子は普及していない。作らせると手間がかかると思って中々言えなかったのだ。人の都にはそれなりにあるが、行くのに時間かかるし、少し高いので買えずにいた。それが今所狭しと机の上に乗っている!
「食べていいの!?」
「うん勿論」
先代様の言葉にテンション上がって、いただきますっと挨拶をした後に手前にあったクリームたっぷりのケーキを口にした。ふんわりと柔らかく甘―い生クリームに甘酸っぱい苺とスポンジケーキが混ざりあって美味しい。
「お茶もどうぞ」
「紅茶だ!いただきまーす!」
すっと、紅茶が出されて口にする。すっきりとしたストレートティーで甘いお菓子によく合う。すぐにショートケーキは無くなった。それから今度は、苺たっぷりのタルトを口にする。これも文句なしに美味しい。んーっとお菓子に舌鼓を打っていると、足音がしてノックもなしに扉が開いた。
「ちょっと、勝手に入らないでくださいと何回言えば……」
「お、御館様!?」
え!?なんでいるの!?
そう思うのも無理はない。歴代の御館様は中央に住んでいるのだ。御館様の伴侶と家族も一緒に中央に住めるが今の先代様のように住居を建てることも可能である。まあ、先代様は御館様ではないのでここに住めるが、御館様は警備的な問題もあって必ず中央住まいのはずだ。
だから、ここに御館様が来るのに驚いた。
「琥珀?なぜここに……」
「少し用事があったようでね?今は時間つぶししてるところ」
「成程そうですか」
先代様の言葉に御館様をそう納得した。俺は慌てて立ち上がって彼に頭を下げる。
「あ、あの、御館様ごめんなさい!勝手に上がってしまって!」
「いいえ。それよりも琥珀、顔をあげてください」
「はい!」
そう言って顔をあげた俺に、御館様は手拭いで頬を拭った。
「ついてましたよ」
「あ、す、すみません!!」
食べかすがついていたことに恥ずかしくなって顔を赤くする。
うう、推しの前で醜態晒してる俺!
「あ、俺やることあったんだ!じゃあね、琥珀」
「え!?」
「貴方、客人を放って……ああもう」
先代様は御館様が何かを言う前にさっさと出て行ってしまった。俺はちらちらと御館様を見て、何の用でここに入ったのだろうと考える。普通に仕事の何かを取りに来たのだろうか。ならば手伝いを……!
「琥珀」
「はい!」
「私の休憩に付き合ってくれますか?」
「勿論です御館様!」
せっせと俺はソファに腰かけた御館様にも紅茶を淹れる。いつか御館様に淹れる機会があるかもと練習した甲斐があった!
それから俺は向かいに座ろうとしたがぽんぽんっと御館様が隣のソファを叩くのを見てそこに素早く腰掛ける。なんか良い匂いする。推し凄い。
「琥珀は先ほどまで何を食べていたんですか?」
「ショートケーキと苺タルトを食べました!美味しかったです!」
「そうですか。ん、これ美味しいですね」
「クッキーですね!俺もそれぐらいは作れます!」
クッキーは作れるぞ!前世でも何回か作ったし!
そう思ってどや顔で言うと御館様はくすくすと綺麗に笑う。
「そうですか。なら時間があった時にでも私に作ってくれますか?」
「御館様の為ならばいくらでも!」
「ありがとう、琥珀。楽しみにしています」
「はい!」
御館様が美人でかっこよすぎる~!いつもは口元にマスクしてるんだけど食い物食べてるから外しててご尊顔が拝めるよー!!
推しが最強で最高。
鼻血出てないかさりげなく確認しながら、俺も同じように洋菓子を食べる。まじでうまい。どこの店で買ったか今度聞いてみよ。
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