51 / 59
50、お強い……
しおりを挟む
君彦君たちのご両親は大変喜んでいた、という言葉を聞いた。とはいえ、不安は残るようで細心の注意を払うため席の位置とか食べ物とか招待客の位置とかを確認しているという。
周りが協力的なのは良いことだ。よかった~。
そして今日も君彦君は部屋から出る練習だ。俺を抱えて。
部屋から出て、廊下をゆっくり歩く。ゆっくり、ゆっくり……。そして、今日は何と階下まで行こうと階段まで向かっていた。
おお?
下まで行くのだろうか。階段の前でぴたりと足を止める。それからすーはーっと深呼吸をした。体の震えが俺にまで伝わるけれど、今日は階段を降りようと思っているようで鋭く下を睨みつけている。そして、一歩歩き出そうとした時だった。
「君彦君?」
「!!」
階下から声がした。誰かがいるのは気づいていたけれどまさか声をかけるとは思わなかったので俺がぎょっとする。慌てて声をかけてきた人物を見ると、爽やかなイケメンがそこにいた。
雰囲気的に優しそう。雰囲気だけね!
「こんにちは。久しぶりだね」
「は……い……」
「その子は?君の使役してる妖君かな?」
問答無用で近づいてきた。
君彦君がかなり限界値を迎え始めているのだが、あれか、この人はあえて普通を装うことで不安を和らげているのだろうか?よくわかんないけど、それはもう少し経ってからじゃないと効果がない気がする!
「こんにちは。少し触ってもいいかな?」
「あ……」
「ダメかな?」
「ぃ、ぃぇ……」
そう言ってきた彼に君彦君は小さい声で答えつつ震えながら俺を彼に差し出す。
彼は嬉しそうに笑いながら俺を撫でる。
手つきは優しいが、なんだろう。値踏みされてる……?
「可愛いね。おしゃべりは出来ないのかな?」
「……ぁ、ぇ……」
「飼い主と一緒で上手におしゃべり出来ないかな~?」
「……っ!!」
ほー?
俺は容赦なく手に噛みついた。
「いっ!?」
ぷっと滲んできた血を吐き出して彼を蹴って君彦君のところに移動する。俺は素知らぬ顔で君彦君の肩にぐるっと巻き付いて目を閉じた。
「……へー?」
じろっと睨まれているのが分かるがおしゃべり上手にできないからなぁ?何言ってるか分かんなぁい!
とはいえ、ちょっとやりすぎたかな。
ちらっと片目だけ開けて様子を見ると目が合った。
げ。
彼はキラキラとした目でふわりと笑う。
「かわいー。欲しいな~?頂戴?」
「……ぇ」
「いいでしょ?どうせ、結婚するんだし。共通財産でしょ?俺のところに持って行ってもいよね?」
そう言って掌を見せてくる。頂戴というジェスチャーだ。
ていうか、え?結婚すんの?君彦君とこいつが?所謂婚約者的な感じだよね?うそぉ……。
「君も、君彦君に使役されたままだったら小さいままだよ~?」
ぷいっとそっぽを向いておいた。残念ながらあえてこの姿になっているのだ。君なんか一ひねりだぞ?分かってんのか?
「あ!そうだ。折角ここまで来たんだから下に行こうよ」
この男ぉぉおおおおおおっ!!
君彦君の手を取って問答無用で連れて行きそうだったのでがぶっと手に噛みついた。その男は今度は痛がりもせずに俺が噛みついたまま手を引いて体を掴まれた。
「ありがとう、君彦君!」
「ま……っ!」
君彦君の声を聞くことなく、彼は俺に手を噛みつかれたまま階段を下りてしまう。
俺に手を噛みつかれたまま、だ。
まさかそのまま持って行かれるとは思わずに唖然とすると、彼はにこにこ笑う。
「俺の手美味しい?」
すっと手を口から離してぷっと吐き出す。それから手から逃れようと身をよじって尻尾を掴まれた。
「ひぁっ!!」
「なんだ。おしゃべり出来るんだね?」
「ん、ひぃ、ぃ……っ!」
尻尾はだめ!やめて!
ぞわぞわと背筋が震えて力が抜ける。
「可愛い~。ここ弱いの?気持ちいい?」
「ぅ、や、やめ……」
こ、こいつぅ!!獣相手に何しやがる!人の趣味嗜好に文句つける気はないけれど!動物相手にそれはセクハラだからぁ!
そう叫びたいところだが、今声を上げたら変な声が出そうになるので、ぐっと噛みしめて耐える。
「楽しそうですね」
「……え?」
御館様の声がした。
そして、俺の体が解放されて床に着地し彼を見ると彼は御館様に首を掴まれていた。バタバタと足が空中で動かし、御館様の腕に爪を立てているが全く効果がない。
苦しそうな声をあげている彼に大してそんな彼の首を片手で締め上げている御館様はにこにこと笑顔であった。
「ぁ……っ!!」
不意に動いていた足が動かなくなった。だらんっと腕も力を失っているようだった。それから御館様は彼を床に投げた。
「飽きました」
その瞬間、ばちっと音がして何かが切れた。
それと同時に階段から何かが転げ落ちる音がする。
「御館様!!」
「大丈夫ですよ。だから帰りましょう」
大丈夫って!
契約を第三者が無理やり切ったら術者に負担がかかる。今階段から落ちたのは君彦君だ。体の自由がいきなり効かなくなって転げ落ちてしまったのだ。打ち所が悪ければまずいことになる!
「おや……っ!」
「狐だ!!狐がいるぞ!!」
「ゆ、裕翔様がぁっ!」
「早く妖魔課に連絡しろ!!」
先ほどの音を聞きつけて使用人たちがやってきた。御館様は今尻尾も隠していない状態で瞳が怪しく光っている。それから御館様はじっと使用人たちを見た。
「お腹がすいてきたような……」
「ひぃっ!」
舌なめずりをした御館様が口を開けてそう言うと使用人たちが震えあがる。
まずい!
「お、御館様!ご飯は俺があげますので!!」
家帰ったら竈たちがご飯を作るので!!だからそれで勘弁して!!
そう訴えると御館様はぴたりと動きを止めた。それからぐんっと思いっきり俺の方を見る。
「本当ですか!?」
「は、はい!」
「いくらでも?」
「はい!」
今までの怪しい雰囲気が一変してにこにこの明るい笑顔になった。
そんなにお腹がすいていたんだろうか。気づかなくてごめんなさい……。
「帰りましょう!!」
「あ、はい……」
きっと人がいるから君彦君も大丈夫だろう。
彼には悪い事をした。御館様が何か好意的だから油断した。そもそも妖の思考っておかしいんだよね。俺もだけど何が琴線に触れるか分かんないから。後、頭に血が上ったら何するか分かんないし。
一先ずクールダウンさせると御館様は俺を抱えながら丁寧に扉を開けた。すると、前方の空にキラっと何かが光った。
「御館様!」
俺が叫んで彼を庇おうとするが飛んできた矢は御館様に届く前に燃えてなくなった。この間、俺が叫んだので御館様は俺を見て不思議そうにしてました。
「どうしました?」
「あ、いえ、なんでも……」
そうだった。御館様は強いから御館様なんだった。
周りが協力的なのは良いことだ。よかった~。
そして今日も君彦君は部屋から出る練習だ。俺を抱えて。
部屋から出て、廊下をゆっくり歩く。ゆっくり、ゆっくり……。そして、今日は何と階下まで行こうと階段まで向かっていた。
おお?
下まで行くのだろうか。階段の前でぴたりと足を止める。それからすーはーっと深呼吸をした。体の震えが俺にまで伝わるけれど、今日は階段を降りようと思っているようで鋭く下を睨みつけている。そして、一歩歩き出そうとした時だった。
「君彦君?」
「!!」
階下から声がした。誰かがいるのは気づいていたけれどまさか声をかけるとは思わなかったので俺がぎょっとする。慌てて声をかけてきた人物を見ると、爽やかなイケメンがそこにいた。
雰囲気的に優しそう。雰囲気だけね!
「こんにちは。久しぶりだね」
「は……い……」
「その子は?君の使役してる妖君かな?」
問答無用で近づいてきた。
君彦君がかなり限界値を迎え始めているのだが、あれか、この人はあえて普通を装うことで不安を和らげているのだろうか?よくわかんないけど、それはもう少し経ってからじゃないと効果がない気がする!
「こんにちは。少し触ってもいいかな?」
「あ……」
「ダメかな?」
「ぃ、ぃぇ……」
そう言ってきた彼に君彦君は小さい声で答えつつ震えながら俺を彼に差し出す。
彼は嬉しそうに笑いながら俺を撫でる。
手つきは優しいが、なんだろう。値踏みされてる……?
「可愛いね。おしゃべりは出来ないのかな?」
「……ぁ、ぇ……」
「飼い主と一緒で上手におしゃべり出来ないかな~?」
「……っ!!」
ほー?
俺は容赦なく手に噛みついた。
「いっ!?」
ぷっと滲んできた血を吐き出して彼を蹴って君彦君のところに移動する。俺は素知らぬ顔で君彦君の肩にぐるっと巻き付いて目を閉じた。
「……へー?」
じろっと睨まれているのが分かるがおしゃべり上手にできないからなぁ?何言ってるか分かんなぁい!
とはいえ、ちょっとやりすぎたかな。
ちらっと片目だけ開けて様子を見ると目が合った。
げ。
彼はキラキラとした目でふわりと笑う。
「かわいー。欲しいな~?頂戴?」
「……ぇ」
「いいでしょ?どうせ、結婚するんだし。共通財産でしょ?俺のところに持って行ってもいよね?」
そう言って掌を見せてくる。頂戴というジェスチャーだ。
ていうか、え?結婚すんの?君彦君とこいつが?所謂婚約者的な感じだよね?うそぉ……。
「君も、君彦君に使役されたままだったら小さいままだよ~?」
ぷいっとそっぽを向いておいた。残念ながらあえてこの姿になっているのだ。君なんか一ひねりだぞ?分かってんのか?
「あ!そうだ。折角ここまで来たんだから下に行こうよ」
この男ぉぉおおおおおおっ!!
君彦君の手を取って問答無用で連れて行きそうだったのでがぶっと手に噛みついた。その男は今度は痛がりもせずに俺が噛みついたまま手を引いて体を掴まれた。
「ありがとう、君彦君!」
「ま……っ!」
君彦君の声を聞くことなく、彼は俺に手を噛みつかれたまま階段を下りてしまう。
俺に手を噛みつかれたまま、だ。
まさかそのまま持って行かれるとは思わずに唖然とすると、彼はにこにこ笑う。
「俺の手美味しい?」
すっと手を口から離してぷっと吐き出す。それから手から逃れようと身をよじって尻尾を掴まれた。
「ひぁっ!!」
「なんだ。おしゃべり出来るんだね?」
「ん、ひぃ、ぃ……っ!」
尻尾はだめ!やめて!
ぞわぞわと背筋が震えて力が抜ける。
「可愛い~。ここ弱いの?気持ちいい?」
「ぅ、や、やめ……」
こ、こいつぅ!!獣相手に何しやがる!人の趣味嗜好に文句つける気はないけれど!動物相手にそれはセクハラだからぁ!
そう叫びたいところだが、今声を上げたら変な声が出そうになるので、ぐっと噛みしめて耐える。
「楽しそうですね」
「……え?」
御館様の声がした。
そして、俺の体が解放されて床に着地し彼を見ると彼は御館様に首を掴まれていた。バタバタと足が空中で動かし、御館様の腕に爪を立てているが全く効果がない。
苦しそうな声をあげている彼に大してそんな彼の首を片手で締め上げている御館様はにこにこと笑顔であった。
「ぁ……っ!!」
不意に動いていた足が動かなくなった。だらんっと腕も力を失っているようだった。それから御館様は彼を床に投げた。
「飽きました」
その瞬間、ばちっと音がして何かが切れた。
それと同時に階段から何かが転げ落ちる音がする。
「御館様!!」
「大丈夫ですよ。だから帰りましょう」
大丈夫って!
契約を第三者が無理やり切ったら術者に負担がかかる。今階段から落ちたのは君彦君だ。体の自由がいきなり効かなくなって転げ落ちてしまったのだ。打ち所が悪ければまずいことになる!
「おや……っ!」
「狐だ!!狐がいるぞ!!」
「ゆ、裕翔様がぁっ!」
「早く妖魔課に連絡しろ!!」
先ほどの音を聞きつけて使用人たちがやってきた。御館様は今尻尾も隠していない状態で瞳が怪しく光っている。それから御館様はじっと使用人たちを見た。
「お腹がすいてきたような……」
「ひぃっ!」
舌なめずりをした御館様が口を開けてそう言うと使用人たちが震えあがる。
まずい!
「お、御館様!ご飯は俺があげますので!!」
家帰ったら竈たちがご飯を作るので!!だからそれで勘弁して!!
そう訴えると御館様はぴたりと動きを止めた。それからぐんっと思いっきり俺の方を見る。
「本当ですか!?」
「は、はい!」
「いくらでも?」
「はい!」
今までの怪しい雰囲気が一変してにこにこの明るい笑顔になった。
そんなにお腹がすいていたんだろうか。気づかなくてごめんなさい……。
「帰りましょう!!」
「あ、はい……」
きっと人がいるから君彦君も大丈夫だろう。
彼には悪い事をした。御館様が何か好意的だから油断した。そもそも妖の思考っておかしいんだよね。俺もだけど何が琴線に触れるか分かんないから。後、頭に血が上ったら何するか分かんないし。
一先ずクールダウンさせると御館様は俺を抱えながら丁寧に扉を開けた。すると、前方の空にキラっと何かが光った。
「御館様!」
俺が叫んで彼を庇おうとするが飛んできた矢は御館様に届く前に燃えてなくなった。この間、俺が叫んだので御館様は俺を見て不思議そうにしてました。
「どうしました?」
「あ、いえ、なんでも……」
そうだった。御館様は強いから御館様なんだった。
2
あなたにおすすめの小説
悪辣と花煙り――悪役令嬢の従者が大嫌いな騎士様に喰われる話――
ロ
BL
「ずっと前から、おまえが好きなんだ」
と、俺を容赦なく犯している男は、互いに互いを嫌い合っている(筈の)騎士様で――――。
「悪役令嬢」に仕えている性悪で悪辣な従者が、「没落エンド」とやらを回避しようと、裏で暗躍していたら、大嫌いな騎士様に見つかってしまった。双方の利益のために手を組んだものの、嫌いなことに変わりはないので、うっかり煽ってやったら、何故かがっつり喰われてしまった話。
※ムーンライトノベルズでも公開しています(https://novel18.syosetu.com/n4448gl/)
【Amazonベストセラー入りしました】僕の処刑はいつですか?欲しがり義弟に王位を追われ身代わりの花嫁になったら溺愛王が待っていました。
美咲アリス
BL
「国王陛下!僕は偽者の花嫁です!どうぞ、どうぞ僕を、処刑してください!!」「とりあえず、落ち着こうか?(笑)」意地悪な義母の策略で義弟の代わりに辺境国へ嫁いだオメガ王子のフウル。正直な性格のせいで嘘をつくことができずに命を捨てる覚悟で夫となる国王に真実を告げる。だが美貌の国王リオ・ナバはなぜかにっこりと微笑んだ。そしてフウルを甘々にもてなしてくれる。「きっとこれは処刑前の罠?」不幸生活が身についたフウルはビクビクしながら城で暮らすが、実は国王にはある考えがあって⋯⋯?(Amazonベストセラー入りしました。1位。1/24,2024)
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も皆の小話もあがります。
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新!
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
悪役神官の俺が騎士団長に囚われるまで
二三@冷酷公爵発売中
BL
国教会の主教であるイヴォンは、ここが前世のBLゲームの世界だと気づいた。ゲームの内容は、浄化の力を持つ主人公が騎士団と共に国を旅し、魔物討伐をしながら攻略対象者と愛を深めていくというもの。自分は悪役神官であり、主人公が誰とも結ばれないノーマルルートを辿る場合に限り、破滅の道を逃れられる。そのためイヴォンは旅に同行し、主人公の恋路の邪魔を画策をする。以前からイヴォンを嫌っている団長も攻略対象者であり、気が進まないものの団長とも関わっていくうちに…。
お前らの目は節穴か?BLゲーム主人公の従者になりました!
MEIKO
BL
本編完結しています。お直し中。第12回BL大賞奨励賞いただきました。
僕、エリオット・アノーは伯爵家嫡男の身分を隠して公爵家令息のジュリアス・エドモアの従者をしている。事の発端は十歳の時…家族から虐げられていた僕は、我慢の限界で田舎の領地から家を出て来た。もう二度と戻る事はないと己の身分を捨て、心機一転王都へやって来たものの、現実は厳しく死にかける僕。薄汚い格好でフラフラと彷徨っている所を救ってくれたのが完璧貴公子ジュリアスだ。だけど初めて会った時、不思議な感覚を覚える。えっ、このジュリアスって人…会ったことなかったっけ?その瞬間突然閃く!
「ここって…もしかして、BLゲームの世界じゃない?おまけに僕の最愛の推し〜ジュリアス様!」
知らぬ間にBLゲームの中の名も無き登場人物に転生してしまっていた僕は、命の恩人である坊ちゃまを幸せにしようと奔走する。そして大好きなゲームのイベントも近くで楽しんじゃうもんね〜ワックワク!
だけど何で…全然シナリオ通りじゃないんですけど。坊ちゃまってば、僕のこと大好き過ぎない?
※貴族的表現を使っていますが、別の世界です。ですのでそれにのっとっていない事がありますがご了承下さい。
彼はやっぱり気づかない!
水場奨
BL
さんざんな1日を終え目を覚ますと、そこは漫画に似た世界だった。
え?もしかして俺、敵側の端役として早々に死ぬやつじゃね?
死亡フラグを回避して普通に暮らしたい主人公が気づかないうちに主人公パートを歩み始めて、周りをかき回しながら生き抜きます。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる