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「おはよう、しーちゃん」
「おはようございます、あの、止めなくていいんですか……?」
「いつものことだからいいよ。それより朝ご飯作ろ。何か切るのある?」
「あ、卵焼きを作ってたのでそれを切っていただけると……」
「分かった」
本当にいいのだろうか。そう思いながらちらちらと見ていたが、次の瞬間紫さんが少年を小脇に抱えてどこかに行ってしまう。
「あ、二人して鍛冶場の方いったから暫く紫のご飯いらないよ」
「え?」
「あそこにこもってる間は水しか口にしないから」
「それって大丈夫なんですか?」
「生きてるから大丈夫だよ。それに差し入れしても食べないから。その代わり、出てきたら好きなものたくさん作ってくれると嬉しい」
「勿論です」
「ありがとう」
職人というのはそういうものなのだろうか。心配だけど部外者が足を踏み入れたら気が散るかもしれない。そう考えると彼の言う通りに従った方がよさそうだ。こくんと頷いて了承すると叢雲さんはふわりと笑顔を見せる。
「梓君もねー、集中するとそれしか目に入らないからその点だけは紫と相性は良いんだよね。ただ、方向性が違うというか……」
「?」
「あ、梓君っていうのはさっきの子ね?一応紫の弟子」
言われて、先ほどの少年が例の梓君であることを理解する。思いのほか若くて驚いたが、実力のある少年なのだろう。
「紫は基本に忠実で梓君が来るまでは刀しか作ってなかったんだけど、梓君が来てからは色んなもの作るようになったんだよ。ただ、お互いの主張が激しいから口論が絶えないんだけど」
「そうなんですか?」
「経験と知識で語る紫と独創的な発想で突拍子もないことを思いつくけど持ち前の才能で補える梓君じゃ、どうもねー。初めから二人で仲良くやればいいのに、回数を重ねないと妥協が出来ないんだよ」
「成程」
そういう人たちの対立というのは良くも悪くも起きてしまう。これでどちらも頑なにかえないのであれば話は平行線だが、彼らはあくまでいいものを作ろうと切磋琢磨しているので相手を尊重できる力量があるようだ。そういう関係はとても貴重だ。
「あ、そうだ。梓君の作品うちに置いてあるから後で見てみる?」
「え、いや俺彼とあまり親しくないし……」
「いやいや、これは経験だよ。いろんな人に見て貰った方が彼にも刺激になると思うし」
いいのか?他人の作品をそんな簡単に……。
引け目を感じるが、彼の経験になるからと押し切られてしまった。
朝ご飯を食べ終わった後に庭にある蔵の方に移動して、叢雲さんが中に入る。中は薄暗いので、叢雲さんが法術で明るくしてくれた。
「えーっと、確かこの辺に……」
蔵の中には刀や槍などの道具が入っていた。変わった形の弓もあって武器庫のようだ。
興味深く、きょろきょろと周りを見渡していると叢雲さんが奥から箱を引っ張り出した。
「あったあった!最近作った梓君の作品!」
よいしょっという掛け声とともにその箱を引きずって俺の前に置く。その中には鉄の棒が何個も入っていた。
そこまで長くもない鉄の棒で武器としては短すぎるものである。ただ、縁と真ん中に線が引いてあった。変わった武器である。
「えーっとね、確かこれをこうして……」
その中でも何か模様がついている鉄の棒を取り出し、それに触れると線が光出した。それから、先ほどまでばらばらだった鉄の棒がくっつき始める。くっつくとその縁の部分が光り、真ん中の線も光って下の縁も光る。何かが流れていくようなそういう表現のようだ。そして、最後の鉄の棒がくっつくとおよそ叢雲さんの背ぐらいまでの長さになる。
「簡易撲殺武器です!!」
「凄いですね!」
「だよね。これ一応法力をこの中に貯められてここに触れるだけで発動するんだ。あ、いったん外いこ、面白いの見せてあげる」
そう言って叢雲さんがそれを持ったまま蔵を出る。俺は彼の後を追って庭に出ると少し離れてっと彼に言われた。
「いっくよー」
叢雲さんが上から下へその棒を振るとその瞬間、上から二番目の鉄の棒が連結から外れ伸びる。それが地面に落ちるかと思いきや空中でとどまり離れている叢雲さんの棒たちに合わせて動いていた。
「そして、こうして、おりゃ!」
叢雲さんが鉄の棒を引く動きをするとそれが戻ってくっつく。そしてもう一度彼が勢いよく突くような行動をとると今度は一番上の棒だけが勢いよく離れて木に刺さった。そして、それが再び元に戻る。
「す、すごいですね!!」
「ねー」
拍手をしてその武器を称賛する。こんなものがあったらもっと妖魔退治が楽になる。そもそも敵との距離を考えないで済むのでどこからでも攻撃が出来る武器は魅力的だ。
こんなところで眠っているなんてもったいない!
「ただこれ、めちゃくちゃ重いんだよね」
「あ……」
ぱっと術を解くと鉄の塊となったそれらが派手な音を立てて地面にめり込む。確かに、元は鉄の棒なのだ。重くないわけがない。
「軽量化すると武器としての威力が落ちるからこれ以上は梓君が妥協したくないみたいで……。だからいつもこの重さの武器を持ち歩くのは非効率的だってお蔵入り。因みに、本人も通常では持てない」
「それは、仕方ないですね……」
「発想は悪くないんだけど、素材が良くないんだよね。鉄以外でも何か武器になれるものがあれば良いんだけど」
そういう知識には明るくないので何も言えない。落ちている鉄の棒を引っ張り出そうと叢雲さんが奮闘しているので手伝うために隣に行きひょいひょいっとそれを拾う。ああ確かに、これは少し重い。普通の人だったら一つ持つだけで苦労するだろう。
「……いや、大太刀持ってる時点でうすうす感じてたけど、想像以上に力持ちだね、しーちゃん」
「え?」
全ての鉄の棒を拾い上げて抱えていると叢雲さんがしみじみとそう言った。そこまで力が強い事はないと思うが……。
ひとまず、このまま蔵に返そうと叢雲さんとそちらに向かおうとしてからんからんっと何かが落ちる音がした。
叢雲さんと一緒に振り返るとそこには梓さんがいて、足元には刀が散らばっている。
あれ、紫さんに連れられたんじゃ……?
そう思っていると、叢雲さんは、ああと声を出す。
「紫から要らないのしまえって言われたんだ。蔵に用あるからついでにそれも持ってくよ。だから梓く……」
叢雲さんがそう言って彼に近寄ろうとしたがそれよりも先に梓さんが俺の前に来て綺麗に土下座をした。
「俺の専属試験者になってください!」
「え……?」
「これでも俺、お金あります!いくらでも出すので!どうかどうか……っ!!」
「???」
俺は戸惑いながら叢雲さんを見た。
「おはようございます、あの、止めなくていいんですか……?」
「いつものことだからいいよ。それより朝ご飯作ろ。何か切るのある?」
「あ、卵焼きを作ってたのでそれを切っていただけると……」
「分かった」
本当にいいのだろうか。そう思いながらちらちらと見ていたが、次の瞬間紫さんが少年を小脇に抱えてどこかに行ってしまう。
「あ、二人して鍛冶場の方いったから暫く紫のご飯いらないよ」
「え?」
「あそこにこもってる間は水しか口にしないから」
「それって大丈夫なんですか?」
「生きてるから大丈夫だよ。それに差し入れしても食べないから。その代わり、出てきたら好きなものたくさん作ってくれると嬉しい」
「勿論です」
「ありがとう」
職人というのはそういうものなのだろうか。心配だけど部外者が足を踏み入れたら気が散るかもしれない。そう考えると彼の言う通りに従った方がよさそうだ。こくんと頷いて了承すると叢雲さんはふわりと笑顔を見せる。
「梓君もねー、集中するとそれしか目に入らないからその点だけは紫と相性は良いんだよね。ただ、方向性が違うというか……」
「?」
「あ、梓君っていうのはさっきの子ね?一応紫の弟子」
言われて、先ほどの少年が例の梓君であることを理解する。思いのほか若くて驚いたが、実力のある少年なのだろう。
「紫は基本に忠実で梓君が来るまでは刀しか作ってなかったんだけど、梓君が来てからは色んなもの作るようになったんだよ。ただ、お互いの主張が激しいから口論が絶えないんだけど」
「そうなんですか?」
「経験と知識で語る紫と独創的な発想で突拍子もないことを思いつくけど持ち前の才能で補える梓君じゃ、どうもねー。初めから二人で仲良くやればいいのに、回数を重ねないと妥協が出来ないんだよ」
「成程」
そういう人たちの対立というのは良くも悪くも起きてしまう。これでどちらも頑なにかえないのであれば話は平行線だが、彼らはあくまでいいものを作ろうと切磋琢磨しているので相手を尊重できる力量があるようだ。そういう関係はとても貴重だ。
「あ、そうだ。梓君の作品うちに置いてあるから後で見てみる?」
「え、いや俺彼とあまり親しくないし……」
「いやいや、これは経験だよ。いろんな人に見て貰った方が彼にも刺激になると思うし」
いいのか?他人の作品をそんな簡単に……。
引け目を感じるが、彼の経験になるからと押し切られてしまった。
朝ご飯を食べ終わった後に庭にある蔵の方に移動して、叢雲さんが中に入る。中は薄暗いので、叢雲さんが法術で明るくしてくれた。
「えーっと、確かこの辺に……」
蔵の中には刀や槍などの道具が入っていた。変わった形の弓もあって武器庫のようだ。
興味深く、きょろきょろと周りを見渡していると叢雲さんが奥から箱を引っ張り出した。
「あったあった!最近作った梓君の作品!」
よいしょっという掛け声とともにその箱を引きずって俺の前に置く。その中には鉄の棒が何個も入っていた。
そこまで長くもない鉄の棒で武器としては短すぎるものである。ただ、縁と真ん中に線が引いてあった。変わった武器である。
「えーっとね、確かこれをこうして……」
その中でも何か模様がついている鉄の棒を取り出し、それに触れると線が光出した。それから、先ほどまでばらばらだった鉄の棒がくっつき始める。くっつくとその縁の部分が光り、真ん中の線も光って下の縁も光る。何かが流れていくようなそういう表現のようだ。そして、最後の鉄の棒がくっつくとおよそ叢雲さんの背ぐらいまでの長さになる。
「簡易撲殺武器です!!」
「凄いですね!」
「だよね。これ一応法力をこの中に貯められてここに触れるだけで発動するんだ。あ、いったん外いこ、面白いの見せてあげる」
そう言って叢雲さんがそれを持ったまま蔵を出る。俺は彼の後を追って庭に出ると少し離れてっと彼に言われた。
「いっくよー」
叢雲さんが上から下へその棒を振るとその瞬間、上から二番目の鉄の棒が連結から外れ伸びる。それが地面に落ちるかと思いきや空中でとどまり離れている叢雲さんの棒たちに合わせて動いていた。
「そして、こうして、おりゃ!」
叢雲さんが鉄の棒を引く動きをするとそれが戻ってくっつく。そしてもう一度彼が勢いよく突くような行動をとると今度は一番上の棒だけが勢いよく離れて木に刺さった。そして、それが再び元に戻る。
「す、すごいですね!!」
「ねー」
拍手をしてその武器を称賛する。こんなものがあったらもっと妖魔退治が楽になる。そもそも敵との距離を考えないで済むのでどこからでも攻撃が出来る武器は魅力的だ。
こんなところで眠っているなんてもったいない!
「ただこれ、めちゃくちゃ重いんだよね」
「あ……」
ぱっと術を解くと鉄の塊となったそれらが派手な音を立てて地面にめり込む。確かに、元は鉄の棒なのだ。重くないわけがない。
「軽量化すると武器としての威力が落ちるからこれ以上は梓君が妥協したくないみたいで……。だからいつもこの重さの武器を持ち歩くのは非効率的だってお蔵入り。因みに、本人も通常では持てない」
「それは、仕方ないですね……」
「発想は悪くないんだけど、素材が良くないんだよね。鉄以外でも何か武器になれるものがあれば良いんだけど」
そういう知識には明るくないので何も言えない。落ちている鉄の棒を引っ張り出そうと叢雲さんが奮闘しているので手伝うために隣に行きひょいひょいっとそれを拾う。ああ確かに、これは少し重い。普通の人だったら一つ持つだけで苦労するだろう。
「……いや、大太刀持ってる時点でうすうす感じてたけど、想像以上に力持ちだね、しーちゃん」
「え?」
全ての鉄の棒を拾い上げて抱えていると叢雲さんがしみじみとそう言った。そこまで力が強い事はないと思うが……。
ひとまず、このまま蔵に返そうと叢雲さんとそちらに向かおうとしてからんからんっと何かが落ちる音がした。
叢雲さんと一緒に振り返るとそこには梓さんがいて、足元には刀が散らばっている。
あれ、紫さんに連れられたんじゃ……?
そう思っていると、叢雲さんは、ああと声を出す。
「紫から要らないのしまえって言われたんだ。蔵に用あるからついでにそれも持ってくよ。だから梓く……」
叢雲さんがそう言って彼に近寄ろうとしたがそれよりも先に梓さんが俺の前に来て綺麗に土下座をした。
「俺の専属試験者になってください!」
「え……?」
「これでも俺、お金あります!いくらでも出すので!どうかどうか……っ!!」
「???」
俺は戸惑いながら叢雲さんを見た。
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