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ラグビーを見に行きます。
ホントはいいやつかも・・・
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晩御飯を作るのも雅がやったが、あずみは少し遠くから調理台に頬杖をついて雅の手元を眺めていた。
一人暮らしの長い雅には大したことではなかったが、あずみはその手際の良さにとても感動した。
特に自分が何度やっても分厚くしか剥けないじゃが芋の皮剥きにはとても感動して
「僕にも教えて!今お料理教室行ってるけど、全然うまくならないんだ。」
「そう、楽しい?」
「ぜんぜん。則夫君が山波さんに美味しいものを作ってあげたいからって、頑張っているけど
則夫君もぜんぜんうまくならない。おまけにセクハラばっかりで、僕辛いです。
則夫君には是非一日も早くやめてほしいです。雅さんに習えばいいのにね。」
「セクハラって・・・何かされたの?前にもキスされたって言ってたけど
昨日裸足で歩いていたのって、ひょっとしてお料理教室の先生が原因?」
「あ・・・」
あずみは慌てて視線を逸らしたが、強く腕を引っ張られて誤魔化せなくなった。
「包丁危ないです。」
「お願い話して。」
「お兄様に言わないですか・・・」
「話しの内容によっては・・・」
「じゃあ言いません。則夫君の事も知りませんから。」
「あずみ君怒るよ。」
あずみは背中を向けてジャガイモの皮をむいた。
昨日あったことを言うのはカッコ悪いことで、すごく嫌だけど誰かに相談なんて絶対してはいけないと思っていた。
「心配しているんだよ。」
「則夫君をでしょう。僕なんかどうなってもいいんでしょ。」
「そんな訳ない。」
「嘘。だってさっき、許さないって言った。」
「あずみ君。」
「絶対お兄様に言わないって約束してよ。だったら言う。」
「だってそれは・・・」
「約束して。そしたら僕も隠さず言うから。お兄様は最近僕にとてもかまってくれて嬉しい。
だから、お兄様の邪魔をしたくないんだ・・・嫌われたくない。」
「わかった。言わない約束する。お料理教室の先生に何かされたのか。」
「お料理教室の先生に無理矢理キスされた。スーパーの駐車場で。キスされて触られた。
けどそれだけじゃなくて先生、本当は則夫君が好きで、則夫君とエッチしたいんだって。
だから、僕に則夫君とデートできるようにしてって。
それができないならまた何度もそうするって。
僕イヤだ。先生としたくない。嫌い。」
「あずみ君・・・かわいそうに。」
「僕、キスされるのも触られるのもイヤだけど、もっとイヤなのは則夫君と比べられること・・・・則夫君に似てるから抱きたいって言われて・・・」
雅は黙って静かに抱き寄せてあずみの気がすむまで胸で泣かせた。
「今度のお料理教室。俺もついて行くよ。先生にやめてもらうように話す。
それがダメなら緑山をやめさせる。緑山には僕から言っておくから、今の話は緑山には内緒にして。」
「雅さんも則夫君なんだ・・・」
あずみは雅の胸から離れて聞こえないように小さな声で言った。
「わかりました。お願いします。それで晩御飯を食べたら雅さんは帰ってくれますよね。」
「今日は泊まって明日帰るよ。」
「いえ。今日帰ってください。」
「いいじゃないか。ビール買っちゃったし。久しぶりに勉強見てあげるよ。」
「べつに一人でできます。」
「ダーメ。ほかっとくとかわいいワンピース着てお出かけしちゃうから。
明日木下君のところへ行きたいなら、今日は勉強。」
「雅さんはなんだかめんどくさいです。」
「そう?ご飯食べよう。そして勉強。」
「はいはい・・・・」
あずみは今晩は明日のために着ていく服をゆっくりと選んで、パックをしようと思っていたのに、ちっと小さく舌打ちをした。
一人暮らしの長い雅には大したことではなかったが、あずみはその手際の良さにとても感動した。
特に自分が何度やっても分厚くしか剥けないじゃが芋の皮剥きにはとても感動して
「僕にも教えて!今お料理教室行ってるけど、全然うまくならないんだ。」
「そう、楽しい?」
「ぜんぜん。則夫君が山波さんに美味しいものを作ってあげたいからって、頑張っているけど
則夫君もぜんぜんうまくならない。おまけにセクハラばっかりで、僕辛いです。
則夫君には是非一日も早くやめてほしいです。雅さんに習えばいいのにね。」
「セクハラって・・・何かされたの?前にもキスされたって言ってたけど
昨日裸足で歩いていたのって、ひょっとしてお料理教室の先生が原因?」
「あ・・・」
あずみは慌てて視線を逸らしたが、強く腕を引っ張られて誤魔化せなくなった。
「包丁危ないです。」
「お願い話して。」
「お兄様に言わないですか・・・」
「話しの内容によっては・・・」
「じゃあ言いません。則夫君の事も知りませんから。」
「あずみ君怒るよ。」
あずみは背中を向けてジャガイモの皮をむいた。
昨日あったことを言うのはカッコ悪いことで、すごく嫌だけど誰かに相談なんて絶対してはいけないと思っていた。
「心配しているんだよ。」
「則夫君をでしょう。僕なんかどうなってもいいんでしょ。」
「そんな訳ない。」
「嘘。だってさっき、許さないって言った。」
「あずみ君。」
「絶対お兄様に言わないって約束してよ。だったら言う。」
「だってそれは・・・」
「約束して。そしたら僕も隠さず言うから。お兄様は最近僕にとてもかまってくれて嬉しい。
だから、お兄様の邪魔をしたくないんだ・・・嫌われたくない。」
「わかった。言わない約束する。お料理教室の先生に何かされたのか。」
「お料理教室の先生に無理矢理キスされた。スーパーの駐車場で。キスされて触られた。
けどそれだけじゃなくて先生、本当は則夫君が好きで、則夫君とエッチしたいんだって。
だから、僕に則夫君とデートできるようにしてって。
それができないならまた何度もそうするって。
僕イヤだ。先生としたくない。嫌い。」
「あずみ君・・・かわいそうに。」
「僕、キスされるのも触られるのもイヤだけど、もっとイヤなのは則夫君と比べられること・・・・則夫君に似てるから抱きたいって言われて・・・」
雅は黙って静かに抱き寄せてあずみの気がすむまで胸で泣かせた。
「今度のお料理教室。俺もついて行くよ。先生にやめてもらうように話す。
それがダメなら緑山をやめさせる。緑山には僕から言っておくから、今の話は緑山には内緒にして。」
「雅さんも則夫君なんだ・・・」
あずみは雅の胸から離れて聞こえないように小さな声で言った。
「わかりました。お願いします。それで晩御飯を食べたら雅さんは帰ってくれますよね。」
「今日は泊まって明日帰るよ。」
「いえ。今日帰ってください。」
「いいじゃないか。ビール買っちゃったし。久しぶりに勉強見てあげるよ。」
「べつに一人でできます。」
「ダーメ。ほかっとくとかわいいワンピース着てお出かけしちゃうから。
明日木下君のところへ行きたいなら、今日は勉強。」
「雅さんはなんだかめんどくさいです。」
「そう?ご飯食べよう。そして勉強。」
「はいはい・・・・」
あずみは今晩は明日のために着ていく服をゆっくりと選んで、パックをしようと思っていたのに、ちっと小さく舌打ちをした。
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