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忠誠、山南の愛し方
鶴屋
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約束の日、鶴屋は律義に同じ時間にやって来た。
だが、山波は会議が長引いているらしく、鍵の閉まった研究室の前で座って待った。
最初は本を読んでいたが、ついうっかり居眠りをしていた。
「おい。起きろ。」
山波に足で膝を揺すられてハッと目が覚めた。
「おそかったですね。」
「すまん。待たせたな。少し走るぞ。」
駐車場へと二人は駆け出したが、山波は意外に足も速く、鶴屋はかなり置いて行かれた。
行き絶え絶えにやっとの思いで車に乗ったが、それは昨日の緑山の車ではなかった。
「今日はまたぼろい車ですね。」
「学校の車だ。文句を言うな。動くだけましだ。」
エンジンをかけるなり車は宙に浮いたように激走した。今日の山波の運転は、特にヒステリックで鶴屋は気分が悪くなった。
「山波さん車が古いのでもう少し気を使って・・・」
「時間がない。遅れる。」
「そんなに激ふみしたら、アクセル戻らなくなるかも・・・」
「踏まなくて済むから楽だな。」
もう吐きそうだった。目をつぶりシートベルトを握りしめ、片方の手で口を押えた。
「山波さん・・・気持ち悪いです・・・」
「診てもらうところが出来てよかったじゃないか。」
「・・・・・」
鶴屋は吐き気を抑えるのに必死だった。
口を必死で抑えて、駐車場に着くと車を転げるように降りた。
山波はそんな鶴屋にすかさず「走るぞ。」と言った。
「うそでしょ・・・・」
病院の診察時間の終わりが近づいていた。
先日の医師からもらった付箋に書いてあった病院。
「那珂医院」ここの医師、那珂肇は今でも山内和人と付き合いがあると聞いてやって来た。
今日中に解決しなければ・・・それが山波の目標だった。
「那珂先生はいますか。予約した鶴屋です。」
「だいぶ時間が過ぎていますね。」
「そこを何とかお願いできませんか?」
「わかりました。確認してみます。」
待合室で那珂肇を待ったが、ここにはいないのが電話をかけた受付の者の表情でわかった。
山波はしまったという顔をして頭を抱えた。
「すいません。・・・別の日に予約を入れていただけますか?」
「明日は?」
「明日は出張で、ほかの先生なら・・・」
「明後日は?」
「・・・火曜の5時以降でしたら。」
「では、それでお願いします。」
同時に手帳をだして細かな文字で何やら書き込んでいた。
手帳は胸のポケットに入るくらいの小さな手帳で、何が書いてあるのか、絶対持ち主しかわからないほど真っ黒に小さな文字でぎっしり埋まっていた。
「今日は帰りましょう。」
山波はとても機嫌が悪かった。いらいらしていて駐車場のゴミ箱を蹴った。
後ろを歩いていた鶴屋はゴミ箱を直して、山波との距離を保ちながらついて行った。
「山波先生。帰りは僕が運転します。休んでください。」
山波は何も言わず、鍵を鶴屋に渡した。
「そんなに怒らないでください。仕方ないですよ。」
「そうじゃない。怒っているのはそこじゃない。
一時間、間違えていた自分に腹がたっている。」
「あんなに急いでいたのは、そのせいですか?」
鶴屋はさっき蹴られたゴミ箱がとても気の毒になって来た。
この学校のボロ車もだ。
「ちょっと寝てください。着いたら起こしますから。疲れているんですよきっと。」
鶴屋には少し作戦があった。
この人のいらいらを止めるには、あの人に登場してもらうより他に方法はない。
明けても暮れても仕事か勉強をしている、たんなる真面目な学者なんだと思っていた。
そんな姿にあこがれて弟子入りしてきたのだったが、今回に限ってはなにか本性を隠して、病的に自分を追い詰めている一面も垣間見れた。
そんな山波を少しほっとさせてあげたくて、唯一、本当の笑顔を見せる、あの人を呼び出していた。
「つきましたよ。起きてください。」
そこはファミレスだった。
「飯はいい。食欲がない。」
「ダメです。食べましょう。」
「ここで寝ている。お前だけ行ってこい。」
「お願いです。僕おごりますから。」
「そういうんじゃない。今は食欲がないと言っている。」
「お願いです。来てください。来てくれないなら僕もう、病院行かないです。」
「なに。」
「病院だけじゃないです。今後はお付き合いしません。」
「・・・・・」
「でも、来てくれるなら何も聞かずに、一生付き合います。」
「おまえ、誰に言っているか理解して発言しているんだな。」
「はい。」
「だいぶ賢くなったじゃないか。」
山波はいつもの通り口元だけでニヤリと笑った。
この顔を見たとき、鶴屋はしまったと思った。
後の項目は付け足すのではなかったと後悔した。
だが、時期に忘れるだろう、人は一つでも楽しみがあれば、残りのことは大概どうでも良くなるものだと鷹をくくっていた。
とにかくここでこの人を車から降ろすこと。それが鶴屋の今日の最後の任務だった。
中へ入ると、緑山が窓際の一番奥の席で、一人で待っていた。
鶴屋たちに気づくと手を振って合図した。
「山波さん。あの席です。」
山波は驚き足を止めた。
あの時、あんなに辛そうにしていた緑山がにっこり笑ってくれていて、本当は駆け出して抱きしめたいほどだったが、鶴屋がいた事に気づき、平静を装い席についた。
「もういいのか。」
「うん。だいぶ。」
山波は抱きしめたいとうずく両手をなだめるのに少し苦労した。
あまり近づくとその頬に触れ口づけしてしまいそうで、50センチほど間をあけて座った。
けれど、数十分も立つと、その間はすでになくなり、肩を抱き、もう片方の手は指を絡め、緑山の顔だけを見つめ、まるでこの空間には二人だけしかいないかのようにふるまった。
けれど、あっという間に時は過ぎて、鶴屋は引き離すように山波を連れて帰り、車の中で物言わぬ山波を横目に、かえって罪を作ったかのように思えて自分を責めた。
如月がいなくなってからというもの、授業は毎日のように山波が代理で講義に出た。
切れのいいてきぱきとした話し方、スピード感のある進め方は生徒たちの賛否を二分した。
その日の教室は黒板に貼ってあった1枚の写真で、始まる前からざわついていた。
写真に写っていたのは、先日、緑山を病院へ連れて行ったときの写真で、辛そうな顔の緑山と、それを大事そうに抱える山波が映っていた。
その写真を無言でとり、自分のノートに挟んで何事もなかったように授業を始めようとした。
「先生、ちょっと待ってください。その写真は無視ですか?」
生徒の一人が教室に響き渡るような声で言った。
「写真? ああ、ありがとう。」
たったその一言だけで、ごくごく普通に授業を進めて行った。
「先生、質問していいですか?」
「先生は同性愛者なのですか?」
「その写真の人、4年の緑山さんですよね。教え子とできちゃった感じですか?」
「授業に関係のない質問は受け付けない。授業を妨げる発言も許さない。
邪魔をする奴は出ていけ。」
そう言い切ると、ごく普通に授業を続けた。そして数名の学生が部屋を出て行った。
午後からの授業も学生の嫌がらせは続き、いつもは水を打ったような中に、山波の声だけが響く教室も、今日はざわざわと落ち着かず、生徒も山波も苛立っていた。
「何度も言わせるな、授業に集中できない奴は出て行け。」
そう言うと今度は教室に残った生徒のほうが少なかった。
それでもいつもどおり、平然と授業を進め何事もなかったように帰って行った。
「先生・・・・」
声をかけて来たのは雅だった。
「大丈夫ですか?」
「悪かったな。俺のせいでおまえにまで嫌な思いをさせてしまった。
教室であったことは緑山には内緒にして欲しい。」
「わかりました。でも、いずれは・・・」
「少しでも、少しでも収まるよう努力する。こうなることは予測できたのに、回避できなかった。
俺のミスだ。緑山を巻き込みたくない。傷つけたくないんだ。頼む。」
「わかりました。緑山の事は僕に任せてください。しばらく休むように言います。」
「すまないが、頼む。」
「それで・・・隼人の事、何か知りませんか。学校に何か知らせとか・・・・」
「何も聞いてないが、調べておくよ。
俺と一緒にいると谷中も嫌な思いをするだろうから、あまり声をかけるな。
食堂にいる鶴屋というやつに手紙でも渡しておくから、あいつに聞いてくれ。」
そう言って教室からも研究室からも遠ざかった。
山波は今日、久しぶりに寮にいた。
周囲がうるさすぎて勉強に集中できないからだ。それだけではなかった。
ああいった類の話しはあっという間に広がり、その日のうちに学長の耳に入り、話しを聞かれるためだけに時間を割かれ、
自分の予定が変更されるのが煩わしくてたまらなかった。だがすぐ処分にならないのがまた厄介だった。
読もうと思って借りてきた本も、表紙をめくっただけで、目次にまでも到達してなかった。
「先生・・・・」
寮のドアをノックしてきたのは鶴屋だった。
「今日、予約の日ですよ。行きましょう。」
「あ・・・そうだった。また忘れるところだった・・・・」
今日の一件で如月のことを忘れかけていた。
今この燃え上がってしまった火の粉を、どうやって鎮火させるのかも手立てがつかないまま、さまざまな事を考え、答えが出ないままに次の問題が湧き上がり、を繰り返して頭の中はいっぱいだった。
「僕が運転します。今日は絶対間に合いますから大丈夫ですよ。」
「ああ・・・」
「先生、大丈夫ですか。しっかりしてくださいよ。」
「ああ・・・お前もやっぱり俺の事、軽蔑しているのか?」
「ぜんぜん。してたら来ませんよ。
それよりやっぱり僕の見込んだ先生だけあるなって思いました。
授業に関係のない質問は受け付けないって。かっこよかった・・・・
やっぱ、弟子にしてもらってよかった・・・って思いました。」
「まだ弟子にした覚えはないぞ。」
「そうなんですか?」
「お前24番だろ。」
「そうでした・・・・。」
「2学期では絶対に20番以内に入れ。できれば、200のついていない。」
「それは無理っす。」
だが、山波は会議が長引いているらしく、鍵の閉まった研究室の前で座って待った。
最初は本を読んでいたが、ついうっかり居眠りをしていた。
「おい。起きろ。」
山波に足で膝を揺すられてハッと目が覚めた。
「おそかったですね。」
「すまん。待たせたな。少し走るぞ。」
駐車場へと二人は駆け出したが、山波は意外に足も速く、鶴屋はかなり置いて行かれた。
行き絶え絶えにやっとの思いで車に乗ったが、それは昨日の緑山の車ではなかった。
「今日はまたぼろい車ですね。」
「学校の車だ。文句を言うな。動くだけましだ。」
エンジンをかけるなり車は宙に浮いたように激走した。今日の山波の運転は、特にヒステリックで鶴屋は気分が悪くなった。
「山波さん車が古いのでもう少し気を使って・・・」
「時間がない。遅れる。」
「そんなに激ふみしたら、アクセル戻らなくなるかも・・・」
「踏まなくて済むから楽だな。」
もう吐きそうだった。目をつぶりシートベルトを握りしめ、片方の手で口を押えた。
「山波さん・・・気持ち悪いです・・・」
「診てもらうところが出来てよかったじゃないか。」
「・・・・・」
鶴屋は吐き気を抑えるのに必死だった。
口を必死で抑えて、駐車場に着くと車を転げるように降りた。
山波はそんな鶴屋にすかさず「走るぞ。」と言った。
「うそでしょ・・・・」
病院の診察時間の終わりが近づいていた。
先日の医師からもらった付箋に書いてあった病院。
「那珂医院」ここの医師、那珂肇は今でも山内和人と付き合いがあると聞いてやって来た。
今日中に解決しなければ・・・それが山波の目標だった。
「那珂先生はいますか。予約した鶴屋です。」
「だいぶ時間が過ぎていますね。」
「そこを何とかお願いできませんか?」
「わかりました。確認してみます。」
待合室で那珂肇を待ったが、ここにはいないのが電話をかけた受付の者の表情でわかった。
山波はしまったという顔をして頭を抱えた。
「すいません。・・・別の日に予約を入れていただけますか?」
「明日は?」
「明日は出張で、ほかの先生なら・・・」
「明後日は?」
「・・・火曜の5時以降でしたら。」
「では、それでお願いします。」
同時に手帳をだして細かな文字で何やら書き込んでいた。
手帳は胸のポケットに入るくらいの小さな手帳で、何が書いてあるのか、絶対持ち主しかわからないほど真っ黒に小さな文字でぎっしり埋まっていた。
「今日は帰りましょう。」
山波はとても機嫌が悪かった。いらいらしていて駐車場のゴミ箱を蹴った。
後ろを歩いていた鶴屋はゴミ箱を直して、山波との距離を保ちながらついて行った。
「山波先生。帰りは僕が運転します。休んでください。」
山波は何も言わず、鍵を鶴屋に渡した。
「そんなに怒らないでください。仕方ないですよ。」
「そうじゃない。怒っているのはそこじゃない。
一時間、間違えていた自分に腹がたっている。」
「あんなに急いでいたのは、そのせいですか?」
鶴屋はさっき蹴られたゴミ箱がとても気の毒になって来た。
この学校のボロ車もだ。
「ちょっと寝てください。着いたら起こしますから。疲れているんですよきっと。」
鶴屋には少し作戦があった。
この人のいらいらを止めるには、あの人に登場してもらうより他に方法はない。
明けても暮れても仕事か勉強をしている、たんなる真面目な学者なんだと思っていた。
そんな姿にあこがれて弟子入りしてきたのだったが、今回に限ってはなにか本性を隠して、病的に自分を追い詰めている一面も垣間見れた。
そんな山波を少しほっとさせてあげたくて、唯一、本当の笑顔を見せる、あの人を呼び出していた。
「つきましたよ。起きてください。」
そこはファミレスだった。
「飯はいい。食欲がない。」
「ダメです。食べましょう。」
「ここで寝ている。お前だけ行ってこい。」
「お願いです。僕おごりますから。」
「そういうんじゃない。今は食欲がないと言っている。」
「お願いです。来てください。来てくれないなら僕もう、病院行かないです。」
「なに。」
「病院だけじゃないです。今後はお付き合いしません。」
「・・・・・」
「でも、来てくれるなら何も聞かずに、一生付き合います。」
「おまえ、誰に言っているか理解して発言しているんだな。」
「はい。」
「だいぶ賢くなったじゃないか。」
山波はいつもの通り口元だけでニヤリと笑った。
この顔を見たとき、鶴屋はしまったと思った。
後の項目は付け足すのではなかったと後悔した。
だが、時期に忘れるだろう、人は一つでも楽しみがあれば、残りのことは大概どうでも良くなるものだと鷹をくくっていた。
とにかくここでこの人を車から降ろすこと。それが鶴屋の今日の最後の任務だった。
中へ入ると、緑山が窓際の一番奥の席で、一人で待っていた。
鶴屋たちに気づくと手を振って合図した。
「山波さん。あの席です。」
山波は驚き足を止めた。
あの時、あんなに辛そうにしていた緑山がにっこり笑ってくれていて、本当は駆け出して抱きしめたいほどだったが、鶴屋がいた事に気づき、平静を装い席についた。
「もういいのか。」
「うん。だいぶ。」
山波は抱きしめたいとうずく両手をなだめるのに少し苦労した。
あまり近づくとその頬に触れ口づけしてしまいそうで、50センチほど間をあけて座った。
けれど、数十分も立つと、その間はすでになくなり、肩を抱き、もう片方の手は指を絡め、緑山の顔だけを見つめ、まるでこの空間には二人だけしかいないかのようにふるまった。
けれど、あっという間に時は過ぎて、鶴屋は引き離すように山波を連れて帰り、車の中で物言わぬ山波を横目に、かえって罪を作ったかのように思えて自分を責めた。
如月がいなくなってからというもの、授業は毎日のように山波が代理で講義に出た。
切れのいいてきぱきとした話し方、スピード感のある進め方は生徒たちの賛否を二分した。
その日の教室は黒板に貼ってあった1枚の写真で、始まる前からざわついていた。
写真に写っていたのは、先日、緑山を病院へ連れて行ったときの写真で、辛そうな顔の緑山と、それを大事そうに抱える山波が映っていた。
その写真を無言でとり、自分のノートに挟んで何事もなかったように授業を始めようとした。
「先生、ちょっと待ってください。その写真は無視ですか?」
生徒の一人が教室に響き渡るような声で言った。
「写真? ああ、ありがとう。」
たったその一言だけで、ごくごく普通に授業を進めて行った。
「先生、質問していいですか?」
「先生は同性愛者なのですか?」
「その写真の人、4年の緑山さんですよね。教え子とできちゃった感じですか?」
「授業に関係のない質問は受け付けない。授業を妨げる発言も許さない。
邪魔をする奴は出ていけ。」
そう言い切ると、ごく普通に授業を続けた。そして数名の学生が部屋を出て行った。
午後からの授業も学生の嫌がらせは続き、いつもは水を打ったような中に、山波の声だけが響く教室も、今日はざわざわと落ち着かず、生徒も山波も苛立っていた。
「何度も言わせるな、授業に集中できない奴は出て行け。」
そう言うと今度は教室に残った生徒のほうが少なかった。
それでもいつもどおり、平然と授業を進め何事もなかったように帰って行った。
「先生・・・・」
声をかけて来たのは雅だった。
「大丈夫ですか?」
「悪かったな。俺のせいでおまえにまで嫌な思いをさせてしまった。
教室であったことは緑山には内緒にして欲しい。」
「わかりました。でも、いずれは・・・」
「少しでも、少しでも収まるよう努力する。こうなることは予測できたのに、回避できなかった。
俺のミスだ。緑山を巻き込みたくない。傷つけたくないんだ。頼む。」
「わかりました。緑山の事は僕に任せてください。しばらく休むように言います。」
「すまないが、頼む。」
「それで・・・隼人の事、何か知りませんか。学校に何か知らせとか・・・・」
「何も聞いてないが、調べておくよ。
俺と一緒にいると谷中も嫌な思いをするだろうから、あまり声をかけるな。
食堂にいる鶴屋というやつに手紙でも渡しておくから、あいつに聞いてくれ。」
そう言って教室からも研究室からも遠ざかった。
山波は今日、久しぶりに寮にいた。
周囲がうるさすぎて勉強に集中できないからだ。それだけではなかった。
ああいった類の話しはあっという間に広がり、その日のうちに学長の耳に入り、話しを聞かれるためだけに時間を割かれ、
自分の予定が変更されるのが煩わしくてたまらなかった。だがすぐ処分にならないのがまた厄介だった。
読もうと思って借りてきた本も、表紙をめくっただけで、目次にまでも到達してなかった。
「先生・・・・」
寮のドアをノックしてきたのは鶴屋だった。
「今日、予約の日ですよ。行きましょう。」
「あ・・・そうだった。また忘れるところだった・・・・」
今日の一件で如月のことを忘れかけていた。
今この燃え上がってしまった火の粉を、どうやって鎮火させるのかも手立てがつかないまま、さまざまな事を考え、答えが出ないままに次の問題が湧き上がり、を繰り返して頭の中はいっぱいだった。
「僕が運転します。今日は絶対間に合いますから大丈夫ですよ。」
「ああ・・・」
「先生、大丈夫ですか。しっかりしてくださいよ。」
「ああ・・・お前もやっぱり俺の事、軽蔑しているのか?」
「ぜんぜん。してたら来ませんよ。
それよりやっぱり僕の見込んだ先生だけあるなって思いました。
授業に関係のない質問は受け付けないって。かっこよかった・・・・
やっぱ、弟子にしてもらってよかった・・・って思いました。」
「まだ弟子にした覚えはないぞ。」
「そうなんですか?」
「お前24番だろ。」
「そうでした・・・・。」
「2学期では絶対に20番以内に入れ。できれば、200のついていない。」
「それは無理っす。」
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