雨~サラリーマン編~

富井

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コタツ部コタツ課 なんやかんやで・・・・

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そうして雑巾がけの続きを始めた。あと少しだ!

人にありがとうと言われると嬉しくなる。なんだとても体が軽い、気分がイイ!

弱っているまっちゃんを助けて点数を稼ごうとか、そんな姑息な考えは一切ない!


「あ、水ですか?」

よろよろと起き上がったまっちゃんに、執事の如く水のペットボトルを差し出す。
にっこりと笑いながら・・・

「すまないね・・・・」

「いえ。だいぶ顔色戻ってきましたね。」

「ああ・・・だいぶ楽になったよ。君のおかげだよ。ありがとう。もう雑巾がけは終わったのかい。」

「ええ、ほぼ。あと少し入り口のほうも拭いて終わろうと思っています。」

「なら、先に布団を取り込んだ方がいい。」

「でも・・・バケツの水を変えに行くついでに取り込みます。何度も外へ行くの面倒だし・・・」

「そう・・・けれど・・・」

「じゃ、僕やっちゃいますね。」

まっちゃんが、まだちょっと何かを言いたそうだったが、こんな事ばかりもしていられない。


早く終わらせて仕事をしなければ・・・

(気分がイイ日は、いい商品が考えられそうだ!なんだかいい調子になって来たぞ!!)


残りの雑巾がけを済ませ、もうこれで本当に終わり、後ちょっと!というところで、そっと扉が開き、山さんと優さんが帰って来た。

そっと、音を立てないように忍び寄ると、小声で「まっちゃん・・・どお?」と声をかけた。

「あ・・・山さん・・・すいません・・・」

「大丈夫だよ、いいから、いいから、横になっていてよ。」
山さんは自分のコタツに「ドっコラショ」と座ると、まっちゃんが散らかした会議資料を集めて目を通し始めた。

「しかしさ・・・まっちゃんってすごいね。ドンピシャだもんね。まっちゃんの右に出る者はいないよね。」
「ほんとっす。いつもマジ助かってます。」
優も散らかった資料を集めて山さんに手渡した。

「まっちゃんって、本当にコタツの事で一生懸命なんですよね。尊敬ですよ。今日もこんなに真っ青になるまで会議で戦って・・・で、どうだったんですか?どこでもコタツは商品化できそうですか?」

「え?青木君、何言ってんの?」

「え?今回の会議のことなんじゃないですか?」

「違うよ。あーめ。雨のことだよ。まっちゃんは雨が降るのを的中させるんだよ。」
「え?だって・・・資料・・・」

「あ、これ。散らかってたから集めていただけ。
それより雨だよ。ほんとーに、すごいよね!
昨日聞いた時は半信半疑だったし、今朝だってすごい晴天だったからさすがに「今回は外したな」って思ったよ。
でも、さっき掃除してるとき、ふらふら歩くまっちゃんをみかけて、もしや!っと思って、コンビニで傘買ってきちゃった。」

話を変えられた。しかも、どうでもいいような話に・・・
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