影の女帝

シエル

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重罪人アメリア(R18)

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※少し妊娠に関するセンシティブな内容が含まれます。



⸺⸺⸺⸺
 



主要な罪人の処罰の決定と執行、そして、マルガレーテの処遇が決定された。


学院内でダリウスやアメリアを支持していた生徒たちの処罰は、学院長より各家当主への通達により半年間の停学を言い渡された。


学院を半年間も停学するとなれば、該当生徒は間違いなく留年となる。

つまり、それ以上の処罰は各家の判断に任せるということだった。


まともな貴族家当主であれば、留年するなど醜聞でしかないため、自主退学し廃籍のうえ放逐するか領地にて補佐をさせるか軟禁がいいところだろう。


子に甘い親は、もしかすると他国へ留学させるかもしれないが、果たしてその子に留学の許可が下りるのか…

言わずもがなである。



そして、処罰対象で最後に残ったのがアメリアだった。

すでにブライトン男爵家への処分が執行済みのため、彼女は貴族ではなく、ただの平民で重罪人である。


セリーナとセドリックは帝国魔術師団総長の後に続き、カビ臭い魔塔の地下へ向かう階段を降りている。

魔術師団は魔法による戦闘員だけではなく、研究などに力を入れる者も多いため、この魔塔に所属する魔術師たちはほぼ引き篭もっていることが多い。


そんな魔塔の地下は、最も重大な事項…

魔法を使う重罪人や禁術などの実験などは、魔術師団総長の許可を得た者しか入ることができない場所なのだ。


そして、今ここにアメリアが収監されている。

ようやく目的に着くと、そこはいくつかの牢のような空間があった。


「こちらです」と魔術師団総長へ促され、一番奥の牢の前に到着すると、そこには壁に両手を繋がれたアメリアがいた。



「どんな状態なの?」


「最初は魔力制御装置をつけてあるので、この中では自由に動けるようにしていたのですが、その内、鉄格子を蹴りながら「今すぐ出せ」と叫ぶ、喚く、まぁ、騒々しいので、ああやって壁に繋ぎました」



セリーナの質問に、魔術師団総長は頭が痛いと言わんとばかりに片手でこめかみを揉む。


毎日、毎日、そんなことを繰り返されたんじゃ溜まったものではないだろう。


恐らく、防音魔法をかけたかっただろうが秘匿重罪人のため、一番奥の牢に入れなければならない以上、異変が察知できないと困るせいで使えなかったのだろうとセドリックは予想した。



「ふーん、まぁ、いいわ。開けてくれる?」



どうでもいいかのように返答をすると、アメリアの牢の鍵を開けるように指示した。



「ごきげんよう、アメリア」



セリーナが声をかけると、それまで目を閉じ俯いていたアメリアが顔を上げ、セリーナたちに焦点を合わせた。



「…なんで、あなた、たちが…ダリウス、さまは…」


 
叫びすぎたのか、それとも話す人がおらず声を出すことが減ったせいか、アメリアの声は嗄れており、何とか絞り出した言葉だった。



「ダリウスはいないわね~。というか、今回の処罰で貴族籍を剥奪されて国境へ送られたから、もう二度と会えないわね」


「な、なんで…わたし、たち…なにも「何もしていないって?」」



ダリウスがもはや貴族でもなく、国境へ送られたことを聞くと睨みつけながら必死に声を出し、自分たちの正当性を訴えようとしたが、それを面白そうに笑いながらセリーナが遮った。



「何もしていない、なんて通用するわけがないでしょう?あれだけの多くの人の前で醜聞を晒したのだから」



アメリアは話したいのに声が出ないのか、それとも何を話せばいいのか分からないのか…口をぱくぱくとさせていた。


その様子をセリーナはいたずらっ子のような顔をしながら眺めていたが、急に表情を消し、アメリアのピンクブラウンの瞳を真っ直ぐと見据えた。


 
「処刑されなかっただけ感謝なさい」



そう、一言だけ告げた瞬間、アメリアの顔から血の気が一気に引き、顔色が青ざめた。


その様子に満足したのか、また笑みを浮かべ、最後の審判をアメリアに告げた。



「皇帝陛下の名のもとに、平民アメリアは禁術である魅了魔法を使い、他者を操り周囲を混乱に陥れた。その罪は重い。また、特殊属性である光魔法に関して不明点も多いことから、後の魔法の発展のためにアメリアを研究対象とし、同時に円滑に研究を進めるために隷属魔法を施すこととする」



それは、自分アメリアが実験体になるということだと理解し、セリーナたちの目を気にすることなく、ボロボロと涙を零した。



(…なんで?ただ、ただ、わたしはダリウス様のことを好きになっただけだったのに…結婚したかっただけなのに…)



それが叶わない、いや、叶えられない過分な望みだと、最後まで気付くことはなかった。


その後、アメリアは隷属魔法を施され、光魔法の研究に使用された。

隷属魔法により、アメリアは自ら命を絶つことも許されず、死ぬまで光魔法を行使させられた。


元の魔力量が少ない関係もあり、ならばとアメリアに排卵誘発剤を投与したうえで魔力量の多い者と子作りをさせ、子を産まされたりもした。

体外受精させたものを水槽の中で育てることもあった。


最初の頃は枯渇するまで光魔法を使わされたあと、何度もポーションを飲まされて強制的に回復させられながら、何度も、何度も枯渇するまでやらされた。



苦しい、辛い、痛い…

誰か助けて…



そう思っても隷属魔法のせいか、口に出せなかった。



そのうち、だんだんと感情がなくなり、言われたことだけを忠実にこなすようになった。




ああ、いつか、こんな日々が終わる日が来るのだろうか?




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