学園のアイドルが突然「猫の後ろ宙返り、見ない?」って聞いてきた!?

赤青

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聞こえちゃった、彼女の本音

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葉洲(ヨウ・シュウ):「……!?」

無表情の林浅月(リン・センゲツ)を見つめながら、彼はある大胆な推測に至った。

もしかして――
彼女の心の声が聞こえるんじゃないか?

ガチャッ

葉洲が考え込んでいる間に対面の1003号室のドアが閉まった。彼もさっさと自室のドアを閉めた。

「やべえ…マジで林先輩の心の声聞こえてたぞ!?」

「しかもあの内容、普段のクールなイメージと全然違うじゃねーか!ベッドに引っ越してくるとか…」

「これ…完全にキャラ崩壊してるだろ。高冷校花どころか、むしろドストレートなド痴女だし…ちょっとウザ可愛い系?」

デスクに座り、先ほどの心の声を反芻しながら、葉洲は複雑な表情を浮かべた。

これまでクラスで何度か話したことはあるが、あの時は普通の会話だけだった。心の声なんて聞こえなかった。

(今日は一体何なんだ?)
(学園のアイドルの仮面、剥がれちゃってるぞ…?)

「…まあ、明日学校で確かめてみるか」
「まずはスピーチ原稿だ。もう深夜2時か…早く寝ないとマジで死ぬわ」

北安第一高校で常に学年トップ10の葉洲は、先日の模試で初めて3位を獲得した。その功績が認められ、今回の『大学受験50日前誓師大会』でスピーチを任されたのだ。

雑念を振り払い、夜食を頬張りながら原稿を仕上げる。

【02:32:21】

「うわっ、もうこんな時間!?6時起きなのに…」

原稿を終え時計を見て焦った葉洲は急いで寝支度をした。

(林先輩が隣人か…)
ふと胸が騒いだ。

※※※

「陛下~、朝でございますよ~。文武百官が謁見をお待ちでございます~」

翌朝、変な目覚ましで起きた葉洲は、パンをくわえながら急いで支度した。

カチャッ

ドアを閉めると同時に、1003号室から制服姿の林浅月が出てきた。

分厚い校服でも彼女のスタイルは際立ち、冷たい美貌は相変わらずだった。

「おはよう、林先輩。奇遇だな!」

無表情で軽く頷く彼女。
「…おはよう、葉洲くん」

『[奇遇も何も、狙って待ち伏せしたんだからね!]』
『[5時に起きてドアの覗き穴からずーっと葉洲くんを待ってたの!]』
『[これから毎朝一緒に「おはよう」って言える…うふふ]』

エレベーターに乗り込む彼女の後ろで、葉洲は呆然とした。

(いやいや…)
(クールな学園のアイドルって…口は6文字だけど心はペラペラじゃねーか)
(完全にストーカーやん…)

エレベーター内で二人きり。
横顔を盗み見ると、相変わらず冷たいオーラを放っている。

(表と裏のギャップがすごい…)

『[見られてる…!]』
『[昨日寝不足で顔パンパンかも…気づかないでほしい]』
『[はぁ…緊張する…見ないでぇ]』

心の声に反し、彼女は冷静に制服の襟を上げた。

(…可愛いな)
(でも明らかに俺を狙ってるよな?)
(と思ったけど、実はこっちが獲物になってるかも…?)

直接聞けるわけもなく、葉洲は疑問を胸にしまった。

※※※

エレベーターを降りると、林浅月はさっさと歩き出した。

『[ごめんね、先に行くね]』
『[今度勇気出して、一緒に登校しよう!]』
『[自転車気をつけてー!]』

薄明かりの中、昨夜見た黒いマイバッハが待っていた。
白手袋の運転手がドアを開けるのを見て、葉洲は合点した。

「あの車、彼女の家の車だったのか…」
「でもなんでわざわざこんな安アパートに…?」
「マジで俺の隣が目的なのか?でもなぜ?」

自転車をこぎながら、疑問が膨らんでいった。

※※※

教室に着くと、ほぼ全員が朝読書をしていた。
林浅月と目が合った瞬間、彼女の瞳がきらりと光った。

『[遅いよ~]』
『[明日は車で一緒に行こうかな…]』
『[でもどう声かけよう…ムズい!]』

(他の奴らが知ったら腰抜かすぞ…)
(それに…俺にだけ妙にベタベタしてるよな?)

席に着くと、隣の親友熊凱(ユン・カイ)が爆睡していた。
185cmの体育会系で、日焼けした肌が筋肉をさらに強調している。

「数学の宿題出せよ」
「やってねーわ」

葉洲が呆れると、熊凱は悪戯っぽく笑った。
「軍書十二巻、巻巻に爺の名あり!」

本で顔を隠し、葉洲は小声で言った。
「熊凱…実は林先輩、俺の隣に引っ越してきたんだ」

「俺も実は北京体育大学から推薦貰った」
「ハァ?」

熊凱が満面の笑みで返した。
「お前がウソつくなら、俺が秦の始皇帝でも自称するわ」
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