学園のアイドルが突然「猫の後ろ宙返り、見ない?」って聞いてきた!?

赤青

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勘違い女子の逆ギレ

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林浅月が帰った後、葉洲は少し食事を済ませると、まだ時間が早かったので近くの静かな場所で勉強を始めた。

夕暮れ時、熊凱から母親の携帯を使った電話がかかってきた。

「おい、阿洲?やっと母親のやらせた問題集終わったぜ...マジ地獄だったわ」

「ご出獄おめでとう!(牢屋から出てくるスタンプ風)」

「は?それ歪んだ龍王ネタかよ!まあいいや、とりあえず大明宮のワンダーで待ってろ。安い携帯買うからさ」

「ちょうど近くにいるから早く来いよ」

電話を切ると、葉洲は荷物をまとめワンダー広場へ向かった。

◆ワンダー広場 婦人腕時計コーナー
陳汐と親友の蘇妙妙が高級腕時計を見ていた。陳汐は北安一中の元・学園アイドル。ダンス特待生として3年間人気を博していたが、高三で転入してきた林浅月にその座を奪われつつあった。

「シーちゃん、前に気になってた7万円のモデル確かに高すぎるかも~」
「こっちの3万8800円のでも充分可愛いよ?受験終わってから買い替えれば?」

陳汐はうなずいたが、母親に電話が繋がらないことに苛立ちを隠せなかった。

「でもお母さん、まだ電話出ないの...もう閉店10分前よ」

蘇妙妙が突然外を指さした。

「あれ...葉洲たちじゃない?」

陳汐の目が輝いた。葉洲は彼女の母親と親しい間柄で、以前から陳汐に好意を抱いていると思われていた。

「ちょうどいいわ!葉洲に買ってもらいましょ」
「え?でも3万円以上するよ?」
「大丈夫よ。だってあの子私のこと好きでしょ?こんなの安いものよ」

蘇妙妙も同意した。

「そうそう!男子がどれだけお金をかけてくれるかで、愛情の深さがわかるんだから!」

【男子組の会話】
陳汐は腕を組んで葉洲の前に立った。

「葉洲、私あの時計欲しいんだけど、お金足りないの。あなたが払ってくれるでしょ?」

蘇妙妙も続けた。

「早くしてよ!あと10分で閉店なんだから!」

熊凱が激怒した。

「は?頭おかしいんか?自分で買えよ!」

陳汐は涼しい顔で言い返した。

「熊君には関係ないでしょ?葉洲が買ってくれるって」

その時、沈黙していた葉洲がゆっくりと口を開いた。

「あのさ...」
「もしかして、『俺が買ってやる』って本気で思ってた?」

陳汐と蘇妙妙の笑顔が凍りついた。
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